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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第17回:夜景撮影における露出の基本

Posted On 18 4月 2016
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TOPIX

昨年後半の連載より、カメラの設定と夜景撮影に関する記事を公開しております。多くの方のアクセスをいただいておりますので、今月も「 夜景撮影における露出の基本 」について解説してまいります。また、現在Eizoガレリア銀座で岩崎氏の写真展が開催されています。( 2016年4月23日まで )日経ナショナル ジオグラフィック社からの出版に合わせて10,000kmを走破して撮影した貴重な全国の夜景写真が展示されています。本記事の最後に詳細をご案内しております。 by 編集部

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前回は「測光」の基本的な内容や夜景撮影に適した設定について解説させて頂きました。今回は前回の内容に関連のあるテーマで夜景撮影に適したシーンごとの「露出」について解説したいと思います。なお、測光についてはメーカーによって名称が異なりますが、全体の明るさのバランスを取って露出を測る「評価測光」「マルチパターン測光」「ESP測光」などに設定しておきましょう。

写真1 露出プラス補正で美しさが増したイルミネーション

露出プラス補正の写真

都内で撮影したイルミネーションの写真。絞り優先(Av)で露出を+1に補正したところ、バランスの取れた美しい写真が撮れた。肉眼で見るよりずっと明るく見えるが、写真としてはプラス補正がちょうど良いぐらい。

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■露出とは?

夜景撮影に限らず、「露出」は重要な意味合いを持っています。露出とは写真を撮影する時に取り込まれる光の量を意味し、露出を明るく調整したり暗くすることを「露出補正」と呼んでいます。一般的に適正な露出より明るい状態を「オーバー」、暗い状態を「アンダー」と呼んでいますが、露出補正しない状態(プラマイゼロ)が必ずしも正しい露出とは限りません。被写体の明るさや全体のバランスによって、最適な露出は変化します。

写真2 露出補正の設定画面例

露出補正の画面

写真はCANON EOS 5D Mark2の露出補正の設定画面例。「+」が明るく、「-」が暗く補正される。

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■露出補正による明るさの違い

それでは具体的に露出補正によって、明るさがどのように変化するか見ていきましょう。下の作例は「-2」から「+2」まで5段階の露出補正による変化を表しています。露出補正は1段分の補正を加えると明るさが2倍(1/2)に変化します。つまり、「-2」と「+2」では明るさが16倍も変化することになります。以下の作例は和歌山県で撮影した工場夜景で、いずれの写真も撮影モードは絞り優先(Av)、絞り値はF8.0、ISO感度は640となります。作例のように全体的に明暗差が少ないケースでは、プラマイゼロが最も適正露出であることがわかります。ただし、プラマイゼロが好みの露出で無い場合は、1/3段(1/2段)ずつ露出を補正して好みの露出を見つけるのも1つです。露出補正に自信が無い場合はブラケット撮影で複数枚撮っておく方法もあります。

写真3 「-2」補正

露出-2の夜景写真

シャッター速度:0.8秒

写真4 「-1」補正

露出-1の夜景写真

シャッター速度:2秒

写真5 「プラマイゼロ」補正

露出プラマイゼロの夜景写真

シャッター速度:5秒

写真6 「+1」補正

露出+1の夜景写真

シャッター速度:10秒

写真7 「+2」補正

露出+2の夜景写真

シャッター速度:20秒

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■プラス補正が適したイルミネーション

ここからは露出補正を加えた方が綺麗な写真を撮れるケースを2例挙げたいと思います。イルミネーションはプラマイゼロ補正で撮影すると肉眼で見る景色に近い明るさとなりますが、やや寂しさを感じてしまいます。そのため、イルミネーションは始めにプラマイゼロで撮影して、少しでも物足りなさを感じたら+1程度まで露出を上げてみるのもおすすめです。

写真8 「プラマイゼロ」補正のイルミネーション

プラマイゼロ補正

肉眼で眺めた時と同じ明るさで撮影。写真で見るとやや物足りない。

写真9 「+1」補正のイルミネーション

プラス1補正

露出を上げると部分的には白飛びしているように見えるが、全体的に華やかになって、写真で見る分には綺麗に見える。イルミネーションは多少の色飛びがあっても気にならないことが多い。

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■マイナス補正が適したライトアップ

次にイルミネーションとは対照的なライトアップの事例を紹介したいと思います。ライトアップは光の当たる場所や角度によって、明暗差が激しいため、プラマイゼロで撮影しても白飛びが目立ってしまうことがあります。作例のレインボーブリッジの主塔部分を見ると色飛びが明らかです。作例の場合はややマイナス補正で撮影し、RAW現像でシャドウを持ち上げるのも1つです。

写真10 「プラマイゼロ」補正のライトアップ

プラマイゼロ補正のレインボーブリッジ

一見すると全体のバランスが取れた綺麗な写真に見えるが、主塔部分の白飛びがとても目立ってしまう。

写真11 「-1」補正のライトアップ

-1補正のレインボーブリッジ

全体的に少し暗く見えるが、主塔の白飛びは抑えることができた。

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■今月のお勧め夜景スポット「芝浦南ふ頭公園」

レインボーブリッジを間近で眺められる公園。公園内からは見上げるような構図で写真が撮れるが、レインボーブリッジ全体を写すなら公園手前の歩道がおすすめ。三脚を立てる場合は通行者の迷惑にならないよう気をつけたい。

夜景スポット名

開園時間:21時まで

所在地:東京都港区海岸3丁目

アクセス:ゆりかもめ「芝浦ふ頭駅」より徒歩5分。

料金:無料

URL:芝浦南ふ頭公園・かいがんぱ~く

写真12 レインボーカラーのレインボーブリッジ

芝浦南ふ頭公園

年末年始など期間限定のレインボーカラー。主塔の色が7色に輝くのが特徴。通常のライトアップと異なり、レインボーカラーの場合は露出補正をマイナスにしなくても全体的にバランスの取れた写真が撮りやすい。

■ 岩崎拓哉の夜景書籍出版のご案内 絶賛発売中!<PR>

「 プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック 」
日本全国・海外約2000カ所の夜景スポットをめぐった著者が、全国の美しい夜景写真が撮れる場所を161カ所厳選して紹介。すべてのスポットに地図とQRコードを記載しています。撮影に必要な夜景撮影ならではの知識やテクニックも満載です!

■ 岩崎拓哉の写真展開催中!

書籍の出版に合わせて、昨年( 2015年 )秋に北海道から九州まで約2カ月に渡り撮影した全国の夜景写真がプリントとEizo製モニターで展示されています。
『岩崎拓哉写真展「夜景旅~10,000kmの道のり」』は4月23日(土)まで開催中です。
場所:EIZOガレリア銀座
東京都中央区銀座7丁目3番7号 ブランエスパ銀座ビル3階
営業時間:10:00~18:30
定休日:日曜日、月曜日

最終日にはトークショー( 無料 )も開催されます。

◆2016年4月23日(土)
第1回 14:00~15:00(受付13:30~)
第2回 16:00~17:00(受付15:30~)

詳細は以下を参照ください。
http://www.eizo.co.jp/event/pr/creativework/talkevent160423.html

お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りください。

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「ゼロから学ぶ工場夜景写真術(アスペクト社)」。
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