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女性の撮りかた講座
第15回 ときには子供の写真を撮ろう!
〜 表情の変化を見逃すな 〜 2004/6/3
 
自然光の中で肌をキレイに撮ってあげよう
表情の変化を追いかけよう
スタジオで幼児の撮影
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  ■自然光の中で肌をキレイに撮ってあげよう このページのトップへ  

●今回は一人で解説…?

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写真1-1 写真をClickで拡大

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 久しぶりに、私、薮田1人での解説です。澤口がいないと以前のスタジオグラフィックスに戻った感じで、なんだか上品ですね…って、そういえば、今回の撮影術でスタグラもなんと1周年ですよ!いやぁ!なんとも感慨深いですねぇ。1年。長いようで短いようで…。え?「そんなことはどうでもいい」?、「なんで女性の撮りかた講座で子供なんだ」ですか? いや、これには深〜いわけがありまして、実はネタが……、じゃなくて、1周年の節目にスタグラ全体をリニューアルするぞってことになりまして、この撮影講座も今月でなんと終わってしまうんですよ〜。そんなわけで新しくロケする予算……あわわ、そうじゃなくて、とにかく時間がなくてですね、今までに撮った写真でなんとか適当に都合を……、違う違う、読者からの要望の中で、女性の撮影以外に要求の多かった「子供の撮りかた講座」をやれというプロデューサーからの至上命令があったんですよ。そういうわけで、今回は子供です。子供。いいですねぇ子供。くぁわゆいですねぇ。こけてぃっ〜しゅですねぇ。では、これ以降はまじめに真面目に、子供を撮るコツについてご紹介していきましょう。

●フィルタで肌の色をキレイに

 子供の肌って、なんにもしなくてもキレイなんですけど、写真にするときは、その魅力を最大限に引き出してあげましょう。コンパクトカメラなんかですと、肌がキレイに写るモード(ポートレートモードなど)なんてのがありますが、あれは肌の赤みを強調しています。そんなモードのないデジタル一眼レフカメラの場合は、やっぱりレンズにポートレート用のフィルタをつけましょう。この講座で何度も紹介してきた、KenkoのPortrait Enhancer(ポートレートエンハンサー)なんかがいいですね。このフィルターは、通常の撮影でくすみがちな肌の黄味を抑えて、赤系の色を強調することで、ほんのりとピンクに色づいた明るい肌を演出してくれます。とくに、この講座で使っているOLYMPUSのE-10/20などは色味がナチュラルすぎますから、鮮やかな色味が好きな人にはフィルタによる演出は必須です。

●自然光を上手に使う

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写真2-1 写真をClickで拡大

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 自然光の使い方はこれまでにも何度も説明してきましたが、子供はやっぱり自然光の中で撮るのが一番です。写真1−1は女性の撮りかたでよく使う「半逆光」での撮影です。つまり、太陽を被写体の斜め後方に置いて撮影します。「半逆光」だと被写体の輪郭が浮かび上がったキレイな写真になります。ただ太陽が後ろにあるわけですから、被写体の顔が暗くなってしまわないように、ストロボを発光させましょう。また可能であれば、レフ板で顔を明るくしてあげると良いでしょう。写真1−2はサイド光、つまり太陽が被写体の真横にありますが、これもレフ板で顔を明るく起こしています。

●朝の光を使っての撮影

 写真2−1写真2−2はリビングに射し込む朝の光で、寝起きの子供撮っています。ポイントはカメラの測光モードを「分割測光」から「スポット測光」に変えて、顔に当たっている光を基準に露出を決めます。また、顔をわざと少しハイキーにして浮かび上がらせたかったので、シャッタースピードを一段遅くしています。こうすることで、ソファの赤によるコントラストに顔が負けないようになります。もちろん、マニュアルモードのあるカメラでないとこうしたことは不可能です。ちなみに、写真2−1写真2−2はレフ板もストロボも使っていません。あくまでも窓から射し込む朝の角度のついた光だけでの撮影です。

●被写体を中央に置かない

 写真2−1写真2−2は、わざと被写体を中央からずらして撮影しています。こうした構図は絵的にも面白いですが、構図によって光の表情が変わることも意識してください。この写真では、顔をわざとハイキーにしたかったので、そうなる構図を選んだ結果でもあるのです。

  ■表情の変化を追いかけよう このページのトップへ  

●何かに夢中にさせて撮影

 子供は「子役」の役者でもない限り、表情を作るなんてことはできませんし、望んでもいけません。ひたすら自然な表情を撮ってあげましょう。自然な表情を撮るには、カメラを意識させないことが重要です。それには、何かに夢中にさせて、その表情の変化を追いながら撮影しましょう。

 ここでは、補助輪なしの自転車に初めて乗る子供の表情の変化を追いかけてみました。はじめは真剣で不安そうな表情も、やがて自転車のコツを掴んで明るくなり、最後は弾けるような笑顔を見せてくれます。もしかしたら、転んで泣いてしまうかもしれませんが、それもシャッターチャンスであることは間違いありません。

●はじめは望遠で離れて撮影

 子供が何かに真剣になっているわけですから、あまり近くで撮影してはいけません。子供の気が散ってしまって真剣な表情なんて撮れません。はじめのうちはズームを望遠側にして、離れて撮影しましょう。笑顔になってきたらグッと寄って撮ることもできるはずです。

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写真3-1 写真をClickで拡大
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●たまには演出も?

 子供に表情の演出を望むことは無理だとしても、子供の環境を演出してあげることは大切です。たとえば誕生日のお祝いのひとコマということで、環境光を演出してあげましょう。写真4−1写真4−2は、白熱灯とローソクの光だけでの撮影ですが、こうした弱い光だとどうしてもシャッタースピードが遅くなってしまいますから、よく動く子供の撮影には向いていません。でも、「さぁお祈りをしてみよう!」なんて言って、本当にお祈りをさせれば、自然と子供はジッとしてくれますよね。

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写真4-1 写真をClickで拡大
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写真4-2 写真をClickで拡大
  ■スタジオで幼児の撮影 このページのトップへ  

●スタジオの雰囲気に慣れさせるには

 子供も幼児となると大変です。ましてスタジオでの撮影なんて普通の幼児なら泣き出してしまうかもしれません。まずは、スタジオの雰囲気に慣れさせることが重要ですね。それには幼児のお父さんやお母さんの協力がどうしても必要です。まずは、親と一緒にスタジオのストロボやホリゾント(バック紙)の前で遊んでもらいます。その際に、時折カメラのシャッターを切ってストロボを発光させましょう。驚く幼児もいることでしょうから、ストロボを発光させる前に、「今からピカってなるよ〜」と言っておきます。でも、ストロボを直に見させてはいけません。ストロボにも慣れて、遊びに夢中になりだしたら、そこからが撮影のチャンスです。

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写真5-1 写真をClickで拡大
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写真5-2 写真をClickで拡大
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写真5-4 写真をClickで拡大

●小道具を使って一人で遊ばせる

 子供がスタジオに慣れてきたら、徐々に親はホリゾントの前から移動してもらい、カメラマンの後ろに来てもらいます。それでも常に子供に話しかけていてもらいます。もちろんカメラマンも子供の名前を呼びながら常に話しかけていましょう。以前も書きましたが、カメラマンは子供と同じ年齢になったつもりで話しかけてあげることが重要です。かといって「はい撮りまちゅよ〜」なんて幼児語を話せということでは決してありませんよ。ときにはカメラを置いて、子供と一緒に、子供と同じ目線で遊んであげましょう。子供は最初戸惑いますが、そのうち「このおっさん、何か変」って思うようになり、次に「変なおっさんと遊びながら撮影されてみようかな」って気持ちに変わるはずです。

●次回は最終回!

 さて、今回の撮影講座はこれで終わりです。 次回はなんと最終回! これまでに撮り貯めて、本講座に掲載できなかった写真を一挙に大放出します。懐かしのあの子やちょっとエッチな写真もあるかもしれません。お楽しみに。

 
初出:2004/6/3 このページのトップへ
 

     
 
 

     
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