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日曜日。待ち合わせ場所は恵比寿ガーデンプレイス。
「では乳母さん、よろしくお願いしま〜す」
備品(中身不明)の入ったリュックサックとクマのぬいぐるみ、アンパンマンのポーチを乳母に手渡しながら、そう言い残して
ゆいまーるちゃんのパパとママはバーゲン会場に消えていきました。ゆいまーるちゃんとゆきぴゅーは、ママのお腹の中にいるときからの知り合いなんですの。まだ「いきぷー」としか言えませんがお友達なんですの。起きたばかりで頭が回転していない彼女は、最初何をしても無反応でしたが、だんだん慣れてきてゆきぴゅーがへんな顔をしてみせるとキャッキャッと笑うようになりました。こうなればしめたものですわ。ゆきぴゅーなぜかイジョーに子供には好かれるんですの。
春のようなぽかぽか陽気の日でしたので、乳母と幼児はガーデンプレイス内の広場に出ましたの。両端に水が流れていて所々に小さな滝がありました。ゆいまーるちゃんは足を止めてその水の流れをじぃっと見入っていますの。ずぅっとずぅっと見入ってますの。
「キラキラしてきれいですわねー」
そう話かけても分かっているのか分かっていないのか ゆいまーるちゃんはひたすら無言ですの。時々意味不明な言葉を発したりしますの。一体何を考えながら水の流れを見ているのでしょうか。しばらくそのまま見ていたのですがゆきぴゅーはいいかげん飽きたので声をかけました。
「そろそろあっちに行くですわ、ゆいまーるちゃん」
反応がないですの。そういう時はモノで釣るですわ、と思ってアンパンマンのポーチを差し出しましたの。
「ほらアンパンマン持ってあっちに行こうですわ♪♪♪」
ゆいまーるちゃんはすっと手を出してポーチを持ちました。
(よしよし)
と、そのあと何をするかと思ったら、ぽぃっとアンパンマンを水の中に投げちゃいましたの。
「あああーーー!何するですのー!」
流れがあるのではやく拾わなくては大変ですの。冬なのに片足を水に突っ込みながらアンパンマンを無事救出したゆきぴゅー。乳母はときには命がけですの。足を乾かすためにベンチに座っておやつを食べようと提案しましたの。
ゆいまーるちゃんとベンチに座ってお菓子を食べていると、なにやら異様なオーラを放った人がこちらに向かって歩いて来ました。すれ違った群集も後ろを振り返って見ている始末。黒い帽子、黒い革ジャン、黒い半ズボン、足元は女性モノのハイヒールサンダル。ぴちぴちの半ズボンの後ろからはお尻が半分見えていてとってもセクシー♪と思いきや、鍛えられた肉体!あれはもしやハード・ゲイという人種ですの?!そうこうしていたらなんとそのHG、わたくしとゆいまーるちゃんのベンチに腰掛けてきたですの!そして袋から買ってきた(らしい)パンを取り出して食べ始めました。
なんてアウトドアなハード・ゲイ!
ゆきぴゅーはドキドキしながらも、ちょっとだけゆいまーるちゃんを自分のほうに引き寄せました。そこへ、バーゲンを早めに見終わったゆいまーるちゃんのママから電話ですの。まさかそんなエキサイティングな状況になっているなんて知るはずもないですの。
「ええ。万事OKですわ。ゆいまーるちゃんは今お友達と一緒にベンチに
座っていらっしゃいますわよ」
しばらくして向こうのほうで、愛娘と乳母とハード・ゲイの座るベンチを見て固まっているゆいまーるちゃんのパパ&ママの姿が見えました。
その後ハード・ゲイと別れた一行はガーデンプレイス内のタイ料理店に行き、そこでゆきぴゅーはとってもおいしいホリデーランチをごちそうになりましたの。
「今日はどうもありがとう
ございました。乳母さん」
「いいえ、いいえ、こんなことなら
いつでも言ってくださいませね。
お安い御用ですわ」
「ほんとうですか?それが今、
困ったことになっちゃって。
実はこの子の行っている保育園が
3月で突然閉園することになって
しまって本気でゆきぴゅーさんに
乳母お願いしたいんです」
「えええーーーー?!?!?」
どうなる?!ゆきぴゅー。このまま乳母への道を歩むのか?
つづく(ウソ)
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