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  ■ [ 白黒 ] コマンドでセピア色のモノクロ写真を作る
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●モノクロはグレースケールじゃない

Photoshop でカラー写真をモノクロ化する方法は以下のように何通りかあります。

  ・ [ グレースケール ] モードにする
  ・ [ 彩度 ] 極端に落とす
  ・ [ チャンネルミキサー ] を使う
  ・ [ 白黒 ] を使う ( CS3 以降 )
  ・ [ グラデーションマップ ] を使う


 これらの方法のうち、モノクロ化においてもっとも自由度が高く、思い描いたイメージ通りにモノクロ化できるのは、[ 白黒 ] コマンドでしょう。[ 白黒 ] コマンドは Photoshop CS3 から搭載された機能で、CS2 以前で画像のモノクロ化に使われていた [ チャンネルミキサー ] コマンドを、モノクロ化専用に特化させたものです。 [ チャンネルミキサー ] コマンドは少し操作が難しく、慣れないとイメージ通りに編集しづらいと感じますが、[ 白黒 ] コマンドはその点が改良されています。

 また、初心者において画像を [ グレースケール ] モードに変換することでモノクロ化をする人を見かけますが、これは適切なものだとは言えません。[ グレースケール ] モードは、業務用印刷においてスミ版など、一色しか使えない印刷用に使うモードで、ここでいうモノクロ画像を作る機能ではありません。[ RGB ] モードの画像を [ グレースケール ] モードに変換すると、カラー情報が破棄され、白から黒への明暗の情報だけを持つ画像になります。

 モノクロ化における [ グレースケール ] モードと [ 白黒 ] コマンドの違いは文末で解説します。

●[ 調整レイヤー ] で使う

 今回は、[ 白黒 ] コマンドを使ってカラー写真をモノクロ化し、さらにセピア色に褪色させてみましょう。[ 白黒 ] コマンドは画像に直接適用もできますが、ここでは [ 調整レイヤー ] として [ 白黒 ] コマンドを適用させます。理由は画像に元画像を非破壊で編集できる [ 調整レイヤー ] であれば、後から何度でも再編集ができるからです。

●レタッチ操作の流れ

 ここでは、以下の主な機能を使ってレタッチしていきます。

  [ 調整レイヤー ] - [ 白黒 ] の適用
  [ 白黒 ] コマンドの調整
  [ 着色 ] オプションでセピア化

 レタッチの流れは、右の通りです。
あらかじめ、 サンプル画像をダウンロードしておいてください。

●CS3 と CS4、CS5 の違い

 画面2の手順3で使っている ボタンは、[ 白黒 ] の [ 色調補正 ] パネルの各オプションの調整を、スライダの操作ではなく、[ 画像領域 ] 上の調整したい部分でマウスを左右にドラッグすることで、より直感的に調整する機能です。 ボタンを使うと、[ 画像領域 ] でポイントした部分にもっとも多く含まれる色情報を読み取り、必要なスライダを自動的に選択してくれます。 ボタンは、Photoshop CS4 以降の各種パネルに搭載されています。残念ながら CS3 にはありませんが、 [ 色調補正 ] パネルの各スライダをドラッグすれば、同じことができます。

●空を暗くして鯉幟を引き立てる

 画面3での編集ポイントは、画像にメリハリを与え、主題の鯉幟を引き立てることです。そのため、[ ブルー系 ] と [ グリーン系 ] を大きく左にスライドさせて、空と山の色調を暗くします。次に [ イエロー系 ] を右にスライドさせて画像内の元々明るい部分をさらに明るくすることで、画像全体にメリハリが出ると同時に鯉幟が浮かび上がってくるはずです。

● [ レイヤーマスク ] の編集で部分的に色を復元

 画面5のように、「 [ グラデーションマップ ] で部分的に色を残したモノクロ写真を作る 」 の Tips で紹介した方法を使うと、モノクロ写真の任意の部分だけ、元の色を復元できます。

● [ グレースケール ] 画像と比べると……

 画面6は、RGB 画像を [ グレースケール ] モードに変換しただけの画像と、[ 白黒 ] コマンドを使ってモノクロ化した画像を比べてものです。モノクロ画像への変換は、元画像の RGB 全チャンネルの情報、256 階調 の 3 乗 = 1677 万色 ( 8bit / RGB 画像の場合 ) もある色の情報を、グレースケール1チャンネル 256 色の中に押し込むわけです。これは [ 白黒 ] コマンドでも例外ではありません。しかし、[ グレースケール ] モードが、RGB 各色の情報を固定的な方法でモノクロ化するのに対して、[ 白黒 ] コマンドは RGB 各色の情報をどのように配分するのかを自分で選択でき、さらに [ 白黒 ] の [ 調整レイヤー ] を使えば、元の色情報を残しておける ( ※01のです。 つまり、後から何度でもやり直せるというわけです。また、今回のようにセピア色のモノクロ画像を作る場合は、 [ RGB ] モードでなければできません。[ グレースケール ] モードの場合は、白黒に限定されてしまいます。

※01 [ 調整レイヤー ] を使わずに、元画像に対して直接 [ 白黒 ] コマンドを適用した場合も、RGB チャンネルは残りますが、全チャンネルが同じ情報になるので注意が必要です。 戻る
 

 

 
  ▼ レタッチ例
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Before After
上の写真(Before)は、ダウンロードできます。
練習用の素材としてご利用ください。
ダウンロードする
IDとパスワードって?
Photo by Oliya T.Yabuta

  操作1  ★クリックで拡大  
▼画面1 [ 白黒 ] の [ 調整レイヤー ] を作成
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▼画面2 [ 白黒 ] の [ 色調補正 ] パネルで特定の色調を変化させる
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▼画面3 [ 白黒 ] の [ 色調補正 ] パネルでは、スライダでも調整できる
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▼画面4 [ 着色 ] オプションを使ってセピア調にする
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  部分的に色を復元させることもできる ★クリックで拡大  
▼画面5 [ レイヤーマスク ] を 「 グレー 」 で塗って色を淡く復元させる
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  自由度の高い [ 白黒 ] コマンド ★クリックで拡大  
▼画面6 [ グレースケール ] 画像と比べてみる
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初出:2012/01/25
文: 薮田織也
 
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