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ブリリアント山﨑の今すぐ撮レビアン!
第1回 花火の撮り方


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TOPIX

先月まで「 都市風景写真コレクション」を連載していたブリリアント山崎氏に新たな連載が開始されます。「 季節の旬な被写体をいかに撮るか! 」をテーマとした連載です。第1回は間もなくトップシーズンを迎える「 花火撮影 」をテーマといたしました。それではお楽しみください。by 編集部

初のスタグラでの連載となった「ブリリアント山崎の都市風景写真コレクション」はいかがでしたか。今月からはその季節に合った撮影のHow toを連載することになった” ブリリアント山崎 ”です。私の住む東京では、すでに夏本番を思わせる今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。梅雨明け後の季節に撮りたい被写体は、そう、夏の風物詩、「花火」ですね。それでは本題に入りましょう。

■ この夏こそは綺麗な花火写真をものにする!

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写真の被写体としても非常に人気の高い花火ですが、夜景や星と並んで、初心者の方が苦戦し易い被写体でもあります。
そこで今回は、初めての花火撮影の方にもわかりやすく、花火撮影に必要な機材から、撮影時の注意点、一味違った花火撮影まで、花火撮影のノウハウをご紹介してみたいと思います。

■ まずは機材を揃えよう!

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・カメラ

オススメは一眼レフです。ミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラでも十分撮影は可能ですが、花火撮影の場合、オートフォーカスを使わずに、マニュアルフォーカスでピント位置を固定して撮影する方法があります。また、露光中にズームリングやピントリングを操作することで、一風変わった花火写真をとることもあります。その際、電動によるピント・ズーム機構などが採用されていることの多いミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラでは操作しづらい場合があります。すでにお持ちのカメラがある場合はそちらで構いませんが、新規に花火撮影のためにカメラを購入される場合は、一眼レフをオススメします。
それほど高価な一眼レフでなくとも花火撮影は可能ですので、エントリークラスの一眼レフでも十分に綺麗な花火を撮影できます。

・レンズ

レンズに関しては、打ち上げ場所までの距離によってどの程度の焦点距離が変わってきますが、花火会場に行って撮影するのであれば、標準ズームレンズでも十分に撮影が可能です。レンズに距離計と呼ばれる小窓が付いているレンズであれば、無限遠に合わせる際により便利にセッティングを行えますが、カメラとセットで売られているレンズキットでも構いません。

・三脚

花火撮影といえばなくてはならないのが三脚です。花火会場は海や河川の近くで行われるため強い風が吹いていることが多いため、なるべくしっかりした三脚を使用しましょう。花火鑑賞のついでに座って気楽に撮るのであれば、それほど高さは必要ありませんが、その場合もなるべく脚径の太い安定感のある三脚の方が、花火の放物線が波打たずに綺麗な花火写真を撮影することが可能です。

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・レリーズ

シャッターを切る際、直接シャッターボタンを押してしまうとその勢いでブレてしまうため、レリーズケーブルを使用します。無線タイプのレリーズリモコンもありますが、赤外線リモコンは思った時に切れないことがあります。有線タイプの方が確実性が高く、またバルブ撮影中は押しっぱなしになるために、露光中と待機中の判断がしやすい点からもオススメです。

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・NDフィルター

NDフィルターはご存知のように減光するためのフィルターです。花火撮影は花火の開くタイミングに合わせてシャッタースピードを変化させていきますが、最近の花火はより明るく、より連続して間断なく打ち上がるために、お目当ての花火のタイミングに合わせて長秒露光すると、低感度に設定していても、密集している部分や重なり合っている部分の花火などが露出オーバーになってしまうことがあります。そういった連発の際にはNDフィルターを使用することで、他の設定は変えずに露出オーバーを防ぐことが可能です。

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■ 撮影時の準備と基本的な撮影テクニック

・撮影に臨む際の心構え

さて準備が十分に出来たら、撮影に挑みましょう。花火撮影では背面液晶を使っての撮影や長秒露光を行うため、撮影枚数の割にバッテリーの消費が激しくなります。撮影に出かける前にバッテリーを充電し、出来れば予備のバッテリーも持って行きましょう。
また花火大会の会場は混雑しているため、目的地にたどり着くまでに意外と時間がかかるもの。十分な余裕を持って現地入りしましょう。大きな三脚を使うような本格的な撮影では場所取りの際、良い場所を選んでも、その後混雑してきた際に邪魔になってしまうため、開演時の状況を想定して場所選びをしましょう。

・一番大事なカメラの設定

さて肝心のカメラのセッティングですが、

感度:ISO100
絞り:F8〜F11
シャッタースピード:バルブモード

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まずはこのような設定であたりをつけましょう。花火は1つの大会の中でもプログラムによって明るさが大きく変化していきますが、最近の花火は昔に比べてより明るくなっているため、F11程度まで絞った方が適正な露出になる傾向があります。また、ISO感度はオートにしてしまうとバラつきが大きくなるため固定しておきます。シャッタースピードは花火が開くまでの時間が花火ごとに異なるため、バルブに設定しておきその花火ごとに露光時間を調整します。

・ピント合わせのポイント

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ピント合わせですが、マニュアルフォーカスモードを使用します。花火の場合オートフォーカスモードではピントがズレやすくかえって撮影が困難となります。マニュアルフォーカスと言っても、一度無限遠に合わせておけばその後は操作する必要がありません。ピント合わせの際には遠くの建物の明かりなどでピント合わせをし、その後はピントリングをパーマセルテープなどで固定して動かないようにしておくと良いでしょう。

マニュアルフォーカスで合わせる際にポイントとして、現代のオートフォーカスレンズは無限遠側に目一杯回してしまうと、オーバーインフと言って無限遠から近接側にピントが戻ってしまう現象が起こります。ピント合わせの際は、しっかりとピントが合っているか撮影画像を拡大して確認してからピントリングを固定します。

・リズミカルにシャッターを切ろう

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さて実際の撮影時のコツですが、三脚とカメラをしっかりと固定し、先にカメラの設定とピント合わせを行った後は、花火のタイミングに合わせてリズミカルにシャッターを切っていきます。シャッターを切るタイミングですが、単発の花火の場合には打ち上がる音を良く聞いて、花火が開く直前に露光を開始します。花火が開ききったら露光を終了しますが、この時あまり粘りすぎると次の花火が重なってしまったり、風で花火の光跡が流れやすくなったりするため、開ききった瞬間に露光を終了します。

・一歩進んだ撮影テクニック

一般的な花火撮影を確実にできるようになったら、今度は一歩進んだ撮影方法にトライしてみましょう!
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露光中にピントリングを動かしてピントがあっていない状態からピントを合わせる「露光間フォーカス」や、ピントが合っている状態からピントを外す「露光間デフォーカス」といったテクニックを使用することで、花火の放物線に変化を加えることが可能です。

あらかじめピントを外しておき、花火が広がるタイミングに合わせて徐々にピントを合わせていくのが露光間フォーカス。あらかじめピントを合わせておき、花火が広がるのに合わせて徐々にピントを外していくのが露光間デフォーカスです。

具体的な操作としては、例えば露光間デフォーカスであれば、ピントの合った状態から、露光中に近接側にピントリングを動かして、ピントが徐々にズレていくように操作します。これによって、花火の光跡が末広がりの状態になり、不思議な雰囲気を演出することが可能です。

また、この時のポイントとしては、焦ってピントリングを動かしてしまうと、ピント操作が花火の広がる速度を追い越してしまうために綺麗な画になりません。ちょっとタイミングが遅れたかな?と感じる程度で大丈夫です。また、勢いよくピントリングを回してしまうとカメラブレの原因となるためスムーズな操作を心がけましょう。

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■ 夏の風物詩

今回は夏の風物詩、花火撮影の基本的なポイントをご紹介してみました。花火は建物や人と絡めてみたり、撮影自体も様々なテクニックがあります。この夏、ぜひ花火撮影に挑戦してみてくださいね!

ブリリアント山崎
著者について
■ブリリアント山崎(ぶりりあんとやまさき)■ フリーカメラマン、写真講師。カメラメーカーの講師や作例集制作を経て現在に至る。写真とカメラの事ならネジ一本に至るまで、ありとあらゆることを知りたいと思っている。フォトマスター検定エキスパート(総合)。家電製品アドバイザー(総合)。「ブリリアントの写真教室」主宰。
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