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スペシャル・マクロ・エッセイ
留美の接写させてぇ! |
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実はね、私ね、かなり前から悩んでいることがあるのよ…。ん? ちょっとぉ! 今、笑ったでしょ。失礼ね。こんな私でも、人並みに悩みくらいあるわよ。実はね、「悩みとは縁のない人間の代表」って言われるのが悩みなの………そうじゃな〜い! 違うわよ。本当はね、昔から、かなり変わった人に好かれるのが悩みなの。というか、つきまとわれるのよ。そうそう、ストーカーよ。今でこそストーカー対策の法律もできたくらい、有名になったストーカーだけど、まだ、ストーカーという単語自体が日本に普及する前から悩んできたの。
はじまりは中学1年生の頃だったかな。なんと、街の本屋さんで、痴漢に会っちゃったのよ。その頃の私といえば、胸だっておしりだってぺちゃんこで、まったくの子供だったのにね。そのときの本屋さんには、私と痴漢君以外にお客はまばらで、閑散としていたのよ。なのに、20歳そこそこの暗そうな男性が、私にやたらと近づいてくるのね。なんかやだな〜って思ってたんだけど、私ってそういう感情を露骨に表情に出せないタイプなの。近づいても私が拒否するような素振りを見せなかったからかしら、その男性が突然、私のおしりや太ももを、サワサワって感じで触り出したのよ! ビックリしたわ。ドッキリしたわ。ウブすぎた私は、「きゃ〜!」とも叫べず、思い切り目を見開いて、その痴漢君の目を見つめちゃったわ。そしたら、痴漢君、「はっ」とした顔をして、そそくさと逃げて行っちゃたわよ。ほんとうに男ってエッチなんだわ…って、はじめて実感した記憶ね。その出来事が、これから起きるいろんなことのはじまりだったなんて…。
中学時代には、もうひとつの逸話があるのよ〜。でも、今度のは痴漢じゃないの。私の同級生とのちょっと危険な香りのするお話よ。
同じクラスのね、あまり仲が良かったってわけじゃない、ときどきお話しする程度の同級生だったんだけど、ある日のこと、その同級生に視聴覚室に呼び出されたのよ。その同級生は、背が高くて色白で、顔立ちも整っていて、まるで宝塚のオスカルみたいで、素敵な人だな〜なんて思ってたから、ちょっとドキドキしながら放課後を待って、視聴覚室に行ってみたのね。
はじめはね、たわいもない中学生らしいお話しをしてたのよ。でも、話しているうちに、同級生の様子が少しずつ変わってきたの。遠慮も感じさせない目線で、私の体を足元から舐めるように見てるし、妙にふたりの距離が近くなってるし、こ、これってもしかして、と思った瞬間、同級生が私の肩を両手で掴んで、押し倒してきたのよ! 突然のことで身じろぎもできず、視聴覚室の床の上で目をパチパチさせている私の上に、同級生は覆いかぶさってきて、いきなりキスしてきたの。そしておもむろに私の胸を掴んで……。きゃ〜! ま、まだ誰にも触れさせたことのない唇と胸なのよ〜。初キッスは、理想の男性にあげたかったのに〜〜〜。え〜ん………。えっ? その同級生が理想の男性じゃなかったのかって? 私、その同級生のこと、一言も男の子だとは書いてないじゃない。ちゃんと、宝塚のオスカルみたいだって書いてるでしょ。そうよ、その同級生は女の子よ。(トホホだわ)
もちろん抵抗したわよ。でも、おとなしくしろって感じで頬を思いっきり打たれるし、とっても怖かったわ。でもそのとき、私とその子がいないということで探しまわってくれていた友だちが駆けつけてくれて助かったんだけれど…。なんだかとっても情けないやら、なんで私なの? っていう気持ちが渦巻いてしばらく納まらなかったわ。
彼女は今、どうしてるのかしら。中学校を卒業してそれぞれ別々の高校に行って、彼女も普通の恋愛を経験したのかしら。
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髭だるまは、気だるそうな表情をしてって言って撮ってたけど、実はただ眠かったのよ。 |
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私って、普通の人に好かれないのかしらって悩みながら中学を卒し、晴れて高校生に。今度こそ気分を入れ替えて、素敵な彼を見つけて最高のハイスクールライフを過ごすんだわって、桜舞う通学路で、まだペタンコの胸を膨らませていたのも束の間、今度は「待ち伏せくん」に悩まされる日々が怒涛のように押し寄せてくるのよ。
通学途中のポストの陰から、放課後の学校の門の陰から、実家の近くの電柱の陰から、絡みつくようなじっとりとした視線を毎日のように感じるようになったの。その視線の出所はいつもなぜかモヤモヤと暗くなっているような感じがするのよ。そしてその中心には、私とは違う高校に通う暗そうな目をした男子生徒がいるの。その「待ち伏せくん」は、いつでもどこでも、何かの陰の中から私を見ているのに、一度も話しかけてはこないの。ぶ、不気味だわ。まだウブだった私は、怖くなって担任の先生に相談したのよ。そしたら、なんと運動部の男子生徒数名に、私の送り迎えをするよう頼んでくれたの。その日から、ボディーガードを快諾してくれた同級生たち数名と、ゾロゾロと自転車通学になったわけなんだけど、お姫様になったようでちょっぴり嬉しく感じたわ。私の頭の中では、お姫様を乗せた馬車を囲んで並走する騎乗の騎士達ってイメージなんだけど、実際は数年前の上海の路上風景って感じだったと思うわ。りりりんっ!
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撮られるのは好きだけど、すぐ眠くなるクセをどうにかしなけりゃだわ。 |
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そんな賑やかな登下校が始まってまもなくの放課後、みんなで途中の売店に寄り道して、缶ジュースを飲みながらおしゃべりしていたの。おしゃべりが「待ち伏せくん」の話題になると、男子生徒はみんな口々に「待ち伏せくん」のことを罵りだしたのよ。「待ち伏せだなんて暇な奴だよなぁ」とか、「根暗のやることは理解できねぇ〜」とか、「ま、俺たちがいるから安心しろよな」なんてね。私も明るく笑って受け答えしていたんだけど、ふと、周りにいる男子生徒とは違う視線を感じたの。慌てて視線の出元を探すと、一番賑やかに話してた男子の数メートル後ろに、なにやら黒いモヤモヤが……。ひょえ〜〜〜、「待ち伏せくん」だぁ〜〜〜〜。そうか、ここに居る男子生徒は、誰も「待ち伏せくん」の顔を知らないんだったっけ〜〜〜。だから、みんな「変態」だとか「根暗」だとか、言いたい放題。と、とにかく話題変えないとと焦る私。でも、「待ち伏せくん」に対する暴言はとどまることを知らず、延々と続くのでした…………。
その夜、どこでどう調べたのか知らないけど、「待ち伏せくん」から電話がかかってきたの。「今日、みんなで話してたあれって、もしかして僕のこと?」と彼。カチンときた私は、「ゴルぁ〜! あんた以外にいるかあ〜! ヴォけ〜! 今後、二度と待ち伏せしやがったら、ゴルゴじゅうぞうさんにアサルトライフルで、その腑抜けたドタマをブチ抜いてもらうぞ!」………なんて、当時の私はそこまで言えなかったけど。(今でももちろん言えないわよん) もう二度とかけてこないで、そしてもう二度と待ち伏せしないでって丁寧にお断りしたわ。
私、普通の人に好かれたいわ。ううん、できれば素敵な人に好かれたいわ。これまでのお話は学生時代のものだけど、社会人になってからも変な人にいっぱい言い寄られたわ。今でもそうよ。そのお話も書きたいんだけど、いろいろ差障りがあるじゃない? って、こう書くと、なんだか自慢してるみたいだけど、それは違うわ。普通の人に言い寄られた話なら自慢できるけど、私の携帯の発着信をいつもチェックする根暗くんとか、愛車で送っていくよなんていって、途中でナビシートをいきなり倒す似非紳士とか、今まで俺に言い寄られて落ちなかった女性はいないなんて言って無理やり……………なことするデリカシー欠乏くんとかじゃ、自慢にもならないわ。じゃぁ、なぜこんなことを書いているのかいうとね、わたし、最近、精神的なデカダンスに目覚めたの。なんじゃそりゃって? ううん、真面目な話なのよ。だって、変な人に言い寄られるのって、私自身にも責任があると思うのよね。隙があるっていうの? 知り合いや友だちは、「留美はフェロモンが多いんだよ」とか、「声が男を誘ってるんだよ」って言うんだけど、私、フェロモンがどういうものなのか、まったく知らなかったし、自分の声がいろっぽいだなんて思ったこともなかったの。で、来週は、フェロモンスター<後編>と題して、私の駄目なところと、フェロモンについて熱く語ることにするわ。お楽しみに。
声の話題が出たので、ついでだから私がやってる「声」のお仕事のひとつを紹介をさせてもらうわ。2004年の3月から、NTTコミュニケーションズが運営する、「声」で操作する電話情報サービス「Vポータル」内のコンテンツで、「ルミ&ユキの
甘えさ・せ・てぇ」という番組を担当しているの。これは、私と、現役女子大生のユキちゃんが、番組に電話をかけてくれた「あなた」だけに甘えちゃう、と〜ってもスイートな癒し系バーチャルチャットっていう設定の番組なの。
Vポータルのプロモーションのために、何か「変な(?)」番組を作ってくれっていう NTT コミュニケーションズさんからの依頼で、あの髭だるまがみょ〜に力を入れて制作した番組なのよ。この番組を聴いた友だちからは、いい歳して何やってるのって怒られちゃうんだけど、タラちゃんの声を出してる声優さんの年齢を考えたら、私だってまだまだ頑張らなけりゃだわ。
「ルミ&ユキの
甘えさ・せ・てぇ」の楽しみ方は、以下のURLで紹介しているから、気軽な気持ちで、一度、ううん、何度も、聞いてみてね!
http://www.santacroche.co.jp/vportal/randy/index.html
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