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女性の撮りかた講座
第8回 女の子と撮影旅行に出かけよう <3>
〜 温泉宿での撮影 〜 2003/9/17
 
温泉宿の情緒を表現しよう
ストロボは使っちゃダメ?
マクロで撮影
モデル:寺崎佑紀   ロケ地:大沢温泉ホテル
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  ■温泉宿の情緒を表現しよう このページのトップへ  

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写真1 写真をClickで拡大
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写真3 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀

 水着の艶っぽい写真の後は、やっぱり温泉宿!今度は情緒や風情といったものを表現してみましょう。温泉宿って言っても、最近ではなかなか風情のある旅館やホテルがないですよねぇ〜。その点、今回撮影させてもらった大沢温泉ホテルは風情や情緒がたっぷりです。ほんと、快く撮影許可をいただけましたし、とってもいいロケーションを提供していただきました。残念ながらチェックインまでの1時間ちょっとしか時間がなかっため大慌てで撮影したので、実際の撮影現場は風情もへったくれもありませんでしたけどね。(笑)

●少しアンダー気味にマニュアル設定

 さて、風情だの情緒だの、どうやって表現するんだぁ!ってことを聞かれそうですが、それはやっぱり光をどう使うかですよね。本当は窓から差し込む太陽の光の使い方を紹介したかったんですが、前から書いているようにこの撮影日は雨。

 それじゃぁ雨の日なりの表現をしていみましょう。

 雨の日は空気が重く感じませんか? その空気の重さが雨の日のしっとり感を醸し出しているわけなんですが、撮り方によっては写真にも「空気の重さ」を表現できるんです。そのもっとも簡単な方法が、カメラのプログラムAEが設定する適正露出に頼らないこと。プログラムモードで撮影すると、雨の日の表現としては、どうしても少し明るめ(オーバー)になってしまいます。そこで、プログラムAEが設定した絞り値やシャッタースピードよりも一段階暗く(アンダー)になるようにマニュアルで設定してやります。たとえばプログラムAEで絞りが開放に設定されていたら、一段階数字を大きな方に設定します。シャッタースピードの場合は、設定値より速い方に設定します。こうすることで、写真全体が少しアンダーになり、適正露出では撮れない空気の重さが表現されるようになるはずです。

 もちろん、マニュアル設定ができるデジタルカメラでなければ こうした方法はとれません。また、アンダー気味に撮影すると、被写体も暗くなってしまいますから、マニュアル設定した後にレフ板などで被写体に光を集めるようにします。

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写真4 写真をClickで拡大

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写真5 写真をClickで拡大

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写真6 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀

 さて、アンダー気味に撮影する場合、絞り値を一段階下げる撮り方をすぐに思いつくかもしれませんが、絞りを開放側から絞り込んでいくと、ポートレートに必要な背景のボケ足が足りなくなっていきます。できれば、絞りだけはできる限り開放に設定していたいはずです。となると、設定するのはシャッタースピード。今回の写真はできるだけ絞りは開放に寄せて、シャッタースピードを一段階落として撮影しています。

 撮影を数多くこなしていくと、その場の明るさを見ただけで、自然に絞り値とシャッタースピードが計算できるようになりますが、慣れないうちは一度プログラムAEで適正露出を設定してもらい、その数値を覚えてから絞りなりシャッタースピードなりを変えるといいでしょう。

●ストロボの是非

 雨の日の情感を演出するためには光をどう使うかが課題と書きましたが、雨の日は光が弱いためにどうしてもストロボに頼りたくなります。でも、ストロボの光は被写体が平面的になりがちです。写真5はストロボを正面から焚いています。それでも、強い光が当たらないように、少し離れてズームで寄りの写真にしています。こうすることで、ストロボの光が弱まって自然な雰囲気が出せますが、それでも被写体に自然な影が作れず平面的になってしまっていますよね。

 できれば写真6写真7のようにストロボは使わずに、被写体に自然な光が当たる場所を探して撮影するか、レフ板で光を被写体に当てて撮影しましょう。ストロボを使わないで撮った写真の方が、被写体の影が自然にできて雰囲気のいい写真になっていると思いませんか?

 写真4は窓から差し込む光を目一杯使って撮影しています。この写真は1/20秒という遅いシャッタースピードになっています。できれば三脚を使って撮影するのが望ましいでしょう。これに対して冒頭の写真は同じ場所でストロボを使って撮影しています。ただ、被写体の背面になる白い壁にバウンスさせての撮影ですので、極端に強い光にはなっていません。あなたはどちらの写真が好きですか?

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写真7 写真をClickで拡大
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写真8 写真をClickで拡大
  ■マクロで撮影 このページのトップへ  

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写真9 写真をClickで拡大
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写真10 写真をClickで拡大
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写真11 写真をClickで拡大
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写真12 写真をClickで拡大
  モデル : 寺崎佑紀

 今回の最後にご紹介するのはマクロ撮影です。人物をマクロで?と思う人もいるかもしれませんが、女性のポートレートでは良く使われる手法です。

 

●マクロレンズを使おう

 最近のデジカメにはマクロ(接写)モードというのが標準で用意されていて、切り替えるだけで焦点距離を極端に短くして、被写体にグッと寄って撮影できます。それとは別に、マクロ用のコンバージョンレンズで光学的に接写できるようにすることもできます。写真9はマクロレンズを使い、接写しています。マクロレンズを使うとより被写界深度が浅くなって、背景を思い切りぼかすことができます。

 今回使ったマクロレンズはオリンパスE-10/20用のマクロエクステンションレンズプロ MCON-35 というコンバージョンレンズで、約49×37mmの範囲が画面いっぱいに撮影できます。

 

●マクロレンズと外部ストロボ

 オリンパスE-10/20のような内蔵ストロボ搭載タイプの一眼レフデジカメで、マクロレンズのようなコンバージョンレンズを使うと、画角が変化してしまうので、マクロレンズ装着時には内蔵ストロボが使えません。ストロボ撮影するときは、外部ストロボが必須というわけです。

 また、マクロレンズで接写しているときには外部ストロボをバウンス発光させることも必須です。写真10は縁側の天井にバウンスさせて撮影しています。

 

 さて、今回はここまででおしまいです。次回も大沢温泉ホテルで撮影した写真から、寺崎佑紀ちゃんの浴衣姿をお届けしたいと思います。お楽しみに。

 
初出:2003/9/17 このページのトップへ
 

     
 
 

     
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