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薮田織也のアクセサリレビュー
 Kenko Zéta Super Slim 液晶保護ガラス

モデル:響-kyo-  Photo & Text 薮田織也

TOPIX

2015 年 8 月 21 日、ケンコー・トキナーから最新素材「 ゴリラガラス4 」を採用した薄さ 0.15mm の「 Zeta Super Slim 液晶保護ガラス 」が発売されました。液晶保護フィルムではなく、液晶保護ガラスとはどんなものなのか、ゴリラガラス4を素材にするとどんなメリットがあるのか、本サイトでお馴染みの写真家・薮田織也が解説します。 by 編集部

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■ フィルムではなくガラス??

写真1
Zeta Super Slim 液晶保護ガラスのパッケージイメージ

Zeta Super Slim 液晶保護ガラスのパッケージイメージ

豊富にあるデジタルカメラのアクセサリのうち、カメラ本体の背面液晶を保護する「 液晶保護フィルム 」を使ったことがあるだろうか。筆者は数年前まではよく液晶に貼って使っていたがやめた。理由は、液晶とフィルムの間に気泡を入れずに貼るのがなかなかに大変だったし、確かに液晶は保護できるが保護フィルムがすぐに傷だらけになるからだ。高価ではないのだからと傷がついたら新しいフィルムに貼り替えればいいと思うが、フィルムの粘着面の材質によっては剥がしにくいものもあったし、剥がした後に液晶面に粘着物が残ることもあって敬遠することにしたのだ。

写真2
Nikon D800 に Zéta Super Slim 液晶保護ガラスを貼ってみた

Nikon D800 に Zéta Super Slim 液晶保護ガラスを貼ってみた

そうした液晶保護フィルムの難点を解決した化学強化ガラスを使った「 PRO1D 液晶保護ガラス 」が2年前にケンコー・トキナーから発売されていたのは知っていた。PRO1D はフィルムに比べて遙かに硬度が高く、気泡を入れずに貼れる製品だとのこと。その他いろいろとメリットのある製品だったのだが、ガラスの厚さが 0.4mm と少々厚く、その当時使っていたバリアングルの液晶( 液晶面を自由な角度に動かせる )に貼ると液晶を収納できなくなる可能性があったので使わずにいたのだ。

ところが、筆者のようなあれがダメこれがダメとうるさいユーザーにぴったりの製品が 2015 年 8 月 21 日、ケンコー・トキナーから発売された。それが「 Zéta Super Slim 液晶保護ガラス 」だ。液晶保護フィルムの難点をすべて解決しているのはもちろん、人気製品だった PRO1D の長所を超え、さらに従来の約 1/3 の薄さ「 0.15mm 」を実現した製品だ。0.15mm の薄さとは、つまりバリアングル液晶にも使えるということだ。どのような製品なのか、次のセクションから詳しく紹介していこう。

■ Zéta Super Slim を amazon でチェック■
Canon EOS Kiss X8i/X7i 用
Canon EOS 70D 用
Canon EOS 7D MarkII 用
Nikon D7200/D7100 用
Nikon D3300/3200 用
■ メーカーサイト ■
Zéta Super Slim 液晶保護ガラス

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■ 高い透過性と低反射を両立した Zéta Super Slim

写真3
Zéta Super Slim 液晶保護ガラスを貼ると、透過性はそのままに、反射や映り込みが大きく軽減される

Zéta Super Slim 液晶保護ガラスを貼ると、透過性はそのままに、反射や映り込みが大きく軽減される。( 右が Zéta Super Slim を貼った画面 )

写真4 透過率の比較
Zéta Super Slim の透過率を他社製品と比較。ほとんどの波長の光をまんべんなく透過させているのがわかる

Zéta Super Slim の透過率を他社製品と比較。ほとんどの波長の光をまんべんなく透過させているのがわかる

写真5 反射率の比較
Zéta Super Slim の反射率を他社製品と比較。ほとんどの波長で反射が少ないのがわかる

Zéta Super Slim の反射率を他社製品と比較。ほとんどの波長で反射が少ないのがわかる

前置きが長くなってしまったが、Zéta Super Slim 液晶保護ガラスを貼った結果をお目にかけよう。写真3を観て欲しい。Nikon D800 の背面液晶画面だが、左の画面が貼る前、右の画面が Zéta Super Slim を貼った後だ。外光の入らないスタジオにて、白熱灯、蛍光灯、ストロボの3つの光源を液晶面に当てて撮影したものだが、透過性は損なわれずに、反射や映り込みが大きく低減されているのがわかるだろう。Zéta Super Slim の製品名に、ケンコー・トキナーの最高級グレード光学フィルター「 Zéta 」シリーズの冠を採用している理由は、光学フィルターと同じ最高性能の反射防止コート( AR コート)でコーティングしているからなのだ。

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■ 気泡を入れずに貼りやすい Zéta Super Slim

写真6 付属品
Zéta Super Slim 本体と付属する液晶画面のクリーニング用備品。( 写真は発売前の製品なので、実際の製品と異なる場合があります )

Zéta Super Slim 本体と付属する液晶画面のクリーニング用備品。( 写真は発売前の製品なので、実際の製品と異なる場合があります )

写真7
まずは液晶画面の埃をブロワーで吹き飛ばそう( ブロワーは付属しません )

まずは液晶画面の埃をブロワーで吹き飛ばそう( ブロワーは付属しません )

写真8
付属のクリーナーで油分を取り除き、クロスで拭く

付属のクリーナーで油分を取り除き、クロスで拭く

写真9
Zéta Super Slim を貼付したら、保護フィルムを剥がす

Zéta Super Slim を貼付したら、保護フィルムを剥がす

Zéta Super Slim を使う前から個人的にとても気になっていたことは、「 いかにして気泡を入れずに綺麗に貼れるか 」だった。丁寧に埃を払わずホイホイ貼ってしまうようなガサツな筆者は、この作業が苦手というわけではなく一番に面倒と思ってしまう。ただ今回はレビュー記事用ということで心して取りかかってみたのだが、それらはすべて杞憂だった。

Zéta Super Slim は、液晶面の埃と油分だけきちんと取り払っておけば、いとも簡単に貼付できるのだ。言葉では説明しにくいのだが、Zéta Super Slim の端を指で押えて液晶面に軽く置けば、後は勝手にゆっくりと吸着していくのだ。気泡もほとんど入らない。もし入ったとしても、時間とともに気泡が抜けていくのだ! これは小さな驚きだった。これは新開発のバブルレス加工というもので、Zéta Super Slim の液晶との吸着面には、伸縮性と弾力性をもったシリコン層があり、このシリコン層が気泡を入りにくくし、さらに残った気泡をゆっくりと分散させて無くすのだそうだ。もちろんこの効果を完全にするためにも、液晶面の埃はすべて取り払う必要がある。

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■ 今年の新素材「 ゴリラガラス4 」を採用

最後になったが、Zéta Super Slim に使われている「 ゴリラガラス4 」について簡単に説明しておこう。ゴリラガラスとは米コーニング社が開発した割れにくく、傷が付きにくい化学強化ガラスの商品名だ。ゴリラガラスは iPhone を初めとした多くのスマートフォン液晶画面に使われており、その後「 ゴリラガラス2 」、「 ゴリラガラス3 」と改良が重ねられ、2014 年 11 月に、「 ゴリラガラス4 」が発表された。「 ゴリラガラス4 」は「 ゴリラガラス3 」の強度を半分程度の厚さで実現でき、さらに傷が付きにくいのが特徴で、「 ゴリラガラス4 」にケンコー・トキナーの光学レンズフィルターで培った加工技術を加えたのが Zéta Super Slim というわけだ。

「 ゴリラガラス4 」がスマートフォンで採用されていることから想像つくだろうが、Zéta Super Slim は、タッチパネルのデジタルカメラにも使える。希望小売価格 4,200 円は、光学レンズフィルター並みの価格であり、従来の液晶保護フィルムと比べるとかなり高価ではあるが、その堅牢さから一度貼ったらデジタルカメラの寿命まで貼り替えずにすみそうな気もするので、費用対効果は高いと言えるだろう。

■ Zéta Super Slim 対応表■
キヤノン EOS 1DX
EOS 5Ds/5DsR/5DMarkIII
EOS 6D
EOS 7DMarkII
EOS 70D
EOS KissX8i/X7i
ニコン D4S/D4
D810
D750
D7200/7100
D5500/5300
D3300/3200
ソニー α7S/α7/α7R
Cyber-shot
RX100III/RX100II/RX1R/RX1
オリンパス OM-D E-M10/E-M1
OM-D E-PL7
フジフイルム X-T10/X-A2
ペンタックス K-3 II/K-3
  2015/08/24 現在

■ Zéta Super Slim を amazon でチェック■
Canon EOS Kiss X8i/X7i 用
Canon EOS 70D 用
Canon EOS 7D MarkII 用
Nikon D7200/D7100 用
Nikon D3300/3200 用
■ メーカーサイト ■
Zéta Super Slim 液晶保護ガラス

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■ 制作・著作 ■
スタジオグラフィックス
薮田織也事務所

■ モデル ■
響-kyo-

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著者について
■ 薮田 織也( Oliya T. Yabuta )人物・光景写真家 ■  1961 年生まれ。テレビ番組制作会社、コンピュータ周辺機器メーカーの製品企画と広告制作担当を経て、1995 年独立、人物写真家に。2000 年よりモデルプロダクションの経営に参画し、モデル初心者へのポージング指導をしながらポージングの研究を始める。2008 年「モテ写: キレイに見せるポージング」を共著で上梓。2003年か らStudioGraphics on the Web の創設メンバーとして活動。近著に「 美しいポートレートを撮るためのポージングの教科書 」( MdN 刊 )、監修書籍に「 ちょっとしたコツで10倍かわいく見える モテ[写]の教科書。」(MdN 刊)がある。公益社団法人 日本広告写真家協会 正会員