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高解像度に優れたCCD「HR」と、ダイナミックレンジ性能に優れた「SR」 |
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富士フイルムに聞く
インタビューに応えてくれた、富士フイルム株式会社 電子映像事業部 商品部 担当課長 河原 洋氏。 |
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富士フイルムに聞く
インタビューに応えてくれた、富士フイルム株式会社 広報部 宮田 恵実氏。
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富士フイルムの『FinePix F100fd』
従来比4倍のダイナミックレンジを実現しつつ、有効画素数1200万画素、最高感度ISO12800(*4)の高感度・高画質を誇るイメージセンサー「スーパーCCDハニカム HR」を搭載したコンパクトデジタルカメラ。
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ハニカム EXRがめざすもの
「HRとSRで、それぞれ突き詰めてきた高解像度、高感度、広ダイナミックレンジを、ひとつのイメージセンサーで結実させたい」
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Q:
開発を発表した「スーパーCCD ハニカム EXR」のお話を聞く前に、まず現行のスーパーCCD ハニカムの種類と特長を教えていただけますか?
現在、スーパーCCD ハニカムには「HR」と「SR」があります。
高画素化の流れに合うように設計されたのは、高度な微細化技術を採用した「スーパーCCD ハニカム HR」です。高画素と高感度に特長があります。
Q:
一方のSRは高解像度をめざしたものではないんですね?
皆さんもご存じかと思いますが、銀塩フィルムに比べてデジタルカメラで苦手とされている点に"ダイナミックレンジ"の狭さがあります。
「スーパーCCD ハニカム SR」は、ダイナミックレンジを従来と比較して4倍にひろげる技術を導入したもので、白とびや黒つぶれに強い画像を目指して開発しました。面積が大きく感度が高い“S画素”と、面積が小さくダイナミックレンジを広くするための“R画素”という2種類の画素で構成することで実現しています。
解説
デジタルカメラのカタログや広告において、××万画素と表記される画像の解像度は購入の際にユーザが最も気にする点のひとつです。ただし、高解像度(数値が高い)ほど画像が良いかというとそうとは限りません。
例えば、同じイメージセンサー(撮像素子)のサイズ(銀塩カメラでいえばフィルムのサイズ)であれば、1画素(フォトダイオード)の大きさを小さくして、より多くの画素で構成することによって、画素数の値は大きくなります。画素数が高くなれば、ユーザーは高画質な写真が得られるような印象を受けるので、メーカー各社は画素数競争を繰り広げてきました。
それはそれで悪いことではありませんが、もう一歩踏み込むと課題が見えてきます。
例えば、論理的には、1画素の大きさが小さくなることで解像度はアップし、画像もより細かい点で構成できるようになります。しかしその反面、受光面積が小さくなることで光を十分に集めることができず、色の再現の幅が狭くなり、ダイナミックレンジが狭く(白飛び/黒潰れがおきやすい)、画質が低下した画像になりやすいのです(イラスト入りのしくみは「気になる○○教えます デジカメのしくみ 第3回 : 画素数と画質の関係」をご覧ください)。
Q:
異なる特長を持った2種類のイメージセンサーが今後、どのように進化していくかは、デジタルカメラに詳しい多くのユーザに注目されていますね。
「スーパーCCD ハニカム SR」はダイナミックレンジを拡げるという目標を達成し、好評をいただいていますが、高画素化の流れにおいては弱点があります。
高画素化によって1画素がもっと小さくなると、もともと小さい“R画素”を同一サイズのセンサーの中にもっと小さくして入れ込むことにになり、技術的に難しくなります。
Q.
高解像度・高感度で設計、進化してきたHRは、SRに比べてダイナミックレンジは狭いわけですね?
もう少し詳しくお話しすると、ダイナミックレンジはどちらも4倍を実現しています。だから同じということもできます。
しかし、HRの手法は、あらかじめ白トビしない条件で撮影し、画像処理の段階で感度を上げながらシャドー部を明るくする、というやり方です。
そのため、必然的に高感度が必要になり、ISO-100で撮るところを400で撮ることになれば、厳しい目で見ればノイズが乗りやすくなるわけです。
Q.
ダイナミックレンジの性能は同じでも、厳しい目でみるとノイズが乗りやすいと。
長年開発を進めてきた上で、高画素化は進む一方で、高感度も必要だし、SRで実現してきた広いダイナミックレンジも欲しい…どうしたらいいだろうか、ということになったわけです。
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