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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第38回 北海道で注目の工場夜景都市・室蘭夜景の撮り方

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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座の2018年の連載は、個別ロケーションも積極的に取り上げ、夜景撮影ファンの皆様の参考としていただけるように考えております。今月は北海道・室蘭の工場夜景を取り上げました。工場夜景撮影時にぜひ参考にしてください。 by 編集部

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新年が明けてまもなく2月を迎えますが、今年もよろしくお願いいたします。昨年までは夜景撮影テクニックやRAW現像ノウハウなどを中心に解説させて頂きましたが、今年は東京圏に限らず全国の夜景撮影におすすめのエリア紹介や作例解説を中心にお送りしたいと思います。そこで、今年の第一弾は北海道で注目の夜景観光都市・室蘭市。白鳥大橋や工場など多彩な被写体があり、夜景撮影スポットも無数にあります。函館や札幌からも近いので、カメラと三脚を持って室蘭に出掛けてみてはいかがでしょうか。今回は室蘭の代表的な夜景撮影スポットを5ヶ所紹介します。

写真1 測量山からの大パノラマ夜景

測量山からの夜景

室蘭を代表する「測量山」からの夜景。白鳥大橋のライトアップ、製油所や製鉄所の工場夜景、待ち明かりを一度に楽しめる。被写体も豊富で、これほど夜景撮影と相性の良い街は全国探してもそう滅多に見られない。

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■北海道室蘭市の特徴

北海道の夜景と言えば、”北海道三大夜景”に選定されている函館・札幌・小樽が有名で、特に道外の人にとって、室蘭の名前を聞いても位置関係や街の特徴を知らない人が少なくない。室蘭市は人口が約87,000人(平成28年3月末)の都市で、古くから製鉄を中心とした工業が栄えている。函館と札幌の間(札幌寄り)にあり、電車であれば函館からは約3時間、札幌からは約1時間30分でアクセスできます。夜景だけでなく、グルメにも定評があり、カレーラーメンや焼きとり(豚肉)なども楽しめ、2~3泊ぐらい滞在すると夜景も観光もグルメも思う存分楽しめるでしょう。なお、室蘭市は道内でも温暖な気候で雪が少なく、11月頃までであれば防寒対策をしっかりすれば、夜景スポット間の移動もさほど苦労しないはずです。

写真2 北海道の地図

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室蘭市は道南地域にあり、北海道全体から見ても南側にあるため、気候が温暖。本州からのアクセスは新千歳空港経由で、道南バスを利用すると乗り換えの手間も無く、スムーズに訪問できる。

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■室蘭市の夜景撮影のポイント

室蘭市には「公式サイト」で紹介されているだけでも、10ヶ所ほど夜景スポットがあり、視界が開けた道路なども含めると数十ヶ所の夜景スポットがある。昼間に観光ついでに夜景スポットを訪問しておくと、夜の撮影移動がスムーズに進む。

写真3 レンタカーを借りて有名夜景スポット・祝津公園を訪問

レンタカーを借りて祝津公園を訪問

基本的に最寄り駅から歩いて訪問できる夜景スポットはほとんど無く、車移動がメイン。駐車場が整っている夜景スポットが多いため、車を停める場所に困ることはほとんど無い。

(1)丈夫な三脚と標準~望遠ズームレンズを持参

工場や白鳥大橋がメインの被写体となるが、比較的離れた場所から撮影することが多い。また海に近いため、風が強い日も多いため、荷物の重量に無理がない範囲で、なるべくパイプ径の太い丈夫な三脚を持参しよう。

(2)旅費の安いオフシーズンを狙う

ゴールデンウィークや7月~8月は飛行機代も高くなるため、9月~10月が日没も早く、雪が降る前なのでベストタイミング。なお、白鳥大橋のライトアップは深夜0時まで。

(3)移動の基本はレンタカー

室蘭市内の夜景スポットはほとんどが駅から離れているため、徒歩での移動は困難。JR東室蘭駅周辺でレンタカーを借りるか、「夜景見学バスツアー(要確認)」に参加すると普段は入れない特別な場所から夜景を楽しめることも。

(4)観光協会などで情報収集する

室蘭市は街をあげて夜景観光に力を入れているので、パンフレットなどの資料も充実。JR室蘭駅近くにある室蘭観光協会で夜景スポットを案内するパンフレットなどをもらって、おすすめの夜景スポットを教えてもらうのも良いだろう。

■撮影スポット(1):測量山 展望台

室蘭港を一望できる高さ199mの山頂に展望台があり、白鳥大橋や室蘭市内の街明かりを写せる。視界が広く、室蘭市内では最大級の夜景が見渡せる。広角レンズで室蘭港全景を写すのも良いが、白鳥大橋方面を望遠レンズで写す方がより良い絵が撮れる。展望台は海に近いためか風が強く、安定感ある三脚を用意しよう。なお、ライトアップされた鉄塔群もカラフルで美しいため、広角レンズで鉄塔を見上げるような構図もおすすめ(地図)。

写真4 羊蹄山(蝦夷富士)をバックに白鳥大橋を写す

測量山展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D  / レンズ:TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2 / 焦点距離:150mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:5秒 / 絞り数値:F9.0 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2):祝津公園展望台

測量山と並んで人気の夜景スポット。車でアクセスがしやすく、駐車場も整備されている。標高はそれほど無いが、正面に白鳥大橋やJXエネルギーのライトアップされた煙突が写せる。広角や標準レンズで撮影すると上下の余白が目立ってしまうので、望遠レンズで切り取る位置を決めて写すと良い(地図)。

写真5 白鳥大橋とJXエネルギーの煙突を写す

祝津公園展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:92mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3):白鳥大橋展望台

白鳥大橋を正面に見渡せる絶好のロケーション。ライトアップされた白鳥大橋が正面に見渡せ、撮影する位置によってJXエネルギーの煙突が写る位置が変化する。日没後の空に青みが残った時間が最も美しく、ここを撮影スタート地点にするのも良いだろう(地図)。

写真6 トワイライトタイムに白鳥大橋を写す

白鳥大橋展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:CANON EF24-70mm F4L IS USM / 焦点距離:62mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4):白鳥湾展望台

白鳥大橋展望台と名前が似ているが、白鳥大橋の北側にある国道沿いの展望台で、白鳥大橋とは距離があるため、望遠レンズが欠かせない。手前に見えるJXエネルギーのプラントも入れると構図のバランスが取れる。なお、風が強い日の撮影はISO感度を400~800前後に上げて、なるべくシャッターを早く切ると良い(地図)。

写真7 白鳥大橋とJXエネルギーの化学プラントを写す

白鳥湾展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:168mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:3.2秒 / 絞り数値:F8 / ISO感度:800 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5):潮見公園展望台

鉄の街室蘭を象徴する新日鐵住金の製鉄所が見渡せる展望台。駐車場から真っ暗な道を10分ほど歩く必要があるが、頂上の展望台からは室蘭市街地の大パノラマが広がる。製鉄所の明かりがメインで、白鳥大橋付近の撮影スポットに比べると光量が少なく感じるが、望遠レンズで製鉄所をアップにして写すと重圧感ある絵に仕上がる(地図)。

写真8 新日鐵住金・室蘭製鉄所を写す

潮見公園展望台

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD / 焦点距離:282mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:8秒 / 絞り数値:F9 / ISO感度:400 / WB:白色蛍光灯 ]

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■夜景と一緒に訪れたいおすすめ撮影スポット

太平洋の大パノラマが見渡せる室蘭を代表する景勝地。室蘭市民からの選定で「室蘭八景」にも選定されている。断崖の上に灯台と太平洋の海が美しい。特に元旦は初日の出を目当てに訪れる人で賑わう。

地球岬

所在地:北海道室蘭市母恋南町4−77

アクセス:室蘭ICより車で約35分(駐車場あり)

料金:無料

URL:おっと!むろらん

写真9 太平洋の大パノラマと灯台

地球岬からの展望

[ ボディ:CANON EOS M3 / レンズ:EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM / 焦点距離:11mm(17.6mm相当) / 撮影モード:絞り優先AE / シャッター速度:1/160秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200  / WB:オート ]

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岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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