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スタグラ・特集記事
アドビシステムズが、『Photoshop CS5』を含むCreative Suite5 を発表
Creative Suite 5 の概要とPhotoshop CS5 の新機能 [速報] 2010/04/12
 

アドビシステムズがPhotoshop CS5を含む、「Adobe CREATIVE SUITE 5」を発表しました。5月28日の発売予定で、4月12日よりアドビストアで予約販売を行っています。また、アドビストアでは4月12日(月)〜6月30日(水)まで、CREATIVE SUITE 5各製品の発売を記念して、「アドビストア限定5大特典キャンペーン」を実施しています。
発表に先立って、報道関係者向けに製品の発表内覧会が開かれ、概要が説明されました。
> 気になるPhotoshop CS5 新機能

Text by 編集部
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同社の説明によると、Creative Suiteはデザインやカメラマン、プロダクションなど、制作のプロフェッショナルのユーザを多数持っていることに加え、日本の市場はほかと違ってプロシューマ(プロではないがプロレベルに近いコンシューマ)の割合が多いため、初心者にやさしい機能も盛り込んだCreative Suite 5は、初心者からプロまで幅広く使って欲しい製品を目指したとことです。

アイコンバッジコレクション
Photoshopの歴史をたどる、メジャーバージョンすべてのアイコンをあしらったアイコンバッジコレクションがもらえる等、早期予約購入者にはキャンペーンを実施中。

コンテンツを制作するすべて人に使って欲しい

Creative Suiteは5つのエディションが用意されています。

  1. ウェブマーケット・ユーザ向け「ウェブプレミアム
  2. .ビデオ系の「ブロダクションプレミアム
  3. クロスメディア向けの「デザインプレミアム
  4. 印刷系デザイン向けの「デザインスタンダード」
  5. すべてが入った「マスターコレクション

です。

CS4まであった「ウェブスタンダード」はなくなり、「ウェブプレミアム」に一本化されています。

ここで言う"クロスメディア"は、簡単に言えば、印刷、ウェブ、電子カタログなど、複数の媒体を制作することを指しています。最近の制作業界では、雑誌やカタログ、広告、チラシ、マニュアルなど印刷用に作成した原稿を、PDFにしてネット上で配布したり、フラッシュに展開してウェブで公開するようなケースが増えています。具体的には従来、印刷用原稿の制作を主体として利用されていた「InDesign」で、PDFや電子カタログはもちろん、フラッシュのインタラクティブコンテンツを制作する機能まで搭載されていることに、そのコンセプトが現れています。また、ビデオ制作も高解像度映像から、ウェブ動画、フラッシュコンテンツ制作まで、様々な形態での提供が求められています。

Photoshop CS5 アマゾンでの販売価格をチェック
Photoshop CS5 Windows版。32ビットと64ビット対応。アドビストアやAmazon等で5/27より発売開始。

さて、「Creative Suite 5」は、Photoshop CS5やIllustrator CS5、Premire CS5など、合計で14の単体アプリケーションが組み合わされて提供されていますが、すべてがバージョンアップされています。トータルでは、250以上の新機能が搭載されていて、制作スイートの最高峰たるアップグレードを遂げています。

プレゼンテーションでは、製品コンセプトとして下記の3つが掲げられました。

  1. デザインの境界線を越える新製品・新機能
    印刷、Web、ビデオなど、あらゆるコンテンツ制作をPC、モバイル、スマートフォン、テレビなど様々なデバイスに向けて
  2. より速く、より精細に
    64ビット化とマーキュリープレイバックエンジンによるビデオツールの劇的なパフォーマンス強化や、大きなイメージファイルを10倍高速に処理できるPhotoshop
  3. 新しいオンラインサービス
    CS Live オンラインサービスで、迅速なレビュープロセス、チーム内コラボレーション、ウェブページのテスト

「Flash」は3つのラインアップ

Creative Suite 5では、たくさんの修正点がありますが、特に大きく変わったツールがFlash作成ツール群とInDesign、ビデオ編集関連です。
Flashツール群は新製品として「フラッシュカタリスト」(FLASH CATALYST CS5)が追加されました。フラッシュカタリストはFlash開発用コードを知らなくてもフラッシュコンテンツが作れるよう、GUIが簡単になったアプリケーションです。古いところではマクロメディア・アクションのようなインタフェースでフラッシュコンテンツを作っていくことができます。
フラッシュカタリストの追加により、フラッシュは3つの製品で構成されるようになりました。

 1.Flashプロフェッショナル
 2.Flashカタリスト
 3.Flashビルダー

同社では、フラッシュ・プロフェッショナルでiPhone向けアプリケーションをフラッシュで開発できるようになった、としています。また、細かいところでは、Flash Lite 4 がActionScript5.0対応しています。

ビデオ製品は64ビット版のみ

ビデオ製品はパフォーマンスを大幅に向上しています。そのため、Creative Suite 5では、ビデオ関連製品はすべて64ビット版(64bitネイティブ対応)で提供されます。そのため、32ビット版のスイート製品を購入した場合、ビデオ製品の一部はCS4版も同梱されることになります。
「より速く、より精細に」のコンセプトを実現するためビデオ製品には新開発のマーキュリープレイバックエンジンが搭載され、劇的に高速化が実現しています。映像は従来のSDTVからハイビジョン(HD)になり、処理容量が何倍にもなりました。更に次世代映像として「4K」が控えていて、これを視野に入れれば、Premire、After Effects、Photoshop は、高速な64ビット対応が必要とされています。「4K」は4096×2160の超高解像度映像、現行のハイビジョンサイズの4倍もの高精細ですので、これからの現場ではハードウェアにもソフトウェアにもより高機能、高速性能が要求されます。

3つのオンラインサービス「CS Live」

オンラインサービス「CS Live」が新たに登場し、3つの機能が提供されます。

  1. CSレビュー
    Photoshop、Illustrator、InDesign、Premire Pro(2010年後半より)、の4つのアプリケーションから抜けることなく、レビュー用のアップロードとコメント収集が可能オンラインサービス。
  2. ブラウザラボ
    開発中のウェブページが、標準的な各ブラウザでどのように表示されるかを簡単にテストできるオンラインサービス。並べて比べるサイド・バイ・サイド表示や透かせて比べるオニオンスキン表示で、ウェブデザインがブラウザによってどのように表示の違いが出るが比較できます。
  3. サイトカタリスト ネットアベレージ
    アドビと昨年、統合したOmniture社の技術を使い、ブラウザのシェア、OSのシェア、デバイスのシェアなど、ウェブ・アクセスに関するマーケティング情報を提供するサービスです。数値はワールドワイドの値で、かつ、Omnitureのシステムを導入している企業のサイトがアクセスされた情報が基本になります。

製品内覧会では、「CSレビュー」のデモンストレーションが行われました。クリエイターが、制作中の作品をPhotoshop CS5画面から簡単な操作でCS Liveにアップロードし、それをクライアントが閲覧して意見を書き込み、その意見を読んでクリエイターが作品を修正アップデートして再び、クライアントにレビューする、という内容でした。

「CSレビュー」を利用するにはAdobe IDの登録が必要ですが、一年間無料となるようです。

アップグレード

Creative Suite 5の標準価格は、すべてが入った「マスターコレクション CS5」が397,950円、もっとも廉価な「デザインスタンダード CS5」が198,450円。アップグレードはCS4、CS3、CS2の3バージョンのみが対象で、マスターコレクションCS5を購入する場合、CS4からのアップグレードAは159,600円、CS3とCS2からはアップグレードBで218,400円、単体製品からのアップグレードCはアドビストアのみの提供で228,900円です。また、学生・教職員個人版の購入価格が用意されていて125,790円です。
また、各単体製品も用意されています。

※価格はアドビシステムズ社やアドビストアのホームページ等でご確認ください。
  当サイトでは参考表示としてご覧ください。

セミナーを各地で開催

アドビシステムズは、Creative Suite 5の発売に伴い、4都市でセミナーを開催します。新しいCreative Suiteを詳しく知りたい人は参加してはいかがでしょうか。

・Adobe Creative Suite 5 デザイン セミナーツアー
  5月18日(火) 名古屋 名古屋ミッドランドホール
  5月20日(木) 東京  品川インターシティホール (2回講演予定)
  5月26日(水) 大阪  大阪ブリーゼブリーゼ (2回講演予定)
  5月27日(木) 福岡  福岡アクロス福岡 国際会議室

・デジタルフォト&デザイン セミナー2010
  〜トップクリエイターのテクニックとアイディア〜
  6月19日(土) 福岡  福岡天神MSホール
  6月24日(木) 名古屋 名古屋栄 東急イン
  6月25日(金) 大阪  リーガロイヤルホテル大阪
  7月 2日(金) 東京  ラフォーレミュージアム六本木
  7月 3日(土) 東京  ラフォーレミュージアム六本木

・Flash3兄弟とDreamweaver夢紡ぎツアー(仮題)
  5月25日(火) 大阪  大阪ブリーゼブリーゼ
  5月27日(木) 東京  赤坂BLITZ

・CS5 ビデオ製品ローンチセミナー
  (大阪、名古屋はハイビジョン中継)
  5月21日(金) 東京 ベルサール汐留、 大阪 大阪スカイビル、 名古屋 ミッドランドビル

気になるPhotoshop CS5 の新機能

■Photoshop CS5の新機能

スタジオグラフィックスの読者の皆さんが一番興味があるのはやはりPhotoshop CS5の新機能でしょう。Photoshopが20周年を迎えた記念のバージョンです。

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少年の髪の毛を詳細に切り抜きたくてもクイック選択ツールではある程度大雑把な範囲選択になってしまう
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「境界線を調整」ツールが強化され、スマート半径を使って髪の毛も詳細に抽出する

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抽出した範囲はレイヤーマスクや新規レイヤーなど様々な用途に出力変換できます。

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人物をあっと言う気に消す「塗りつぶし」ツールのデモ。同社は「Photoshopマジック」と表現
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「コンテンツに応じる」の設定で、周囲と違和感なく人物が消えるデモは注目度抜群。
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パノラマ写真合成では、本来はないはずの部分、空白の部分を「塗りつぶし」ツールが生成
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まず、デモンストレーションで解説された主な変更点の概略は下記の通りです。

・フォトグラフィーの原動力
 HDR Pro
 HDRトーン
 レンズ補正フィルタの強化
 ACR6.0(ノイズの軽減、粒子の追加)

・クリエイティブインパクト
 コンテンツに応じた修復
 自然なタッチが可能なペイント
 パペットツール

・作業効率の最大化
 精細な選択範囲の調整
 64ビットのネイティブ対応(Mac/Win)
 GPUアクセラレーション機能
 CS Live オンラインサービス

・革新的な3D機能(Extendedのみ)
 3Dの成形
 3Dマテリアルライブラリ
 新しいレイトレーシングエンジン

PhotoshopはCS3からCS4へGUIのデザインが大幅に変更され、タブ形式になりました。今回のCS5はそのような見た目に大きな変更はありません。どちらかというと、使い勝手を向上するために細かな機能を追加し、自動化ツールの精度を上げて作業の効率化をはかるツール群が充実した印象です。もちろん、使い込んでいくといろいろなところで良くも悪くも変更がされていることに気付きます。
以前より報道関係者向けのベータ版は公開されていますので、いろいろな情報サイトで新しいPhotoshop CS5の変更点は掲載されると思いますが、内覧会で行われたデモンストレーションは下記の通りです。

・髪の毛を繊細に抽出する
「境界線を調整」(エッジの検出)が強化されています。
選択範囲を指定したり、マスクとして切り出すときに便利な機能として、ネコの毛や子どもの髪の毛のエッジを細かく抽出する機能が強化されています。
「境界線を調整」→「エッジの検出する」で半径を指定して、髪の毛を詳細に検出することができます。更に選択範囲を指定した後、新規レイヤーでアルファチャンネルの作成などもできるとのことです。

・邪魔な電線を消したい
「スポット修復ブラシツール」の「コンテンツに応じる」設定により電線部分をブラシで選択するだけで周囲との違和感がないように自動削除します。

・人物を消す
人物のように大きな範囲のものでも「塗りつぶし」ツールの「コンテンツに応じる」設定により、あっという間に削除し、周囲との違和感なく削除できます。

・パノラマ写真の足りない部分を埋めたい
いくつかの写真を合成してパノラマ状にしたいとき、欠落している画像部分も「塗りつぶし」ツールの「コンテンツに応じる」で周囲との違和感なく空白を埋めることができる機能です。

・mini Bridgeの搭載
Abobe Brideが重厚な管理ソフトであるのに対して、Photoshop CS5などのアプリケーションから簡易的に使えるmini Bridgeを搭載しています。

・HDR Pro
HDRはハイダイナミックレンジの略。露出の異なる写真をミックスする
例えば、Abobe Brideで選択した複数の画像をPhotoshop CS5に合わせて表示します。CS5では写真ごとにブレだ部分があっても「ゴーストを除去」を選択するとブレていない部分を採用して合成する機能などが追加されました。
色調補正でHDRトーンも追加されています。

・メーカーのレンズ情報に応じたレンズ補正
歪曲収差 ゆがみの補正など、メーカーやレンズごとの特性を考慮して、歪曲収差をインテリジェンスに補正します。

その他、パペットツールや3D効果のデモも行われました。また、デモンストレーションでは触れられませんでしたが、他にも変更点が数多くありますので、スタジオグラフィックスでも紹介していきたいと思っています。

ADOBE PHOTOSHOP CS5 日本語版 (Windows版/ Mac OS版)の価格

■ 製品版 99,750円 (本体価格 95,000円)
■ アップグレード版 ※1 26,250円 (本体価格 25,000円)
■ 特別提供版 ※2 86,310円 (本体価格 82,200円)
※1 アップグレード版の対象ユーザーは、Adobe Photoshop CS2/3/4または、
   Photoshop CS3 Extended、CS4 Extended 日本語版の正規登録ユーザー
※2 特別提供版の対象ユーザーは、Adobe Photoshop Elements 6、7、8 Windows版
   またはPhotoshop Elements 4.0、6、8 Mac OS版 日本語版の正規登録ユーザー

ADOBE PHOTOSHOP CS5 EXTENDED 日本語版 (Windows版/ Mac OS版)の価格

■ 製品版 140,700円 (本体価格 134,000円)
■ アップグレード版 ※3 48,300円 (本体価格 46,000円)
■ 特別提供版 ※4 127,260円 (本体価格 121,200円)
■ 特別提供版 ※5 48,300円 (本体価格 46,000円)
■ 学生・教職員個人版 37,590円 (本体価格 35,800円)
※3 アップグレード版の対象ユーザーは、Adobe Photoshop CS3/4 Extended日本語版の
   正規登録ユーザー
※4 特別提供版の対象ユーザーは、Adobe Photoshop Elements6、7、8 Windows版
   またはPhotoshop Elements 4.0、6、8 Mac OS版 日本語版の正規登録ユーザー
※5 特別提供版の対象ユーザーは、Adobe Photoshop CS2/3/4日本語版の正規登録ユーザー


 
初出:2010/04/12
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