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メーカーに聞く
デジタルカメラのココが知りたい!! |
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第10回 ケンコートキナーに聞く
フルサイズに対応した2つの広角レンズへのコダワリ |
2013/01/31 |
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「 純正レンズよりも高性能で低価格、2000 万画素以上のフルサイズ機に対応できる広角レンズを目指した 」
宣伝・広報・NET 課課長
佐藤肇氏 |
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ここ最近のトキナーブランドは、広角レンズに特に力を入れているように見受けられますが、その理由をお教えください。
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佐藤 |
AT-X 16-28 F2.8 PRO FX を発売したのが 2010 年ですが、その当時まで、市場にはフルサイズ一眼レフカメラの性能をフルに引き出せるレンズがあまりなかったので、そこを我々は狙いました。もちろんニコンさんやキヤノンさんでは AT-X 16-28 F2.8 PRO FX とほぼ同じ領域をカバーした広角レンズがありますが、開発された時期が古かったり、スペック的に少々使いづらいなどの欠点を感じたので、ここは我々の出番かなと(笑)。たとえばキヤノンさんの EF16-35mm F2.8L II USM は、2007 年に発売されていますが、その当時のデジタル一眼レフは今ほどに画素数が多くないわけで、これらのレンズが最新のフルサイズ一眼レフの性能を考えて設計されたとは考えにくいと思っています。
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AT-X 16-28 F2.8 PRO FX は、どの程度の画素数に対応させて設計されたのですか?
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佐藤 |
2000 万画素以上のフルサイズ一眼レフに対応できるように、デジタル専用で設計しました。その際、周辺光量と周辺解像度の低下を抑え、カラーバランスとボケ味を重要視しました。
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AT-X 16-28 F2.8 PRO FX が発売され、1年後に AT-X 17-35 F4 PRO FX が登場しましたが、この2つのレンズの違いを教えてください。
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佐藤 |
AT-X 16-28 F2.8 PRO FX は、とにかく高性能で描写能力の高いレンズを目指しました。F 値は 2.8 と明るく、16〜28mm 対応の超広角レンズです。これに対し AT-X 17-35 F4 PRO FX は、F 値は4と落ちますが、コンパクト、軽量でしかも実用性を重視した 17〜35mm の焦点距離を採用しています。 |
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「 レンズは、使う人が納得のいく操作感を大事にしたいと思う 」
トキナー事業部 開発部 開発1グループ
機構設計グループ 課長 高橋正寿氏 |
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話は変わりますが、トキナーレンズの愛用者とはどういう人たちなのでしょうか。また、その愛用者に、トキナーレンズはどういうイメージで捉えられているのでしょう。
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佐藤 |
現在の市場では、純正メーカー製レンズを使う人が8割だと言われています。我々のユーザーさんは、残りの2割の中にいらっしゃるわけですが、その方達のほとんどが純正メーカー製も所有した上で、さらに我々の製品を選んでくれているわけです。つまり、レンズを何本も所有している方々というわけで、当然ですが性能や絵作りにこだわりをお持ちです。その方々からいただく言葉からイメージできるのは、トキナーレンズには、他者にない解像力と色味、そしてボケ味があると、そういう評価をいただいているのだと自負しています。
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AT-X 16-28 F2.8 PRO FX の解像力はわかりますが、広角レンズなのにボケ味に評価があるのには驚きました。( 製品レビュー & 特集 第2回 広角ズームレンズ対決 Tokina vs Nikon vs Canon 「 作例 」 を参照 )
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佐藤 |
当社のレンズは、広角レンズであってもボケ味を追求しています。キレイにボケさすためには、レンズの各収差をバランスよく補正しないといけないんですね。ここで手を抜くと、二線ボケなど、汚いボケになってしまいます。ワイドレンズなのにキレイにボケるというのがトキナーレンズの特徴でもありますね。また、解像力についても嬉しい評価をいただいていまして、星夜写真を撮る方々からは、レンズ周辺で星の点像が崩れない、点光源としてはっきり写るし、青みがからないのが良いとお褒めいただいています。 |
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トキナーは、銀塩フィルムカメラしかなかった時代からレンズの CCI ( Color Contribution Index ) 値を変えていないんですね。CCI とはカラーコントリビューションのことで、日本語でいうと光透過特性です。従来から CCI は、青紫:緑:赤を、0:5:4 にするのが推奨値なんですが、これはカラーフィルムの発色特性に影響するんです。この昔からの基準値にこだわったレンズ設計は、デジタルカメラになってから、失われがちに思うのですが、我々はずっとこれにこだわって設計しています。
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CCI 値が失われがちになった理由と、トキナーがこだわる理由を教えてください。
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佐藤 |
デジタルカメラになってから、レンズメーカーには、レンズの解像力やカラーバランスよりもコントラストを重視する傾向があるんです。コントラストが強い方が、コンピュータのディスプレイ上ではキレイに見えるからというのが一番の理由なんですが、でもそれが紙焼きプリントしたときに落差になって表れてしまいます。やはり美しく紙焼きプリントしたいなら、解像力とカラーバランスが大切なので、我々は CCI 値を基準にしたレンズ設計をしているわけです。 |
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オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えが、フォーカスリングをスライドさせるだけでできる。 |
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AT-X 16-28 F2.8 PRO FX のフォーカルリング部のゴムをめくると、ワンタッチフォーカスクラッチ機構が見える |
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トキナーレンズには、他社にないユニークなフォーカスモード切替スイッチがあります。個人的にはとても使いやすいと感じていますが、利用者の反応はいかがですか?
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高橋 |
レンズ鏡筒のフォーカスリングをスライドさせることで、マニュアルとオートのフォーカスモードを切り替えられる機能を、当社では 「 ワンタッチフォーカスクラッチ機構 」 と呼んでいます。この機能はファインダーを覗いたままで操作できることから、多くの方に好評です。
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佐藤 |
冬場に風景写真を撮る方達にとっては、ワンタッチフォーカスクラッチ機構は重宝するようですね。寒いロケ現場で、手袋をした指で小さなスイッチを操作するのは難しいですから、フォーカスリング全体をスライドさせて切り替えられるこの機能は喜んでいただいているようです。
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高橋 |
プロはもちろんですが、趣味でレンズを扱う方も操作に違和感を感じたくはないはずです。我々もレンズを作るプロですから、使う方が納得のいく操作感を追求したいと思い、こうした機構を開発しました。 |
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ケンコー・トキナーのレンズ開発ポリシーがよくわかるお話しでした。本日はありがとうございました。 |
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株式会社ケンコー・トキナーは、カメラと写真映像の情報発信イベント、CP+ ( シーピープラス ) に出展いたします。
ケンコー・トキナーが取り扱っている製品群を、間近でご覧いただけるブースとなっております。
また、ステージでは撮影講座や製品紹介などを行います。是非お立ち寄りください。
> ケンコー・トキナーブースの見どころ |
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極めて真面目で非凡なレンズ製品を世に送り出し続けているケンコー・トキナーですが、その開発スタッフの方々は、とてもユニークな方ばかり。取材中も終始笑いが絶えませんでした。その内容もご紹介したかったのですが、伏せ字ばかりになるので、残念ながらカットさせていただきました。トキナーレンズの次なる製品も今後続々とリリースされるようですので、当分ケンコー・トキナーから目が離せません。
■ご注意
本文および、メーカーご担当者のコメント、写真/画像等、許可なく転載することはご遠慮ください。
記事内容は記事初出当時のもので、記事で紹介した機能や仕様、しくみなどは変更になる場合があります。製品や機能など、最新情報はご自身でご確認ください。
本文および、メーカーご担当者のコメント内容などは、規格や製品の仕様や特長を保証するものではありません。 |
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