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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
展望室の夜景(東京編)/撮影テクニック・作例・注意点

Posted On 29 11月 2017
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Photo : Takuya Iwasaki

TOPIX

空気が澄んで夜景撮影のベストシーズンが近づいてまいりました。今回の 夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座は「 展望室からの夜景(東京編)/撮影テクニック・作例・注意点 」について執筆しております。今回ご紹介したスポットは東京23区内でございますので交通の便も比較的よく気軽に訪れることができるスポットです。ぜひ、ご活用ください。サンシャイン60からの展望室夜景セミナーも2017年12月17日開催です。ご参加しやすい料金設定にいたしました。こちらもご検討ください。 by 編集部

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11月に入り、毎日が肌寒い日となりました。空気が澄んでいる時期なので夜景撮影にはベストシーズンですが、それと同時に寒さも気になるところ。寒い時期こそ展望室での撮影はおすすめです。今回は東京都心の展望室の紹介を中心に撮影のコツや注意点を解説します。

写真1 サンシャイン60から撮影した東京夜景の大パノラマ

サンシャイン60からの夜景

展望室からの夜景は山や高台から眺める夜景と異なり、眼下まで街明かりが広がる。特に東京の展望室は全国一のスケール感ある夜景が楽しめる。

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■展望室での撮影の基本をおさらい

まずは展望室の夜景作例を見て頂く前に、展望室でキレイな夜景を撮るためのポイントを復習しましょう。詳しい撮影テクニックは「第14回:展望室で夜景を綺麗に撮るコツ」も合わせて参考にして下さい。なお、展望施設の撮影ルールは、実際に訪問されたタイミングで変更されている可能性があるため注意が必要。

写真2 三脚と暗幕が使用できる展望室の様子

展望室での撮影風景

三脚と暗幕類が使えて、室内の照明が控えめであれば写り込み対策はさほど難しくない。施設のルールによって難易度が大きく変わってくる。

(1)撮影ルールを把握する

東京都内の展望施設は特に三脚や暗幕の使用が規制された施設が目立つ。入場前に撮影ルールを把握して、撮影機材の選定も行いたい。

(2)綺麗な窓ガラスを探す

展望室の窓ガラスは雨上がりであれば水滴のあとがガラスに写り込み、汚れや傷も写り込んでしまう。撮影場所を決める前にしっかりガラスをのぞき込む習慣を身につけよう。また、屋外から建物を照らしている光が写り込みの原因になることもあるので、景観もしっかり確認しよう。

(3)写り込み対策をする

ほとんどの展望施設では室内の照明が写り込んでしまう。そのため、暗幕や忍者レフなどの専用機材を使うか上着などをカメラの周りに覆って写り込みを防ぎたい。カメラの周辺を黒い手袋で覆うテクニックもある。

(4)手ぶれ対策を考える

三脚が使えない場所であれば、カバンの上にカメラを置いたり、高感度で手持ち撮影するなど施設のルールに合わせた撮影テクニックが重要となる。特に東京都内の施設は撮影ルールが全国的に見て厳しい印象がある。

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■撮影スポット(1):練馬区役所

都内の無料系展望施設の中では最も穴場感が高く、都心からはやや離れるが見応えのある大パノラマが楽しめる。室内はやや明るいが、三脚や暗幕の使用が制限されていないようなので、初心者でも撮影しやすい。西向きの視界も広がるため、夕暮れには富士山も期待できそうだ。西向きの窓ガラスはさほど広くないため、早めに訪問して準備しておくと安心できる。

写真3 西向きのトワイライトビュー

練馬区役所からの夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:絞り優先オート(露出補正なし) / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:100 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(2):文京シビックセンター

25階のフロアが無料開放されていて、西側には新宿副都心と富士山、東側には東京スカイツリー、北側には筑波山方面の大パノラマが広がる。ガラスが斜めになっていてガラスへの写り込みが少ない。なお、三脚の使用や長時間の場所の占有は禁止されているので、手持ちでの撮影がベター。

写真4 新宿副都心・富士山方面を写す

文京シビックセンターからの夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:24mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:1/20秒 / 絞り数値:F5.6 / ISO感度:3200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(3):東京都庁展望室

東京都心の大パノラマが一望でき、外国人観光客にも絶大な人気がある展望室。平日・休日問わずエレベーター前には行列ができるほど。撮影ルールが非常に厳しく、(1)三脚不可、(2)暗幕不可、(3)固定撮影不可と全国トップレベルの厳しい撮影規制がある。ただし、撮影自体は全く禁止されておらず、施設も特殊な構造にはなっていないため、手袋などで写り込み対策をして、手ぶれ補正に強いカメラ・レンズを使えばなんとか撮影できるはずだ。

写真5 パークハイアット方面の夜景
東京都庁からの夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2
/ 焦点距離:24mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:1/4秒 / 絞り数値:F5.6 / ISO感度:3200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(4):テレコムセンター展望台

東京ベイエリアにある穴場スポット。お台場中心部から離れた場所にあるため、混雑感も少なく、東京臨海部の大パノラマが楽しめる。展望室内の照明も控えめで夜景を楽む人に配慮されている。北方向の東京都心を写すのも良いが、東方向に見える東京ゲートブリッジを望遠レンズで撮るのも良いだろう。

写真6 東京ゲートブリッジを写す

テレコムンセンター展望台からの夜景

[ ボディ:CANON EOS 5D MarkII / レンズ:SIGMA APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM
/ 焦点距離:70mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F10 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■撮影スポット(5):サンシャイン60展望台「SKY CIRCUS」

池袋エリアで唯一無二の展望室。2016年に全面リニューアルされてからは展望だけではく、VRなど体験型の施設になっており、若いカップルの姿も目立つ。海抜251メートルの高さからは東京都心の大パノラマが広がり、夜景の美しさも都内で東京タワーや東京スカイツリーに並ぶトップクラス。段差部分は座れず、窓ガラスが少々遠いため、写り込みには十分気をつけること。また、池袋駅中心部は周囲との明暗差が激しいため、露出を変えて何枚か撮っておくと良いだろう。

写真7 池袋駅中心部を写す

サンシャイン60からの夜景

[ ボディ:CANON EOS 6D MarkII / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:6秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

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■今月のお勧め夜景スポット「調布市文化会館たづくり 展望ロビー」

東京23区外で唯一、室内から夜景が楽しめる展望施設。公共施設のため無料開放されているのも嬉しい。
室内がかなり明るいので写り込みには十分気をつけよう。

夜景スポット名利用時間:22時まで

所在地:東京都調布市小島町2-33-1

アクセス:京王線調布駅徒歩約3分

料金:無料

URL:公益財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団 展望ロビー (12階)

写真8 調布市を中心としたパノラマ夜景

調布の夜景

府中市方面の夜景(北西方向)を撮影。特別難しいテクニックは必要ないが、写り込み対策を徹底した。多摩エリアは東京23区に比べて光量がだいぶ落ちるので、なるべく早めの時間帯に撮影したい。

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「夕景・夜景撮影の教科書(技術評論社)」。
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