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39.暑い夏と札束とーちゃんの秘密でごちそうさまですの。 2007/08/01
 

■ 札束とーちゃんの秘密を知ってしまったゆきぴゅーは・・・

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ゆきぴゅーのお部屋にはエアコンがありません。

今にも壊れそうな扇風機が一台あるだけですの。
いつもにもましてジメジメした日が続いた今年の7月は、西側の壁にカビが生えるわ、観葉植物の横からはキノコが生えるわで大変だったんですの。

おまけに、熱海でのところてん作り修業の天草(てんぐさ)採りでは、素潜りで三半規管を痛めてしまい、しばらく耳鳴りが続くという災難にも見舞われてしまいましたの。

梅雨空の下、天気予報とにらめっこしながら、京都に鎌倉にと取材&撮影に出かけ、まさに“貧乏暇無し”状態が続いておりました。そしてついに、このゆきぴゅーが食欲不振になってしまったんですの。久々に体重計に乗ると、あのビリー隊長でさえも減らせなかった体重が3キロも落ちているではありませんか。普通なら喜ぶべきはずの状況ですが、今回に限っては素直に喜べませんの。夏本番を前にゆきぴゅーはすっかり夏バテしてしまったのでした。

「もう我慢できませんわ。どこか涼しい場所で原稿を書くですわ」

そこでとうとうゆきぴゅーは、ノートと鉛筆を持って近所のマクドナルドに駆け込んだんですの。
ここなら冷房が効いていて快適だし、しかもこのご時世にコーヒー1杯を100円で飲ませてくださる天下のマクドナルドさまは、ゆきぴゅーのような貧乏人にとってはとてもありがたい場所なんですの。まさに、あいむらびにっ(ハート)ですわ。

こういうわけで、昼間いそいそとマックへ通うようになっていたある日のことでした。
ゆきぴゅーはいつものように100円コーヒーだけ注文して、2階の広いフロアへ上がりましたの。真昼間の2階席は人もまばらで、辺りを見回すと、パソコンを広げている営業マンや、仕事サボってる風のOLさん、競馬新聞を読んでいる暇そうなおっさんがぽつりぽつりと座っているだけですの。・・・と、ふと、一番窓際に座っている人一倍体の大きい男の人が目に入りましたの。

(ん???どこかで見たことのあるような、、、あっ、あれはもしかして・・・)

札束とーちゃんですの。

(何でまたこんなところにいるですの)

びっくりしたことにお父ちゃん、ノートパソコンを広げていますの。だけど、定年して今じゃお気楽年金生活の札束とーちゃんが、わざわざマクドナルドでお仕事なんかするはずはありません。何やら様子がおかしいと思ってしばらく様子をうかがうことにしましたの。すると、どうもニタニタと鼻の下を伸ばしてパソコンの画面を見ている様子なんですの。

(一体何を観ているですの)

ゆきぴゅーはそぉっと近づいていくことにしました。と、いきなり画面を見ていた札束とーちゃんの顔が青ざめるのが見えましたの。明らかにさっきまでの形相と違うんですの。
「おとーちゃん!何してるですの?!」
「やや、こ、こ、これは、ゆきぴゅーさん。ど、どうしたんですか、こんな所で」
「こんな所でって、おとーちゃんこそこんな所で何してるですの?」
「わ、わたしですか、わたしはですね。ちょ、ちょっと仕事を、、あ、いえね、
 最近本格的にパソコンを習い初めてですね、、、ちょ、町内会の盆踊りのチラシ作り
 なんかを頼まれていたりするんですよ」
「へぇ〜。おとーちゃんもこんな場所でパソコンやることなんてあるんですのね。
 実はわたくしもここで原稿書いてるですのよ。ほら、ゆきぴゅーのおうちはエアコンが
 ないボロアパートでしょ、最近はもう暑くて死にそうなんですの。
 それにしてもこんな所で会うなんて偶然ですわね。あっ、ゆきぴゅーここ座って
 いいですわよね」

「えっ?!ええ、ど、どうぞ。どうぞ」
「で、盆踊りのチラシとやらは出来たんですの?ちょっと見せてくださいませ」
「あぁっ、そ、それがですね、、、、」

ゆきぴゅーがパソコンをのぞき込むと、なんとそこには裸のおねーちゃんの写真が写っているではありませんかっ!!!

「こ、こ、こりは世間で言うアダルトサイトではないですのー?!」
「あ、あああああ、そ、それが、たった今、、、」
「たった今、何ですの?!」
「た、たった今ですね、こ、こんなものがいきなり出てですね、、、、」

画面を見ると、
『ご入会ありがとうございます。貴方の登録を完了いたしました。
 3日以内に80,808円(キャンペーン価格)を下記口座までお振込みください』
というウィンドウが開いていますの。
ゆきぴゅーは汗が噴き出している札束とーちゃんと、画面とを見ながら言いました。

「何ですの、この末広がりのおめでたい金額は?」

「ゆ、ゆきぴゅーさん、ど、どうしたらいいんでしょう。これを払わないと、
 こ、こわいお兄さんがうちに押しかけて来たりするんですよね。
 よくTVでやっているじゃないですか」

(ははぁ〜ん、これは今流行りのワンクリック詐欺とゆーやつですわね。)

すっかり動転している様子の札束とーちゃんにゆきぴゅーがすかさず言いました。

「でも札束とーちゃんはお金持ちなんだからこれくらい払えるんじゃないですの?」
「そ、そんなことしたら、こ、こんなページを見ていたことをうちのおかーちゃんや、む、
 むすめに、バ、バ、バレちまうんじゃないですか?」
「だって実際見ていたじゃないですの」
「つ、つい好奇心でクリックしたらこうなっちゃったんですよ、信じてくださいよ、
 ゆきぴゅーさん」
「わたくし、こういう画面が出たらどうしたらいいか知っていますわよ」
「ど、どうしたらいいんですか。教えてくださいよ」
「・・・実はゆきぴゅー。この頃、金欠と夏バテで食べるものも食べられないん
 ですの、、、」
「はぁ?」
「このまま動物性たんぱく質をとらないと、死んでしまうかもしれませんの。
 例えば焼肉とか、、、」

Click で拡大
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「わ、わたしも・・ちょうど焼肉を食べたい
 と思っていたんですよ。ゆきぴゅーさん、
 夏バテが治るまで食べまくりましょうよ。
 だけどその前にどうしたらいいか・・
 その・・」
「こういう時は、、、、、、、こうして、、、。
 消しちゃえばいいんですのよ。
 はい、終わり」
「はっ、こ、これでいいんですか」
「そうですわ。こういうのってのは相手の無
 知につけこんで騙してお金をふんだくる
 あくどい手口なんですのよ。
 おとーちゃん、まんまと騙されるところで
 したわよ」
「じゃ、ワタシはさっきの8万なんぼは払わ
 なくていいんですか」

「そうですわ。ほっといて、ゆきぴゅーと
 特上カルビのご馳走いくですわ!」
「ゆきぴゅーさん、ありがとう、助かりました」

その夜ゆきぴゅーは、

「今日のことはうちのかーちゃんや娘には
 くれぐれもナイショでお願いしますよ」

こう何度も言い聞かされながら、とびきり美味しいお肉をたらふく食べたことは言うまでもありませんの。その日を境にすっかり夏バテは解消できたんですの。

しかし数日後・・・。

パソコンはもうこりごりと思った札束とーちゃんは、娘から借りていたそのパソコンを返す際に履歴を消去しないで渡してしまい、結局家族にバレちゃったという風のうわさをゆきぴゅーは聞いたのでした。

暑中お見舞い申し上げますですの。

※ワンクリック詐欺は、消費者の弱みにつけ込んだ不当な料金請求として、警察庁でも注意を呼びかけている犯罪です。届いた勧誘・広告メール等に記載されたURLを興味本位でクリックするのは危険です。十分にご注意ください。困ったときはネットに詳しい友人や全国の消費生活センター警視庁ハイテク犯罪対策総合センターなどに相談することをおすすめします。(2007年8月1日 注意書き 編集部加筆)

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初出:2007/08/01

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