冒頭で登場した「ガイドナンバー」について解説して起きましょう。
*1 ガイドナンバー(GN) |
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ガイドナンバー(以下 GN )とは、ストロボを使ったときのカメラの最適露出を表す数値です。ただし、ストロボのカタログ値として使われるときは、ストロボの光量、すなわち性能を表す数値として考えていも良いでしょう。ストロボの性能としてみるときは、
GN の数が大きいほど光量が強く、小さいほど弱くなります。なお、 GN は、ISO
感度 100 を基準にしています。
最適露出の数値としてみるときは、以下の式を当てはめます。
GN = 絞り値 × 距離(m)
たとえば、絞り値が 2 で、ストロボから被写体までの距離が 3m だとすると、2×3=6
ですから、 GN が 6 であれば十分な光量が得られるということになります。この式を入れ替えて、以下のようにすれば、最大
GN と距離だけがわかっているときに、最適な絞り値を得たり、最大 GN と開放したときの絞り値がわかっているときに、最長の距離を知ることができます。
絞り値 = GN ÷ 距離(m)
距離(m) = GN ÷ 絞り値
たとえば、 GN 40 のストロボは、開放の絞り値が 2 の場合、20m 先の被写体を写せるということになり、また、同じストロボで
10m 先の被写体を写すときは、最適な絞り値が 4 であるということがわかります。
さて、 GN は ISO 感度 100 を基準にしていると書きましたが、ではデジタルカメラを
ISO 200 のモードに切り替えたときは、上記の式はどうなるのでしょう。 ISO
100 に対して ISO 200 は2倍の感度があるということになりますね。だとすると、
GN 40 のストロボは、 ISO 200 で撮影したときに、 GN 80 相当になるのでしょうか? 残念ながら
ISO 200 では、約 1.4 倍の GN 56 相当 にしかなりません。これは、ストロボの光が放射状に拡散するためです。ストロボと被写体の距離が倍になると、光が照射される面積は「4倍」になるので、
GN を2倍相当にしたいときは、ISO 感度を4倍にする必要があるということになります。この関係を式にすると以下のようになります。
GN = ISO 100 のGN
× √( 設定した ISO 感度 / ISO 100 )
たとえば、 GN 40 のストロボを ISO 200 で使うときは、40 ×
√( 200 ÷ 100 ) となり、つまり 40 × √2 で、40 × 約
1.4 = 56 となるわけです。
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