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大瀬崎ダイビングで水中撮影編
デジカメダイバー★リアルレポート 大瀬崎ダイビングで水中撮影編
第四回 伊豆大瀬崎 ワイド写真の魅力 2010/11/24
 
大瀬崎ダイビング 水中デジカメ撮影リアルレポート(4) 大瀬崎 アオリイカの産卵

短期連載「デジカメダイバー★リアルレポート」は、大瀬崎でガイドをしている写真家の中野誠志さんと編集部によるダイビング&撮影体験レポートです。EOS 5D Mark IIを使った水中撮影の様子を見せてもらい、撮影のポイントを聞いたり、編集部の素人スタッフが撮ったコンデジ写真を紹介するコーナーです。

  アオリイカの産卵 このページのトップへ  

編集部

大瀬崎は四季おりおりの表情を見せてくれる海です。アオリイカの産卵も初夏の幻想的なイベントのひとつです。産卵はどんな生物でも新たな命が育まれる瞬のはじまり。感動的なシーンです。

今回まずは、初夏から夏にかけて産卵のために大瀬崎にやってきたアオリイカを中野誠志さんがワイド撮影した写真を3つ紹介します。EOS 5D MarKII での撮影で、撮影データと中野誠志氏のコメントも掲載しました。


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  【中野さん撮影07 : EOS 5D Mark II】  アオリイカの産卵
シャッタースピード : 1/30秒、レンズ絞り値 : F9.0、ISO感度 : 200、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)
接近して撮影できると迫力が出ますが、産卵を中断させないように、アオリイカが警戒心を解くまで静かにじっと待ってから撮影します



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  【中野さん撮影08 : EOS 5D Mark II】  アオリイカの産卵
シャッタースピード : 1/30秒、レンズ絞り値 : F10.0、ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)
じっと静かに待つことで、アオリイカにこちらの存在を受け入れてもらえることができれば、アオリイカの方からこの距離まで近づいてきてくれます。



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  【中野さん撮影09 : EOS 5D Mark II】  アオリイカの産卵
シャッタースピード : 1/30秒、レンズ絞り値 : F10.0、
ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)
オスが体色を変え、足を大きく広げて体を張って、他のオスから伴侶を守ります。産卵シーンは数ある命のドラマの中でもハイライトシーンのひとつです。



  伊豆のワイド写真の魅力 このページのトップへ  

編集部 これからの時期の伊豆は、透明度も上がり、ワイド撮影にうってつけの季節となります。
中野さんがワイド撮影したそのほかの写真を紹介します。
中野

一般的にワイド写真と言うと、伊豆などの身近な海で撮るものではなく、沖縄や海外などの青い海で撮影したバラクーダやギンガメアジの大きな群れや、大きなマンタやナポレオンフィッシュなどの大物を撮るものだと思われている方が多いのではないでしょうか?

もちろんそれも間違いじゃないのですが、伊豆や地元の海でワイド撮影することこそが実は一番おもしろいんですよ〜。
「伊豆ではマクロレンズ!」と思っている方は、ワイドレンズも今度ぜひ試してみて下さい。
まぁそう聞いてもなかなか納得できない読者の方が多いかもしれませんね(笑)。

でも、実際にそれぞれの海にはそれぞれのおもしろさがあって、例えばワイドでもマクロでも魚だけを大きく撮った写真だと、どこの海で撮っても同じになりがちですが、岩礁や珊瑚礁、海草の草原や海藻の林などのそれぞれの海の特色や広がりや、また、その海ならではの風景を活かして撮影することこそが、実は一番のワイド撮影の醍醐味なんです。

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  【中野さん撮影10 : EOS 5D Mark II】  海中風景を撮る キンギョハナダイ (大瀬崎 先端)
シャッタースピード : 1/15秒、レンズ絞り値 : F11.0、ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)



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  【中野さん撮影11 : EOS 5D Mark II】  海中風景を撮る2 イラとウミシダ (大瀬崎 先端)
シャッタースピード : 1/15秒、レンズ絞り値 : F11.0、ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)



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  【中野さん撮影12 : EOS 5D Mark II】  群れを撮る カンパチの群れ
シャッタースピード : 1/15秒、レンズ絞り値 : F11.0、ISO感度 : 800、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)



身近な海でワイドマクロ撮影を楽しむ

中野

フィッシュアイレンズなどの広角系のレンズでは、広い範囲を写す事ができる代わりに、撮影倍率の関係から被写体が小さく写ってしまいがちです。そのため、広角系のレンズで被写体を大きく撮るためには、できるだけ近づいて撮影する必要があります。

被写体にできるだけ近づくためには、撮影者が大きな動きや急な動きなどをせずに、被写体を驚かせない、スマートで確かな潜水技術が必要になります。これらについては水中写真テクニック講座の「水中写真の基本のダイビングテクニック」を参照して下さい。

また、被写体の習性や性格を見越して、相手と対話するようにやりとり(駆け引き)をしながら、相手に受け入れてもらうことも重要です。
こちらの課題は、現地のガイドに相談して、生物へのアプローチ方法を教えてもらえば良いと思います。


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  【中野さん撮影13 : EOS 5D Mark II】 
ワイドマクロで生物の周りの環境まで写し込む 
ニシキフウライウオのペア

シャッタースピード : 1/5秒、レンズ絞り値 : F11.0、
ISO感度 : 400、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)
そっと、時間をかけてゆっくり近づくようにして、相手を驚かせない・おびえさせないことが大事です。もしそれでも生物が逃げるようなら諦めるのも肝心です。



中野

虫の目レンズや魚魚目レンズ、それから「1cmまで寄れる」カメラなどは、生物にかなりのプレッシャーをかけていることを自覚して下さい。

また、あまりにも近づきすぎると今度は被写体にストロボが当たらなくなるので、程良い距離感を練習することが大事です。コンデジならほんの少し離れてズームした方が結果的にうまくいきます。


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  【中野さん撮影14 : EOS 5D Mark II】  ワイドマクロ2 カミソリウオのペア
シャッタースピード : 1/8秒、レンズ絞り値 : F11.0、ISO感度 : 200、レンズの焦点距離 : 21.00(mm)
ワイドマクロ撮影では、生物が住んでいる周りの環境まで描写できるので、まるでその場で見ているかのように活き活きと表現できます。



中野

これらのワイド撮影で特に重要となるのは、背景の水の色と奥行きです。背景の色は快晴や雨天などの条件にもよるのですが、今回の作例たちのISO感度とシャッタースピードを一例として参考にして下さい。

奥行きについては水中写真テクニック講座の「水中ワイド撮影のテクニック」などの項目を御参考にお願いします。


  スタグラのスタッフが撮ったワイド写真 このページのトップへ  

 

編集部

おまけとしてスタッフがコンパクトデジタルカメラで撮った大瀬崎もご紹介します(恥;)。
このスタッフ、ほおっておくとウツボやアナゴもウミヘビなど巻物系の写真ばっかり撮っているので困ったものです(笑)。良いサンプル見本にはならないかもしれませんが、スタッフ視点での水中写真も・・・見てあげてください。

これからの季節、伊豆の海は冬の顔に変わっていきます。前述のように、水温は下がりますが透明度は良くなり、ワイド撮影をはじめとした撮影スキルの向上には良い時期とも言えるでしょう。
スタジオグラフィックスではスタッフ一同、陸上写真と同様、これからも水中写真をフォローして行きたいと思います。


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写真A クロウミヘビ
いきなり1枚目からコレでいいのか?
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写真B ミノカサゴ
サカナっぽい写真も撮りましょ。
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写真C モンガラドオシ
旅立ちの海。
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写真D オオモンハタと?
「おいっ、なんか土管にいるし」
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写真E マダコ
「僕ですか」
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写真F カサゴ
見晴らしがいいのか?
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写真G ウツボ
「寒いね」
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写真H ミノカサゴ
あまり動かないので被写体には最適だけど、毒の棘には注意。
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写真I アオリイカのタマゴ
たくさん生み付けられていました。
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写真J アオリイカ
透明度がよくないと撮影って難しい。中野さんの写真はどうしてあんなにきれいなの?


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初出:2010/11/24
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