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いよいよ明日が牡蠣パーティーという日、セレブY澤からまたもやメールですの。
「さっき牡蠣が届いたんだけど、殻つきなのよ。殻をむく道具持ってきて欲しいの」
殻をむく道具?そんなもの一般家庭にあるんですの?
だけど、ちょうどその日は銀座近辺に用事があったので、築地まで足をのばして場外市場を覗いてみましたの。ちょっと奥に入ると食料品関係の道具をたくさん売っているお店がありますの。店内には、売れるのか?と思うようなわけのわからない金物の道具が所狭しと置いてあります。
「えーっと、牡蠣の殻をむく道具を探してるんですの」
「これだけど、おねーちゃん自分でむくの?」
店のおいちゃんは、きらりーんとなんとも鋭利な大きい彫刻刀みたいなのを見せてくれました。
「これね、あんたやったら絶対手を切るからね。男の人にやってもらいなさいよ。
プロでも手を切るからね。本当は売りたくないんだよ。いいかい、あんたは絶対
やっちゃダメだよ。男の人に頼むんだよ」
「(頼める殿方はいないんですのよ)」
と心の中でツッコミつつもおいちゃんの愛情をかみしめながら680円と意外と安いその凶器を購入しましたの。これで明日はむきむきして美味しい旬の生牡蠣が食べれるですわ。
ピンポーン。
「いらっしゃーい」
Y澤女史、休日に自宅で牡蠣をふるまうなんてやっぱりセレブですわね。
牡蠣は生食用と殻のむいてある加熱用が届いていましたの。さっそく料理開始ですの。おいちゃんの言葉通り殻むきはマサミに押し付けてゆきぴゅーは牡蠣鍋の用意ですの。幸い指を一本も落とすことなく器用に殻をむき終えたマサミに感謝しながらまずは生牡蠣の試食ですの。
「う〜ん、うまい!肉厚!ぷるぷるだねー」
「私、今年初の生牡蠣だー」
「おいしいですわねー。ゆきぴゅー生牡蠣食べるのって今までの人生の中で
4回目くらいですわ」
12個あった生牡蠣をきっちり4個ずつ等分してあっという間に食べ終えた3人。お次は牡蠣鍋ですの。ぐつぐつと煮える鍋にどんどん牡蠣を入れてポン酢と大根おろしでいただきますの。
「ふふふ。今日はコレがあるのよ 」
ニヤニヤしながら八海山を持ってきて手酌を始めるY澤女史。
マサミも「牡蠣にはワインでしょ」と上機嫌に飲んでいますの。お酒の弱いゆきぴゅーはビール一杯でぐるぐるですの。ぺろりと鍋も平らげて別腹のデザートも平らげて大満足の3人ですの。酔っ払いのY澤女史が食後に緑茶を入れてくれながら言いましたの。
「ふぅ、、おなかいっぱいねー。おいしかったわぁ。ところで牡蠣にあたるって
よく言うじゃない。こんなにおいしいのにどーしてかしらね。
でも私たちお腹なんともないから大丈夫ってことよね」
「あ、牡蠣ウィルスは24〜48時間潜伏期間があるから」
「ってことはすぐには症状が出ないってこと?」
「そういうこと」
淡々と答えるのは、マサミ。
そうですわ!
彼女は看護師免許を持っている!
しかしながらどこまでも楽観的なY澤女史は、
「だいじょーぶよぅ。あっ!!!ほら見て!見て!茶柱立ってるわ。
ほら〜♪いいことあるわよ、きっと私たち」
だけどその時、ゆきぴゅーはその茶柱があっという間に倒れてすぅっと沈んでいくのを見ておりましたの。
翌日。24時間経過。
体調はなんともないですの。やっぱり心配したことなかったみたいですわね。
翌々日、43時間経過。
ゆきぴゅー突然の体調不良で倒れる。
布団の中から他の2人に携帯メールですの。
「わたくしさきほどから寒気と吐き気と下痢に襲われておりまして
上から下から大変なことになっておりますがみなさんはどうですか」
1分後、セレブY澤女史から返信。
「マジ?私は急に熱が出て寝てるのよ。38.5度。これってインフルエンザ?」
2分後、マサミから返信。
「あっ!私も!これは牡蠣のウィルスでございます。発症が食べた24時間から
48時間。間違いないです。今日は仕事休みました」
1分後、Y澤女史。
「ちょっと!わたしどうなるの!?明日には治るの?寝てればいいの?
風邪かと思ってユンケルとバファリン飲んじゃったわ」
1分後、マサミより
「ユンケルは効かないでしょう。私は熱が少しあって下痢と吐き気がありましたが、
今は吐き気はおさまって熱が38度くらい。牡蠣だとまれに38度超える熱がでる
場合もあります」
1分後 Y澤女史
「どーしたらいいの?
どーしたらいいの?対処法は?」
30秒後 マサミ
「水分とって寝るべし」
2分後 ゆきぴゅー
「トイレでまた吐いてきました。これにて報告メール終了ですの。おええ」
恐るべし牡蠣ウィルスはその後丸2日ゆきぴゅーを苦しめたのでした。
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