彼女と並んでいると、僕はコドモなのかなあと感じてしまう。
冷静さを装うように、僕はドリンクを口にした。
…彼女の視線は、痛いほど分かった。

Canon EOS-1Ds Mark3 + トキナーAT-X 17-35 F4 PRO FX 17-35mmF4 絞りF4.0　1/50秒　ISO500　WB:マニュアル　RAW

パーティに出席している男性がみんな彼女を見ているような…。
ふと見せるこの表情は、僕をキュッとさせる。
そう思ったのは僕だけじゃないと、確信している。

Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM 絞りF2.0 1/320秒　ISO200 WB:マニュアル　RAW

「ちょっと静かになりたいね」と、彼女と二階へ。
隣に座りなよ、と彼女は笑うが、僕はいいよ、と答えた。
その仕草に釘付けになったから。

Canon EOS7D + トキナーAT-X 165 PRO DX 16-50mm F2.8（IF） 絞りF3.2　1/100秒　ISO200 WB:　マニュアル　RAW

翌日、僕は彼女を呼び出した。屈託の無い笑顔で彼女は、どうしたの？と言う。
昨日からドキドキが止まらないなんて言えない。…笑顔が凄く眩しかった。

Canon EOS-1Ds Mark3 + EF70-200mm F2.8L USM 絞りF3.2　1/200秒　ISO200 WB:マニュアル　RAW

「昨日のパーティ、楽しかったね。」
「うん。」
「あっ、ひこうき雲…」
彼女は空を見上げ、長く伸びる雲を追いかけていた。

Canon EOS-1Ds Mark3 + EF70-200mm F2.8L USM 絞りF3.2 　1/200秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW

…「何かあったの？」
なんで？
と聞き返すと、
「だって、今日笑ってないね。」
うつむきながら、そして僕の方を見ずに、彼女は小さくそう言った。

Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマ 85mm F1.4 EX DG HSM 絞りF3.5　1/250秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW

嫌いになっちゃった？
そんな声が聞こえてきそう。
でも、違う！
今日僕が彼女を呼び出したのは…。
陽は傾き、夕暮れが近づいたことを意識した。

Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマ85mmF1.4 EX DG HSM 絞りF3.5　1/250秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW

「そろそろ、帰るね。」彼女はそう口にした。
僕はこの時間までどんな顔をしていたのだろう。
僕には彼女が少し寂しそうに映った。
それが答えだ。
「ここで言わなきゃ…！」僕は小さくうなずいた。

Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマ50mmF1.4 EX DG HSM 絞りF3.5　1/800秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW

「待って！」
僕の声に驚き、振り向く彼女。
上を見て、大きく深呼吸をした。
「僕は、君とあのクラブハウスに行ったときから、君のことが…。」
目をつむったまま、かすれるような声で伝えた。

Canon EOS-1Ds Mark3 + トキナー AT-X M100 PRO D100mm F2.8 MACRO 絞りF2.8　1/400秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW

目を開けると、彼女が目の前にいて、「最後まで、キチンと言って！」と。
ちょっと怒ったような、でも潤んだ瞳を見つめながら、僕はもう一度最後まで言葉にした。
「ありがとう、先に言ってくれて。」

Canon EOS-1Ds Mark3 + シグマMACRO105mmF2.8 EX DG OS HSM 絞りF2.8　1/400秒　ISO200　WB:マニュアル　RAW