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初心者向けスナップ講座
8回めの旅:絞りとシャッタスピードで写真が変わる
〜 スナップ撮影からのステップアップ01〜
 

スナップ撮影からステップアップするために
難解な「露出」をモノにする
これだけ知っていれば応用撮影ゾーンにいける?
「絞り」と「シャッタースピード」が
写真に及ぼす影響と活用テクニック
  >>「はじめに」と「ご挨拶」はコチラ
2004/12/22
スタジオグラフィックス公認 デジカメの教科書
 

■体系的に学ぶ
  デジタルカメラのしくみ 第2版


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Model : 藍海夏
写真 : 神崎洋治

 
■スナップ撮影からステップアップするために
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●覚えておきたい撮影の基本

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<写真A>
モデルにピントを合わせて、前の噴水と背景をボカした写真。どうやってこういう写真を撮るんでしょうか・・・

  「EOS Kiss Digitalで撮る!超初心者とオヤジのためのスナップ撮影講座」をご愛読頂きましてありがとうございました。いよいよこの旅も最終章を迎えました。
 そこで、最後は2回に分けて、スナップ撮影からステップアップするための研究をします。私が日頃、頭に入れていることの中から、初心者がスナップ撮影時に活用するといいかも、これを抑えると写真のステップアップになると思うことを体系的にまとめてみます。難解な露出についてもあえて解説します。面倒くさがりで粗雑な私が独断と所感で書くので、偏見もあるかもしれませんが、基本と基礎をできる限りわかりやすくを主眼に解説します。そんな感じですから気軽に読んで楽しんで下さいね。

ps:
初級者向けに書きましたので物足りないという方もいらっしゃるかと思いますが、中級の方向けには「プロが教える女性の撮り方講座(筆者:薮田織也)」をご用意していますから、もう少し進んだテクニックはそちらのツアーにお出かけ下さい。クリックするだけの、簡単で楽しい旅ですから。

では、最後の旅のはじまりです。

 

■難解な「露出」をモノにする
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●簡単撮影ゾーンでは露出はカメラがやってくれるけれど

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<写真B>
今回もこのシーンを例にあげて攻略していきましょう。被写体、背景のボケ、手前の噴水の水しぶき、あなたならどんな写真を撮りたいですか?

 カメラ撮影の書物には必ず冒頭に「露出」というテーマが出てきます。つまり撮影にとって露出は最も重要な項目の一つで、避けては通れないのです。ただ、初心者にとっては最も難解なものであることも事実。だからこそ、多くの初心者は簡単撮影ゾーンを利用しています。簡単撮影ゾーンなら難解な露出の設定を避けて通れるからです。

 簡単撮影ゾーンでは露出はカメラが自動で合わせてくれます。これはまぁ、ご存じのことだと思いますが、それで済ませるのではなく、カメラがどのような設定を行っているのか、少しでも詳しく知ることで、写真を撮るという行為がもっと面白くなるはずです。きっとそうです。

 露出は「絞り値」と「シャッタースピード」で決まります。「絞り」はF2.8とかF16とかのアレで、F値とも呼ばれます。「シャッタースピードは、1/250秒とか1/2秒とかのアレです。このふたつの組み合わせで決まりますが、同じ露出にするのにはいくつものパターンがあります。絞りの数字を少なくした分、シャッタースピードを速くすれば露出は同じにできます。シャッタースピードを速くすると動いているモノが止まって写せます。

例えば、下記の表にある露出はすべて同じになります。絞り値を変更したら、それに合わせてシャッタースピードも変更すれば同じ露出になります。(絞りを一段上げ下げすると、シャッタースピードも一段上げ下げして調節されます)

【絞りとシャッタースピードの関係表】

絞り値 シャッタースピード
F16  (↑背景がはっきり) 1/30秒
F11 1/60秒
F8 1/125秒
F5.6 1/250秒
F4  (↓背景がボケやすい) 1/500秒

同じ露出になるという関係を示した表です。これに合わせればいつでもきれいな写真が撮れるという意味ではありません。
※通常の場合、シャッタースピードは分母だけを表示します。

 ところが同じ露出でもできあがる写真は同じではありません。上記の「F16の1/30秒」で撮影した写真と「F4の1/500秒」で撮影した写真では同じ露出なのに、できあがる写真は明らかに異なります。では、どのように変わるのでしょうか。
また、自動の簡単撮影ゾーンでは、同じ露出のその写真、上記のどれで撮ってくれるのでしょうか。


Clickで拡大します
EOS Kiss Digitalのモードダイアル。初心者は「全自動」モードか簡単撮影ゾーンの各モードにセットして撮影すれば、ひどい失敗はありません。人物撮影でよく使うモードは「全自動」「ポートレート」「風景」「スポーツ」「夜景ポートレート」です。
 
全自動
ポートレート
風景
クローズアップ
スポーツ
夜景ポートレート
ストロボ発光禁止
 

●「ポートレート」では背景をボカして、
  「風景」では背景を活かす、
  「スポーツモード」では動きを止める

 大雑把に傾向だけ言うと、絞り値が少ないと背景がボケた写真になります。絞り値が大きいと背景がボケにくい写真になります。つまり、「F4の1/500秒」は背景がボケた写真、「F16の1/30秒」で撮影した写真は背景までよく見える写真になります。
 EOS Kiss Digitalでは、右図のように撮影ゾーンが設定されています。カメラが自動で判断する適正な露出はひとつなら、上記の絞りとシャッタースピードの関係表のどれをカメラは選ぶのでしょうか。カメラからみりゃあ「どれでもいいじゃん」なんですが、そこに撮影者の意志を加えます。

「ポートレートモード」なら
カメラは絞り値を少なく(開放気味に)セットして、それに合わせてシャッタースピードを調整してくれます。例えば、F4で1/500秒でパチリ、被写体くっきり、背景ボケてスッキリ。

「背景モード」なら
カメラは絞り値を大きく(絞り気味に)セットして、それに合わせて、適正な範囲でシャッタースピードを調整してくれます。例えば、F16で1/30秒でパチリ、被写体も背景もハッキリ。

「スポーツモード」なら
シャッタースピードを速めにセットして、それに合わせて絞り値を調整してくれます。

標準モードならその中間です。


■これだけ知っていれば応用撮影ゾーンに行ける!
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●「絞り」と「シャッタースピード」の調節を覚えれば、
   ひどい失敗写真はない・・はず

例A.デジタルカメラが適正と判断した露出

絞り値 シャッタースピード
F16 1/30秒
F11 1/60秒
F8 1/125秒
F5.6 1/250秒
F4 1/500秒

            
例B.絞り値をF4にしたときの同じ露出

絞り値 シャッタースピード
F16 1/30秒
F11 1/60秒
F8 1/125秒
F5.6 1/250秒
F4 1/500秒 *
<表>
絞り値をズラした分、シャッタースピードもずらせば(1/500にすれば)同じ露出になります。

 簡単撮影ゾーンしか使っていない人でも、上記「絞りとシャッタースピードの関係表」のように、ふたつの関係さえ抑えておけば、応用撮影ゾーンにステップアップしても、まずはちゃんと写真は撮れるはずなんです(理論的には(笑))。

 例えば、簡単撮影ゾーンでピントを合わせたときに「F8の1/125秒」だったとします。これはデジタルカメラが判断した適正露出から出した絞り値とシャッタースピードになります(例A)。そのまま応用撮影ゾーンの「絞り優先」モードに切り替え、「F4」にセットしたとすると、デジタルカメラが判断した適正露出と同じにするにはその分だけ「絞りとシャッタースピードの関係表」のように2段階シャッタースピードを早くしてあげれば(1/500秒に変更して)、同じ露出で写真が撮れるはずなんです(例B)。

 応用撮影モードで撮影した場合、失敗写真になることがありますが、それはこのしくみを間違えてしまうと、露出オーバーで真っ白な写真とか、露出アンダーで真っ黒な写真とかができてしまうからです。

●あとは手振れに注意

 簡単撮影ゾーンでは手振れを起こすリスクが大きいシャッタースピードには、なるべく設定されないようになっています。シャッタースピードが遅くなれば手振れになる可能性が大きくなるので、絞り値を少なく調整してシャッタースピードを上げるように設定したり、それでも暗くでダメならストロボを光らせたり、します。応用撮影ゾーンではその限界判断はすべてユーザーが行うべきことになります。設定したいからと言って、手持ちカメラで例えば「絞り値F11」の「シャッタースピード1/60秒」で撮れば手振れを起こす可能性は高くなります。そういう意味では、暗がりや室内での撮影だと特に、簡単撮影モードがやはり確実な選択になります。

 逆に手振れを防ぎたい、と考えるなら動きのないシーンであったとしても、スポーツモードにセットすればシャッタースピードは速めに設定されますので、結果的に手振れを防ぐことができます。また、絞り値もまずまず少ない値(開放気味)傾向になりますので、背景の抜けも楽しめます。

 手振れしにくいシャッタースピードのおおよその目安としては、標準の50mmで1/60秒程度、200mm望遠で1/250秒程度と言われています。

 

■「絞り」と「シャッタースピード」が写真に及ぼす影響と活用テクニック
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●絞り優先とシャッタースピード優先の写真の違い

Clickで拡大します
<写真C>
「ポートレートモード」で撮影。絞りは開放のF2.8にセットされ、手前の水も背景も極端にボケ味が出ています。被写界深度が極度に浅いので、ドンピシャにピントを合わせるのはとてもシビアでAF(オートフォーカス)では厳しいです。
シャッタースピードは1/500秒です。
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<写真D>
「スポーツモード」で撮影。シャッタースピードは1/800秒になり、手前の噴水が止まり、水が作る偶然のカタチのおもしろさが出ています。絞りはF4になり、噴水も背景もポートレートモードよりはボケ味が薄れて、ややハッキリ見えています。

  前述したように、簡単撮影ゾーンでもポートレートモードで撮った写真と風景モード、スポーツモードで撮った写真は幾分違ったものになります。これはEOS Kiss Digitalのマニュアルを読めば誰でも知っていることですね。しかし、そのしくみを知ると意図的にポートレート向きの写真や構図、風景向きの写真や構図を組み立てられるようになり、スナップ撮影から一歩進んだステップアップが見えてくるでしょう。

 それは「被写界深度」です。被写界深度はこの講座でも何回か登場していますがピントが合う範囲です。ピントが合う位置が狭いのを被写界深度が「浅い」、その逆を「深い」と表現します。浅い/深いを絞り値や望遠で調整することができます。

●背景がボケた写真を追求したい
 ポートレートモードでは絞り値が少なめに設定され、それに伴って被写界深度が「浅く」なり被写体だけにピントが合って、背景がボケるわけですね。望遠で撮ると更に被写界深度は浅くなり、背景がボケやすくなります。

 つまり、背景がボケた写真を追求したければ、絞り値が少ない、つまり明るい(F2.8など)、望遠レンズを使用すると良いわけです。

●旅行のスナップや風景写真の場合
 人物だけにフォーカスした写真なら上記の方法が適切ですが、旅行時の記念スナップの場合、人物とともに背景も活かしたいですよね。山であったり、建物であったり、橋であったり・・いろいろですが。その場合はまったく逆に被写界深度の「深い」写真を追求します。風景モードでは絞りめに設定されますので、広角気味で撮れば被写界深度が深い写真になります。しかし、その分、シャッタースピードが遅めになるので手振れには要注意です。

●動きを止めたい写真の場合
 「スポーツモード」では、高速なシャッタースピードにセットされ、それに合わせて絞りが選択されます。右写真の噴水の水の流れを止めたり、運動選手のプレイの一瞬を切り取る、そんなときに使います。また、手振れしたくないときにも利用できます。

●ボケは前後で1:2
 ところで、被写界深度の深い浅いにかかわらず、ピントがぴったり合う位置は一点ですが、そこからボケていく割合は、実は前後で異なります。ピントが合った点から前方はボケやすく、後方はボケにくいのです。「前1に対して後ろ2まではっきり見える」と言った感じです。したがって、全体にはっきりした(ボケの少ない)写真で花畑を撮りたいときには、真ん中にピントを合わせると前方にボケは発生しやすくなりますので、合掌する位置を手前に置いて、画面下から1/3でフォーカスするといいでしょう。


 逆に背景をボカしたいときは、実は後方には十分な空間がないとボケてくれないのです。

ピントを合わせた位置から前後は1:2までが、はっきり見える範囲で、その外がボケていきます。 被写界深度が浅いと全体の範囲が狭く、深いと広くなります。
 

いよいよ、次回、最後の旅・・・。

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【初心者向けスナップ講座 目次】
第1回 最初の旅 :EOS Kiss Digital ポートレートモードとストロボ攻略
第2回 2回めの旅:女性を美しく撮るカメラアングル(全身編) 
第3回 3回めの旅:ポージングとズームが写真を変える!! (全身編)
第4回 4回めの旅:スナップ写真のプリントを攻略する 
第5回 5回めの旅:晴れててもストロボ使ったポートレート撮影
第6回 6回めの旅:難敵ピンボケを徹底検証する 
第7回 7回めの旅:イカした構図、広告っぽい構図? 
第8回 8回めの旅:絞りとシャッタスピードで写真が変わる
最終回 最後の旅:光と構図のまとめ
特別編 01 露出を変えるとこんなに写真が変わる 
特別編 02 露出変更と測光の基礎知識 
特別編 03 苦手な露出設定を連写で攻略 
特別編 04 ヒストグラムと適正露出の関係
特別編 05 キスデジで撮った写真館 〜 海夏 01 〜
特別編 06 キスデジで撮った写真館 〜 海夏 02 〜 

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