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写真レタッチ講座
第12回 超簡単・肌だけ明るくする方法
〜 レイヤーの描画モード・スクリーン 〜 2003/11/12
 
超簡単・色調補正
まずは写真全体を明るくする
肌だけ選択する超簡単な方法
赤系の情報をコピーしてスクリーンモード
読者の質問コーナー
画像を拡大するとき、一度にせずに
徐々に拡大した方がキレイ?

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  ■超簡単・色調補正 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面1 Before
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画面0 After
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●読者からの質問メール

  前回、「メールくれ〜」、「メールくれ〜」と騒いでいたら、優しい読者様より叱咤激励や質問のメールをさらにたくさんいただきました。本当にありがとうございます。いただいたメールから一通ご紹介します。大塚隆夫さんからのメールです。

「写真レタッチ講座を毎回楽しみに拝見しています。第11回で説明された画像補間についてお尋ねします。バイキュービック法で大幅に拡大または縮小する場合、一気に行わず25%以内の比率で何回かに分けて作業した方が画質が良いと聞きました。次回その辺について補足説明して頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします」

 この質問は前回説明した「画像の再サンプル」に関連するものですが、おっしゃる通りですね。んで、その補足説明ですが、文末で実験結果を交えて解説していますので、興味のある方はそちらをご覧ください。大塚さん、ありがとうございました。

 他のメールでいただいた質問は随時取り上げていきたいと思います。それと、メールをもらってわかったんですけど、前回の解像度の説明はダメダメですね。私自身もどうやったら解像度の話題をわかりやすく説明できるかいつも悩んでるんですけど、前回の説明は難しすぎたようです。プロデューサーの神崎洋治も「わかんねぇ〜」とほざいていたくらいですし、「解像度」についてはいずれ、もう一度チャレンジしてみようかと思います。

●今回のお題・簡単色調補正

 さて本題に入りましょう。今回は超・簡単だけどいろいろ役に立つ色調補正のテクニックの紹介です。なんで突然、簡単テクニックなんかを取り上げるのかというと、神崎洋治が「親父レタッチ」などという怪しいページを作ったことに対する火よりも激しい対抗心からでは決してありませんが、「あっ、てめぇ、こんなことやったら俺のネタがなくなるじゃないか」と思ったことは事実なので、「俺も簡単テクニックやっちゃおう」と思いた次第なのです。やるからには、神崎洋治よりも簡単で効果抜群なテクニックを紹介せねばなるまいと思いまして、今回は「面倒な範囲選択をしなくても人の肌だけを明るくする」テクニックです。

 範囲選択って面倒ですよねぇ〜。特に、「なげなわツール」なんてヤですよねぇ〜。と対抗心むき出しで、ほんとうに本題に入ることにしましょう。

 それでは、画面1のBeforeAfterをご覧ください。今回のモデルは中学二年生の坂梨亜里砂ちゃんに特別出演してもらいました。
 あっまた横道にそれそう………。

 

  ■まずは写真全体を明るくする ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面2 レイヤーの複製
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画面3 [ レイヤー ] に名前を付ける
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画面4 レイヤーの描画モードをスクリーンにする
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画面5 全体的に明るくなった
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●スクリーン描画モードを使う

 画面1のBeforeは写真全体がかなりアンダーなので、まずは写真全体を明るくしてみましょう。適当な写真をPhotoshopで開いたら、画面2〜5の手順を参考にして「レイヤーの描画モード」を「スクリーン」にしてみてください。「ありゃまこりゃ簡単」と思うことでしょう。ねっ?

●レイヤーの描画モードとは?

 複数のレイヤーがある場合、上にあるレイヤーの画素を下の [ レイヤー ] にどのように合成するかを指定するのが「レイヤーの描画モード」です。

●スクリーンモードとは?

 「レイヤーの描画モード」のひとつに「スクリーン」というモードがあります。「スクリーン」モードは、上下に重なった [ レイヤー ] にある「色」を、「光」に見立てて合成する描画モードです。 たとえば、ふたつのプロジェクター(映写機)で同じ映像をひとつのスクリーン(壁)に、同時に投影したときのことを思い浮かべてください。

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スクリーンとは?

 両方のプロジェクターで、少し暗めの赤い光をひとつのスクリーンに同時に投影すると、重なる部分は明るい赤になりますよね。これと同じ効果が「レイヤー描画モード」の「スクリーン」でも得られます。 ただし、プロジェクターで、「R:0 G:0 B:0」の黒と黒、「R:255 G:255 B:255」の白と白は、重なっても変化がないように、「スクリーン」モードでも同じ結果になります。 また、「R:255 G:0 B:0」のや「R:0 G:255 B:0」の、「R:0 G:0 B:255」のといった、これ以上に明るくならないを重ね合わせても、色の変化はありません。  画面5はこの「スクリーン」モードを使って、写真全体を明るくしているのです。

  ■肌だけ選択する超簡単な方法 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面6 レッドチャンネルの複製
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画面7 チャンネルに名前を付ける
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画面8 チャンネルが複製される
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●肌だけ選択するには

 「範囲選択しないって言ったのに、やっぱりさせるんかい!」って怒んないでくださいね。「面倒な範囲選択をしない」とは書きましたけど、「範囲選択をしない」とは書いてませんからね。(詐欺師だな) 要は簡単な範囲選択ならいいでしょ?  しかし、面倒な範囲選択をしないで、写真から簡単に肌の部分だけを選択するなんてことが本当にできるんでしょうか?

できません。

 「おいおい!ふざけんなよ!」って、怒んないでくださいね。って、普通怒るか……。いや、肌だけ選択するってのは無理ですけど、それに近いことができるんです。

●チャンネルとは?

 それには、写真から赤系の色だけを選択してやるんです。普通、デジカメ画像はRGBという形式でできているのは皆さん知っていますよね?Photoshopでは、このRGB各色を「チャンネル」という個別の器で管理しています。

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チャンネルとは?

 チャンネルとは、さまざまな種類の情報を保存する器で、その中の情報はグレースケール画像で表現されます。RGB形式の画像は、レッド、グリーン、ブルーチャンネルとそれぞれを合成したRGBチャンネルの4つのチャンネルで構成されます。そして、レッドチャンネルには「赤系」の色情報だけが保存されているわけです。つまり、人の肌は赤系の色が多く含まれているので、レッドチャンネルを利用すれば、肌だけを選択できる……かもというわけですね。

●アルファチャンネルにレッドチャンネルをコピー

 チャンネルパレットには、色情報のチャンネル以外に、アルファチャンネルというマスキングのために使うチャンネルを追加することができます。アルファチャンネルとは、白から黒へのグレースケールでペイントできるチャンネルで、ペイントした情報はそのまま範囲選択に変換されます。つまり、このアルファチャンネルに、レッドチャンネルの情報をコピーしてやれば、赤系の色だけを選択することができるというわけです。わかりますか?その手順は画面6〜8の通りです。

  ■赤系の情報だけコピーしてスクリーンモードに ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面9 アルファチャンネルの読み出し  Clickで拡大

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画面10 アルファチャンネルの情報をもとにコピー
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画面11 不透明度を調整して完成
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●アルファチャンネルを読み出す

 画面8で作成したレッドチャンネルのコピー、つまり、赤系の情報だけが保存されたアルファチャンネルを範囲選択として読み出してみましょう。(画面9)

 すると、画面10のように、赤系の色が存在する部分が範囲選択として表示されます。ここで、いつもの Ctrl + J キーを押します。このとき、コピー元になっているレイヤーは既にスクリーン描画モードになっていますから、コピーされた新規レイヤーもスクリーン描画モードでコピーされます。

●不透明度を調整して完成

 どうですか?肌や服などの赤系の情報を持っている部分だけが明るくなったでしょ?ちょっと明るすぎるなぁと感じたら、レイヤーの不透明度を調整して、(画面11) 好みの明るさに調整てあげましょう。

 いやぁ〜、今回は手順は簡単だけど、役に立つ情報盛りだくさんの講座になりましたねぇ〜。(自画自賛) これで「親父レタッチ」に差を付けたなぁ〜。やっぱりレタッチは俺に任せてくんないとねぇ〜、神崎洋治、読んでるかぁ〜。

 さて、最後になりましたが、次で大塚隆夫さんの質問について実験したレポートを紹介しましょう。

  ■画像を拡大するとき、徐々に拡大した方がキレイ? ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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画面12 画像の拡大
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画面13 比較
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●読者からのメール

もう一度、大塚隆夫さんからのメールを掲載しましょう。

「写真レタッチ講座を毎回楽しみに拝見しています。第11回で説明された画像補間についてお尋ねします。バイキュービック法で大幅に拡大または縮小する場合、一気に行わず25%以内の比率で何回かに分けて作業した方が画質が良いと聞きました。次回その辺について補足説明して頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします」

 私の講釈よりも、まずは実験をしてみましょう。

●4通りの拡大方法を試してみる

 同じ画像を4通りの方法で5倍まで拡大してみることにします。
(バイキュービック法で拡大)

a. 400px → 2000px に一気に拡大
b. 125%ずつ拡大
c. 110%ずつ拡大
d. 150%ずつ拡大

 4通りとも、最後は2000ピクセルになるようにします。 拡大に使ったサンプルは、画面12の画像です。写真よりもイラストの方が画質の劣化具合がわかりやすいので、Photoshopのタイトル画面を使いました。

●小刻みに拡大した方がキレイ

 結果は、画面13の通り、もっとも刻みが小さかった b.の110%ずつ拡大が、ジャギーがでずに一番キレイに拡大できました。ただ、シャープさ関しては4通り中一番悪いという結果も出ました。

●バイキュービック法の特性

 前回説明した「画像の再サンプル」にあるように、画像を拡大するときは、拡大したことによってできる各画素間の隙間に新たに画素を作って補間しています。このとき、補間する画素の色は、周囲にある元の色を参考にします。これによって、できるだけ元の画像に近い拡大画像が作られるわけですが、今回のテストのように一気に5倍まで拡大すると、補間する画素が多すぎて、キレイに補間することが難しくなってしまいます。
 これに対して、小刻みに拡大して、その都度の補間すべき画素を少なくすれば、より元の画像に近い結果を得ることができる、というわけです。
 ただ、 その代償(画素の補間)として、一気に拡大したときに比べて輪郭がボケてしまいます。

●このテクニックは使えるか?

 今回の実験結果は写真の場合も同じであると言えそうです。しかし、ひとつ気になることがあります。それは、元の画像と、一度に拡大した画像、そして小刻みに拡大した画像のヒストグラムをそれぞれ比べてもらえばわかります。一度に拡大した画像と元の画像のヒストグラムはほとんど同じなのに対して、小刻みに拡大した方はほんの少しですが余計な色情報が増えているのがわかります。これは、前述した補間技術によって余計に作られた偽の色情報と言えるでしょう。色情報が欠落することを画質の劣化と呼びますが、余計な情報が増えてしまうのも画質の劣化と言えます。もちろん、本当にちょっとした違いではあるのですが……。このテクニック、使えるか使えないかは、皆さんの判断に委ねることにしましょう

 
初出:2003/11/12
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