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写真レタッチ講座
第4回 部分的にレタッチするコツ <後編>
〜 範囲選択ツールを使い倒す 〜 2003/06/25
 
今週のお題・瞳キラ、鼻高、影作り
白目をより白くする
白目をより白くする
鼻たかっ!
影のある女を演出する!

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  ■今週のお題・瞳キラ、鼻高、影作り ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

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Before 修正前
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After 修正後
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  前回の「流行のツルツル顔を作る」が公開された直後、本講座のプロデューサーである神崎洋治から電話がきました。

 「あのさぁヤブちゃん、今回のツルツル好評だよ。やっぱりあんたの講釈より見栄えのするレタッチテクを中心にした方がいいってことだよねぇ。それから前編、後編なんて分けないでさ、1回で完結させてよね。雑誌じゃないんだからさぁ。ページの都合なんて言い訳け駄目だよ。それと、ちゃんと締め切り守ってよね〜。おっと大事なこと忘れるとこだった。モデルさんの水着の生写真ちょうだいね〜」

 Web プロデューサーなんてこんなものです。TV プロデューサーより少しましな程度です。音楽プロデューサーなんて……。おっとやばいことを口走りそうになりました。剣呑剣呑。

 そういうわけで(どんなわけだ!)、今回はタイトルで「後編」などと書いてはいますが、前回のサンプルを使うことを「ぷろでゅーさー様」から「同じ写真はつまんないよ〜」と禁止されましたので、違う写真に急遽変更いたしました。違う写真とはいっても、6月は週刊で更新しているわけですから、新しいサンプルを作るのは大変(わかっているのか神崎洋治!)です。なので、スタジオグラフィックス の広告で使ったイメージにしました。まずは、「修正前」と「修正後」を比べてみてください。

 わかりますか?まず前回の手法で「お肌をツルツル」にします。そして「白目をより白く」、「瞳をキラキラ輝かせ」て、「鼻筋をスーッと高く」しています。仕上げは涙顔の表情を強調するために「影のある女(?)」にしているわけです。それでは「れっつごー・れたっち!」

  ■白目をより白く 〜 色相・彩度 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●まず美肌を完了させる

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画面2 ダスト&スクラッチで美肌
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画面3 色相・彩度で白目を白くする
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画面4 白目の美白完成
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 前回のテクニック、 [ ダスト&スクラッチ ] を使って、画面2のように美肌を完了させておきましょう。ポイントは顔とその他露出している肌全体を別 [ レイヤー ] にコピーした後、眉、目、口などの [ ダスト&スクラッチ ] をかけたくない部分をさらに別の [ レイヤー ] にコピー、そして肌の [ レイヤー ] に [ ダスト&スクラッチ ] をかけることです。画面2ではそれらの作業が終わった後で、ひとつの [ レイヤー ] に統合しています。
 それでは、今週のお題のひとつ、「白目をより白く」するテクニックです。

●色相・彩度を使って白くする

 画面3を見てください。なんだかごちゃごちゃしていますが、基本的なテクニックは前回と同じです。まず [ クイックマスクモード ] にして [ ブラシツール ] で白目を塗りつぶす。それを [ 画像描画モード ] にして [ 選択範囲を反転 ] させ、[ 調整レイヤー ] で白くする…。という寸法です。細かな手順がよくわからないという人は前回の手順をもう一度読んでおいてください。

 雑誌で「詳細はバックナンバーをお読みください」って書くと「ふざけるな俺は今月号しか買ってないんだ!」というお怒りのハガキが大量にきます。読者様ってわがままですよねぇ〜。今月号で先月号と同じこと書いたらページがいくらあっても足りないじゃないか!そんでもって、なかなか先に進めないじゃなかぁ〜!………はぁはぁ…。

 ……ここでは一度 [ ブラシツール ] 塗りつぶした白目の周囲を、[ ブラシツール ] で使ったのよりボカシが大きな [ 消しゴムツール ] で消しています。これは、白目を塗りつぶすときにはみ出た部分を消すためだけではなく、白目がより自然に白くなるようにするためです。

 画面4がより白い白目の完成画面です。今回使った [ 調整レイヤー ] は [ 色相・彩度 ] 。これは選択した範囲の色を別の色にシフトさせる機能があります。ここでは充血して赤味がかった白目を青白くするために、色相スライダを右にスライドさせています。次に彩度スライダを左にスライドさせて、鮮やかさを減衰させます。そして最後に明度スライダを右にスライドさせて明るくしています。 [ トーンカーブ ] や [ レベル調整 ] の [ 調整レイヤー ] を使っても同じようなことができますが、赤を青に近づけるといった明確な目的があるときは、[ 色相・彩度の調整レイヤー ] の方が便利でわかりやすいのです。[ 調整レイヤー ] は何度も繰り返して編集しても画質が劣化することはありませんので、好みの色に変化するまで試行錯誤してみてください。

  ■瞳キラッ! 〜 トーンカーブ ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●キャッチライトを入れる

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画面5 [ トーンカーブ ] で瞳にキャッチライト  Clickで拡大
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画面6 キャッチライトの入った瞳
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 瞳に明かりを入れることをキャッチライトを入れるといいます。本来写真撮影の時にストロボなどで光を入れておくことがベストですが、普通のポートレートではなかなか入ってくれません。そこで Photoshop の登場となるわけです。サンプルに使っている写真にはすでにキャッチライトが入っていますが、広告写真などではもっとドラマチックに入れるのがポイントです。なので、瞳の虹彩に光が回り込んだような演出をしてみたいと思います。画面5を見てください。ちなみにもう細かな手順は解説していませんよ。文句言わないでくださいね。(笑) ここではやっていることは、瞳の虹彩にわずかに残っている色の情報を [ トーンカーブ ] を使って思い切り明るくしているのです。

  私が始めて人物レタッチをやり始めた頃のことですが、市販されている書籍で紹介されていたのはこれとはまったく違った方法で、虹彩に [ ブラシ ] で白を直接塗れと言ったものでした。おいおいそりゃないだろう、それじゃあんまりにも漫画チックじゃないかってことで、自分なりに見つけた方法がここで紹介しているテクニックです。このテクなら、元の写真にある情報を使っているわけですから、画面6のようにより自然にキャッチライトが入ってくれるわけです。どうですか?

  ■鼻たかっ! 〜 ペンツール ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●鼻筋を高くするには

 さぁて、今度は最も簡単に鼻筋をスーッと高くするテクニックを紹介します。鼻を高くすると聞くと、Photoshop を使ってかなり高度なレタッチをするんじゃないかと思うかもしれませんが、実は極めて簡単な方法で高く見せることができるのです。それは、鼻筋を [ トーンカーブ ] で明るくしてやるだけなのです。なんでこんな方法を思いついたかいうと、私が幼い頃、お祭りになると法被を着せられて顔に化粧をされたんですが、鼻を高く見せるために鼻筋に沿って白粉を塗られたことがあるからです。それなら、鼻筋にハイライト付ければ高く見える?ってことでやってみたらその通りになっちゃったわけです。

  さぁもうやり方は簡単ですね。[ クイックマスクモード ] にして鼻筋を [ ブラシ ] で塗って、 [ トーンカーブ ] の [ 調整レイヤー ] で……。でもそれじゃ面白くありませんから、今度は違ったツールでやってみましょう。それは [ ペンツール ] です。

●ペンツールとは?

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画面7 パスオブジェクトの各部名称
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 Adobe Illustrator ってご存知ですか?使ったことがある人なら、[ ペンツール ] というものがどんなものなのか、すぐにわかると思います。

 [ ペンツール ] とはパスオブジェクトを描くツールです。パスオブジェクトとは画面7のような構造をしているベクトルデータです。ベクトルデータとは……、あー、話がややこしくなるのでもっと簡単に説明しますね。[ ペンツール ] とは、何度も編集しなおせて思い通りに直線や曲線を描くツールです。慣れていないと難しいツールと感じるかもしれませんが、一度コツを掴むとこれがホントに便利な描画ツールです。ポイントはパスオブジェクトは何度も編集しなおして形を変えることができることです。[ ブラシツール ] で思い通りの形を描くのは結構大変ですよね。でも [ ペンツール ] だと一度簡単に形を描いた後で、[ パス選択ツール ] を使って形を整えることができるんです。それでは使い方を紹介しますが、まずは画面7を見てパスオブジェクトの各部名称を良く覚えておいてください。

●ペンツールで鼻筋を描く

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画面8 パスを描く  Clickで拡大
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画面9 パスオブジェクトの変形  Clickで拡大
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画面10 パスを [ 選択範囲 ] に変換  Clickで拡大
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画面11 鼻筋が高く見えるようになる  Clickで拡大

  [ ペンツール ] でパスオブジェクトを上手に描くコツは、アンカーポイントと方向線によってセグメントの形状が変わることを体感することです。画面8では涙型のパスオブジェクトを描いていますが、始点の他に2つのアンカーポイントで涙型を完成させています。パスを描くのがはじめてのうちは、アンカーポイントをたくさん作ってしまいがちですが、パスを上手に描くふたつめのコツとして、アンカーポイントは最小限にすることがあげられます。アンカーポイントの数が多いと、ギクシャクしたパスオブジェクトになりがちですが、アンカーポイントの数を最小限にして方向線の長さや角度で曲線を表現すると、滑らかなパスオブジェクトを描くことができます

●パスオブジェクトを変形

 さて、適当に描いた涙型のパスオブジェクトを今度は鼻筋に沿ってキレイな形になるように編集してみましょう。それには、[ パス選択ツール ] を使います。使い方は画面9をご覧ください。[ パス選択ツール ] の他に、[ パスコンポーネント選択ツール ] というのがありますが、これはパスオブジェクト全体を選択して移動するツールです。これに対して[ パス選択ツール ] は、アンカーポイントやセグメント単位で選択ができるツールです。パスオブジェクトの形状を変更するには [ パス選択ツール ] を使います。それでは、画面9の手順でパスオブジェクトを編集してください。

 ちなみに、この画面8画面9の方法で描いたパスオブジェクトは、描いている最中はその形が表示されていますが、他の [ レイヤー ] を選択すると表示されなくなります。Illustrator のパスオブジェクトと異なるのは、パス自体に着色できないということです。( Photoshop 6 からは、擬似的ではありますが、パスオブジェクトの中に着色できるようになりました) それでは何のために [ ペンツール ] があるのか?それは次で説明する範囲選択の機能のほかに、クリッピングパスとして使うためなのです。(クリッピングパスはここでは必要のない機能なので省略させてください)

●パスから [ 選択範囲 ] を作る

 さぁて、今まで何のためにパスオブジェクトを一生懸命描いたかというと、実は、パスオブジェクトはそれを基にして [ 選択範囲 ] を作成できるのです。それが画面10の手順です。手順c)をすると、画面10のようなダイアログボックスが表示されます。[ ぼかしの半径 ] には [ 選択範囲 ] をぼかす度合いの数値を入力します。ここに入力する数値はとりあえず適当で。後から [ トーンカーブ ] の [ 調整レイヤー ] で鼻筋のハイライト部分を作るときに、はじめてボカシの度合いがわかりますから、もし適当でないと感じたら、[ ヒストリーパレット ] を使って [ 選択範囲 ] を作る寸前まで戻り、もう一度やり直しましょう。

 こうやって作った鼻筋のハイライトが、画面11です。どうですか?鼻が高くなったように見えませんか?ここでのポイントは画面10の手順 i)であまり中間調を上げすぎないようにすることです。適度が大切です。

 さぁぁて、そろそろ仕上げです。次は、「影のある女」にしてみましょう。

  ■影のある女を演出する! 〜 レイヤーの不透明度 ひとつ前のページに戻るこのページのトップへ  

●影のある女…?

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画面12 クイックマスクで影を描く  Clickで拡大
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画面13 [ 選択範囲 ] を黒く塗りつぶす
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画面14 完成
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 最後の仕上げです。ところで自分で書いといていうのもなんですが、影のある女ってなにさ。普通みんな影があるだろう……。じゃぁ影のない女っているのかぁっ!……いたら怖い。

 疲れてますね。間違いなく……。この原稿を書いているのは6月21日なんですが、早朝のジーコジャパン対フランスの試合がとってもよかったために、興奮しすぎてしまったのです。残念ながら負けましたが、しゅんすけのゴールは値千金でした。あっ…?どうでもいいですよね。そんなこと。

 本題に戻ります……。影のある女とか言っておいて、要は単純に人工的な影を作ろうっていうだけのことです。つまり、写真が下手だったために、あんまり影ができていないっていうことなんですな。だからっていうんで、涙の流れている左顔面に影を作れば、涙がさらにクローズアップされることを狙っているわけですよ。それでも、この影を作る作業が、今回一番難しいテクニックかもしれません。というのも、ただ単に左顔面を黒く塗りつぶすわけじゃないからです。ちゃんと顔に当たる光の具合を考えながら塗らなければならないからです。

 画面12を見てください。[ クイックマスクモード ] で大きな [ ブラシ ] を使って影にしたい部分を塗っています。このときのポイントは、[ クイックマスクモード ] 時の塗りつぶしの色を青に変えていることと、塗りの [ 不透明度 ] を変えていることです。[ クイックマスク ] は初期設定で赤の[ 不透明度 ] 50 %になっていますが、人物写真のように赤っぽい写真に使う場合は、塗った部分がわかりにくいので、補色関係にある青を使っているわけです。次のポイントは、塗りつぶす場所によって [ ブラシ ] の太さを変えることです。また、影の具合を良く考えて塗りましょう。失敗したら[ 消しゴムツール ] で影を消しながら進めます。塗り終わったら [ 画像描画モード ] に切り替えて、[ 選択範囲を反転 ] させ、そこを [ 塗りつぶしツール ] で塗りつぶします。そして塗りつぶした結果が画面13です。そのままでは影が強すぎるので、[ レイヤー ] の [ 不透明度 ] を使って影の濃さを調整して完成です。

 いかがでしたでしょうか。 今回の写真レタッチ講座は、いままでの中で特に力を入れて執筆しました。なので、今までよりもより多くのファンメールをお待ちしております。面白かった、ためになった、生きる勇気が沸いたといった感想メールはもちろん、もっと真面目にやれ、ヘタクソ、女房に怒られたなどの叱咤激励メールも大歓迎です。それではまた次回!

 
初出:2003/06/25
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