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2006年お盆。
去年の秋、雑誌「デジタルフォト」の連載で突撃取材させていただいた鈴木さんから突然メールが届きましたの。
「ゆきぴゅーさんこんにちは。お元気ですか。私は実家のある釧路で涼しい夏を過ごしています。年賀状を頂いたまま返事を返していなくてすみません。お詫びといってはなんですが釧路名産をお送りします。明日の午前指定で出します。生モノなので大急ぎで食べてください。」
嗚呼、神さま仏さまご先祖さま〜、じゃなかった鈴木さん、ありがとうございますー。
北海道で生モノといったらきっとそれはマリモでもなく、ヒグマの剥製でもなく、アイヌの民族衣装でもなく、美味しい海産物に違いないですわー!うれしいですわー。何が入っているか明日が楽しみですの。
翌日。
クール宅急便のお兄さんから受け取ったずしりと重い箱の中には、毛蟹一匹とイクラの瓶、そしてウニの入った箱が!あぁ涙があふれそうですわ〜。たった一度取材でお会いしただけなのに、こんなにしていただいてゆきぴゅーはなんて幸せ者ですの。
あぁ神さま〜(>鈴木さん)・・・。
「・・・っていうかこれ、大急ぎで食べろと言われても
一人じゃ食べきれないですわ・・・」
ふと気付くときのうは送り盆ですの。
ここ数年、ちゃんとお盆に帰省していないことを思い出し、ご先祖さまにお線香の一本でもあげなくちゃいけませんわ、と急に信心深くなったゆきぴゅー。ひんやり冷たいその箱を抱きかかえながら長野新幹線に飛び乗ったのでした。お盆が終わったといっても世間はまだ夏休み中。新幹線はやっぱり混んでいますの。そうですわ、ぱぱんとままんに電話を入れなくちゃですわ。
「もしもしゆきぴゅーですわ。今、毛蟹持って新幹線乗ってるですわよ」
突然の帰省にびっくりしながらも喜んで長野駅にむかえに来てくれたぱぱんが一言、言いました。
「その箱に毛蟹が入っているのか?」
実家に箱を抱えながら帰るとなぜか、とうに嫁に行ってるハズの妹ちゃん達がそれぞれのお子を連れてニコニコスタンバイ。そのうちに弟一家もやってきて総勢12名にもふくれあがったゆきぴゅー実家。
な、なんなんですのー?
長野県民てば毛蟹でそんなに人が集まるですのー?!
と、そこでふといや〜な予感がしたゆきぴゅー。お部屋の隅っこで箱をそぉっと開けて毛蟹さんの足の数を数えてみましたの。
「1、2、3、4、、、、10。」
10本ですの。人間さまは12人。間違いなく足りませんの。どうやって2名を脱落させるですの???
1歳になった甥っ子ゆうたろうは食べなくてよろしい、あと1人は、年の順でいけば、、と悩んでいる間もなくあれよあれよと毛蟹さんは食卓の中央に置かれ、“いっただっきまーす”の掛け声と共にピラニアの沼に放り込まれた水牛のようなっておりました。恐るべし長野県民!しかしながら激しいバトルの中、一番大振りな足をもぎ取ることに成功したゆきぴゅーは、鈴木さんへの感謝の気持ちをかみしめつつ毛蟹さんを美味しくいただいたのでした。
みんなが帰ってほとぼりが冷めた翌日、冷蔵庫からそぉっとイクラの瓶とウニの箱を取り出して独り占めしたことは内緒ですの。
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