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柴田誠のフォトレポ
~ アジアのカメラショーレポート
< 北京編 >

Posted On 25 9月 2015
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TOPIX

先日更新した、ソウルのPHOTO&IMAGING 2015と日程がダブっているため、後半からの取材となった柴田誠。2015年4月17日( 金 )~20日( 月 )の4日間、北京のナショナルコンベンションセンターで開催された2015 China P&E。中国の景気後退の影響はどの程度あるのか、週末の会場の様子をレポートします。 by 編集部

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■ 中国最大のカメラ機材ショーなのだが…

北京で4月に開催されるChina P&Eは、中国最大のカメラ機材ショー。CP+のようなコンシューマー向けのイベントということで、地方の写真クラブがツアーで訪れるなど、中国全土から写真好き、カメラ好きが集まってくる。彼らにとっては、まさに年に一度のお祭りというわけだ。

会場入り口にはシンプルな看板が掲げられていた。

会場入り口にはシンプルな看板が掲げられていた。

最寄り駅の地下鉄オリンピック公園駅の構内は、昨年までの空き店舗に飲食店などが入って、多少賑やかな印象になっている。ところが駅を出ると、週末というのに会場に向かう人は思ったほど多くはない。初日じゃないし、天気がいいからだろうかと思いつつ会場に向かう。 会場のナショナルコンベンションセンター入り口には、見慣れたカメラ機材ショーの看板が掲げられている。今年は白地に赤い文字でシンプルな印象なデザインだなと感じたのだが、シンプルなのは会場周りも。昨年までは、フォトキナを思わせるかのように、カメラメーカーの大きな広告が壁面にディスプレイされていたのだが、今年はそれがない。さらに週末だとなのに、入り口周辺で記念写真を撮っている人もほとんどいなかった。

会場外の壁面広告がだいぶ少なくなっていた。

会場外の壁面広告がだいぶ少なくなっていた。

週末にもかかわらず、受付周辺も思いのほか空いていた。

週末にもかかわらず、受付周辺も思いのほか空いていた。

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■ 会場の雰囲気も昨年と違ったものになっていた

入場受付は思いのほか空いている。会場内に入ると、ぱっと見これまでと変わった様子はない。しかし、ぐるりと会場を回ってみると、小さなブースが少ないことに気がつく。主要なカメラメーカーやアクセサリーメーカーはほとんど出展しているものの、ストロボメーカーや三脚メーカー、レンズアダプター、カメラバッグといったローカルのメーカーの出展は、明らかに少なくなっている。昨年、フォトキナの会場でも中国企業の出展は激減だった。雨後の筍のように増えたメーカーが、淘汰されてしまった結果なのだろうか。 しかしそれだけではない。目立たないようにしているものの、会場の所々に休憩所のようなスペースが意味もなく設けられていた。出展を取り止めたところがあったのだろう。カメラ業界にも、じわりと景気後退の影響が出始めているように感じられる。 実のところ、中国国内のカメラ需要は一段落したと言われ始めている。富裕層にほぼ行き渡った、スマートフォンのカメラの性能がアップしたなど、その原因はいろいろあるようだが、カメラの売れ行きが鈍化しているのは間違いない。

どこのブースもモデルを揃えて集客をしているのは相変わらず。

どこのブースもモデルを揃えて集客をしているのは相変わらず。

中国らしい衣装のモデルも多かった。

中国らしい衣装のモデルも多かった。

アニメの影響か、かわいいタイプのコンパニオンも登場。

アニメの影響か、かわいいタイプのコンパニオンも登場。

素朴な感じのモデル、コンパニオンも多かった。

素朴な感じのモデル、コンパニオンも多かった。

撮影講座を案内して会場をまわるCAPAのコンパニオンたち。

撮影講座を案内して会場をまわるCAPAのコンパニオンたち。

今年は、目玉となるような注目の新製品の登場がまだないということも、会場を寂しくさせている一因かもしれない。 来場者を見まわすと、女性比率が3割ほどと比較的多く、年齢層も全体的に高め。このあたりは昨年と大きく変わらない。来場者が手にしているカメラも上位機種が目につく。中国らしい特徴だ。そのせいもあってか、ミラーレスカメラを手にしている人はほとんど見かけなかった。 また、あちこちでモデル撮影が行われているのも例年どおりだが、ステージでセミナーやワークショップが行われ始めたのが今年の特徴の一つ。集客目的で勝手に出してい各ブースのた大音量が、怒鳴らなくても会話ができる程度にやや低く抑えられていたように感じた。

今回初めてというモデル事務所の出展もあった。

今回初めてというモデル事務所の出展もあった。

どこのカメラショーでもみかけるようになったドローン。

どこのカメラショーでもみかけるようになったドローン。

中国ブランドSeagull( 海鴎 )の最新モデルも展示されていた。

中国ブランドSeagull( 海鴎 )の最新モデルも展示されていた。

来場者の持っているカメラや機材は上位モデルが目立つ。

来場者の持っているカメラや機材は上位モデルが目立つ。

セミナーには来場者の関心もあるようで、それに応えるように中国版CAPAのブースやシグマのブースでは、セミナールームをガラス張りにして、外部の音を遮断するような対策を施していた。来場者にきちんと内容を伝えようということだろう。日本のCP+にも中国からの来場者が多く訪れるようになってきたが、日本のスタイルを参考にしているのかもしれない。

EIZOのモニターも注目を集めていた。

EIZOのモニターも注目を集めていた。

中国らしいカメラバッグを扱うブースもあったが国産ブースは少ない。

中国らしいカメラバッグを扱うブースもあったが国産ブースは少ない。

日本とは代理店が違うので、扱う製品も異なっているのがわかる。

日本とは代理店が違うので、扱う製品も異なっているのがわかる。

Xシリーズで人気を集めていた富士フイルムのブース。

Xシリーズで人気を集めていた富士フイルムのブース。

とは言え、バックヤードがないのは相変わらず。通路に山積みされたチラシの上に座ってスタッフが食事をしたり、モデルが休憩したりしている姿をあちこちで見かけることができた。 ちなみに、ソウルのカメラショーに比べると、モデルは素朴な印象で、スタイルもいまいち。ポーズはいろいろとってくれるが、笑顔を作ってくれる子は少ない。それでもモデルの周りは常に黒山の人だかりだ。

シルイのブースは撮影会状態。

シルイのブースは撮影会状態。

大きなスペースで製品を展示していたフィルターのNiSiブース。

大きなスペースで製品を展示していたフィルターのNiSiブース。

女性の人気を集めていた富士のプリントシステム。

女性の人気を集めていた富士のプリントシステム。

中古カメラの回収をするブースも出ていた。

中古カメラの回収をするブースを出ていた。

カメラメーカー各社がクリーニングコーナーを開設していた。

カメラメーカー各社がクリーニングコーナーを開設していた。

セミナーに大勢の来場者を集めていたCAPAのブース。

セミナーに大勢の来場者を集めていたCAPAのブース。

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■ 新しい試みの影像文化館

新しく登場した展示スペースの撮影文化館。

新しく登場した展示スペースの影像文化館。

昨年までなかった展示場脇に、影像文化館という名称の新しい会場が設けられていた。こちらは中国の通販サイト、JD.COM ( http://www.jd.com/ )が大きく関わっているようで、あちこちにその名前が掲げられている。会場は、もともと展示場というわけではなく、普段使っていないロビーだったところを利用しているようで、天井が低く照明も少ない。 入ってすぐのところに小さなステージが設けられており、連日、アイドルグループのステージイベントなどが開催されていた。また、Chain P&Eの展示場には出展されていないライカやカシオのカメラが展示されていたほか、セルフプリントの体験コーナーも設けられている。出版社のブースや写真の展示コーナーなどがあるところを見ると、賑やかな会場を避けているようにも思える。

ミニステージでは、アイドルのコンサートが行われていた。

ミニステージでは、アイドルのコンサートが行われていた。

作品の展示コーナーも設けられていた。

作品の展示コーナーも設けられていた。

ライカ、カシオのカメラが展示されていた。

ライカ、カシオのカメラが展示されていた。

カメラMOOKなどを出版する人民郵電出版社もこちらに出展。

カメラMOOKなどを出版する人民郵電出版社もこちらに出展。

今年のもう一つの大きな特徴として、ウェイシン( 微信・WeChat )のQRコードが会場のあちこちにあったことが挙げられる。ウェイシンとは中国版LINEのような無料メッセージアプリ。会場でQRコードをスキャンして登録したのを見せると、ノベルティグッズがもらえたりする。中国では、ネットによる情報交換が盛んで、口コミがマーケットを大きく動かす要因となっているだけに、メーカーもそのあたりの対応はしっかりと取っているようだ。会場内ではフリーWiFiが利用できるということもあって、スマートフォンでQRコードをスキャンし、登録している姿をそこかしこで見かけた。

QRコード、セミナーの案内が会場のあちこちに掲げられていた。

QRコード、セミナーの案内が会場のあちこちに掲げられていた。

会場のあちこちにブースの抜けた跡が見られた。

会場のあちこちにブースの抜けた跡が見られた。

背中にQRコードをプリントしたTシャツを着たオリンパスのスタッフ。

背中にQRコードをプリントしたTシャツを着たオリンパスのスタッフ。

インクジェット用紙も数多く紹介されていた。

インクジェット用紙も数多く紹介されていた。

オープンでシンプルな作りのブースが多かった印象。

オープンでシンプルな作りのブースが多かった印象。

会場をよくよく見渡してみると、ブースの作りもシンプルでコストを抑えているように見える。来場者にも以前のような活気が感じられない。華やかさはあるものの、昨年までのカメラショーでは感じられなかった停滞感漂っているように思えた。よくも悪くも他国並みのイベントになった印象で、やや物足りなさを感じたのは事実だ。中国の景気後退が囁かれる昨今、カメラ業界でも広告減、売上減があるのは当然のこと。問題はそれがどの程度なのかということだ。来年のChina P&Eがどんなものになるのか、それが証明してくれるにちがいない。

柴田誠
著者について
1964 年生まれ。2012 年春に 24 年間勤務した出版社を退社し、フリーのフォトジャーナリストとなる。その後、香港に個人事務所 CYBER DRAGON HKG LIMITED( 數碼龍珠( 香港 )有限公司 )を立ち上げ、フォトキナをはじめとする国内外のカメライベント、写真フェアなどを中心に取材活動を行い、香港をベースにして国内や海外のカメラ雑誌や ウェブマガジンに執筆している。ちなみに日本在住。出版社在籍中には、カメラ誌の製品担当者で組織する「 カメラ記者クラブ 」にも通算 16 年間在籍。編集者時代に培った幅広い人脈と豊富な経験を活かした活動をするとともに、「 日本の写真文化を海外へプロジェクト 」を主宰。業界の活性化と後進の指導にも積極的に取り組んでいる。中国のカメラ雑誌「 撮影之友 」の編集顧問も務める。日本写真家協会( JPS )会員、日本写真協会( PSJ )会員、日本香港協会( JHKS )会員。
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