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薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual |
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● [ スクリーン ] は加法混色する [ 描画モード ]
「加法混色」とは、照明などの混色の総称で、色を重ねれば重ねるほど、「白」に近づく混色の方法のことを呼びます。[ 描画モード
] の [ スクリーン ] は、「基本色」に対して「合成色」の色を加法混色で掛け合わせるモードです。「結果色」は、「基本色」の色が明るくなります。
右のレタッチ例では「人物」の
[ レイヤー ] の上に「蝶々」のイラスト [ レイヤー ] を重ねて、 [ スクリーン ] にしたものです。 [
スクリーン ] は、ふたつのプロジェクター(映写機)で異なる映像をひとつのスクリーン(壁)に、同時に投影したときのイメージに近くなります。
「基本色」レイヤーと「合成色」レイヤーの画像がまったく同じ場合は、解説1の画面3のように、はっきりとその効果がわかります。こうした性格を利用すると、暗い写真を明るく補正するといった応用テクニックが使えます。
(参照: [ 描画モード ] とは)
● [ スクリーン ] はどの程度変化する?
[ スクリーン ] の計算式は、
となります。
解説1は、「
R:128 G:0 B:0
」(カラーパレットを RGB にしたときの数字)という暗い赤で塗りつぶされた円を「基本色」レイヤーに描き、別の [ レイヤー
] である「合成色」レイヤーに同じ円をコピーして、ふたつの円の一部が重なるようにずらして配置したものを、 [ スクリーン ]
で合成してみたものです。
このふたつの円を [ スクリーン ] で合成した「結果色」を [ スポイトツール ] でクリックしてみると、「 R:192 G:0 B:0
」であることがわかります。上の計算式に当てはめてみると…
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128+128− |
128×128
255 |
=191.749... |
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と、小数点以下の桁が多い「 191 」となりますが、「結果色」としては、端数が四捨五入されてしまい「 192 」となります。
●「合成色」をコピーしてさらに[ スクリーン ] する
解説1の画面3の
[ スクリーン ] した「合成色」レイヤーを別の [ レイヤー ] コピーすると、 [ スクリーン ] のままコピーされますが、そのときの「結果色」はさらに明るい赤になります。この色を調べてみると、「
R:224 G:0 B:0
」であることがわかります。これは、画面3の「結果色」である「
R:192 」に、「合成色」の「 R:128
」を [ スクリーン ] しているからです。つまり…
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192+128− |
192×128
255 |
=223.623... |
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ということです。
● R:255 の赤は変化しない
[ スクリーン ] を使っても何も変化しない色があります。それは RGB 各色が最大値の「 255 」の場合です。つまり、「
R:255 」の赤色は、 [ スクリーン ] しても「 R:255
」のままということです。その理由は計算してみると明らかです。
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255+255− |
255×255
255 |
=255 |
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もうひとつ、「 R:0 G:0 B:0
」のような RGB 各色がすべて「 0 」の場合、つまり「黒」も変化しません。
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▼例 |
上に重ねた [ レイヤー ] の [ 描画モード ] を [ 乗算
] にすると |
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モデル:渋谷真理子
▼画面2 |
[ レイヤー ] パレットの [ 描画モード ] を [ スクリーン
] に変更する |
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▼画面3 |
「結果色」を [ スポイトツール ] で調べてみる |
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● [ スクリーン ] は RGB の各色個別に適用される
ここでは「 R:128 G:0 B:0
」のように、 RGB のいずれかひとつに色がついている場合で解説しましたが、「 R:30 G:60 B:90
」のように、RGB すべてに色がある場合も基本は同じです。RGB 各色の数値を個別に計算してその演算結果が「結果色」になります。
●関連解説
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