ポンチあにめってご存知でしょうか。
知らないですわよね。
なぜならなかなか広まらないゆきぴゅーの造語だからです。だけど“ポンチ絵”というと「時々使うよ」っていう人がいらっしゃるかと思います。特に年配の方の中には。
辞書で“ポンチ絵”を引いてみると、『風刺や寓意を込めた、こっけいな絵。漫画』とあります。
図面などを描く建築業界などでは正式なものではないラフな絵のことをポンチ絵ということがあるそうですが、いずれにしてもその音の響きからして脱力系な絵のことであって、絵描きさんに向かって真顔で「あなたのポンチ絵はお上手ですね」とは決して言ってはいけません。
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タダごはで描いたイラストがショートポンチあにめ制作のきっかけ |
でもゆきぴゅーの場合は違いますの。マウスで絵日記を描きはじめた頃、元お師匠サマに「なんだこのポンチ絵は!」と言われたことから始まったイラストレーター人生。
名刺に“ポンチ絵師”と入れようかと 思ったこともあるくらい、ひそかに気に入っているのです。
そういえば何年か前に出した弟子入り本のプロフィール欄に、
・・・・デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。
と書いたら、若い編集担当から「ポンチ絵って何ですか?」とメールが来たことがありましたわ。
そんなことはさておき、そのポンチ絵を動かしたらポンチあにめになるのです!
というわけで今回は、最近わたくしが制作意欲を燃やしているポンチあにめの作り方をご紹介しようと思います。
ちなみに長いアニメーションを作るとなるとそれなりに時間がかかってしまうので、ゆきぴゅーは短いバージョンを作っているのですが、実はそのショートポンチあにめを作るきっかけだったのがこの回で描いた高飛び込みのイラストでしたの。
マウスを使って巨大ビアジョッキの中にゆきぴゅーをひゅ〜と落とすのを何度もやって遊んでいた時に、「これくらいならアニメーションができそうですわ」と思って作ってみたのです(そのショートポンチあにめがこちら)。
実は数年前にもこのようなショートあにめをFlashで作っていたことがあったのですが、ご存知のようにiPhoneやiPadなどではFlashが再生出来ないため、今は動画ファイルで作るようになりました。
まずは絵コンテを作ることから始めます。(完成した作品「ゆきぴゅーのポンチあにめ "しあわせのユキパカちゃん"」はこのページの末尾に!!)
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絵コンテ |
アニメーション制作の設計図とも言われる絵コンテはとても重要なので、ポンチ絵といえどもこの時点でしっかりと描き込んでおかなくてはいけません。
絵コンテが出来たらいつものようにフォトショップでイラストを描きます。ここでは背景以外を描くのですが、今回は「ユキパカちゃん」という新キャ ラクターの登場だったのでとても楽しい作業でしたわ。
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いつものようにPhotoshopを使ってキャラクターを描きます |
次は背景です。今回は階段や家の塀などすべて3Dで作ってみました。それらの背景をさっき描いたキャラクターと合成する作業が次の工程です。
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ユキパカちゃん登場シーンのほわほわをAdobe After Effectsで作っています |
これにはAdobe After Effects(アフターエフェクト)というソフトを使います。ユキパカちゃん登場シーンのキラキラ や、去った後の砂けむりなどのエフェクトをかけるのがこの段階です。
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ほわほわの中にキラキラなエフェクトを合成します |
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ネボケ荘の看板のテクスチャをPhotoshopで作ります |
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六角大王Superというソフトを使って立方体を作り、さっき作った看板のテクスチャを貼ります |
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アパートの看板ができました |
最後はAdobe Premiere(プレミア)というソフトを使って編集します。テロップがあればこの時に入れます。
そして最終的に音楽を合わせるのですが、今回は版権フリーのクラシック音楽、映画『バトル・ロワイアル』で使われたレクイエム(ヴェルディ)を選んでみました。
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編集作業はAdobe Premiereで。テロップや音楽をここで組みます |
これでめでたく完成です。
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皆さまもぜひスマホやiPhone、iPadなどでポンチあにめをお楽しみ下さいませね |
というわけで、ポンチあにめ制作講座いかがでしたでしょうか。今後ポンチあにめを作ろうという方(がいるかどうかはわかりませんが)の参考になれば、ポンチ絵師としてこれ幸いでございます。
これからもどんどん作ってブログなどで紹介していきたいと思っていますのでお楽しみに〜♪
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