コンテンツのトップページへ StudioGraphics Special Issue
スタグラ・特集記事
アドビシステムズが『CREATIVE SUITE 5.5』を発表
Creative Suite 5.5 の概要と新機能 [速報] 2011/04/11
 

Adobe CS5.5がやってくる

アドビシステムズがCS5の新バージョンとなる「Adobe(R) CREATIVE SUITE(R) 5.5」を発表しました。5月下旬の発売予定で、本日2011年4月11日よりアドビストアで予約販売を行っています。

気になる「Photoshop CS5」には大きな機能変更はないものの、スマートフォンとの連携機能を強化して「CS5.1」にアップデートされることになりました。
> 気になるPhotoshop CS5.1 新機能

Text by 編集部
Click で拡大

Adobe Creative Suite 5.5の変更点

アドビシステムズは「Adobe Photoshop」や「Adobe Illustrator」「Adobe Dreamweaver」などのパッケージ製品(スイート)である「ADOBE CREATIVE SUITE」(CS)の最新版「CS5.5」を発表しました。

製品提供の予定は2011年5月下旬を予定し、公式オンラインショップのアドビストアでは本日、4月11日(月)より予約受付を開始しました。

「CS5」から「CS5.5」へ

Dreamweaver CS5.5
Click で拡大

今回のバージョンアップの目玉のひとつ、HTML5、CSS3 への対応強化を発表した「Dreamweaver CS5.5」(DW)。背景との透過や枠の角丸をCSSで制御。

Click で拡大
上左からスマートフォン、タブレット、下がデスクトップ画面を想定したマルチスクリーンプレビュー機能。表示範囲だけでなく、段組を考慮してレイアウトを自動調整。
Click で拡大
「jQuery」を活用してDWでスマートフォン用ウェブページを作成するデモ。あまりにも簡単に見覚えのある画面が作成されていく。
Click で拡大
ログインページもほぼコーディングなしで短時間に作成。
Click で拡大
「アプリケーションフレームワーク」を使い、DWでAndroid用アプリを制作したいる画面。DWはアプリ開発ツールへと進化していく。
Click で拡大

DWに搭載されたPhoneGapフレームワークで開発・作成したAndroidアプリを起動したタブレット(左)。Androidスマートフォンなら「電話をかける」ボタンを押すとダイアルを開始する(右)。

「ADOBE CREATIVE SUITE」はPhotoshopやIllustrator、DreamweaverやInDesign、Premire Proなどがセットになった製品シリーズです。どの製品が含まれるかは、パッケージによって異なり、ウェブ関連に従事する人(企業)向けの「WEB PREMIUM」、広告制作や写真やイラスト関連などデザイン関連に従事する人(企業)向けの「DESIGN STANDARD」「DESIGN PREMIUM」、映像関連に従事する人(企業)向けの「PRODUCTION PREMIUM」、ひと通りすべての製品が同梱された「MASTER COLLECTION」等が用意されています。

セット製品として発売された「ADOBE CREATIVE SUITE」の最初のバージョンは2003年です。スタジオグラフィックスではお馴染みのPhotoshop シリーズもこのとき「Photoshop CS」と命名され、以降、同社によれば約18ヶ月ごとのサイクルで、CS2、CS3、CS4、CS5へとバージョンアップされてきました。

今回のアップグレードは、今までとは異例となる0.5のバージョンアップで、CS5からCS5.5に変わった格好です。これは「バージョンアップ(メジャーバージョンアップと呼ぶ)の周期を約24ヶ月に延ばす」という同社の方針変更に伴うものです。ただし、約24ヶ月の間に技術的な革新や改良を施したバージョンを市場に投入する際は、今回のように0.5のようなカウントアップを行う、ということになったのです。

こういった経緯から本日、最新バージョンである「ADOBE CREATIVE SUITE 5.5」通称、「CS5.5」の発表となりました。

とはいうものの、スタジオグラフィックス読者が最も気になっているアプリケーション「Photoshop」に関しては5.5にはなりません。更に微細なカウントアップがされて、Photoshop CS5.1となります。

[CS5.5に変わるアプリケーション]

  • DREAM WEAVER CS5.5
  • INDESIGN CS5.5
  • FLASH CATALYST CS5.5
  • FLASH PROFESSIONAL CS5.5
  • AFTER EFFECTS CS5.5
  • PREMIRE PRO CS5.5
  • AUDITION CS5.5
  • INCOPY CS5.5
  • DEVEIVE CENTRAL CS5.5
  • MEDIA ENCORDER CS5.5

※正式名称はアプリケーション名称の前にすべて「ADOBE」が入ります。

「AUDITION CS5.5」は、従来のアプリ「Soundbooth」の後継としてリリースされた製品で、Soundboothより高機能になっています。

[5.5ではなくバージョンアップとなる
 アプリケーション]

  • PHTOSHOP CS5.1
  • BRIDGE CS5.1
  • ILLUSTRATOR CS5.1
  • FLASH BUILDER 4.5
  • FIREWORKS CS5.1
  • ENCORE CS5.1
  • CONTRIBUTE CS5.1

などとなっています。

 

CS5.5のキーワード

同社がCS5.5という、言わばマイナーな単位でまでバージョンアップを急いだ理由は主に下記のキーワードに対応する必要があったようです。

・スマートフォンへの対応強化
スマートフォン市場が急拡大し、パソコンに加えてスマートフォン市場に向けたコンテンツ制作のニーズが急拡大していること。スマートフォンを使ってCSアプリケーションとの連動への期待。
DreamWeaverやInDesignなど、レイアウト制作ツールにスマートフォン向けレイアウトなどの機能を早期に盛り込んだ。また、DreamWeaverでは「jQuery」と「jQuery Mobile」に対応し、スマートフォン向けのウェブサイトを効率的に作成できるようになった。
Photoshopでは、Photoshopと連携できるスマートフォン用アプリをリリースする。その活用によって、スマートフォンをPhotoshopの入力デバイスやリモコン、マルチディスプレイのように利用できる。

【キーワード】

Flash Professional CS5.5 etc
Click で拡大

「Flash Professional CS5.5」はコードスニペットの強化(ドラッグ&ドロップ)、ビットマップ書き出し、自動保存設定、レイヤーのコピー&ペーストなどが追加された。

Click で拡大

Android、iOS用アプリ開発に対応。デバイスの画面サイズに応じてコンテンツのサイズを調整できる。「Flash Builder 4.5」でも、Flex FrameworkがAndroid開発環境に対応。画面はAndroidアプリの「レストランガイド」のメニューページを作成しているところ。

Click で拡大

メニューから特定のレストランをタップすると詳細情報を表示するAndroidアプリ。実機でのテストもできる。

・スマートフォン用アプリの開発
Flash Professional CS5.5で、AndroidとiOS用のアプリを、Flash BuilderでもFlex FrameworkAndroid用アプリの開発が可能になった。
また、DreamWeaverではjQueryでスマートフォン対応ウェブサイトのデザインと制作が簡単にできるようになった。また、「Phone Gap」フレームワークを利用することで、AndroidやiOS用のアプリケーションが手軽に開発できるようになった。

 → jQueryPhoneGap

・電子出版
上記スマートフォン市場とも密接に関連しますが、電子出版市場への期待が高まり、電子出版用の標準規格も本格的に日本語対応を行う。CS製品群のレイアウト関連ツール、特にInDesignにおいて電子出版のコンテンツ制作機能を強化した。
現在、電子出版のファイルフォーマットには複数あるが、そのうちのひとつの「EPUB」において、今年本格的に日本語にも対応した規格EPUB 3が策定され、縦書きやルビ、傍点が可能になる予定。

 → EPUB 3

・HTML5
iPhoneやiPadに搭載されているiOSがフラッシュに対応しないこと、更にフラッシュに変わる技術として期待されているHTML5への市場の期待、それに関する報道が注目されていることもあり、次世代WEB技術である「HTML5」への対応をリードしたい。
とりわけDreamWeaverにおいてHTML5が制御できる機能を強化した。(ILLUSTRATORでも以前にHTML5 Pack for Illustrator CS5 を提供開始済み)

 → HTML5

・映像関連
スマートフォン向けのデバイスプリセットの追加と、映像関連での操作性、高速性の強化を製品に反映した。また、3D、DSLR、マルチ画面、64ビット対応などの点で強化が行われた。

これらのキーワードに対して、CS5の機能アップを望むユーザなら、今回のバージョンアップはぜひ行っておきたいものと言えるでしょう。
特にスマートフォン用WEBサイト、スマートフォン用アプリケーション、HTML5、電子出版と、最新キーワードへの対応の第一歩を踏み出したDreamweaverの進化は大きな意義があると思います。

InDesign CS5.5
 
Click で拡大

「InDesign CS5.5」で作成した電子書籍コンテンツをAndroidで表示したところ。

Click で拡大

映像の埋め込みや部分拡大など、電子書籍ならでは機能にも対応し、InDesignで設定できる。

Click で拡大

「InDesign CS5.5」ではEPUB 3の策定前から既に縦書きやルビ、傍点などに対応。EPUB 3で電子書籍の日本語対応が本格化すると期待される中、開発環境の促進も拍車がかかるか。

Click で拡大

ブロックごとに表示順を指定できる。元原稿(左)に対してスマートフォンのような横幅小のレイアウト(右)に自動調整しても、本文やイラストの順番は正しく表示される


気になる Photoshop CS5.1 の変更点は?

Photoshop CS5の新機能

Photoshop CS5.1
Click で拡大

5月4日発売開始予定のiPad用アプリケーションの御三家。Photoshop CS5.1と連動し、左から「絵画シュミレーション」、「Photoshopツールのカスタマイズと操作、調整、ブラウズ」、「カラーパレット&アラースウォッチ作成」がiPadでできるツール。

Click で拡大

iPad用アプリ「Adobe Color Lava」。パレットで絵画絵の具を混ぜ合わせるようにカラースウォッチが作成できる。

Click で拡大

独特のインタフェースが面白いiPad用アプリ「Adobe Eazel」。五指それぞれにブラシの色、サイズ、透明度などの指定が割り当てられている。iPadをフィンガータブレットのように使って作成した絵画やイラストをPhotoshop CS5.1に送ることができる。

今回のCS5.5へのバージョンアップが見送られ、CS5.1となったPhotoshopは、iPadのようなタブレット型スマートフォンもしくはスレート型PCと呼ばれているデバイスを入力デバイスとして使用できる3つのiPad用アプリとの連携が発表されました。

代表的な使用のイメージとしては、デスクトップPCでPhotoshop CS5.1を起動し、無線LAN等で接続されたiPad上から、パレットの絵の具を混ぜて色を作り(アドビカラーラバ)、タッチ画面で絵を描き(アドビイーゼル)、Photoshopのツールをカスタマイズしたり選択する(アドビナブ)を利用することができます。それぞれのアプリで作成したカラーパレットと絵画、カスタマイズしたツールパレット等の情報は、Photoshop CS5.5に簡単に反映することができます。

iPad(iOS)用アプリケーション(3種類)

・Adobe Color Lava (350円)
iPadでイベントカラーを選択したり混合するツール。Photoshop上やAdobe Eazelでイベントカラーは利用できる。

・Adobe Eazel (600円)
iPadのタッチ画面で、水彩絵の具を使った絵画を描けるペイントツール。作成した画像はPhotoshop CS5.1に転送できる。

・Adobe Nav (230円)
Photoshop CS5.1のツールをカスタマイズしたり、起動や閉じたり、ツールパレットのリモコンのように利用できます。

これらの連携を行うために「Photoshop SDK」(Photoshop Touch SDK)が無償ダウンロード配布されます。

また、そのほかにiTunes App Storeで提供するアプリ「Ideas」(無料)も用意される予定です。これは、アイデアやインスピレーションをiPadにベクターデータで書き込んでおき、PhotoshopやIllustratorに手軽に転送して利用するためのツールです。

 

Click で拡大

「Adobe Eazel」で作成した作品例(アドビ提供)。iPadをキャンバスのように使用できる?

Click で拡大

お馴染みのツールパレットをマルチ画面のようにiPadに映す「Adobe Nav」。ファイルも操作できる


CS5.5の製品構成と価格

CS5.5の種類と価格

CS5.5の製品構成にCS5からの大きな変更はありません。ただ、前述のように新規開発を終了したサウンド編集ソフト「Soundbooth」が「Auditon」に変更なになったことなどは特筆点としてあげられます。
以下は主要なパッケージ製品のアドビストアでの価格(税込み)です。
構成内容や価格はアドビストアなどで確認してください。

   Design
 Standard 
Design Premium Web
Premium
Production Premium Master
Collection
製品版  ¥198,450 ¥249,900 ¥236,250 ¥261,450 ¥397,950
アップグレード S ¥50,400 ¥58,800 ¥58,800 ¥58,800 ¥95,550
アップグレード A ¥84,000 ¥98,700 ¥98,700 ¥98,700 ¥159,600
アップグレード B ¥108,990 ¥134,400 ¥134,400 ¥134,400 ¥218,400
アップグレード C ¥140,910 ¥198,450 ¥186,900 ¥176,400 ¥228,900
学生・教職員 ¥67,830 ¥100,380 ¥100,380 ¥83,370 ¥125,790

アップグレードS CS5ユーザが対象。
アップグレードA CS4ユーザが対象。
アップグレードB CS3、CS5のユーザが対象。
アップグレードC 単体製品のユーザがCS5.5に移行したい場合。

サブスクリプション制度

なお、CS5.5から「サブスクリプション」と呼ばれる期間レンタルのような制度も導入されました。

月額または年額で使用料金を支払うことで、期間内を利用する権利が購入できるもので、一定期間に多人数でコンテンツを制作する場合など、以前は使用者数分のライセンスを購入しなければなりませんでしたが、サブスクリプションを購入することで比較的安価に期間限定でライセンスが得られます。なお、サブスクリプションの場合、期間中は常に最新版を使用する権利が含まれるので、バージョンアップされた場合等も追加料金なしに最新版にアップデートして利用できます。

サブスクリプションの価格

     年間プラン(月額)  月々プラン(月額)    購入価格(参考)
Suite製品   
 Design Standard ¥9,000 ¥14,000 ¥198,450
 Design Premium ¥12,000 ¥18,000 ¥249,900
 Web Premium ¥11,000 ¥17,000 ¥236,250
 Production Premium ¥12,000 ¥19,000 ¥261,450
 Master Collection ¥19,000 ¥28,000 ¥397,950
単体製品   
 After Effects ¥7,000 ¥11,000 ¥156,240
 Dreamweaver ¥2,000 ¥4,000 ¥49,875
 Flash Professional ¥4,000 ¥6,000 ¥88,200
 Illustrator ¥4,000 ¥6,000 -
 InDesign ¥4,000 ¥7,000 ¥93,240
 Photoshop ¥5,000 ¥7,000 -
 Photoshop Extended ¥7,000 ¥10,000 -
 Premiere Pro ¥5,000 ¥7,000 ¥98,175

  • 本稿のパッケージショット、もしくはスクリーンショットは、Adobe Systems Incorporatedの許諾を得て使用しています
  • Adobe、AdobeロゴおよびCREATIVE SUITEは、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)の米国ならびに他の国における商標または登録商標です

 
初出:2011/04/11
  このページのトップへ
 

 


     
 
 

     
 
Presented by
飛鳥のWEBサイトへ
Created by
サンタ・クローチェ
トライセック
リンクについて
著作権について
プライバシーポリシー