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  ■写真に応じて色調を自動補正 − そのメリット・デメリット
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●自動補正は便利なようでいて…

 CS2 の Camera Raw は、RAW 画像を開くと、自動的に色調補正をかけてくれます。(画面1) もちろん、RAW データそのものに編集を加えるわけではありません。補正した結果は、他の画像ファイル形式で保存するときに、はじめて反映されます。ちなみに、画面2の手順で [ 自動補正を使用 ] を解除すると、撮影時のままの表示に戻ります。

 この「自動補正」機能は、大量の RAW 画像を扱う人にとっては、それなりに便利な機能だとは思います。また、少量だとしても、RAW 現像に慣れていない人には大変便利な機能です。大量だろうが少量だろうが、RAW 現像にこだわる人には「おせっかい」な機能だともいえます。私はこだわるときとそうでないときの差が激しいので……、女性の写真を現像するときには使いませんね。それ以外の写真の現像には、間違いなく「自動補正」を使います。

 では、RAW 現像にこだわる人には、何故「おせっかい」な機能なのでしょうか。

 

●大きなハイライト領域があるとお手上げ

 Camera Raw の「自動補正」機能は、カメラの AE 機能と同じで、ある条件内に収まっている写真では極めて有効に動作しますが、「普通は、こんな写真撮らないだろう」というような、つまり、撮影の基本から外れていると思われる写真では、少しお間抜けになります。

 たとえば、画面3の写真。これは、Camera Raw が勝手に自動補正をかけたものです。本来の写真は画面4です。わざとハイキーな写真を意図して撮ったものなのですが、Camera Raw の「自動補正」機能は、「こんなハイキーな写真は基本を無視している!」とばかりに、全体のトーンを落としてしまうのです。でも、画面3では、あまりにもローキーですよね。トーンを落とした上に、コントラストまで強くしてくれるものですから、肌の色がくすんで汚くなってしまいました。

 なぜ、こんな処理をしてしまうのかと言いますと、背景の窓が 、「 R:255 G:255 B:255 」、つまり、完全なハイライトになっているからです。確かに、まったくの「白」が、こんなにも大きな領域を占めているのは良くはありません。画面でみている分にはまぁ許せるのですが、印刷すると駄目駄目です。そこで、「自動補正」機能が働いて、ハイライトのレベルを落とすわけですが、その際に、写真全体のトーンも一緒に落としてしまうのです。せっかく自動補正してくれるのなら、ハイライト部分だけを落としてくれればいいのにと思うのですが…。

 こうした「自動補正」がうまく作用しないような写真を手動で補正する際に、とっても便利な機能が新しい Camera Raw に搭載されましたので、次のページで、紹介しましょう。 → 読む

  [ 自動補正 ] のメリット・デメリット ★クリックで拡大  
▼画面1 Camera Raw の初期設定は色調を自動補正してくれる
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▼画面2 [ 自動補正を使用 ] をオフにすると撮影時の写真になる
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▼画面3 [ 自動補正を使用 ] は万能ではない
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▼画面4 大きなハイライト領域があると、[ 自動補正 ] はうまく機能しない
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初出:2005/08/03
文: 薮田織也
 
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