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PLフィルターとは |
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PLフィルターは「Polarized Light」の略で、日本語では「偏光フィルター」と呼ばれます。
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青空にこぶしの花がきれいに咲く住宅地の昼下がり。高性能なレンズを装着してもただシャッターを押しただけだと、眠い感じ写真になることが多い。 |
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太陽光の位置を考慮して、PLフィルターをレンズに装着して撮影した作例。白い雲も浮き出て見えてくる。(カメラ:キヤノンEOS 40D、レンズ:トキナーAT-X 165 PRO DX(16~50mm F2.8、フィルター:PL サーキュラーPL(W)バーニア)
> 比較写真 |
サングラスなどでも偏光レンズ採用のものが増えていて、ドライバーや釣り人等に多く愛用されていますが、さて偏光とは何でしょうか?
わかりやすい例では照らされている日の光が「自然光」と呼ぶのに対して、反射してかたよった光が「偏光」です。
偏光フィルターという名前の通り、特性としては偏光や反射を除去する効果があります。例えば、ガラスや水面の反射、水に濡れてキラキラ輝く反射光を取り除きたいときにも便利です。
ガラスや水面の反射は解りやすいのですが、意外と偏光は写真に様々な良い影響も悪い影響も与えています。悪い影響のひとつが乱反射や散乱光によって写真のコントラストを下げてしまうことです。今回はPLフィルターを使って偏光を除去して、「青空と白い雲をもっと印象的に撮ろう」「空をもっと青く、雲を白くクッキリと撮ろう」というのがテーマです。
PLフィルターが利用されるシーンで最も知られているのが青空の撮影です。青空に白い雲が浮かんだ景色は見る人に強烈なインパクトを与えますが、デジタルカメラで撮影した場合、目で見たのは青空でも、写った空は白っぽくてさえないことも多いですよね。空気中のホコリやチリに反射して空が白っぽく霞んでしまったり、手前の被写体に露出を合わせたために空は露出オーバーになって白飛びしてしまったり、が原因です。
僕が執筆を担当しているレタッチ講座でも、「空を青く、夕焼けを紅く、芝生を緑に演出するスマートブラシツール」や「空をもっと青くする 青空カラー補正術」は人気が高く、デジタルカメラで撮影した青空の色に満足していないユーザーが多いことを示しています。スタジオグラフィックスはほかに「空を撮影時の青さにするには」(Photoshop)や「逆光の失敗写真を明るく、青空をもっと青く補正するレタッチ術」(Picasa3)等で空の青さを記憶の色に近づけるレタッチ方法を解説していますのでご覧ください。
いやいや、レタッチで補正する方法も良いですが、やはり撮影時に見た目の青空をシャッターで切り取りたいものです。レタッチするにも白く飛んでしまった空では補正のしようもありません。さてそこで、登場するのが「PLフィルター」です。一度使ったらビックリの効果ですよ!!
では、まずはPLフィルターを使ったプロの写真の紹介から。
作品例 |
PLフィルターを装着して撮影した作品例「乾季のサバンナ」
撮影:内山晟 「動物写真・撮影テクニック講座」著者
遥か彼方まで続く草原、抜けるような青空に浮かぶ雲。
印象的な空をPLフィルターで記憶の鮮やかさをとらえた作品です。 |
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では次に、実際に使い方と、効果のほどを見ていきましょう。
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