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薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual |
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● [ 修復ブラシツール ] とは?
[ 修復ブラシツール ] は、Photoshop 7.0 から搭載された機能です。 [ コピースタンプツール ] とよく似た機能ですが、それよりもさらに便利な機能を持ったツールです。 [ 修復ブラシツール ] でどういうことができるのかというと、例えばここで紹介しているような、人物の肌のレタッチがとっても簡単にできます。 [ コピースタンプツール ] しかなかった Photoshop 6.0 までのユーザーからしてみれば、なぜ、この機能がいままでなかったの!と思うくらいに便利な機能です。もう少し具体的に説明しましょう。
● [ 修復ブラシツール ] の特徴
[ 修復ブラシツール ] は、 [ コピースタンプツール ] のように、サンプリング(コピー)元の画素を記憶させて、修復したい場所に、 [ ブラシ ] を使う感覚で貼り付けていくツールです。 [ コピースタンプツール ] と違うのは、修復場所にサンプリングの画素をそのまま貼り付けるのではなく、修復場所やその周囲にもともとある画素の色調を調べて、貼り付ける画素の色調を整える機能があります。
初めて [ 修復ブラシツール ] を使う人には、この説明ではチンプンカンプンだと思いますので、「人物の肌をキレイにする」というテーマで、実際にレタッチしながら解説していきましょう。
●サンプル画像のダウンロード
レタッチを始める前に、あらかじめ、 サンプル画像をダウンロードしておいてください。
● [ 修復ブラシツール ] の準備
サンプル画像をダウンロードして開いたら、画面1の手順で [ 修復ブラシツール ] を用意してください。 Photoshop のツールボックスには、一つのアイコンボタンの中に、複数のツールが隠れていますので、初めから表示されているツール以外のものを選択する方法 ( 画面1 手順2 ) を覚えておいてください。
● [ ブラシ ] のサイズを調整
[ 修復ブラシツール ] を選択すると、マウスポインタが「○」に変ります。この「○」のサイズは、 [ 修復ブラシツール ] のブラシサイズを表していて、ブラシのサイズは 画面2 手順3〜4の操作で変更できます。ブラシのサイズを変更する理由は、修正したい画像上の汚れのサイズを意識しているからです。例えば消したいホクロやシミがあるとして、そのホクロやシミのサイズよりも少し大きめのブラシサイズを選んでおくと、一度の操作で修正できるからです。ブラシサイズを選ぶときに注意するポイントは、 [ 硬さ ] の値をレタッチの状況に合わせて変更することです。この [ 硬さ ] は、ブラシの輪郭のぼかし具合を設定する項目で、「0〜100%」の間で設定できます。「100%」だと、輪郭がはっきりしたブラシになり、「0%」だと、大きいぼかしのあるブラシになります。輪郭のぼかしがあるほど、修正後の画像の馴染み具合がよくなります。
●サンプリングしたい場所を[ Alt ] クリック
[ 修復ブラシツール ] を使う際に、一番重要なのが、これから修正をかけようとする場所に使う、キレイな画素を選ぶことです。( 画面3 手順5 ) [ 修復ブラシツール ] は、画像の中のキレイな部分をサンプリング(コピー元を指定)して、修復したい場所に貼り付けていくことで修正するツールです。つまり、サンプリング元が汚いと、修復したい場所も汚れてしまうので注意が必要です。
また、これから修正する場所と似通った場所をサンプリング元に選びましょう。修正箇所の画像とあまりにも異なる場所をサンプリング元に選ぶと、キレイに修正できない場合があります。
●クリック、またはドラッグで修正
サンプリング元が決まったら、修正したい場所をクリックしてみましょう。汚れが一瞬で消えたかと思います。次は、画面3 手順6 の感じで、汚れている場所でマウスのボタンを押したまま少しだけマウスをドラッグしてみましょう。マウスをドラッグしているときには、ちょっと色が変な感じがするかと思いますが、マウスのボタンを離すと、修正したい箇所の色味に色調補正され、すんなりと馴染んだと思います。この自動的な色調補正が [ 修復ブラシツール ] の最大の特徴です。
●広い範囲には [ パッチツール ]
[ 修復ブラシツール ] と一緒に使いこなしたい機能が、 [ パッチツール ] です。 [ パッチツール ] は、修復したい場所を範囲選択して、その [ 選択範囲 ] を修復のサンプルにしたい場所に移動することで、一括修復するツールです。画面5 手順9 で [ パッチツール ] を選び、 画面6 手順10-11の手順で操作します。
●注意点と修復のコツ
[ 修復ブラシツール ] は、色調の変化が緩やかな場所で使うととても効果的ですが、画面7のように、色調が大きく変化する付近で使うと、修復したい場所に、隣接する色調の大きくことなる画素の色が「流れ込んで」しまうことがあります。これは、 [ 修復ブラシツール ] のブラシサイズと、そのブラシのぼかし具合が影響していいます。画面7のブラシは [ 硬さ ] が「0%」のブラシですので、ぼかしが最大になっています。よって、マウスポインタの「○」の境界が肌のみを指定していても、サンプリング範囲は髪の毛に及んでいるため、肌に髪の毛の黒が流れ込んでしまうわけです。
こうした場所では、あまり大きなサイズの [ ブラシ ] を使わず、できる限り小さなサイズの [ ブラシ ] で、こまめに修復するようにしましょう。
[ パッチツール ] も [ 修復ブラシツール ] と同じで、修復したい場所の周囲にある画素の色調と、修復したい場所の画素を同化させる機能があります。 [ パッチツール ] の [ 選択範囲 ] の境界のぼかし具合は、 [ 選択範囲 ] の大きさに比例しますので、画面7のような場所では、 [ パッチツール ] で [ 選択範囲 ] を小さめにして修復するのが効果的です。
画面8 は、 [ 修復ブラシツール ] と [ パッチツール ] だけを使って修復した写真です。
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Photo by Oliya T.Yabuta
▼画面1 |
サンプルファイルを開いて、 [ 修復ブラシツール ] の準備をする |
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▼画面2 |
修復したい場所に合わせてブラシの大きさを調整する |
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▼画面3 |
キレイな場所をコピー元に選ぶ → ホクロを塗りつぶす |
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▼画面7 |
注意点
色調が大きく変る場所で大きいサイズの [ ブラシ ] は使わない |
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