コンテンツのトップページへ 薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual
フォトショップ Tips 目次
-> 機能別 -> パレット -> レイヤーパレット -> 描画モード -> スクリーン
  ■ [ スクリーン ] とは
前のページ スタジオグラフィックス トップページへ ひとつ前のページに戻る
 
Share (facebook)   Photo & Text : 薮田織也
 

● [ スクリーン ] は加法混色する [ 描画モード ]

 「加法混色」とは、照明などの混色の総称で、色を重ねれば重ねるほど、「白」に近づく混色の方法のことを呼びます。[ 描画モード ] の [ スクリーン ] は、「基本色」に対して「合成色」の色を加法混色で掛け合わせるモードです。「結果色」は、「基本色」の色が明るくなります。

 右のレタッチ例では「人物」の [ レイヤー ] の上に「蝶々」のイラスト [ レイヤー ] を重ねて、 [ スクリーン ] にしたものです。 [ スクリーン ] は、ふたつのプロジェクター(映写機)で異なる映像をひとつのスクリーン(壁)に、同時に投影したときのイメージに近くなります

 「基本色」レイヤーと「合成色」レイヤーの画像がまったく同じ場合は、解説1画面3のように、はっきりとその効果がわかります。こうした性格を利用すると、暗い写真を明るく補正するといった応用テクニックが使えます。

  (参照: [ 描画モード ] とは

● [ スクリーン ] はどの程度変化する?

[ スクリーン ] の計算式は、

 
結果色=基本色+合成色− 基本色×合成色

255
  各色は 0 〜 255 の数字で表します

となります。

 解説1は、「 R:128 G:0 B:0 」(カラーパレットを RGB にしたときの数字)という暗い赤で塗りつぶされた円を「基本色」レイヤーに描き、別の [ レイヤー ] である「合成色」レイヤーに同じ円をコピーして、ふたつの円の一部が重なるようにずらして配置したものを、 [ スクリーン ] で合成してみたものです。

 このふたつの円を [ スクリーン ] で合成した「結果色」を [ スポイトツール ] でクリックしてみると、「 R:192 G:0 B:0 」であることがわかります。上の計算式に当てはめてみると…

 
128+128− 128×128

255
=191.749...

と、小数点以下の桁が多い「 191 」となりますが、「結果色」としては、端数が四捨五入されてしまい「 192 」となります。

●「合成色」をコピーしてさらに[ スクリーン ] する

 解説1画面3の [ スクリーン ] した「合成色」レイヤーを別の [ レイヤー ] コピーすると、 [ スクリーン ] のままコピーされますが、そのときの「結果色」はさらに明るい赤になります。この色を調べてみると、「 R:224 G:0 B:0 」であることがわかります。これは、画面3の「結果色」である「 R:192 」に、「合成色」の「 R:128 」を [ スクリーン ] しているからです。つまり…

 
192+128− 192×128

255
=223.623...

ということです。

● R:255 の赤は変化しない

 [ スクリーン ] を使っても何も変化しない色があります。それは RGB 各色が最大値の「 255 」の場合です。つまり、「 R:255 」の赤色は、 [ スクリーン ] しても「 R:255 」のままということです。その理由は計算してみると明らかです。

 
255+255− 255×255

255
=255

 もうひとつ、「 R:0 G:0 B:0 」のような RGB 各色がすべて「 0 」の場合、つまり「黒」も変化しません。

  レタッチ例 ★クリックで拡大  
▼例 上に重ねた [ レイヤー ] の [ 描画モード ] を [ 乗算 ] にすると
Clickで拡大
[ 通常 ] [ スクリーン ]
モデル:渋谷真理子
  解説1 ★クリックで拡大  
▼画面1 [ スクリーン ] とは
Clickで拡大
▼画面2 [ レイヤー ] パレットの [ 描画モード ] を [ スクリーン ] に変更する
Clickで拡大
▼画面3 「結果色」を [ スポイトツール ] で調べてみる
Clickで拡大

● [ スクリーン ] は RGB の各色個別に適用される

 ここでは「 R:128 G:0 B:0 」のように、 RGB のいずれかひとつに色がついている場合で解説しましたが、「 R:30 G:60 B:90 」のように、RGB すべてに色がある場合も基本は同じです。RGB 各色の数値を個別に計算してその演算結果が「結果色」になります。

●関連解説

初出:2005/05/11
文: 薮田織也
 
Share (facebook)  
 
このページのトップに戻る フォトショップ Tips 目次
 
前のページ スタジオグラフィックス トップページへ ひとつ前のページに戻る
 



     
 
 

     
Created by
サンタ・クローチェ
トライセック
リンクについて
著作権について
プライバシーポリシー
 
 
credit