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ビルの中にカメラ店がぎっしり!! 星光撮影器材城を探索してみた 2014/04/17
 
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海外の写真事情はどうなっているのか。2014 年 3 月 15 日(土)から上海のギャラリー office339 で、NPO 法人 日本の写真文化を海外へプロジェクトの写真展 FirstContact in Shanghai が始まった。その準備と展示のために上海を訪れたので、上海のアートとカメラ事情をちょっとだけご紹介しよう。

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星光撮影器材城
 
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■ 上海の大型カメラ店、星光撮影器材城とは
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店内には小さな店舗がぎっしり。

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低層階ほど賑わっている印象。

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単独のメーカーの商品を扱う店も多い。

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上層階ではフィルムを扱っているショップも。

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大型ストロボなど、プロ用の機材も入手可能だ。

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上層階ほどアクセサリーを扱う店が多くなる。

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カメラの修理店が多く集まるフロア。

海外旅行のついでにカメラやアクセサリーを買ってみたいと考えている方もいるに違いない。当然、国によってカメラ事情は様々だ。今回は、上海のカメラ事情をお伝えすることにしよう。

 

 中国でカメラを購入するには、ネットショッピングが一般的。そもそも国土の広大な中国では、大型量販店のようにズラリと商品を揃えて展示するようなビジネスモデルは成り立たない。流通の仕組みも日本とは大きく違っていて、カタログさえ手に入れるのに苦労する。全土に配布しようとすると、もの凄い数が必要になるからだ。

 

 しかし、実物を確認して買いたいという需要がないわけではない。そんな時は、撮影器材城と呼ばれるビルに行く。そこで、上海で大きな撮影器材城のひとつ、星光撮影器材城の中を覗いて見ることにしよう。

 

 撮影器材城とは、小さなカメラ店が軒を連ねたビルのこと。渋谷 109 のカメラ版だと思えばいい。最近では、カメラだけでなくパソコンや携帯電話などを扱う店が入っていることも多くなっている。ちなみにパソコンショップが多く入っているビルは、パソコンを意味する電脳から電脳城などと呼ばれていることも多い。

 

 星光撮影器材城は、地下鉄4号線の魯班路駅から徒歩5分ほどのところにある。魯班路と斜土路の交差点にあるので、すぐに見つけられるはずだ。3棟のビルで構成されていて、主に新製品のカメラやレンズ、アクセサリーを扱うA区、プリントや額装がメインのB区、中古カメラが中心のC区に分かれている。

 

 A区は7階まであるが、1階と2階が主にカメラ専門店、3階から上がアクセサリーを扱う店が増えていき、4階と5階はプロ向けの大型ストロボやバックペーパーなどを扱う店になる。上階ではフィルムを扱っている店もあった。またその上の階には、撮影学校や修理店、事務所などが入っている。

 

 1、2階のカメラ店では、暇そうな店員が店先から次々と声を掛けてくる。ショップによって扱うメーカーを絞っているようで、1メーカーの商品だけという店も少なくない。一見すると代理店のようにも見えるので、客の安心感を誘う狙いがあるのかもしれない。ショーウィンドウの中はニコン、キヤノンのパッケージがやたらと目につく。どの店も商品をディスプレイしていることは少なく、化粧箱のままぎっちり山積みにしているのだ。だから値札の表示もない。買う気がないので値段は聞かなかったが、たぶんどの店もそれほど値段に差はないはずだ。気に入った店や店員があれば、そこでいろいろ聞いて交渉ということになるのだろう。大声で商談している姿を、あちこちのお店で見掛けた。

 

 コンパクトカメラがスマートフォンに押されているというのは、どこの国も同じこと。撮った画像をシェアするだけなら、スマートフォンで充分。何もわざわざカメラを持ち歩く必要はない。そんな理由からなのか、あるいは利益率が低いからなのか、コンパクトカメラやレンズ一体型のカメラは店頭ではほとんど見掛けなかった。化粧箱のほとんどが一眼レフとその交換レンズで、ミラーレスカメラを置いてある店も数えるほどしかない。重厚長大なカメラが大好きな中国人気質が、こんなところにも伺える。例外はライカ。ニコン、キヤノンとライカを扱う店が、全店舗の7割ほどを占めているように見えた。


   
■ プリントから中古カメラまで、写真に関するすべてが揃っている
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 B区はプリント工房と額の専門店がほとんど。工房と言ってもパソコンと大型プリンタが雑然と並んでいるだけ。馴染み客なのか、普段着の店員なのか、一見すると誰が店員で誰が客なのか見分けがつけられないような、よく言えばなごやかな雰囲気がフロア中に漂っている。2フロアにわたってそんな状態だった。

 

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プリント関連の店が多く集まるB区。
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アルバム用品が山積みにされていた。
   
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画像のレタッチなどもしてくれるようだ。
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街のプリントショップのような店もある。

 

 C区は中古のカメラ店が4フロアにわたって集まっている。A区よりも店舗が広く、ゆったりした印象で、アンティーク調の暗い雰囲気のお店が多い。ここでも幅を利かせているのはライカ。フィルムカメラと交換レンズが整然とディスプレイされていて、日本では目にすることの少なくなった機種がショーウィンドウに並んでいたりする。どの店も品揃えは豊富。しかも商品が埃をかぶっているようなところは少ない。程度もそれほど悪くはなさそうなので、じっくり探せば掘り出し物に巡り会えそうな予感がプンプンする。

 

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中古カメラを多く扱う店舗が入っているC区。
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オリエンタルな店構えの中古カメラフロア。
   
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エレベーター脇に二手相机交易の看板が。
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ショーウィンドウの中に掘り出し物が見つかるかも。

 

 ただし、交渉は基本的にすべて中国語。英語や日本語はほとんど通じないと思った方がいい( たぶん筆談も難しい )。おまけに円安の今は、1中国元= 17 円前後なので、お買い得感のある買い物にはならないかもしれない。それでもチャレンジしてみたいという方や、中国語が話せる友人が同行してくれるという場合には、気になった商品の値切り交渉をしてみるのもありだろう。ちなみに中国の消費税に当たる増値税は 17 %。新製品を買うなら、間違いなく日本の方が安い。

   
■ 上海駅近くの上海照材婚紗礼城も覗いてみた
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上海照材婚紗城

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ここにも中古カメラ店の看板があった。


 上海駅南広場の左手のビルに上海照材婚紗礼城というネオンサインがあった。そういえば、上海駅の駅前にも大きな撮影器材城があるという話は以前、知人から聞かされていた。「 照材、婚紗 」とくれば、婚礼写真用品に違いない。そう思って覗いてみると、1階と2階がスマートフォン、タブレットとそのアクセサリーを扱うショップばかり。フロアガイド見てみると、下層階は杯龍通信商城という名で、3階が上海照材婚紗礼城ということになっている。4階と5階はメガネとサングラスを扱う眼鏡市場だ。結局、3階にわずかにカメラ店があるものの、婚礼衣装やメイク用品などのお店がメイン。カメラ店はわずか数店舗という寂しい状況だった。かつては上海駅前の一等地で撮影器材城として名を馳せた上海照材婚紗礼城も、時代の流れに押されて廃れてしまったようだ。

 

 こうした撮影器材城は、上海にもまだ数件ある。また北京や広州など、他の都市にももちろん存在する。その土地でどんなカメラが人気を博しているのか、どんなアクセサリーが使われているのか、そんなカメラ事情を実際に目にできるチャンスでもあるので、機会があったらぜひ訪れてみて欲しい。

▼写真D-03  
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スマホのアクセサリー店が圧倒的に多い。
   
 
 
 
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