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写真レタッチ講座
第18回 古い写真を修復 <3>
〜 [乗算]or[焼き込み]で復元 〜 2004/01/28
 
[乗算]、[焼き込み]とは?
[焼き込み(リニア)]で模様を復元
人物と背景に差をつける
調整レイヤーで仕上げ

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  ■[乗算]、[焼き込み]とは? ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  
 前回の文末で今回紹介するテクニックを[覆い焼き]って書いちゃいましたけど、ごめんなさい!本当は[乗算]か[焼き込み]の間違いでした。恥ずかしいのでミスはとっくに修正しちゃいましたけど、ミスをミスと認める私って……。もう、正直者!だから金持ちになれないんですねぇ…。あっ、いや、世の中のお金持ちの全員が嘘つきって言いたいんじゃないですよ。 (何を言い訳してるんだか…)

 さて、本題に入る前に、描画モードの[乗算]と[焼き込み]について解説しておきましょう。

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画面1 描画モード[乗算]とは?
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  [ 乗算 ] と [ 通常 ] を
比較



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画面2 描画モード[焼き込み]とは?
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●描画モードとは

 「第12回 超簡単・肌だけ明るくする方法」でレイヤーの [ 描画モード ] について少しだけご紹介しましたね。もう一度詳しく解説すると、 [ 描画モード ] とは、重なったレイヤーの合成方法とその描画方法のことをいいます。このとき、 [ 描画モード ] を適用する [ レイヤー ] を[合成色]と呼び、そのすぐ下の [ レイヤー ] を[基本色]、また、合成後の状態を[結果色]と呼びます。(画面1参照)

 今はよくわからないかも知れませんが、今後も [ 描画モード ] を使ったテクニックを紹介していきますので、そのうち理解してください。 (おいおい、いいのかそんなんで……)

●[乗算]とは

 さて、その [ 描画モード ] の中に、[乗算]というモードがあります。これは、基本色と合成色の色の情報を文字通り重ね合わせて合成するモードです。[乗算]の結果色は、色が濃く暗く表示されます。 画面1をよ〜く読んでもらえれば、その効果がわかるはずです。

●[焼き込み]とは

 次に、 [ 描画モード ] の中に、[焼き込み]というモードが2つあります。ひとつは[焼き込みカラー]、もうひとつが[焼き込み(リニア)]です。いずれも[乗算]と似ていますが、少しずつ違いがあります。[乗算]が色の情報を全体的に重ね合わせるのに対して、[焼き込みカラー]は基本色を暗くしてコントラストを強くするモードです。[焼き込み(リニア)]は基本色を暗くしてさらに明るさを落とすモードです。画面2では[焼き込みカラー]と[焼き込み(リニア)]、[乗算]の違いが比べられるようになっているので、ご覧くださいな。

  ■[焼き込み(リニア)]で模様を復元 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  
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画面3 [焼き込み(リニア)]でディテールをはっきりさせる
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[焼き込み(リニア)]の結果を見る
ディテールを比較してみる
●ディテールをくっきりさせたい

 それでは前回からの続き、古い写真のレタッチをしてみましょう。画面3をご覧くださいな。最初の写真と比べてかなりよくなってはきましたが、よく観察すると服の模様などのディテールがはっきりしていません。それからもう少しコントラストが欲しいところでもあります。

●[焼き込み(リニア)]を使う

 コントラストを上げながらディテールをはっきりさせたい場合、前述した3種類の描画モードからどれを使ったらいいのかを考えてみましょう。通常なら[焼き込みカラー]が妥当だと思えます。しかし今回のような古い写真を、古さの味を残しながらレタッチしたいとなると、[焼き込みカラー]では少し鮮やかすぎてしまいます。よって、ここでは[焼き込み(リニア)]を使ってレタッチすることにします。

 しかし、[焼き込み(リニア)]では画像全体が暗くなってしまいます。そこで、[焼き込み(リニア)]を適用したレイヤーの [ 不透明度 ] を「50%」程度に下げて調整してあげましょう。(画面3参照)

  ■人物と背景に差をつける ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  
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画面4 背景から人物を切り抜く
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画面5 背景だけをぼかす
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背景をぼかす前と後の比較
●人物を浮き立たせる

 さてお次は、背景だけをぼかして、人物を浮き立たせてみましょう。これは、「第10回 被写界深度の浅い写真を作る」で紹介したテクニックですな。

「え゛〜、ペンツールって面倒なんだよな〜」と嘆かないで、画面4を参考にして気楽な気持ちで切り抜いてくださいな。

●背景だけをぼかす

 画面4で人物だけ別 [ レイヤー ] に切り抜いたら、背景 [ レイヤー ] をフィルタでぼかしてみましょう。

 ここでは、2004年1月に発売されたばかりの、Photoshop CSの新機能、[ぼかし(レンズ)] [ フィルタ ] を使ってみましょう。

 「俺はPhotoshop CSなんか持ってねぇぞ」という方は [ ぼかし(ガウス) ] でもOKですよ。

 でも、[ぼかし(レンズ)] [ フィルタ ] を使うと、リアリティのあるボケ足を表現できるだけじゃなく、古い写真の補正においても、さらに本当っぽさを表現できます。

 スキャナで読み込んだ古い写真にはどうしてもノイズが付き物ですが、ぼかし [ フィルタ ] を使うとノイズが結果的に除去されてしまいます。そこで、[ぼかし(レンズ)]フィルタの持っている [ ノイズ ] の機能を使うと、ぼかした部分にノイズを加えることができるのです。それでは、画面5を参考にして程よいボケ足を加えてください。ポイントはあまりぼかし過ぎないことですよ。

  ■調整レイヤーで仕上げ ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  
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画面6 [ トーンカーブ ] で顔だけ明るく
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画面7 グラデーションマップ
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画面8 完成
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● [ トーンカーブ ] で顔だけ明るく

 最後の仕上げは、調整レイヤーで色調補正をしましょう。

 画面6を参考にして、 [ トーンカーブ ] の [ 調整レイヤー ] を使って人物の顔だけを明るくします。

●グラデーションマップでモノクロに…

 今回行なった[焼き込み(リニア)]の影響で、前回補正したセピアの色調が逆に強くなってしまいましたね。そこで、 [ グラデーションマップ ] という調整レイヤー(画面7)を使って、写真をモノクロ化してみましょう。この機能を使うと、完全に色情報がなくなって、グレースケールの画像、つまりモノクロになってしまいます。それでは前回行なった補正の意味がなくなってしまいますので、 [ グラデーションマップ ] 調整レイヤーの [ 不透明度 ] を下げて効果を薄くします。好みの色調になるまで調節しましょう。

 さて、これで完成です。いかがでしょうか?あなたも古いアルバムに眠っている写真をレタッチして、思いでを鮮やかに蘇らせてみてはどうでしょうか。

 それではまた次回!

 
初出:2004/01/28
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