|
先週ゆきぴゅーは、ソフトバンクのお父さん犬よろしく旅に出たんですの。
お父さんは尾道をほっつき歩いてましたが、ゆきぴゅーが行ったのは広島県・鞆の浦。去年の銭湯デートの時に荻窪さんが「古〜い町並みが残っててきっとゆきぴゅーの好きな町だよ」と教えて下さって以来、ずっと行ってみたいと思っていた場所なんですの。実は荻窪さんの奥さんが鞆の浦ご出身で、年に数回は里帰りで一緒に訪れていらっしゃるそうですの。
道中、頭の中に流れるのはCM同様、谷村新司が歌う『いい日旅立ち』。
あ〜あぁ〜、日本のどこかにぃ〜♪わたしを待ってる人がいるぅ〜♪かどーかはわかりませんが、夜行バスに揺られること9時間、そこから路線バスに乗り換えて30分、ようやく念願の鞆の浦に到着したのでした。
ゆきぴゅーの手には数日前に荻窪さんがわざわざオススメポイントをマークして写真付の解説を付けて下さったGoogleマップ。
それを見ると、、、
「ちょっと町から離れるけど、見晴らし最高の“淀媛神社”の横にあるイナバ電機のおっちゃんは知り合いです。とても面倒見が良くて気のいいおっちゃんだから聞けば鞆の浦の事、色々と教えてくれるはず」
と書いてあります。大きな町ではないので午前中ぐるりと歩くとほぼ主要なスポットは廻ってしまいました。時間もあることだしその淀媛神社とやらに行ってみるですわと普通観光客はあまり行かないエリアまで足を伸ばしてみることに。
しばらく行くと淀媛神社に着きました。
なるほど、神社の隣に「イナバ電機」がありました。とりあえず神社にお参りをして再び降りてくると、すぐ横にある淀媛会館という公民館みたいな建物の中に、町の古いひな壇が飾ってあるというので入ってみることにしましたの。
「ごめんくださいませですの〜」
「はい、どうぞ。2階に上がってきて下さ〜い!」
 |
| 鞆の浦は今月23日まで鞆・町並ひな祭りを開催中。町内100ヶ所に雛飾りが展示されています。 |
上から男の人の声がしたので階段を上がって部屋に入ると、そこはたくさんのひな壇が飾られている一面真っ赤な世界でした。
「どうぞ、どうぞ。お嬢さん、お一人?
どこから来たの?」
おじさんが待ってましたとばかりに出迎えてくれました。
「と、とうきょうですの」
「そうですか。じゃまず手始めにクイズを
出すからね。いいですか」
「えっ?ク、クイズですの?」
「では一問目。この雛人形、男雛が向かって右側、女雛は向かって左にありますが、
こちらのは逆ですね。さてここで問題です、どちらが古いものでしょうか」
「えーっと、、、」
(た、たしかさっき町中で見たやつも向かって右にお内裏さまだったですわ。
あれが大正時代の古いモノだって言ってたから、、、)
「こ、こっち???」
「ハイ正解!では次の問題。二段目の三人官女、ひとりだけ結婚している女性がいます。
さてそれはどれでしょう」
「えええー???ど、どれですの?着物の色?髪型?、、、わからないですわ〜」
「はい、時間切れ〜。正解は真ん中です。昔は結婚すると眉を剃ってお歯黒にしました。
よく見て下さい、真ん中のだけ眉が無いでしょ」
「本当ですわ〜」
「はい、では3問目」
「ま、まだあるですの?!」
とこんな調子で延々おじさんの雛人形クイズは続き、それが終わるとこんどは折り紙で作るおひな様作り講座が開催されてかわいらしいお土産まで頂けましたの。帰り際、ふと荻窪さんのメモを思い出してそのおじさんに聞いてみたんですの。
「あのぅ、つかぬことをお聞きしますがイナバ電機のおじさんて、今そこのお店に
いらっしゃいますでしょうか」
「そりゃ、わしのことだ」
「えええーっっっ?!?!?!」
なんと、その人がイナバ電機のおっちゃんだったのでした。
素性と事の経緯をお話すると、ますます張りきり出したおっちゃんは「それなら明日オレが車で案内してやる」と言い出し、そのうちになんと「娘がいつもお世話になっています」と、荻窪さんの奥さんのお母さんまで登場して、ゆきぴゅーはすっかり“東京から来た大切なお客さま”となってイナバ電機の茶の間に通されることになったのでした。
 |
| お母さんが魚介類を買って下さった港のすぐ前のお店。(コレ、お店?) |
 |
| その場でゆであがったシャコに大感激 |
 |
| この貝美味! |
 |
 |
| ジャーン!!!ホテルの夕飯より何倍も美味しかったとれたて海の幸。イナバのおっちゃん&おばちゃん&お母さんごちそうさまでした |
しばらくするとせっかくだからお昼ご飯を食べて行きなさいと言われ、お母さんと一緒に港までお魚を買いに行くことに。
お母さんはお魚の他にも、たった今漁船からあがってその場で塩ゆでした大量のシャコやら、ぬるぬると動くタコやら、イカやらを買って下さり、ビニール袋を提げて再びイナバ電機へ戻りました。そしてゆきぴゅーも台所に立ってお昼ご飯のお手伝いをすることになったんですの。
人の縁ってどこでどうつながっていくか分からないものですわね〜と思いながら・・・。
30分後、目の前にずらりと並んだ超新鮮な瀬戸内の海の幸に大感激のゆきぴゅー。
「シャコっておいしいですわ〜!!!」
と、バリバリ殻まで食べようとしているゆきぴゅーを見てイナバのおばさんがびっくりして言いました。
「食べるのは身だけよ!
それは出すのよ!」
それから(名前を聞いたけど忘れてた)貝もすごくおいしくて爪楊枝で何個もほじくって食べましたの。
何を食べてもおいしいおいしいとむさぼるように食べるゆきぴゅーを見ていたお母さんが言いました。
「うちの娘ったら、こういうもの送って
あげようかって言ってもいらないって
いうのよ」
「えええっー?!そ、そうなんですの?」
「たまに食べたくなるんじゃないかと
思うんですけどねぇ。東京に帰って娘に
会うことがあったら遠慮しないで送って
もらいなさいって言っておいてくれる
かしら」
「わ、わかりましたわ!
ちゃんと伝えますわ!
(そんでもって届いたら絶対
呼んでもらうですわ)」
そう約束するとお母さんは安心したように笑顔になって喜んでくれましたの。遠い都会に暮らす娘さんを想うお母さんの気持ちが胸の奥に突き刺さって、ゆきぴゅーも野沢菜やおやきを送ってくれる長野のママンをつい思い出してしまいました。
突き刺さるといえば、茹でたシャコの殻を剥いた時に人差し指にチクチク刺さったトゲの跡がまだ消えませんの。その傷を見るたびに頭の中には“いい日旅立ち”が流れて、鞆の浦のあの素敵な出会いと、温かいおもてなしを思い出す今日この頃なのでした。
|