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新・女性の撮りかた講座
第3部 間接光の上手な使い方 その4
最終回 室内編 + おまけフォト 2005/12/14
 
■ハイライトを柔らかく表現しよう
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 以前にも書きましたが、室内に射し込み、壁や天井などに乱反射した自然光は、直射日光に比べて柔らかく、女性の優しい雰囲気を撮るのに向いた光です。しかし、それでもやっぱり太陽光は想像以上に明るいものです。ちょっと気を抜いて撮影していると、写真のハイライト部分は白飛びしてしまうほどです。この白飛びも使い方によっては面白い絵を撮るための重要な光になりますが、基本的にはあまり歓迎できません。デジタルカメラで撮った写真で、人物の顔や体の一部が白飛びした写真があったら見てみてください。ハイライト部分の周囲の階調が美しくないのがわかるはずです。ネガやポジなどの銀塩写真なら、ちょっとやそっとのハイライトで白飛びすることは稀ですが、フィルムに比べてラチチュードの狭いデジタルカメラは、こうしたシーンに弱いと思います。

●白飛びを抑えるには

 

 特別なテクニックではありませんが、デジタルカメラは撮影したその場で絵を確認できるので、細かな露出補正を行ないながら白飛びを避けるようにしましょう。デジタル一眼レフの場合、液晶画面で白飛びと黒潰れを確認できるものが多いので積極的に使うようにしましょう。また、失敗を避けるためにも露出の異なる写真を連続で撮るオートブラケット撮影を使うのも手です。

●フィルターで工夫

 

 必ずしも白飛びを抑えられるというわけではありませんが、特殊なフィルターを使ってハイライト部分の階調表現を柔らかくするというのもありです。たとえばソフトフォーカス系の「Duto(デュート)」というフィルターは光を滲ませる効果のある製品で、これを使うと全体的に柔らかな絵になり、特にハイライト部分の階調が滑らかになります。その他のソフトフォーカス系フィルターに比べてソフト度が最も弱く、わざとらしい絵になりにくいの点で好感が持てるフィルターです。

 本講座ではもっとたくさんのフィルターを紹介する予定でしたが、筆者の怠慢で忘れてました。すみません。また機会があったら他のフィルターのサンプル写真を紹介することにしますね。

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写真0 冬の陽射しがたっぷりと射し込む窓際で、Kenko Duto という特殊効果用フィルターを使って撮影しました。このフィルターを使うと、ハイライト部分がきれいに滲んでくれます。
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  モデル:藍 海夏

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写真1 同じく、Kenko Duto という特殊効果用フィルターを使っての撮影。全体的に白が多い絵ですので、ハイライトが飛び過ぎないように注意しました。
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  モデル:藍 海夏
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写真2 Kenko (ケンコー) 製フィルターの Duto (デュート)。写真をソフト系(軟調効果)にする特殊効果用フィルターで、光がにじむ効果があります。無色透明のガラスの表面に同心円状の溝がいくつも切ってあり、その効果によってソフトフォーカスな絵になります。ソフト系フィルターの中で最もソフト度が弱く、中望遠レンズに適しています。
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写真3 Kenko (ケンコー) 製フィルターの Duto (デュート)。写真をソフト系(軟調効果)にする特殊効果用フィルターで、光がにじむ効果があります。無色透明のガラスの表面に同心円状の溝がいくつも切ってあり、その効果によってソフトフォーカスな絵になります。ソフト系フィルターの中で最もソフト度が弱く、中望遠レンズに適しています。
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■おまけフォト
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 さて、「新・女性の撮りかた講座」もこれにて終了です。? えっ? 最終回だってのに本文がこれだけか、ですか? 確かに短いですよねぇ…。それでは、以前にもやった手段ですが、ボツになっていた写真と最近の撮り下ろし作品をおまけフォトとしてアップするってことで、お茶を濁してしまいましょう。(謝)

 来年の新企画(予定)では、私以外の写真家で、これまた新しいモデルさんに登場してもらうつもりです。お楽しみに。それではさようなら。

 

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写真4 再スタートした「新・女性の撮りかた講座」(第17回)の冒頭で使った写真の別カットです。
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  モデル:藍 海夏

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写真5 普段使っている銀レフの前に立ってもらって、ストロボを手持ちにして斜めから当てました。
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  モデル:藍 海夏

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写真6 Tripper mini と 「澤口留美の物撮り講座」で使っている COOLPIX 5200 を持ってもらった広告ショット。実際の広告で使うにはデザインにあわせて色調補正する必要があり、もっと派手目の色が好まれるのですが、私はこうした落ち着いた色味が好きです。
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  モデル:藍 海夏

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写真7 Tripper mini 藍 海夏。氷点下 15 度という、ふざけたロケーションでの撮影。必要性がまったくないのに、こんな場所で撮影するのは論外です。モデルの表情が固まります。カメラマンも手ブレします。
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  モデル:藍 海夏

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写真8 2004年真夏の写真ですが、使っていなかったので掲載しました。かなり陽射しが強かったのを覚えています。
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  モデル:藍 海夏

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写真9 藍 海夏がモデルを初めてから、初の伊豆ロケでした。海夏はバスケの選手だったせいか、体のあちこちに痣がたくさんあって、メイクさんにファウンデーションで隠してもらっての撮影です。この後、E-20 がなぜか動かなくなって、昇天してしまいました。
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  モデル:藍 海夏

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写真10 クリスマスツリーを背景にしての撮影。ツリーの灯りをぼかしたかったので、ズームを望遠に、絞りを開放にして撮りました。ストロボも正面照射だとツリーの灯りが消えてしまうので、近くにあった銀色の柱にバウンス発光。なんとなくいい雰囲気に撮れました。
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  モデル:澤口 留美

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写真11 エレベータの中の鏡を使って撮影。極めて暗い場所だったので、増感してわざとコントラストの強い写真にしてみました。
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  モデル:澤口 留美

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写真12 暗い廊下で、壁に当たっているスポットライトの下に立ってもらっての撮影。顔が暗くならないように光の方を向いてもらい、目線を上に。構図的に目線の方向を大きくあけた絵作りをしました。
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  モデル:澤口 留美

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写真13 渋谷 真理子の CD ジャケット写真撮影の合間に、息抜きで撮らせてもらった一枚。渋谷は瞳にインパクトがあるので、それを強調させてもらいました。
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  モデル:渋谷 真理子

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写真14 伊豆は城が崎の切り立った岩場で、朝食を食べに出てきた「ジョウビタキ」(?)を見つけました。長い時間そこに佇んでいてくれたので、たっぷりと撮影できました。水平線から昇ったばかりの陽射しのおかげで、鳥も岩場も強いコントラストになりました。
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初出:2005/12/14 このページのトップへ
 

     
 
 

     
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