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金環日食 撮影特集 「金環日食・撮影始末記」
5月21日 金環日食の撮影レポート 2012/05/22
 
金環日食特集 萩原和幸の「金環日食・撮影始末記」
いよいよ金環日食の当日…写真家 萩原和幸氏が日食撮影にのぞんだレポートをお届けします。相手は大自然、大宇宙。残念ながら、なかなか思った通りの天候にはならなかったようです。(編集部)
本文 Photo & Text by 萩原和幸
  環日食・撮影始末記 このページのトップへ  

いよいよ世紀の天体ショー、金環日食当日となった。
読者の皆様は無事観察できましたでしょうか?

これから、私の金環日食の観察当日の動きを報告したいと思う。

前日からの天気予報では、東京地方は曇りと出ている。
雲の切れ間から観測できるかどうか…という天気予報士の言葉に、少しでも観察の可能性を高くするべく、北関東へと移動を決める。前日の茨城県水戸市の天気予報は曇り時々晴れ。東京よりも太陽が顔を出す確率が高い。私はひとつ賭けに出ることにした。
目指すは茨城県稲敷市。ここは食分0.969、金環の始まりが7時33分、終わりが7時38分と5分間も続く、屈指の好条件。市内の和田公園に到着し、辺りをうかがうことにした。

稲敷市周辺図

朝5時頃の到着だが、既に100名ほどの先客あり。さすが屈指の好条件・稲敷市。

撮影の準備に入る。
機材は以下の通り。
撮影機材
ニコンD7000/ケンコー・トキナー「Tokina AT-X840D 80〜400mm F4.5〜5.6」 + 「TELEPLUS PRO300」(×2テレコン)/NDフィルター(ケンコーPRO ND100000)/三脚/レリーズ、もちろん、太陽観察用サングラスも用意している。
> 詳しい器材は「太陽を撮ろう!!」編を参照

観察当初の天候はまずまず。
雲が広がって入るものの、青空も見え、金環日食は大いに期待できそうだ。

当日の空の様子

 

日食が始まった。

日食写真

徐々に欠けが進んでいき…

日食写真

いよいよ金環日食となる寸前まできた。

日食写真

しかし、金環日食の、まさにその最中、そこだけが厚い雲に覆われてしまった!

ファインダーではまったく確認できない状態に。
肉眼でなんとか位置がわかるか…という感じになってしまった。
周りから『あーっ…』という、叫びにも似たため息の声が、あちらこちらから聞こえる。

金環日食の空

やっとのことで捉えた金環日食だが、雲がかなり邪魔をしてしまった。

金環日食の写真

あまりにもタイミングの悪い雲の出方に、ショックが大きい。
5分間も続いた金環日食はほとんど見ることが出来なかった。

次に太陽が顔を出した時には、金環日食は終わってしまっており、徐々に太陽の面積が増えはじめた。

日食写真

そして、金環日食の間はとても寒く薄暗かったのだが、明るさや暖かさを取り戻してきた。

日食写真

世紀の天体ショーも終わりに近づいてきた。太陽はもとの姿に戻ってゆく。

日食写真

こうして私の金環日食の観察は終わった。

都心では、観察できたところが多かったそうだ。しかし私は、少しでも観察できる確率の高さを求め、東京から茨城に移動することにした。その結果、ちょっと残念な気持ちを抱くことに。でも、私自身、茨城に移動したことに後悔はしていない。自然が相手だから、こういうこともあるものだ。

綺麗な金環日食のカットをここでお見せできずに残念。
でも、この『太陽を撮ろう』の記事が、金環日食を撮影できた方々の、少しでもお役に立てたとしたら、とても嬉しく思う。

次は6月6日の『金星の太陽面通過』だ。
国内では25年ぶりで次は105年後の2117年12月11日まで起こらない。
21世紀では最後のチャンスとなる天文ショーだ。
せっかく用意した太陽観察専用サングラスとNDフィルター、また撮影にチャレンジしたい。

> NEXT 金星の太陽面通過を撮ろう


萩原 和幸 :photo 萩原 和幸 (はぎわら かずゆき)
1969年 静岡県出身 東京工芸大学写真技術科卒業、静岡大学人文学部法学科卒業。写真家・故今井友一氏師事。独立後、K&S Photograph∞を設立。
フリーランスのフォトグラファーとして雑誌での撮影・執筆や広告撮影などで活動中。
公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員。静岡デザイン専門学校非常勤講師。
スタジオグラフィックス「萩原和幸の グラビア写真集&ポートレート撮影術」連載。
> ホームページ 萩原 和幸

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初出:2012/05/22
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