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夜景写真家・岩崎拓哉の夜景撮影講座
第 1 回 : 夜景に必要な機材準備 編

Posted On 10 12月 2014
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Photo : Takuya Iwasaki


TOPIX

今月より、スタジオグラフィックス on the Web に初登場となる、夜景写真家 岩崎拓哉氏を迎え 「 夜景撮影講座 」の連載を開始いたします。また、氏の推奨するその季節に合った夜景スポットもコラムでご紹介いたします。お楽しみに! by 編集部

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秋から冬にかけては夜景撮影のベストシーズン。街はクリスマスイルミネーションで彩られ、山や丘からの眺めは空気が澄んでいて、年間を通じて最もキレイな夜景写真が撮れる時期となります。日没が早いこの時期にしか訪問できない夜景撮影スポットも少なくありません。第1回ではデジタルカメラで夜景撮影を始めるにあたり必要な撮影機材について解説します。

写真1 新倉山浅間公園

富士山の撮影スポットとして有名な山梨県富士吉田市・新倉山浅間公園から撮影。12月ということもあり、空気が澄んでいてクリアな写真が撮れた。日没後のベストタイムには多くの写真愛好家が集まる。

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■カメラ本体の選び方

夜景撮影において、カメラ本体選びはとても重要です。最近はスマートフォンで夜景やイルミネーションを撮る人も増えていますが、日中の風景写真以上に撮像素子の大きさが画質に影響するため、なるべく撮像素子の大きなデジタル一眼レフやミラーレスがおすすめ。

写真2 カメラの撮像素子の違い

一般的にデジタル一眼レフはフルサイズまたはAPS-Cセンサーを搭載し、ミラーレスはAPS-Cやマイクロフォーサーズが主流となる。夜景撮影においてもセンサーの大きさが画質に大きく影響する。

●デジタル一眼レフの選び方

デジタル一眼レフはフルサイズセンサーを搭載した機種とAPS-Cセンサーを搭載した機種が主流。フルサイズとAPS-Cではセンサーの面積が約2.5倍ほどの差があり、ダイナミックレンジ ( 階調 ) の広さや描写力、耐ノイズ性能などで差が出る。予算と性能のバランスを考えればフルサイズセンサーを搭載したエントリー機種 ( CANON EOS 6DやNikon D610など ) が最も夜景撮影に適していると言えるだろう。

●ミラーレスの選び方

若いカメラ女子を中心に高い支持を得ているミラーレス。ミラーレス機を選ぶにあたり、メーカーによってセンサーの大きさや縦横比が変わってくるので、できるだけAPS-Cなどセンサーの大きい機種が望ましい。また、デジタル一眼レフに比べてミラーレスはレンズのラインナップが少ないため、本体を選ぶ前に自身の撮りたい作画に合うレンズが発売されているか確認したい。

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■交換レンズの選び方

最近のカメラ本体にはキットレンズとして広角ズームや単焦点レンズが用意されているケースが多い。初心者が夜景撮影を始める場合は、カメラ本体に付属している広角ズームレンズ1本あればとりあえず十分だろう。その後、追加でレンズを購入する場合は以下の点を考慮すると良いだろう。

写真3 様々な交換レンズ

交換レンズは広角・標準・望遠など様々な種類があるが、夜景撮影で一般的に使われるのは広角ズームレンズとなる。

(1)手ぶれ補正機能

三脚や固定器具でカメラを固定する場合は手ぶれ補正機能は全く必要無いが、三脚が使えない場所や足場が揺れる場所で手持ち撮影する時、手ぶれ補正機能が活躍する。

(2)絞り開放値(F値)

夜景撮影は絞り込んで撮影することが多いため、絞りの開放値の明るさにこだわる必要は無い。ただし、開放の絞り値によってライブビューの明るさに差が出る場合も。

(3)絞り羽の枚数

絞り羽の枚数は交換レンズによって異なるが6枚~9枚の間が主流。光源を写し込んだ時に出る光条が羽の枚数によって異なり、偶数だと羽の枚数分の光条が現れ、奇数だと羽の枚数に2倍した光条が表れる。好みはあるが、奇数の光条の方が綺麗だとされている。

(4)ゴースト・フレアへの耐性

最近のデジタルカメラ用に設計された交換レンズはゴースト・フレアが目立ちにくいよう、コーディングなどがされている。ただし、最新の交換レンズでもゴーストやフレアが目立つ場合があるので、カメラ雑誌やインターネット上の作例を参考にすると良いだろう。
設計の古いデジタル対応前のフィルム時代のレンズは避けた方が良いかもしれない。

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■三脚の選び方

長秒時撮影が基本となる夜景撮影では三脚は必須と言える。最近のデジタルカメラは高感度化が進み、条件によっては手持ちでも撮れるようになってきたが、絞り込んで低感度で撮影する場合は三脚を必ず持参したい。三脚は素材や雲台の種類など様々なバリエーションがあるが、夜景撮影において重視するポイントは以下の通り。

写真4 三脚の比較

三脚はそれぞれ全高や脚の素材などで違いが出てくる。夜景撮影で最も人気なのはカーボン製で3Way雲台を搭載した機種となっている。パイプの太さや全高も考慮したい。

(1)全高

最近はコンパクトで軽量な三脚も増えているが、全高が低い三脚だと撮影場所によっては手すりよりも全高が低くなってしまう場合も。全高は最低でも 1.5m、できれば 1.7 ~ 1.8m ぐらいあればあらゆるシチュエーションにも対応できるだろう。

(2)脚の素材

三脚の脚はアルミ製とカーボン製に大きく区別される。アルミ製は安価な製品に多く、重量があるため安定感もある。ただし、重量があるため持ち運びがネックとなる。逆にカーボン製は価格が高く軽量なのが特徴で、最近ではカーボン製が主流となっている。

(3)雲台の種類

雲台は自由雲台・2Way雲台・3Way雲台の3種類が一般的となっているが、夜景撮影におすすめなのは3Way雲台。全方向の微調整がしやすいため、使い勝手が最も優れる。

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■その他の夜景撮影機材

最後に夜景撮影に役立つちょっとしたアクセサリを紹介したい。

写真5 夜景撮影におすすめのアクセサリ

夜景撮影時に懐中電灯類は必須。足下を照らすだけでなく、水平の調整やレンズ交換の時にも役立つ。

(1)リモコンレリーズ
夜景撮影時に直接シャッターを押すと写真がぶれてしまうため、セルフタイマーを利用する人が多いが、
リモコンレリーズがあるとタイムラグを防げ、花火などのバルブ撮影でも利用できるので出来れば用意しておきたい。

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(2)水準器
電子水準器を内蔵しているカメラであれば水準器は不要だが、夜間は水平が撮りにくいので、水準器は必須と言える。

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(3)メンテナンス用品
ブロワーやクロスなど、レンズの汚れをその場で落とせるものを用意しておくと安心。

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(4)懐中電灯類
夜景撮影スポットは周囲が暗い場所が多く、場所によっては真っ暗な道を歩く必要もある。
一般的な懐中電灯でも良いが、ヘッドライトは両手が開放されるので、レンズ交換や機材のメンテナンス時にも威力を発揮する。

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■今月のお勧め夜景スポット「松田山ハーブガーデン」

松田山の中腹にある見晴らしの良い公園。併設されたハーブガーデンの一帯が冬季限定でイルミネーションされている。夜景スポットとしても有名で、シーズンオフ時は松田町や東名高速道路を中心としたパノラマビューが広がり、期間中は夜景とイルミネーションのコラボレーションが楽しめる。 河津桜の名所としても知られており、桜の開花時は夜桜と夜景を一度に楽しめる。

松田山ハーブガーデン・松田きらきらフェスタ
開催日:11月22日 ( 土 ) ~ 12月25日 ( 木 ) 17:00~21:00まで
所在地:神奈川県足柄上郡松田町松田惣領2951
アクセス:小田急線「新松田駅」徒歩約25分/JR御殿場線「松田駅」徒歩約20分
料金:無料 ( 駐車場 1 日500円 )
URL:http://www.seibu-la.co.jp/matsudayama-hg/

写真6 松田山ハーブガーデン

松田山ハーブガーデンからイルミネーションを中心に夜景が写り込むように撮影。バックの夜景は時間が経つごとに光量が落ちてくるので、早めの時間帯の撮影が望ましい。

岩崎拓哉
著者について
■ 夜景写真家 岩崎 拓哉 ■1980年生まれ。大阪府出身、神奈川県在住。法政大学経済学部卒。 2003年より夜景写真家を志し、日本全国や海外で夜景を撮影。 Webエンジニアの経験も活かし、「夜景INFO」などの夜景専門サイトを立ち上げる。カメラ雑誌の原稿執筆、夜景撮影の講師経験も豊富。総合・国内旅行業務取扱管理者の資格も持つ。 著書に「プロが教える夜景写真 撮影スポット&テクニック(日経ナショナルジオグラフィック社)」「ゼロから学ぶ工場夜景写真術(アスペクト社)」。
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