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ゆきぴゅーは長野でOLをしていたその昔、Pennyというニュージーランド人の女性と2年ほどルームシェアをしていたことがあるんですの。
そのPennyちゃんから「I'M COMING TO JAPAN!(日本に行くわよ!)」というメールが来たのは7月上旬のことでした。なんでもカメラマンのダンナ様がオリンピックの仕事で約1ヶ月北京に滞在するらしく、それに同行して来るそうで、北京の後、3週間のホリデーを日本で過ごすというんですの。
会っていない何年かの間に、結婚して2児のママになっているPennyとの再会をゆきぴゅーはとっても楽しみにしていたのでした。
8月下旬に北京から成田入りして長野で10日、京都で5日過ごした後、残りの1週間を東京で過ごすという計画のPennyちゃん一家。ゆきぴゅーは先週の土曜日、彼らが滞在している東京八重洲のホテルに会いに行くことになっていましたの。ドキドキしながらロビーに着くと、懐かしい姿がっ!
「ハ〜イ、Yuki! 何年ぶりかしら。またこうして会えて本当にうれしいわ!」
ってなことを、もちろん英語で言いながら温かいハグで迎えてくれたPennyちゃん。そして優しそうなダンナ様Daneと、3歳の女の子 Tancy と1歳になったばかりの Zach を紹介してくれましたの。
「Tancy、ほらTancy。Yuki にご挨拶は?コンニチハって」
するとTancyちゃん、ちゃ〜んと「コンニチハ」と言うんですの!な、なんてかわゆいんですの〜。Sooooooooo Cute! ですわ〜!!!
もともとPennyはAET(=Assistant English Teacher)という、日本の中学校や高校で英語の授業のお手伝いをする助手として長野で働いていましたの。日本には約4年間住んでいたので、ひらがな・カタカナはもちろん、簡単な漢字まで読んだり書いたり出来たんですの。
とはいえ、やっぱり私たちの会話は“英語”。一方、ここ何年も英語とは無縁の生活を送るゆきぴゅーにとっては、フレーズどころかまともな単語が出て来なくて、もどかしいったらないんですの。Pennyちゃんはそれでも、めちゃくちゃなゆきぴゅーの英語をちゃんと理解してくれて、仕事の話ではイラストの“ゆきぴゅー”を見てびっくりしたり大喜びしてくれたのでうれしかったですわ。こうして数時間、ひとしきりおしゃべりに華が咲いたのでした。
と、そんな時ですの。Pennyちゃんから唐突にこんなことを聞かれましたの。
「ところでYuki、今夜空いてる?」
「ええ、空いてますが何ですの?」
「実は今晩、私とDaneは、ちょっとかしこまった夕食に招かれているの。そこでYukiにお願いしたいことがあるのよ」
「・・・な、なんですの?(←イヤな予感)」
「私達が出かけている間、ベビーシッターをやってもらえないかしら ?」
「べっ、べべべべべべびーしったーっ?!?!?!」
「大丈夫よ。見ている限りこの子達、とっても Yuki になついているみたいだし。ねぇDane?」
「ああそうさ、心配することないよ。キミならきっと出来るさ!」
オーマイガーーーーーーーーーッ!!!
フツーの常識で、日本人だったら、3歳児と1歳児を数時間前に会わせたばかりの友人(しかも外国人)に預けて出かけないですわよー!と言ったところで、1歳にも満たない乳飲み子を連れてインドを何週間も旅しちゃうような自由人の彼らには通じませんの、、、。
こ、こうなったらゆきぴゅー、腹をくくるしかありませんの。いざとなったらPennyは携帯持ってるし、な、なんとか、なんとかなりますわ、、、たぶん。
「オ、オ、オッケー。I will do babysitter」
というわけで、急遽ベビーシッターを引き受けることになったゆきぴゅー。っていうか今日はまんまとPennyにハメられたってことですの???
「 DVDプレーヤーの使い方はさっき教えたわよね?
Tancyはクマのプーさんがお気に入りなの。おもちゃはココ。こっちにもあるわ。
それからお腹がすいたみたいだったらおにぎりとサンドウィッチが冷蔵庫に入っ
てるから。お水はこれね。
あと、おむつはここに入ってるわ。こっちがTancy用でこっちがZach用ね。
ニオイを嗅いで臭かったら替えてね。
とにかくこの部屋でアナタの好きなように過ごしてもらっていいのよ!
自分の部屋だと思って。あぁ〜んYuki, 本当に感謝してるわ♪
3時間位で戻るつもりだからよろしくお願いね
(チュッ♪)Hi,My Baby,,,いいこと?
Yuki の言うことを聞いてお利口にしてるのよ!See you later!」
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最初はおとなしくDVD鑑賞 |
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プーさんにくぎづけ |
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ムチムチキューピー |
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時々暴れ出すチビッ子モンスター |
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ニッポン最後の夜は居酒屋で |
・・・とこんな感じでバタバタと支度をして出かけて行ったご夫婦。3歳と1歳のガイジンの子供と共に、ホテルの部屋に残されたゆきぴゅーはとりあえず無邪気に遊ぶ2人を見ながら、
(あぁ〜、神サマ仏サマっ!どうかどうか、このままいい子でいますように!泣いたりわめいたりしませんように!何事も起こりませんように!)
と祈るしかありませんでしたの。
そんなゆきぴゅーの心配をよそに、2人はダディ&マミィが居なくなってからもご機嫌で過ごしておりました。
Tancyは、クマのプーさんのDVDを真剣に観ていたかと思うと突然ゆきぴゅーのところにやってきてわけのわからない英語をしゃべりまくるのですが、しばらくするとまたプーさんの世界に戻りますの。Zachはというと、これまた感心するほどお利口さんで、おもちゃやテレビのリモコンをいじって一人でおとなしく遊んでくれていました。
(もしかしたら心配していたほど大変じゃないかもしれませんわ。だって本当にこのチビちゃん達お利口だし)
そうホッとしていたのもつかの間、DVDを見終わったTancyの口から突然、とんでもないフレーズが出たんですの。
「アィ ウォン トゥ ゴー アウトゥサイド」
「Whatッ?!」
「アィ ウォン トゥ ゴー
アウトゥサイド!!!」
(な、なんですとーっ?!)
おもちゃや絵本で気をそらそうとしても、外に出たいという彼女の決心は固かったんですの。
ゆきぴゅー、意を決して外に連れ出すことにしました。もちろんZachを置いていくわけにはいきませんの。
そこで、昼間ダディがしていたようにだっこ紐を使ってZachをだっこし、そしてTancyの手をとってエレベーターに乗ったんですの。フロントのお兄さんの「行ってらっしゃいませ」の温かい言葉がどれだけ心強かったかしれませんわ。
しかしながらホテルを一歩でるとそこは東京八重洲の繁華街。
くるくる赤毛のガイジンの女の子の手を引いて、キューピー人形みたいなブロンドヘアの赤ちゃんをだっこしながら歩いているナゾの日本人ゆきぴゅーに誰もが「えっ?!」という顔で振り返りますの。何度もパチンコ屋に入りたいというTancyをなだめながら近くのコンビニに着いてアメを買ってあげると喜んでくれたのでそのまま大急ぎでホテルへと戻ったのでした。
ホッとしているのもつかの間、こんどはTancy、お風呂に入るといって服を脱ぎ始めるですの。仕方ないのでおとなしくTVを観ていたZachも一緒に入れることにして、バスタブにお湯をはってあげました。お風呂からあがって新しいおむつをはかせたのはいいものの、着替えの洋服がどこにあるのかわかりませんの。仕方ないのでそのままおむつ姿で遊ばせていたその時ですの。救いの神、いえ、Pennyから電話が入りましたの!
「ハ〜イ、Yuki。調子はどう?たった今、夕食が終わったところよ。
あなたのおかげですばらしい時を過ごせたわ。これから戻るから待っててね!」
こうして無事ベビーシッター役を勤めたゆきぴゅーは、2日後、ペニーちゃん一家から東京最後の夜のディナーに招かれてごちそうになることが出来たのでした。
シー ユー アゲイン、Penny!
きっと今頃は2ヶ月ぶりのSweet Homeに戻ってホッと一息ついていますわね。
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