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ナカムラヨシノーブのアクセサリレビュー
ハクバ・ルフトデザイン リッジ ショルダーバッグ

ナカムラヨシノーブのアクセサリレビュー ハクバ・ルフトデザイン リッジ ショルダーバッグ

Photo & Text:ナカムラヨシノーブ モデル:いのうえのぞみ


TOPIX

プロ写真家も愛用するカメラバッグを扱う HAKUBA の定番商品「 HAKUBA カメラバッグ ルフトデザイン リッジ ショルダーバッグ 」シリーズ( 以下リッジ02シリーズ )が、リニューアルして今年8月に発売されました。今の形に落ち着いたのが約 20 年前というロングセラー商品で、時代やニーズに合わせて約3年ごとにリニューアルを重ねてきたという本シリーズ。今回のリニューアルでも機能強化のほかにユーザーの声を反応させた改良や、パッと見気づかない自社設計ならではのマニアックな変更が加えられているようです。本記事では写真家のナカムラヨシノーブ氏が、試用したLサイズのリッジ02に込められたこだわりや使用感をレポートします。 by 編集部

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■ ルフトデザイン リッジ ショルダーバッグ シリーズの魅力とは?

■写真1 リッジ02シリーズ
リッジ02シリーズのLサイズを肩からさげてくれたタレントのいのうえのぞみさん

リッジ02シリーズのLサイズを肩からさげてくれたタレントのいのうえのぞみさん

■写真2 リッジ02シリーズ Lサイズ
今回試用したリッジ02シリーズ Lサイズ

今回試用したリッジ02シリーズ Lサイズ

HAKUBA カメラバッグ「 リッジ02シリーズ 」は、ストラップで肩にかけて使うショルダー式のオーソドックスなフラップタイプのカメラバッグだ。リッジ02のようなショルダータイプのカメラバッグは、リュックタイプなどの他のカメラバッグに比べて、カメラを簡単に取り出して撮影できる速射性が魅力だ。また、今回試用したLサイズのリッジ02は、長い望遠レンズを装着したカメラボディ1台と標準ズームレンズや広角レンズなど2~3本の交換レンズ、そしてクリップオン・ストロボが1台入る収納力があるので、目的地まで大量の機材を運んでじっくり撮影したい、というカメラマンにピッタリのバッグだ。

■写真3 リッジ ショルダーバッグ 新旧比較
一見では外観から変更点を探すのが大変なほどの完成されたデザイン

一見では外観から変更点を探すのが大変なほどの完成されたデザイン

■写真4 
CANON EOS 6D に EF70-200mm F4L IS USM を装着して収納したところ

CANON EOS 6D に EF70-200mm F4L IS USM を装着して収納したところ

レンズのほかにも小物を収納できるポケットを前面と両側面、フラップの内側に計3つ装備。 サイズはM・Lの2種類、カラーはブラック・ネイビー・カモフラージュグレーの3種類がある。Lサイズには内側にタブレット PC や A4 書類などを入れられるスリーブポケットがついている。ほかに、底面にはPVCのフットスタンド、背面にキャリーバーホルダーが付いていて撮影旅行にも重宝する。

■写真5

 

■写真6

 

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ハクバ ルフトデザイン リッジ02 ショルダーバッグ L

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■ 3年ぶりの新モデルはここが違う

■写真7 三脚ホルダー

 

リッジ02を旧型と並べて見ても、外観上はどう変化したのかがわかりにくい。これの意味するところは、旧型で外観のデザインは完成されているということだろう。カメラバッグは人の身体に密着させて使うものだから、外観デザインはコンサバティブになりやすいものだ。しかし実際に使ってみると、ユーザビリティはしっかりと改良されている。まず、フタの上に三脚ホルダーが付いた。三脚を固定するストラップを通すブタ鼻には4つの穴が用意されているので、三脚のサイズに合せて対応できるほか、左右の肩のどちらで掛けでもバランスがとれるような角度で調整できるようになっている。どんなカメラバッグでも三脚の収納は課題だといえるので、こうしたリッジ02で採用された工夫はとてもありがたい。ただひとつ注意すべきことは、三脚を付けた状態でバッグのフタを開閉すると、当たり前ではあるが、三脚の重みでフタが勢いよく開いてしまうので気を付けたい。

■写真8 フットスタンド

 

バッグ底面での改良は、フットスタンドが旧型の2つから新型では3つに増加した。これも地味な改良に思われそうだが、実際は予想以上に効果がある。カメラバッグは重量物を収納するものなので、フットスタンドが両端に2つしかない場合、バッグ底面中央はどうしてもたわみやすくなる。新型で底面中央にフットスタンドが追加されたことにより、たわみでバッグ底面が地面について汚れたり、石や岩の鋭利な部分で底面が破れたりすることがなくなるはずだ。不整地に置く機会が多いカメラバッグにとって、この改良は大きなポイントだ。

■写真9 ショルダーストラップのクッションの違い

 

ショルダーストラップに装着するクッションフォームは幅と厚みが増え、移動中の肩への負担を軽減できるようになった。フタはやや小さめになり、閉じた時のフィット感が増して移動中のブレが少なくなった。

■写真10 バックルの改良
新型ではバックルの根本が固定されたことで、片手でも開閉しやすくなった

新型ではバックルの根本が固定されたことで、片手でも開閉しやすくなった

ここまでは旧型と比較して目視できる変化を紹介したが、使ってみて初めてわかる特筆すべきポイントはフタの開閉時に使う「 バックル 」部分の改良だ。旧型でのフタの開閉は、メスのバックルはフタに固定され、オスのバックルは可変長のヒモの先に付けられていたため、バックルを解除するとオスのバックルはヒモと一緒に垂れ下がってしまった。新型ではメスはフタに、オスは本体に固定されたため、バックルを解除してもメス、オスが大きく離れることがない。これにより、片手でバックルの合体・解除ができるようになるわけだが、この改良は片手がふさがっていることが多い撮影時には大変重宝することだろう。

■写真11 新しい角カンでヨレないストラップ

 

地味で目立たないけど嬉しい改良ポイントの最後は、ショルダーストラップとバッグ本体をつなぐ角カンの改良だ。読者諸氏において、ショルダータイプのカメラバッグを使っていて、ショルダーストラップが根本でヨレてしまったという経験はないだろうか。筆者は何度もある。まぁ、ヨレたからといってバッグの使い勝手に大きな支障はないのだが、ヨレたショルダーストラップは、なんといっても見た目によくない。格好悪いし貧乏くさい(笑)と感じてしまう。こうしたちょっとマニアックな観点でも、新型では嬉しい改良が施されている。写真でわかるように、角カンと移動カンを隣接させ、さらに角カンの形状を台形にすることで、ストラップがヨレにくいデザインになっている。

■写真12 ルフトデザイン スウィフト03 ショルダーバッグ

 

リッジ ショルダーバッグと同時にリニューアルした「 ルフトデザイン スウィフト ショルダーバッグ 」シリーズについても1点だけ変更点を紹介しておこう。スウィフト ショルダーバッグは、従来から開閉部が「 がま口 」になっている人気モデルで、がま口を開けたスペースとその下のカメラス収納ペースとの2段構造になっている製品だ。従来製品ではがま口を開けたスペースは小物を入れる場所として想定されていたが、ユーザーレビューにおいて「 ここをレンズ入れに使いたい 」という声があるのを見たスタッフの提案で、新型ではがま口内部にクッション素材を使うことで、安心してレンズを収納できるようにした。

■写真13
がま口の内部にクッションが加わった

がま口の内部にクッションが加わった

■写真14
下はカメラを収納できるスペースになっている

下はカメラを収納できるスペースになっている

今回のリニューアルで、より人間工学的に使いやすいように微調整がほどこされたようだが、主だった変更点は以上だ。両モデルともすでに完成されたデザインであるため、外見的に目立ったモデルチェンジができないのが開発に携わったデザイナーの悩みだそうだ。それでもリニューアルのたびに、時代によって小型化するカメラのサイズに合わせた設計の見直しや、それに合せた各部の補強などを繰り返し行なっているのだという。

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■ リッジ02シリーズの使用感

■写真15 

 

普段から取材撮影や作品撮りをしている筆者は、頻繁に移動することもあって機材は極力最小限に抑えたいところだが、取材によっては1~2台のカメラ本体に、レンズは1~3本、ストロボは1~2台、そのほかにライトスタンド、ノートパソコン、テレコなどの小物を持ち運ばなければならない。

■写真16 

 

そういう立場から約1か月ほど「 リッジ02シリーズ 」を試用してみたが、ある意味でカメラマンを堕落させるカメラバッグじゃないのかと思えるほどに、リッジ02シリーズの使い勝手は楽だった。これまで使っていたカメラバッグは収納性がさほど高くなかったので、取材内容に合わせて使うレンズを入れ替えする必要があったのだが、リッジ02シリーズはあれもこれもと入ってしまうので、ついつい使わない機材も入れっぱなしにしてしまっていたのがここ3週間だ。

■写真17 

 

通常の取材では即撤収がほとんどなので、撮影後に丁寧に機材をかたづける時間はない。よってカメラバッグの中へ機材を粗雑に放り込むことが多いのだが、そんなときにリッジ02シリーズの開口部の大きさは安心できる。とりあえず機材を放り込んで移動後に整理するというラフな使い方ができるのだ。またフタの上部が平らであることが結構便利に使えることもわかった。取材場所が狭いときなど、リッジ02シリーズのフタの上に PC やテレコなどを置いて使えるのだ。

■写真18 ヨシノーブ作品例
本サイトの人気連載「 大村祐里子のプロ写真家に聞くライティング術2 」でも紹介していただいた浮遊写真シリーズ。今回のレビューではリッジ02シリーズをフィーチャーして撮ってみた。元ネタは「 ヒットマン エージェント 47 」のクライマックス。主人公がブリッヂしながらジョン・ウー映画ばりの二丁拳銃を披露するシーンだ

本サイトの人気連載「 大村祐里子のプロ写真家に聞くライティング術2 」でも紹介していただいた浮遊写真シリーズ。今回のレビューではリッジ02シリーズをフィーチャーして撮ってみた。元ネタは「 ヒットマン エージェント 47 」のクライマックス。主人公がブリッヂしながらジョン・ウー映画ばりの二丁拳銃を披露するシーンだ

筆者の作品撮りの現場でもリッジ02シリーズを使ってみた。この日はアクション映画のパロディーで、銃をカメラに持ち替えたイメージを撮影。撮影用と小道具用にボディを3台( 内1台はマイクロフォーサーズ )、レンズを6本( 内3本はマイクロフォーサーズ )、そしてストロボ1台を収納して、スナップ撮影をしながら 20 分ほど歩いた。当然だが、機材はかなりの重量になるのでショルダーストラップのクッション越しでも肩にずっしりと重みがかかった。それでも信号待ちやエレベータ待ちなどのわずかな時間に「 いつでも地面に置ける 」という、普段使いのバックパックタイプのカメラバッグにはないメリットは想像以上に身体を楽にしてくれた。こういうときに、底面中央にも装備されたフットスタンドはありがたいと感じる。

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■ 総評

■写真19

 

リッジ02シリーズのLサイズを試用しての総評は、とにかくなんでも入る感がハンパない。また、ちょっとくらい乱暴に扱ったとしても、収納した機材への安心感がある。両サイドに用意されたポケットは、バッテリーや小物を入れて使うが、夏の撮影において 360ml のペットボトルや虫除けスプレーを収納できるのは嬉しかった。こういったカメラ機材以外の日用品を入れられるのはとても良い。欲を言えば、背面か正面にノートや雑誌をラフに突っ込める大きめのポケットも欲しかった。難を書くとすると、フタ部分の密着度を高めたために、フタを無造作に閉じるとフタの角が内側に入りこんでしまいやすいので慣れが必要だ。また、内装色はグレーしか選択肢がないが、暗い場所で作業すると中のものが見えにくいので、オレンジのバリエーションもあるといいと思う。

「 リッジ02シリーズ 」は超望遠レンズを装着したフルサイズのカメラをそのまま収納できるというのが特徴の一つだが、それ以外にもダブルズームキットでデジイチデビューしてレンズや三脚を買い足した人、オリンパスやパナソニックなどのボディが小型なマイクロフォーサーズを使っていて、レンズを多めに持っていきたい人などにもピッタリなカメラバッグだと言えるだろう。

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ハクバ ルフトデザイン リッジ02 ショルダーバッグ L

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ナカムラヨシノーブ
著者について
■ナカムラヨシノーブ( なかむらよしのーぶ )■ 山口県岩国市生まれ。大学卒業後、「 編集の学校/文章の学校 」を経てフリーライターに。映画関連の記事を書きながらドキュメンタリー映画「 アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 」をきっかけに創作写真に興味を持つ。以降、独学で写真を学びながら 2016 年に初個展「 気持ちうわつく浮遊展 」を開催。現在は都内を拠点にイベント取材やインタビュー撮影を行なう。最近は機材が増えたため、すべてマイクロフォーサーズに入れ替えて軽量化するか、ジムで体を鍛えるか悩んでる。
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