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最近ゆきぴゅーはとある弟子入り修業のため、何日かおきに熱海に通っているんですの。
以前にもご紹介した、朝日新聞社の会員制サイト『アスパラクラブ』の弟子入りコラム(「読み物」コーナーにあり : 無料会員登録が必要)で、今月は“ところてん作り修業”に挑戦しているからなんですの。
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| 熱海駅前にある足湯“家康の湯”は観光客でいっぱい。 |
先日も朝早く起きて熱海に出かけたゆきぴゅー。その日はちょっと時間があったので、午後は熱海観光でもしようかと思ったんですの。そこで、今回お世話になっているダイビングサービスの高野店長に相談してみることにしました。
「これからぶらりと熱海観光に出かけ
ようかと思うのですがオススメの場
所はありますか?出来ればディー
プな熱海がいいですわ」
「ディープというと、例えばロシアのお
ねいさんが踊ってるところとか、そういうことでしょうか?」
「い、いえ、ゆきぴゅーはロシアのおねいさんには興味ないですの」
「あぁそうですか。他ですか、他には・・・う〜ん、、、どこかあったかなぁ、、、」
高野さんは腕組みをして必死に考えていましたが、しばらくしてぽんと手をたたいて、
「ゆきぴゅーさん、熱海城には行ったことありますか?」
「山の上のお城ですわよね、行ったことないですわ」
「それじゃ、ぜひ見晴らし抜群の熱海城に行ってみて下さい。
ここからだと、ロープウェイ乗り場までいい散歩コースですよ。この海岸線を歩いて
いけば、まず有名な“貫一・お宮の像”がありますからね、とりあえずそこでお宮と
同じ格好でセルフポートレート撮ってください。それからまたしばらく歩けば熱海城
行きのロープウェイ乗り場ですから」
「ではそのコースで行って来ますわ♪」
「あっ、それから!」
「何ですの?」
「どうせ熱海城行くんでしたらお隣の秘宝館ってのはどうですか?」
「ゆ、ゆきぴゅー、秘宝館て入ったことないのですがどんな感じなんですの?」
「ど、どんな感じって・・・それは行けばわかります。まさしくディープな熱海が満喫
出来ますよ。ただ、こんな真昼間から女性一人で行ってる人はいないと思います
けどね。あ、それとですね、熱海城や秘宝館を見終わってロープウェイで下る前
に、ここに電話もらえますか?必ず山の上から、ですよ」
「・・・?見終わってロープウェイを乗る前に、ですわね?何なんですの?」
「まぁまぁ。とにかく電話ください」
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| 高野さんが言った、ロープウェイ乗り場から電話をしてくださいね、という意味は結局ナゾのままですの。 |
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| ダイビングショップのある横磯港は猫天国なんですの。 |
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| こんなところにも・・・。 |
高野さんはそう言って一体何がそんなに楽しいのか、とにかくニコニコと笑ってばかりいるんですの。何かたくらんでいますわね、と思いましたが、まぁ、いいですわ。ではそろそろ出かけるですわ、と思っていた矢先、海から戻ってきた山口さんがゆきぴゅーを呼びに来ましたの。この方は、今回の弟子入り修業のコーディネーターを買って出て下さった漁師さん兼ダイビングサービスの店長さんなんですの。
「ゆきぴゅーさん!今から伊東の
漁師
さんのところに連れて行っ
てあげます。僕の先輩の漁師さ
んなんですが、きっとところてん
の原料の天草(てんぐさ)のこと
色々知っていると思うんですよ」
ここはもちろんお仕事優先ですの。
「えええー?本当ですの?
行きます、行きます」
というわけで、高野さんが計画してくださったディープな熱海観光は一瞬にして延期となったのでした。ちーん。
こうしてゆきぴゅーは山口さんと、そして山口さんの甥っ子である若手漁師のオサムくんと一緒に伊東まで行くことになったんですの。今回のところてん作り修業<上>では、そのオサムくんがゆきぴゅーのお師匠様となってくださったのですが、彼ったら22歳ながらすでに2児のパパと聞いてびっくり仰天のゆきぴゅー。
しかしそのオサム青年、なんだか車の中で様子がおかしいんですの。聞くと、どうやら今から訪ねていく伊東の漁師さんというのが、そこいらへんではとても名の知れた漁師さんだそうで、オサムくんみたいな若い衆は、その人の一言で遠洋マグロ漁乗船決定〜!というくらいの存在の人らしいんですの。そんな大物を前にうっかり粗相を、もしくは(異常に)気に入られたりしたもんなら、
「お前、二年くらい乗って来い!」
と命令が下って、即、インド洋行きになりかねないと、どうやらそれでビクビクしているらしいんですの。
「へぇ〜。漁師さんて大変ですわね〜。
でもマグロ船に乗ればお金いっぱい貰えるって聞きますわよね」
「ゆ、ゆきぴゅーさん、そう簡単に言いますけどね、生きて帰って来れないことだって
ありますし、男だけの世界で命がけの喧嘩もあるっていいますからね。逃げたくても
海に飛び込むしかないんすよ、、、オレにはムリっす、、、」
すると山口さんが、
「お前くらいの年で荒波にもまれるのが一番いいんだ!若いうちの苦労は買ってでも
しろっていうだろ。それにお前、生きて帰ってきたってまだ30前だろ!」
「生きて帰ってって、、、。今、子供が一番かわいい盛りなんすよ、こんな時にマグロ
船乗るなんて、オレ、イヤっすっ!」
「何言ってるんだよ。お前ん家のチビなんてまだ赤ん坊なんだからお前の顔なんて
覚えちゃいないよ。そういう時にこそマグロ乗るんだよっ!」
「か、かんべんしてくださいよ〜(泣)」
・・・そんな男の会話を聞きながら、“伊東へ行くなら、ハ、ト、ヤ〜♪”のハトヤホテルの前を通り、伊東の海を見渡せる山の斜面に立つ大物漁師さんのお宅に到着ですの。玄関にパンツ一丁姿で出迎えてくれた漁師さんは、なるほど、山口さんの言っていた通り、ものすごいオーラがある人でしたの。日に焼けた顔に刻まれたシワ、贅肉のない引き締まった体、血管の浮き出た腕、そして、ギラリと獲物を見定めるような目、まさに海の男という感じですわ〜。
“こりゃ山口さんが一目置いて、オサムくんが恐れるのも無理ないですわ”
とは言え、ゆきぴゅーは間違ってもマグロ船に放り込まれる危険はないハズなので、緊張しながらも、伊豆地方の天草(てんぐさ)について質問し、貴重なお話を聞かせていただきましたの。(詳細は弟子入りコラム<下>にて)
ちなみにオサムくんは玄関で、
「○○さん、お久しぶりですっ」
と頭をさげて挨拶したきり、終始ゆきぴゅーの斜め後ろでじっとり嫌な汗をかきながらだまって正座しておりました。幸運にもその日の会話はマグロのマの字にもならず、命拾いしたオサムくん。帰り道では、一気に気が抜けたのか、道は間違えるわ、赤信号でツッコミそうになるわで、大変だったんですの。仕舞いには、
「す、すみません。ちょっと腹の具合が・・・」
といきなりコンビニの駐車場に入ったくらいですから伊東の漁師恐るべし、ですの。
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| 手際よくサザエを焼いてくださった山口さん。ごちそうさまでした〜。また行きますわ〜! |
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さて、それから熱海に戻ると山口さんがその日採れたサザエをゆきぴゅーの為に焼いてくださったんですの。
「これは昔、中山美穂チャンのビール
のCMで有名になった味噌サザエ
です。これが一番ウマイ食べ方で
すよ。さぁどうぞ」
海のすぐ近くで、いい香りで焼かれた味噌サザエ。ゆきぴゅーはもうそのシチュエーションだけでタダでごはんネタに決定ですわ。山口さんは毎日サザエを採ってはいても、年に5個食べるか食べないかですよと言いながら、ひたすらビールを飲んでいるので、ゆきぴゅーは遠慮なく焼いてもらったサザエをペロリと全部平らげてごちそうさま、ですの。
その後、お腹の調子が回復したオサムくんが少し酔いが回ってきたのか、親バカ丸出しのことを言い始めましたの。
「ゆきぴゅーさん、オレね。
うちのチビがしゃべれるようになっ
て、もし、“パパ、マグロ船乗ってき
て”って言ったら、間違いなく明日
にでも乗っちゃうと思うんですよ
ね〜。
あっ、こんどゆきぴゅーさんが来た
時はチビ連れてくるんで抱っこして
あげてくださいね」
(了解ですわ。チビちゃんにその言
葉を一日でも早く覚えさせてあげ
ますわ♪)
その時ゆきぴゅーがそう心に決めたこと、きっとオサムくんは気付いてもいないのでした。
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