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クロスフィルターの効果と作例 |
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次は「クロスフィルター」の紹介です。
通常、光は丸や楕円の点で光りますが、クロスフィルターを装着するとその光が星のように放射状の明るい筋に見えます。これを光条と呼び、クロス状に伸びることからクロスフィルターと呼ばれます。
レンズをよく見ると、透明の表面に細い線状の溝が規則的に入っていて、光はこの線の影響で光条が伸びるのです。
次の例も同様に、太陽の光の反射をクロスフィルターで演出した例です。ただし、こちらの作例では、Cokinのフィルターホルダーに丸形のクロスフィルターと、角形のブルーグラデーションフィルターを装着して撮影しました。
作例07 |
反射する夕日の光をクロスフィルターで表現した例。曇天のため、空はグレーだったので、ブルーのグラデーションフィルターも装着して撮影。 |
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Cokinではクロスフィルターを「スター(Star)」と呼び、8本の光条が伸びるものを「Star8」、16本の光条が伸びるものを「Star16」という名称でラインアップしています。
※一般のPLフィルターについて詳しくは 「デジタルカメラ時代のレンズフィルター初級講座」
もご覧ください
> キラキラの光を演出する クロスフィルター
> 夜景写真やイルミネーションをきれいに撮ろう (1)
~ クロスフィルターとソフトフィルターで幻想的な写真に挑戦 ~
■ Star8
まずは「第2回 ハーフ・グラデーション・フィルターで夕景・夜景を撮ろう」で紹介した、横浜のマリンタワーをのぞむ港の風景を撮った作例です。夜景としてはきれいですが、特に気を引くようなポイントのない港の風景を、クロスフィルター「スター8」を使って、ポイントを加えた例です。
作例08 |
大さん橋からマリンタワー方面をのぞむ (フィルター装着せず) |
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作例09 |
クロスフィルター「スター8」(Cokin P056 Star 8)を装着した作例。 |
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Cokinのクロスフィルターを装着して撮影した作例は、実は既にこの講座でも紹介したことがあります。
豪華客船ロイアルウィングの作例です。下記の写真は作例10がフィルターなしで撮影したロイアルウィング、作例11が、丸形のクロスフィルター「スター8」と、角形のブルーグラデーションフィルターを装着して撮影した例です。見比べると効果がよくわかると思います。本来、点光源の光が8本クロスに光条が出て、豪華客船に相応しく、煌びやかな光を演出しています。
作例10 |
着岸した客船ロイアルウィングをフィルターを装着せずに撮影した例。 |
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作例11 |
クロスフィルター「スター8」(Cokin P056 Star 8)を装着し、更に角形のブルーのグラデーションフィルター(Cokin P667 Fluo Blue 2)を客船の下部(明るいところ)に装着した作例。 |
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次は、 みなとみらいの観覧車を被写体に夕方の景色を撮影した例です。 空はまだ完全に暗くなる前ですが、カラーグラデーションフィルターとの併用は明るさを残している時間帯の方が、効果がよくわかります。
フィルターなしで撮った写真、クロスとブルーグラデーション、クロスとサンセットの3パターンを紹介しますので、比較してみてください。
作例12 |
横浜みなとみらい、コスモワールドの観覧車。フィルターなし。 |
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作例で気付いた方もいると思いますが、クロスフィルターを使用すると光に光条が追加されるだけでなく、灯りが膨張したような効果も得られます。それらが相まって煌びやかな、まぶしい印象が演出されます。しかし一方で、幾分、写真の解像感が落ちます。いわゆる、ややボヤけた、ソフトフィルターをかけたような状態になります。それらの特性も含めて、被写体や撮影現場の状況を考えながら使用すると、良い写真が撮れると思います。
では、横浜みなとみらいを作品として撮影したものを紹介します。
クロスフィルターなしの例とクロスフィルターを使った例です。撮影の目的や写真を使用するもの(掲載するもの)によって、どちらの写真が良いかは意見が別れるかもしれませんが、比較してみてください。
作例16 |
みなとみらい夜景。クロスフィルター「スター8」(Cokin P056 Star 8)を装着 |
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作例18 |
みなとみらい夜景。クロスフィルター「スター8」(Cokin P056 Star 8)を装着 |
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■ Star16
Cokinには前述のとおり、16本もの光条が出るクロスフィルター「スター16」もラインアップされています。
一般のケンコー・トキナー社のフィルター製品では、4本の光条の製品を「R-クロススクリーン」、6本を「R-スノークロス」、8本を「R-サニークロス」としてラインアップしていますが、Cokinの「Star16」のように16本の光条が出る製品は類を見ません。豪華絢爛というか、とにかく型破りな光条の数と言えるでしょう。
8本の光条のスター8より、スター16の方が光はより膨張して見えてソフト感も増します。
それを理解した上で上手に活用しましょう。
作例は次回以降にご紹介します。
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