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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第30回 隅田川ライトアップ夜景入門

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TOPIX

今月の夜景講座は「 ライトアップ夜景 」を取り上げました。今週土曜日(2017年5月20日)に開催されます「 隅田川夜景撮影セミナー 」で巡るロケーションを中心として解説しております。今からの季節でも撮影可能な人気テーマですのでご参考にしてください。「 隅田川夜景撮影セミナー 」も本日までご参加を受け付けております。( 残席僅少なのでお申し込みいただいてもご参加できない場合がございます。ご了承ください。) by 編集部

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夜景記事の連載も大変好評で今回で30回目となりました。読者の皆様、いつも応援ありがとうございます。前回は「光跡の多重露光撮影」について取り上げましたが、引き続き隅田川のライトアップ夜景について解説いたします。今回は隅田川に架かる橋の美しいライトアップの撮影テクニックやお勧めのスポットなどをたっぷり解説いたします。

写真1 中央大橋のライトアップ(佃公園から)

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中央区のシンボルとして親しまれている中央大橋。橋のデザインはもちろん、白色の水銀灯と暖色系のカクテル光が洗練されていて、勝どき橋や永代橋とはまた違った雰囲気が特徴。橋の下に永代橋が写るよう構図に工夫を入れた。

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■隅田川入門

隅田川は全長23.5kmにも及ぶ一級河川で、荒川から新岩淵水門(北区)で分岐している。道路用として架けられている橋梁は全部で18橋あり、両岸には隅田川テラスの整備が進められている。隅田川に架かるいくつかの橋がライトアップされているため夜景が美しく、上流に進むにつれて東京スカイツリーが見渡せるポイントが多くなり、1日では到底周り切れないほど撮影スポットが充実している(隅田川の夜景スポットマップ)。

隅田川の地図
隅田川地図
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■隅田川に架かる主な橋

隅田川には道路用の橋梁だけでも18橋(築地大橋を入れると19橋)あるが、ライトアップされる主な橋は5つ(支流河川に架かる豊海橋などは除く)。中でも「永代橋」「勝鬨橋」「清洲橋」は国の重要文化財にも指定されている。

写真2 豊海橋から望む永代橋

豊海橋から望む永代橋

支流河川に架かる橋の一部もライトアップされている。

(1)永代橋 青白いライトアップが特徴的な隅田川を代表する橋。隅田川大橋から永代橋とリバーシティを一緒に写す構図が定番。

写真3 永代橋の歩道から撮影

永代橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:2.5秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

(2)勝鬨橋 日露戦争の勝利が由来となっている歴史ある橋。グリーンとブルーに輝くアーチ橋がとても美しい。

写真4 隅田川テラスから撮影

勝鬨橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:16.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:20秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:100 / WB:白色蛍光灯 ]

(3)清洲橋 「帝都東京の門」と称される橋でドイツのヒンデンブルグ橋がモデルになっている。紫色にライトアップされ、東京スカイツリーと一緒に写せる。

写真5 隅田川テラスから撮影

清洲橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:28.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

(4)中央大橋 フランスのデザイン会社が設計したモダンな外観の橋。橋の開通日がレインボーブリッジと偶然にも一致。歩道からは永代橋と東京スカイツリーが見渡せる。

写真6 石川島公園から撮影

中央大橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:20.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:13秒 / 絞り数値:F8.0 / ISO感度:200 / WB:白色蛍光灯 ]

(5)新大橋 オレンジ色にライトアップされ、主塔が1つしか無い珍しい形状の橋。東京スカイツリーはビルに隠れて見えない。

写真7 隅田川テラスから撮影

新大橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF24-105mm F4L IS USM / 焦点距離:58.0mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:200 / WB:太陽光 ]

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■隅田川の夜景撮影のコツ

隅田川での夜景撮影は特段難しくないが、撮影時間帯の見極めや撮影場所探しなどでちょっとしたコツがいる。三脚にカメラを固定し、適正な露出で長時間露光で撮影すれば、まず失敗することは無いだろう。夜景撮影テクニックの基本は「バックナンバー」も参考にして欲しい。

写真8 永代橋歩道から撮影

隅田川での撮影風景

隅田川の歩道での撮影風景。人通りが少なくない場所なので、自転車や歩行者の通行にも気をつけたい。

(1)変則的なライトアップ時間に注意 隅田川に架かる橋のライトアップ時間は公式情報が無いため、正確な時間を把握するのが困難。一般的には21時までと言われているが、橋によって消灯時間に誤差があり、永代橋や中央大橋は10分程度早く消灯するようだ(2017年5月時点)。

写真9 隅田川大橋から撮影

消灯後の永代橋

23時頃撮影。永代橋は消灯しており、リバーシティの高層マンションの明かりも落ちている。

(2)公共交通機関でのアクセスがベター 隅田川付近は駐車場が少なく、撮影に夢中になっていると駐車料金も高額になるので、電車でのアクセスがおすすめ。多くの撮影スポットが徒歩15分以内でアクセスでき、撮影スポット間の距離もそれほど離れていない。
(3)秋~冬がたっぷり撮影できる
21時前後にライトアップが消灯することを考えると、日没の早い秋~冬がベスト。夏は19時30分頃~、冬は17時頃~の撮影となるため、1日に多くの撮影スポットを巡るなら季節選びはとても重要。
(4)工事が多いので明るい時間にロケハンをする
隅田川の河川敷は工事で立入できないことが多いので、日中にロケハンしておくとタイムロスを減らせる。

写真10 立入禁止区域にバッタリ遭遇・・・

立入禁止

いきなり夜訪問すると立入禁止で入れないことも。昼間に訪問しておけば未然に防げた。

(5)ISO感度を下げて水面を美しく 橋のライトアップ自体が明るく、水面に反射した光も綺麗に写したいので、ISO感度は100前後に下げて撮影したい。 (6)橋の上からの撮影は揺れに注意 歩道にも撮影ポイントが多いが、大型車両が通行すると足元が揺れやすい。信号や車の流れを確認しながら、シャッターを切るタイミングを見極めると良い。
(7)屋形船の光跡を入れる
夜の7時~8時頃をピークに屋形船の往来があるため、長時間露光で屋形船の光跡を入れるのも面白い。30秒でもシャッター速度が短いことが多いので、バルブモードで撮影したい。NDフィルターもあるとベスト。

写真11 新川公園から屋形船を写す

新川公園から撮影

屋形船の光跡撮影が楽しめるのも隅田川の魅力。

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■今月のお勧め夜景スポット「永代公園」

永代橋の撮影スポットは多数あるが、永代公園は混雑感も少なく、周囲の建物などと一緒に写しやすい。周囲が真っ暗なので、懐中電灯の持参も忘れずに。永代橋と反対側にはリバーシティが見渡せるので、マンション群の明かりを写すのも良いだろう。

永代公園 開放時間:終日訪問可 所在地:東京都江東区永代1丁目 アクセス:東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」徒歩約12分 料金:無料 URL:https://www.nightview.info/yakei/detail/eidai_park/

写真12 永代橋のライトアップ

永代橋

[ ボディ:CANON EOS 6D / レンズ:EF16-35mm F4L IS USM / 焦点距離:35mm / 撮影モード:マニュアル露出 / シャッター速度:10秒 / 絞り数値:F11 / ISO感度:100 / WB:白色蛍光灯 ]

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「ゼロから学ぶ工場夜景写真術(アスペクト社)」。
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