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「ボディ内」手ぶれ補正を選択した理由 |
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「センサーシフト式」手ぶれ補正のしくみ
ボディ内で行う場合、手ぶれによる光(像)のズレに対してセンサーを移動させて正常な場所で受光するよう調整する。 (図はわかりやすく表現したイメージ『体系的に学ぶ デジタルカメラのしくみ』) |
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ボディ内補正を選択
ボディ内部に装備すれば、すべてのフォーサーズ・レンズで手ぶれ補正機能が使える、それははお客様にとって大きなメリット。 |
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オリンパスの手ぶれ補正ユニット
ボディ内の手ぶれ補正ユニットには、高速に高い精度で移動する「超音波モーター」を採用。(イラスト出展:オリンパスイメージング) |
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手ぶれ補正の精度が高い理由は
「超音波モーター」は顕微鏡のステージをミクロン単位で動かす技術を応用したもの。 |
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解説
手ぶれ補正には、センサーに届くまでの光(像)のぶれを物理的な機構を用いて補正する「光学式」と、センサーが生成したデジタル画像をデータ的に補正する「電子式」があります。
現在、市販されているデジタル一眼レフ製品のカタログでうたわれている「手ぶれ補正」機能のほとんどは光学式です。
光学式には大きく分けて2種類があり、レンズ内部にこの機構を装備して光(像)のぶれを補正する「レンズシフト方式」と、受光するセンサーを動かしてぶれを補正する「センサーシフト方式」です。前者を「レンズ内」手ぶれ補正、後者を「ボディ内」手ぶれ補正と呼ぶこともあります。
Q:
御社の手ぶれ補正に対する考え方や特長を教えてください。
当社のデジタル一眼では『E-3』『E-510』『E-520』のボディ内に手ぶれ補正機構を装備しています。
Q:
「ボディ内」手ぶれ補正を選択した理由はなんですか?
ボディ内部に装備すれば、すべてのレンズでこの機能が使えることです。フォーサーズに参入してから私たちは既に19種類のレンズを発売しています。松下電器さんやシグマさんの製品を合わせると37種類あります。ボディ内手ぶれ補正機能の製品を使えば、これらのレンズすべてで手ぶれ補正が使えます。
Q:
ユーザーの利便性を考えてボディ内を選択したのですね。機能や性能面で「ボディ内」を選択した理由はありますか?
レンズ内に手ぶれ補正機能を装備すると、レンズ製品自体が大きくなってしまったり、補正用レンズを組み込むことで光学性能が犠牲になる可能性がある。と私たちは考えます。
Q:
「ボディ内」にした方が、コンパクトなレンズ製品が開発でき、レンズの性能も犠牲にしなくて済む、ということですね。
フォーサーズの特長のひとつに「小型・軽量」があり、すべてのレンズで機能を使えることはお客様のメリットが大きい、と思い「ボディ内」を選択しました。
Q:
手ぶれ補正の機構にオリンパスならではの特長はありますか?
高速で正確にセンサーをシフトさせる超音波モーターを採用し、横方向と縦方向の補正を制御しています。私たちは「SWD(スーパーソニック・ウェーブ・ドライブ)」と呼んでいますが、この超音波モーターはストップ・アンド・ゴーが極めて正確です。レンズの種類や撮影条件によって異なりますが、『E-3』ではシャッタースピード最大5段分、『E-520』では最大4段分の手ぶれ補正効果があります。
Q:
他社の手ぶれ補正には負けないと言える理由がありますか?
私たちはもともと顕微鏡の開発でスタートしていて、顕微鏡のステージをミクロン単位で動かすのに超音波モーターを開発してきました。それを応用した技術です。
Q:
精度の高い制御ができるんですね。ところで『E-520』にはボディ内に手ぶれ補正機能が搭載されていますが、『E-410』にはありません。これは製品ラインアップ上の差別化ですか、それともE-410のボディサイズでは手ぶれ補正が入らなかったのでしょうか。
手ぶれ補正機能を加えると、実際にメカニカルな機構が必要になって厚みが増えますので、開発時の技術ではE-410の本体に入れるのは難しかったと言えるでしょうね。
Q:
最新機種のコンパクトデジタルカメラでは、手ぶれ補正はどう対応していますか?
電子式も採用していますか?
電子式と言うか、ISO感度を上げて手ぶれを発生しにくくする機能があります。更にボディ内に光学式の手ぶれ補正機構も装備(DUAL IS)している機種もあります。
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>> 次回の「メーカーに聞く デジタルカメラのココが知りたい!!」
第03回 シグマに聞く 「レンズ内とボディ内 手ぶれ補正のしくみと特長」
- ボディ内とレンズ内 手ぶれ補正はどっちがベター?
- レンズ内手ぶれ補正は画質が劣るって本当?
- 手ぶれ補正はいつもONがいいの?
- 三脚を使うとき、手ぶれ補正はON? OFF?
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- フォーサーズってなに?
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- なぜデジタル一眼はムーピーが撮れないの?
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