コンテンツのトップページへ 髭達磨・薮田織也のプチ日記
 2005年 3月 14日 月曜日 万里の長城
 
京に行くなら必ず万里の長城へ行って来いと日本の知人に言われていたのだが、とにかくひねくれ者の髭は、世界遺産だろうが重要文化財だろうが、観光地と名のつくものにあまり興味をひかれないのである。観光ルートで行く場所はどうせ人でごった返しているはずで、遺跡を見ながら遠い過去に思いを馳せるなんてことは絶対にできはしないだろうし、第一に、髭は人ごみが大の苦手なのである。

ごみにいると髭は、いろんな人の「気」をもろに「受信」してしまうのである。その結果、頭が痛くなるし、究極は性格が凶暴になる。だから満員電車に乗った日には、鮨詰めの客車に満ち溢れた殺意を吸収してしまい、傷害事件を起こしかねないと思うのである。でもまあ、最近は受信機の感度を鈍らせる方法を少し覚えたので、まぁなんとか無事に電車に乗っているが、今回は中国である。髭は中国人全員が気功とカンフーを使えると思っているので、中国人の人ごみに入った日には大変だと思うのである。瞬時にして北京語や広東語を解し、数メートルもジャンプしてサッカーボールを蹴り始めるかもしれないではないか。そんなことになったら、普段の運動不足がたたって大怪我をするに決まっているのだ。

もまぁ、結局は「万里の長城」に行ってきたわけで、観光地だから、心配していた中国人の人ごみには出くわすもことなく、逆に日本人の修学旅行の学生の品の悪さに辟易してきた次第だ。しかし、中国はどこに行っても土産物売りがいる。長城を歩いていると、見事に一定間隔で売り子がいて、こちらを日本人だと思うと怪しい日本語で声をかけてくる。どこに行こうが土産物なんか買わない主義だし、相手が日本人だと値段が釣り上がるのにも腹が立つというわけで、始終ムスッとした顔をして歩いていたら、まったく売り子が声をかけてこなくなった。一緒に歩いていた澤口留美に「なんかすごく怖い顔してるわよ」と言われて、初めて理由がわかった。そういえば、日本でもムスッとして歩いていると人が避けて通る。逆に、盛り場を歩いていると怪しい黒服が笑顔で挨拶してくれる。髭は本当はすごく気が弱いのに…。それからは、口角を吊り上げてニコニコしながら長城を歩いていたら、かえって気味悪がられてしまい、誰も近寄らなくなってしまった。

んだか腹立ち半分日記みたいになってしまっているので、少しくらいは万里の長城についての薀蓄を書かなければと思うのではあるが、そんなのはどこかの旅行ブログにでも任せたほうがよっぽど読者のためになるはずなので、やっぱりやめておこうと思う。それはともかく、この万里の長城。観光地以外の場所では、世界遺産などと知らない地域住民が住居の資材にと長城のレンガを持ち去っていくために、ひどいところではほぼ1kmにも渡って長城が消えてしまっているのだそうだ。こうした地域は中国でも最も貧しい地域だそうで、当局の目も行き届かないのだそうだ。しかし、世界遺産だなんて概念が生まれる以前、もっともっと貧しい人々がいただろう中国で二千年の年月を耐えてきた長城だ。その長城が現代になって急速に消え始めているということは、今の中国人の「貧しさ」は昔のそれとは別次元のものなのではないかと思えてしまう。確かに、長城を削りとるしか術のない人々にとっては何の役にも立たない長城だ。そんなものを世界遺産だとか、歴史的に重要なんだからと保護することを迫ったところで、富める国のエゴだと反感を買うだけだろう。また、中央だけを富ませることに必死で少数民族や地方は後回しの政策しかとれないかの国の行政ごときが、長城を破壊すると 7 年の禁固刑(本当のことらしい)だといくら脅してみたたところで、彼らにとっては貧しい土地で生きていくより、いっそのこと牢に入った方が幸せだと思うことだろう。なんだか悲しいねぇ…。
 
▼写真1  
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北京から高速道路で1時間ちょっとで行くことのできる「八達嶺」から万里の長城に入った。長城を歩くルートには、斜度のきつい男坂と緩い女坂があるというので、見栄っ張りの髭は男坂に。中国人のガイドは「 90 度の斜度がある」と言っていたが、それじゃ壁じゃないかと突っ込んではみたが伝わらなかった。実際には 40 度強の斜度があり、登りよりも下りが相当疲れた。二度と行きたくない。



▼写真2  
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さすがに男坂には人通りが少ない。観光客が誰もいない隙を狙って撮影。天候に恵まれて、PL フィルタ無しでもいい空が撮れたが、延々と続く長城の全景を撮るほどには空気が澄んでいなかった。








 このプチ日記を書いていたら、中国で反日デモが…。またいつものことだと思ってたら、今までにないほど大規模なデモだという。これに便乗したのか韓国からは、「日本は徐々に世界から孤立していくだろう」などというコメントが出てくる始末。中国政府は民間主導の反日デモだと主張してはいるが、一連の動きを客観的に見ていれば、共産党に対する国民の不満を回避させるために、デモを黙認もしくは暗に奨励していることは明らかだ。つい最近、中国に行って中国人と接してきたからなおさらなのだが、非常に残念だ。2008年の北京にまた来てくださいと言われもしたが、暴力と破壊でしか民意を表せない国など行きたくないと言うのが本心だし、こうした民意の低さを露呈してしまう国ではオリンピック開催も危ういだろう。今の日本人は集団で相手国の国旗を焼いたり製品を壊したりしない(と思う)。同じ理由で、中国の反日運動を利用する韓国にももう行きたくないな…。(淋)
 
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