コンテンツのトップページへ 薮田織也のフォトショップ早わかり
Photoshop Tips & Manual
フォトショップ Tips 目次
-> 目的別 -> レイヤーテクニック -> レイヤースタイル -> レイヤー効果
  ■ 拡縮しても線の太さが変わらない影付きの枠を作る
前のページ スタジオグラフィックス トップページへ ひとつ前のページに戻る
 
Share (facebook)   Photo & Text : 薮田織也
 
対応
>>
Photoshop 7.0 Photoshop CS Photoshop CS2 Photoshop CS3 Photoshop CS4 Photoshop CS5 Photoshop CS6

● Photoshop で枠線を描くのは難しい?

 今回は大変に地味なティップスです。それは、拡縮しても線の太さが変化しない影付きの枠を作るテクニック。………ホント地味ですね。でも、Photoshop でこうした拡縮できる枠線を描くのは、実は結構難しかったりします。レタッチ例を見てください。できれば、PSD ファイルをダウンロードして、Photoshop で開いてみてください。この丸や星形の影付き ( ドロップシャドウ ) の枠線は、拡大や縮小をしてもその線の太さとドロップシャドウの大きさは変化をしません。「 だからなに?」 と言われそうですが、こうした枠線を Photoshop で作るには、あるテクニックを知らないと無理なのです。 で、このテクニックを知って、どんな役に立つのかと言うと、この Photoshop Tips & Manual で使っている画面1のような説明用の画像が作れるようになるのです……えっ? そんな必要はないですか? ……そうですよね、一般的にはあまり必要のないテクニックかもしれませんね。でもいつかそうした画像を作るかもしれないでしょうから、気を取り直して解説していきましょう。

● シェイプとレイヤースタイルを使う

 ある程度 Photoshop に習熟した人なら、枠は [ シェイプ ] で描いて [ レイヤー効果 ] で [ 境界線 ] を使えばいいんだろうと気づくことでしょう。しかし、それだと周囲に色つきの線のある図形になるだけです。あくまでも目的は 「 枠線 」 を作ることなのです。まぁ、まずは実際に作ってみましょうか。

●レタッチ操作の流れ

 ここでは、以下の主な機能を使ってレタッチしていきます。

[ 新規ファイル作成 ]
[ シェイプ ] - [ 楕円形ツール ]
[ レイヤー ] パネル - [ 塗り ]
[ レイヤースタイル ] - [ 境界線 ]
[ レイヤースタイル ] - [ ドロップシャドウ ]
[ ドロップシャドウ ] - [ 画質 ] - [ 輪郭 ]
[ ドロップシャドウ ] - [ レイヤーがドロップシャドウをノックアウト ]


● [ 楕円形ツール ] で正円の [ シェイプ ] を描く

 まずは、操作1 - 画面1の方法で新規ファイルを作り、[ 楕円形ツール ] で正円の [ シェイプ ] を描きます。このとき、[ カスタムシェイプ ] で [ 円-細線(フレーム)] を使えば枠線が描けると思った人もいることでしょう。しかし [ 円-細線(フレーム)] は、拡大縮小すると線の太さが変わってしまうのでダメなのです。また、[ シェイプ ] ではなく [ パス ] で描くのもダメです。[ パス ] だと [ パス ] パネルの [ パスの境界線を描く ] が使えますが、これはラスタ画像なので、拡大縮小すると線の太さが変わるだけでなく、画質も劣化してしまいます。

● [ 塗り ] を 「 0% 」 にして [ 境界線 ] を設定

 さて、せっかく描いた [ シェイプ ] ですが、ここで [ レイヤー ] パネルの [ 塗り ] オプションを 「 0% 」にして、 [ シェイプ ] の内部を消してしまいます。続いて、[ レイヤースタイル ] の [ 境界線 ] を [ シェイプ ] に適用します。次に表示された [ レイヤースタイル ] ダイアログボックスで、[ 構造 ] オプションを設定し、[ カラー ] を 「 赤 」 に設定します。この設定で、内部が透明の赤枠ができました。もしドロップシャドウが不要ならば、ここまでの操作で拡縮しても線の太さが変わらない枠線の完成です。ここまでのポイントは、[ シェイプ ] の [ 塗り ] を 「 0% 」 にして [ 境界線 ] の設定をする、ということです。枠線は [ シェイプ ] ですから、拡大縮小しても画質は劣化しませんし、[ レイヤースタイル ] の [ 境界線 ] で設定した [ サイズ ] 効果は保持されますから、線幅も変わらずに拡縮できます。

● 枠線の形で落ちる影を作るには

 さて、ここからが今回の最大のポイントです。画面4までの操作で作った枠線に、ドロップシャドウを付けてみましょう。そんなのは簡単と、普通に [ レイヤースタイル ] の [ ドロップシャドウ ] を適用しただけでは目的通りの影は付きません。試しに [ ドロップシャドウ ] だけ普通に適用してみてください。[ 塗り ] を 「 0% 」 にして内部を透明にしたはずなのに、枠内部に [ ドロップシャドウ ] が落ちませんよね。そこで、[ ドロップシャドウ ] の [ 画質 ] オプションの下にある [ レイヤーがドロップシャドウをノックアウト ] のチェックを外します。すると、枠線の内部にも [ ドロップシャドウ ] が落ちるはずです。しかし、このままでは枠線の影としては不自然です。なので [ ドロップシャドウ ] の [ 画質 ] の [ 輪郭 ] を 「 山型 」 に変更してみましょう。こうすることで、枠線の形に落ちるドロップシャドウができました。

● 拡縮も変形も自由自在

 こうして作成した枠線は、[ シェイプ ] の性質通り拡大縮小しても画質が劣化せず、[ レイヤースタイル ] の効果が維持されるので、線幅もドロップシャドウの距離や太さも変わりません。また、[ シェイプ ] の [ アンカーポイント ] を編集することで、形状を自由に変化させられます。

  ▼ レタッチ例
Clickで拡大
Before After
上の画像 ( PSD ファイル ) は、ダウンロードできます。 練習用の素材としてご利用ください。 ダウンロードする
IDとパスワードって?

  操作1  ★クリックで拡大  
▼画面1 新規ファイルを作る
Clickで拡大

▼画面2 [ 楕円形ツール ] で正円を描く
Clickで拡大

▼画面3 [ レイヤースタイル ] を設定
Clickで拡大

▼画面4 [ 境界線 ] の設定
Clickで拡大

▼画面5 [ ドロップシャドウ ] を設定する
Clickで拡大

▼画面6 完成!
Clickで拡大

▼画面7 変形や拡大縮小が自由
Clickで拡大

初出:2012/04/11
文: 薮田織也
 
Share (facebook)  
 
このページのトップに戻る フォトショップ Tips 目次
 
前のページ スタジオグラフィックス トップページへ ひとつ前のページに戻る
 



     
 
 

     
Created by
サンタ・クローチェ
トライセック
リンクについて
著作権について
プライバシーポリシー
 
 
credit