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薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual |
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●幼児顔ってどんな顔?
「あの人は童顔だ」と言ったり、または言われたりすることがあるかと思いますが、大人なのに幼い顔に見えるという根拠はどこにあるのでしょうか。漫画やイラストの勉強をしたことがある人ならすぐにわかると思います。そうです、童顔に見える最大の根拠は「目の位置」にあります。図1を見てください。 えっ? 「なんだか不気味なイラストだ」、ですって?! 我慢して見てください!
左の顔のイラストに比べて、右の顔は幼く見えますよね? なんですって?「眉毛が細くて幼く見えない」ですか? この際、眉毛は無視してください! ふんっ! 要はですね、顔の長さを、目を中心にして上下 ( a = 目より上、 b = 目より下 ) に分けたときにですね、a が b よりも大きいと幼く見えるんですよ! なんでって、子供の顔が大概そうだからですよ。えっ? そりゃあいますよ、中には a の方が小さい子供が。ええそうですよ。幼い頃から老け顔といわれ続けた筆者がそうでしたよ。ほっといてください。
そういうわけで、ここでは、大人の顔を幼児チックにレタッチするテクニックをご紹介します。(レタッチ例参照)
●レタッチ操作の流れ
ここでは、以下の機能を使って補正します。
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[ 修復ブラシツール ] |
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[ ゆがみ ] フィルタ |
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[ クイックマスクモード ] |
レタッチの流れは、以下の通りです。
あらかじめ、 サンプル画像をダウンロードしておいてください。
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サンプル画像を開きます。 |
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「[ 修復ブラシツール ] で肌をキレイにする 」を参考にして肌をキレイにする。 |
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[ ゆがみ ] フィルタで頬を丸くする |
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[ ゆがみ ] フィルタで鼻を小さくする |
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[ ゆがみ ] フィルタで目を大きくする |
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口、目と鼻を選択して [ 新規レイヤー ] にコピーし、拡大縮小や移動をする |
操作1の画面1では [ 修復ブラシツール ] を使って肌をキレイにしています。 [ 修復ブラシツール ] の使い方は、Photoshop Manual の [ 修復ブラシツール ] で肌をキレイにする を参考にしてください。
●レタッチのポイント1 − [ ゆがみ ] フィルタ
Photoshop 7.0 から追加されたとっても便利なフィルタに、 [ ゆがみ ] フィルタがあります。操作2の画面2が [ ゆがみ ] フィルタの起動方法とその画面です。Web 用にリサイズしているため、実際の画面とは細部で異なりますが、その点はご容赦ください。
今回のレタッチで使う [ ゆがみ ] フィルタの機能は、 [ 前方ワープツール ] と [ 縮小ツール ] 、そして [ 膨張ツール ] の3つです。 [ 前方ワープツール ] は、マウスボタンを押しながらドラッグした方向に画像を歪ませることができます。ちょうど、絵の具が乾いていない油絵の上を、指でなぞる感じに似ています。 [ 縮小ツール ] と [ 膨張ツール ] は、名前の通り、画像を縮小させるツールと膨張をさせるツールです。 この2つのツールは、画像の上でマウスボタンをクリックするだけで、ある一定の効果を適用できます。マウスボタンを押し続けると、果てしなく効果が適用され、画面X-1 や画面X-2 のようにやりすぎになることがありますので注意しましょう。
● [ ブラシサイズ ] と [ ブラシの密度 ]
以上の3つの機能を使う上で重要なのが [ ブラシサイズ ] と [ ブラシの密度 ] です。 [ ブラシサイズ ] は、各種 [ ゆがみ ] ツールの効果を適用できる最大の範囲です。「 1 pixel 」 から 「 600 pixel 」 までの範囲で 「 1 pixel 」 単位で設定できます。 [ ブラシの密度 ] は、 [ ブラシサイズ ] で指定した範囲のすべてを 100 とした場合に、中心点からどの程度の範囲にツールの効果を適用するかを百分率で設定します。「 0 」 から 「 100 」 までの範囲で、「 1 」 単位で設定できます。また、設定した数値に関わらず、中心点から遠ざかるほど効果は減少します。
図2 は、 [ 前方ワープツール ] において、 [ ブラシの密度 ] を 「 0 」、「 50 」、「 100 」 の3つで設定した際の、効果の違いを表したものです。 [ ブラシの密度 ] は、以下の特性をよく理解して使う必要があります。
● [ ブラシサイズ ] を選ぶコツ
[ 前方ワープツール ] も、その他のツールにしても、失敗のない [ ゆがみ ] を実現するには、歪ませたい画像に合わせた [ ブラシサイズ ] を選ぶことです。 例えば鼻だけを小さくしたい場合、 [ ブラシサイズ ] が鼻以外のパーツの目や口にかかるようだと、鼻を小さくする際に、目や口までもが変形してしまいます。かといって、鼻の大きさとほとんど同じの [ ブラシサイズ ] を使うと、鼻全体が小さくならずに、鼻の中央だけが歪んでしまいます。つまり、ある程度の余裕をもった大きさで、なおかつ歪めたくない部分が入らないサイズの [ ブラシサイズ ] を使うことが重要です。
● [ ブラシの密度 ] を使うコツ
[ ブラシの密度 ] は、図2 のような特性を持っています。人物の顔のパーツを歪ませたいときなどは、よりリアルに、不自然にならないように歪ませる必要がありますので、 [ ブラシの密度 ] は 「 50 」 にして使うのが最も効果的だと言えます。というのも、 図2 でわかるように、 [ ブラシの密度 ] は 「 50 」 は、歪む部分と歪まない部分の変化が最も自然だからです。リアルさよりも極端な変化を表したいときなどはこの限りではありません。
●アンドゥと [ 再構築 ]
[ ゆがみ ] フィルタで画像を歪ませているとき、直前の処理を取り消したいと思ったときは、 [ Ctrl ] キーを押しながら [ Z ] キーを押します。こうすることで、直前の操作のみを取り消すことができます。すべての歪み処理を取り消して、もう一度初めから歪ませたいときは、[ すべてを復元 ] ボタンをクリックします。 ( 操作2の画面3 )
歪み処理を何箇所かに施してから、画像全体を眺めてみると、ちょっとやりすぎの感じが……というときは、[ 再構築 ] ボタンを一回クリックしてみましょう。複数の歪ませた部分が、元の画像に復元されるように、一段階だけ近づきます。[ 再構築 ] ボタンは、クリックした分だけ元の画像に近づきます。[ 再構築 ] ボタンをクリックした後で、やはり [ 再構築 ] ボタンをクリックする前の画像に戻したいと思ったら、 [ Ctrl ] キーを押しながら [ Z ] キーを押します。
●レタッチのポイント2 − 顔のパーツの変形
冒頭 で解説したように、目の位置を顔の中心に近づけるか、思い切って顔の中心よりも下に移動してみましょう。( 操作4の画面8、9 ) 他の処理をしなくても、これだけで充分に幼児顔になるはずです。他には、口と鼻をやや小さく、目は少し大きくすると効果があります。さらに、頬を膨らめて下膨れの顔にすると子供っぽくなるはずです。
●若返らせるにもほどがあるとお嘆きに貴兄に…
ここまで若返らせる必要は無い! もっと現実的なレタッチ方法はないのかという方のために、人物の写真を若返えらせるレタッチテクニックとして、「写真レタッチ講座」の「美容整形・若返りの術 第5回 第6回」でご紹介しています。ご参考まで……。
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▼画面1 |
サンプル画像(Rumi_S.psd)を開いて、肌をキレイにレタッチする |
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▼画面2 |
[ ゆがみ ] フィルタを起動して、
[ 前方ワープツール ] で頬を膨らませる |
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▼画面3 |
[ ブラシサイズ ] を変えながら画面のようにする |
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▼画面6 |
[ クイックマスクモード ] で口を選択する |
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▼画面7 |
口を [ 新規レイヤー ] にコピーして縮小する |
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▼画面8 |
目と鼻を選択して、 [ 新規レイヤー ] にコピーする |
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