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第24回 RAW現像と編集テクニック
 操作編 Camera RAWの基本操作
RAWで写真を撮ろう 2007/05/23
 
1.Camera RAW画面の概要
2.ツールパレットを操作してみよう
3.ホワイトバランス設定 〜色温度と色かぶり補正〜

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今回は、Photoshop ElementsのCamera RAWの具体的な操作方法を解説していきます。

 
1.Camera RAW画面の概要
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前回に続き、読者の方からご希望が多かったPhotoshop ElementsでのRAW現像について解説していきます。この講座では"比較的デジタルカメラの構造や機能に詳しくない"という方を対象としていますが、RAWの説明には専門用語が伴いますので、理解度の向上のためにはその他の関連コーナーも併せて読むと解りやすいのではないかと思います。関連ページはリンクを掲載しています。

Camera RAW の画面概要

RAWファイルをPhotoshop ElementsのCamera RAWで開く方法は、前回、解説しましたので、今回はその続きから。まずは、Camera RAW画面の画像調整に関わる基本操作を解説します。

大きく表示された画像を「プレビュー画像」と呼びます。その上にツールパレット、右にヒストグラム、補正パレットが表示されています。

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画像A
Camera RAW画面。説明を具体的にするため、各項目を左画面のように呼称して、解説をすすめよう。

プレビュー画像
プレビュー画像は、拡大/縮小表示したり、拡大時には表示位置を簡単に変更することができます。なお、初期値では撮影時のデジタルカメラの設定を想定し、Camera RAWが現像した場合の色調や明るさで表示されています。とはいえデジタルカメラ内部の映像を作るエンジンはCamera RAWとは異なり、機種によっても異なりますので、プレビュー画像と撮影したデジタルカメラで実祭に現像した画像とは異なります)。

ヒストグラム
ヒストグラムは画像の明暗の傾向を表すグラフです。一般的に右側に山の偏りがあると明るい写真、左端に山があると暗い写真となります。Camera RAWのヒストグラムではR(赤)G(緑)B(青)それぞれのヒストグラムも表示されています。ヒストグラムで写真の善し悪しを決めることはできませんが、初心者が意識したい点としては、一般的にグラフの山が真ん中寄りにあること、グラフの山に大きな偏りがなく、横長に分散していると、色情報が豊富でバランスが良いヒストグラム傾向にある、と言えるでしょう。
ちなみにグラフの上部の数値は、プレビュー画像の上でマウスカーソルをあわせたとき、カーソル位置の色情報をRGBの数値で表示します。

画像B
マウスカーソルをプレビュー画像に乗せると、RGB情報を表示する。

画像補正用 現像パラメータ
ホワイトバランスと明るさ、彩度を調節する「基本調整」と、シャープや偽色の低減を行う「詳細補正」があります。「偽色」とはここではカラーノイズをさします。また、Photoshop CS2のCamera RAWの場合は、この他に「収差補正」や「トーンカーブ」「色調補正」などがあり、Photoshop Elementsより多くの調整ができ、高機能になっています。

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画像C
「基本補正」でホワイトバランスや明るさ、彩度を調整し、「詳細補正」でシャープ、輝度をスムーズに、偽色(ノイズ)の低減ができる。

ツールパレット
拡大/縮小のための「ズームツール」、「手のひらツール」、スポイトで基準の色をクリックしてホワイトバランスを調整する「ホワイトバランスツール」、画像の回転ボタンが用意されています。Photoshop CS2のCamera RAWは更に、「カラーサンプラー」や「切り抜きツール」「角度補正ツール」などが用意されています。
また、シャドウ部の色潰れ(黒潰れ)、ハイライト部の色飛び(白飛び)部分を明示する機能もあります。

画像C
ズームツールで拡大表示し、手のひらツールで表示位置をドラッグして調整、ホワイトバランスツールで色合いの自動調整ができる。また、黒潰れや白飛びのチェックも可能。

ビット数
画像データの色情報の数を指定します。画像をPhotoshop形式やTIFF形式でレタッチしたり保存するのであれば、16ビットを指定した方が色情報が豊富で高品質です。ただし、画像ファイルの容量は大きくなります。
JPEGは仕様で8ビットに制限されていますので、JPEGで保存するのであればここで8ビットを選択しても構いません。
Photoshop CS2のCamera RAWは更に「カラーペース(色空間)」(aRGBやAdobe RGBなど)、画像の「解像度」、画像の「サイズ」などを指定することができます。

画像D
ビット数は色情報の量を設定するところ。インターネットで利用するJPEGは8ビットまでの仕様制限がある。フォトショップ形式やTIFFの16ビット形式で保存するなら16ビットがお勧め。

Photoshop CS2のCamera RAWとの比較も書きましたが、Photoshop ElementsのCamera RAWは現像だけを主眼にしているのに比べ、Photoshop CS2のCamera RAWでは現像時に画像のトリミングや角度調整などを、より高画質の状態で済ませておき、その後のレタッチに移行しよう、という画質重視のコンセプトがみられます。

ヒストグラムについては下記のページも参考にして下さい 〜関連ページ〜

 できるオヤジになる!デジカメPopeye

 オヤジがキスデジで撮る! 初心者向けスナップ講座

 プロが教えるデジカメ基礎知識

 フォトショップ早わかりPhotoshop Tips & Manual
 
Photoshop CS2のCamera RAW機能

2.ツールパレットを操作してみよう
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ズームと手のひらツールでプレビュー画像を見やすく調整

Camera RAW画面にRAW画像が表示されている状態で、まずはツールパレットの使い方を概説します。

ズームツール
このボタンをクリックするとマウスのカーソルが虫眼鏡「+」マークに変わります。プレビュー画像をクリックすると、クリックした位置を起点に拡大表示になります。縮小したいときは「alt」キーを押しながらプレビュー画像をクリックします。倍率を数値から選択したい場合はプレビュー画像を右クリックしてメニューから選択します。

手のひらツール
拡大した画像の表示位置をドラッグして変更することができます。

ホワイトバランスで色補正

ホワイトバランスツール
このボタンをクリックするとマウスカーソルがスポイトに変わります。その状態で、画像の内の本来、白またはグレーである部分をクリックします。Camera RAWはクリックした部分を分析することで色かぶりや色調を推測し、ホワイトバランスを自動で調整してプレビュー画面に反映します。この機能は、Camera RAWの中で、最も簡単にホワイトバランスを自動調整できる機能と言えるでしょう。

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画像E
「ホワイトバランスツール」をクリックし、左上画像の赤丸印あたりをクリックした例。クリックした部分を白と仮定し、色かぶりを分析、自動的にホワイトバランスを調整して左下の画像に色補正された。
白い花を見比べると色味が補正されていることが解る。

黒潰れ/白飛びの確認

シャドウとハイライト
前述しましたが、ここで言うシャドウとは「黒潰れ」のことで、ヒストグラムで言えば左端です。一方、ハイライトは「白飛び」、ヒストグラムの右端です。各ボックスをチェックすると、シャドウ部はブルーで、ハイライト部はレッドで警告表示します。正式には「シャドウクリッピング警告」「ハイライトクリッピング警告」と呼びます。

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画像F
ズームツールで拡大表示し、ハイライトクリッピング警告をチェックしたところ。赤く表示されている部分が白飛び警告部分。

 

 

3.ホワイトバランス設定 〜色温度と色かぶり補正〜
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撮影環境からホワイトバランスを選択

では、ホワイトバランスの調整を実際におこなってみましょう。
Camera RAWでは、撮影時のカメラのホワイトバランス設定を優先して採用し、デフォルトでプレビュー画像に表示しています。その色味に違和感があるとき、ホワイトバランスの変更作業を行います。
ホワイトバランスについては下記のページも参考にしてください。

ためになるかもしれない!? デジカメ用語集

プロが教える 女性の撮りかた講座


ホワイトバランスを調整するのに最も簡単な方法は、前述の「ホワイトバランスツール」を利用することです。本来、白の画像部分をスポイトアイコンでクリックするだけで自動的に色味が調整されます。

しかし、画像の中に必ずしも白の部分があるとは限りませんし、その白が純白がどうか定かでないケースもあります。その場合は手動でホワイトバランスを調整します。

ホワイトバランスのプリセットから選択

いつもデジタルカメラではホワイトバランスを撮影時の環境条件にあわせて「プリセット」から選択している人は、画面右「現像パラメータ」の「ホワイトバランス」欄に一覧される環境から選択する方法(プリセットから選択)が解りやすいかもしれません。昼光、曇天、日陰、タングステン-白熱灯、蛍光灯、フラッシュなどから選択します。

画像G
ホワイトバランスをプリセットから選択。野外で撮った写真であれば、昼光〜日陰までの設定から選択すると良いでしょう。
屋内で撮った場合は、タングステン-白熱灯〜フラッシュで選択します。

ホワイトバランスの手動設定

室内の例では、蛍光灯の下でフラッシュを使わずに撮影すると、画像全体が緑の色かぶりをすることがあります。それを適切な色に補正するのがホワイトバランス欄の「蛍光灯」です。また、夕焼けの中で写真を撮れば、ふつうはオレンジの光を受けて画像は赤みや黄色みを帯びます。しかし、上記のプリセット設定に「夕焼け」や「夕景」はありません。

このように自動でホワイトバランスの設定ができないとき、適したプリセットが判断できないときは、「色温度(いろおんど)」と「色かぶり補正」を手動でおこないます。

なお、結論から言うと、「色温度」は青みから赤黄色みまでを調整し、「色かぶり補正」は緑から赤みまでを調整できると思えば、使い勝手が想像できると思います。

「色温度」の変化は青から赤黄色へ

色温度は女性の撮り方講座で薮田氏が詳しく解説しています。「色温度」とは、「光の色」を数値(単位:ケルビン)で表したもので、色温度が低いと赤味がかった光になり、色温度が高いと青味がかった光になるのです。夕景は色温度が低く、雪のゲレンデはどんなに寒くても色温度が高く・・・まぁ、いいか。

というわけで、この「色温度」の設定では、実際の色味を補正するために、低い数値では「赤黄色み」がかった画像に、高い数値では「青み」がかった画像になります。

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 青 ← ---- ---- ---- → 赤黄

画像H
色温度の設定を変えると、数値が低いほど青く、高いほど赤黄色みが強い画像に補整される。

「色かぶり補正」の変化は緑から赤へ

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 緑 ← ---- ---- ---- → 赤

画像I
色かぶり補正の設定を変えると、数値が低いほど緑に、高いほど赤色み(マゼンダ)が強い画像に補整される。

さて、次回も引き続き、Camera RAWの利用方法を解説します。
お楽しみに。

 

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初出:2007/05/23
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