●レイヤーはそのまま全体にフィルタを使いたい

　Photoshop でさまざまな編集を行なっていくと、 [ レイヤー ] の数もおのずと増えていくものです。そうした作業中に、たくさんある [ レイヤー ] をそのままにして、全体の画像イメージに対して [ フィルタ ] などによる効果を適用したいとき、あなたはどうしていますか？

●切り抜いた画像だけにかけても意味がない

　例えば、画面１のように、切り抜いた人物画像の [ レイヤー ] を風景写真の [ レイヤー ] に乗せていたとして、これらの [ レイヤー ] はそのままにしておき、全体のイメージに [ 逆光 ] フィルタをかけたいとします。しかし、 [ 逆光 ] フィルタによる効果は、人物と背景の全体にかからないと意味がありません。つまり、人物と背景の [ レイヤー ] を統合してからでないと、 [ 逆光 ] フィルタによる効果は期待できないというわけです。

●調整レイヤーに使えないフィルタがある

　また、 Photoshop に馴染んでくると、 [ 調整レイヤー ] を多用するようになるかと思いますが、[ 逆光 ] フィルタと [ 照明効果 ] フィルタ、 [ NTSC カラー ] フィルタのみっつは、 [ 調整レイヤー ] に適用することはできません。つまり、 [ 調整レイヤー ] で色調補正している画像に対しては、以上のみっつの [ フィルタ ] は使えないことになるわけです。

●レイヤーをコピーしてから結合する

　このようなことから、 [ レイヤー ] を統合しなければならない場面というのは、往々にしてあるものですよね。というわけで、どうしても [ レイヤー ] の構造は残したまま、全体イメージに [ フィルタ ] をかけるときは、すべての [ レイヤー ] をひとつずつコピーしてから、コピーした [ レイヤー ] だけを統合して、それに [ フィルタ ] をかけることになります。とても面倒ですよね。
　前置きが長くなりましたが、ここで紹介しているテクニックを使うと、表示されている [ レイヤー ] をすべてコピーしてから、新しい [ レイヤー ] に対して結合することができます。

●操作上の留意点

　画面２の操作をしているときに、Windows しか使ったことのないユーザーは少し戸惑うかもしれません。というのは、 [ Alt ] キーを押しながら [ パレットメニュー ] ボタンをクリックすると、 [ パレットメニュー ] が表示されたとたん消えてしまうからです。 [ パレットメニュー ] を消さずに [ 表示レイヤーを結合 ] を選択するためには、 [ パレットメニュー ] ボタン上でマウスのボタン（左）を押しっぱなしにします。こうすることで、 [ パレットメニュー ] は表示されたままになります。そして、マウスボタンを押したまま、 [ 表示レイヤーを結合 ] までマウスポインタをドラッグして、 [ 表示レイヤーを結合 ] の上でマウスボタンを離します。こうしたマウスによるメニュー操作は、Macintosh のものだったので、古くからの Mac ユーザーには馴染みのあることだと思います。

操作１ ★クリックで拡大 　 ▼画面１ [ レイヤー ] パレットの最上段に新規 [ レイヤー ] を作る ▼画面２ [ Alt ] キーを押しながら [ 表示レイヤーを結合 ] ▼画面３ 元の [ レイヤー ] を残したまま、表示 [ レイヤー ] が統合

●関連解説