以前にも書きましたが、室内に射し込み、壁や天井などに乱反射した自然光は、直射日光に比べて柔らかく、女性の優しい雰囲気を撮るのに向いた光です。しかし、それでもやっぱり太陽光は想像以上に明るいものです。ちょっと気を抜いて撮影していると、写真のハイライト部分は白飛びしてしまうほどです。この白飛びも使い方によっては面白い絵を撮るための重要な光になりますが、基本的にはあまり歓迎できません。デジタルカメラで撮った写真で、人物の顔や体の一部が白飛びした写真があったら見てみてください。ハイライト部分の周囲の階調が美しくないのがわかるはずです。ネガやポジなどの銀塩写真なら、ちょっとやそっとのハイライトで白飛びすることは稀ですが、フィルムに比べてラチチュードの狭いデジタルカメラは、こうしたシーンに弱いと思います。
●白飛びを抑えるには
特別なテクニックではありませんが、デジタルカメラは撮影したその場で絵を確認できるので、細かな露出補正を行ないながら白飛びを避けるようにしましょう。デジタル一眼レフの場合、液晶画面で白飛びと黒潰れを確認できるものが多いので積極的に使うようにしましょう。また、失敗を避けるためにも露出の異なる写真を連続で撮るオートブラケット撮影を使うのも手です。
●フィルターで工夫
必ずしも白飛びを抑えられるというわけではありませんが、特殊なフィルターを使ってハイライト部分の階調表現を柔らかくするというのもありです。たとえばソフトフォーカス系の「Duto(デュート)」というフィルターは光を滲ませる効果のある製品で、これを使うと全体的に柔らかな絵になり、特にハイライト部分の階調が滑らかになります。その他のソフトフォーカス系フィルターに比べてソフト度が最も弱く、わざとらしい絵になりにくいの点で好感が持てるフィルターです。
本講座ではもっとたくさんのフィルターを紹介する予定でしたが、筆者の怠慢で忘れてました。すみません。また機会があったら他のフィルターのサンプル写真を紹介することにしますね。
さて、「新・女性の撮りかた講座」もこれにて終了です。? えっ? 最終回だってのに本文がこれだけか、ですか? 確かに短いですよねぇ…。それでは、以前にもやった手段ですが、ボツになっていた写真と最近の撮り下ろし作品をおまけフォトとしてアップするってことで、お茶を濁してしまいましょう。(謝)
来年の新企画(予定)では、私以外の写真家で、これまた新しいモデルさんに登場してもらうつもりです。お楽しみに。それではさようなら。