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初心者向けスナップ講座
6回めの旅:
難敵ピンボケを徹底検証する
 

高画質デジカメはピント合わせが難しい
でも中央で合焦するしかない矛盾
ピンボケを減らすには
海夏写真館
 
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2004/11/24

 

■体系的に学び直す
    デジタルカメラのしくみ


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Model : 藍 海夏
写真 : 神崎洋治

 
■高画質デジカメはピント合わせが難しい
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●ピンボケ写真、量産のメカニズム

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<写真A>
手前に噴水を配置した構図ですが、このくらい噴水と距離があり、広角で被写界深度が深ければ、マニュアルフォーカスでもきちんと合焦できます。

 さて、今回のテーマはピント。撮影のテクニックはいろいろと難しいけれど、初心者にとって難解なのは「露出」、難敵なのは「ピント」でしょ。「今時のカメラのピントなんて、シャッターボタンを押せば自動で合うはずだから、そんなに気にすることないでしょ」とかいう人は高画質デジタルカメラでポートレートを撮ったことのない人か、数ある落とし穴に運良くはまらずに来た人ではないでしょうか。そもそも高画質デジタルカメラは画像が巨大なので、ピントのずれもよく目立つ。すんげー目立つ。パソコンの前で愕然とするくらい目立つ。

 ピントのずれた写真を量産して量産して在庫過多で資金繰りに苦労するほど量産して、首が回らなくなって初めて、「あぁ、ピントの合った写真ってこんなに難しいんだ」と、普通は気づくのです(なんの例えだ?)。閑話休題。

 さて、真面目な話として、フォーカスの話。初心者の皆さんは当然、なるべくオートフォーカスを使いますよね。シャッターボタンを半押ししてフォーカスを合わせ(合焦)することをフォーカスロックといいますよね、それぐらい使いこなしていると思います。しかし、それがピンボケの山を築くひとつの要因に・・。

 で、ポートレートでのフォーカスロックは本当にピントがシビアなのです。その理由としていくつかありますから、ちょっと探っていきましょう。

●ポートレートモードはピントがシビア

 まず、ポートレートモードは被写界深度が浅いことが上げられます。ポートレートは背景をボカした写真が魅力ですが、逆にそれだけピントの合ったポイントが狭まるわけです。

 EOS Kiss Digitalを握る → ポートレートモードにセットする → カメラが自動的に絞り開けっぱなす → 女性に合焦する → 背景や周囲がぼける → ピンが合うのはほんの1点に凝縮する → ほんのちょっと構図がずれる(構図をずらす) → ピンがはずれる

という手順ですね。同じスナップでも風景モードで被写界深度が深く、広角で撮った方がピンは合いやすいですよ、そりゃあ。

●中央で合掌するとピントがずれやすい

 で、合掌するポイントがシビアになったからと言って、なんでピントがズレるのかというと、フレームの中央で合焦してフォーカスロックした後に、カメラの角度を変えるからです。カメラのレンズを女性の顔に向け、ファインダーの中央でモデルの目に合掌し、カメラの角度を下げて構図を合わせたら被写体との距離がズレて、ピントもボケてしまいます。左右にズラしても同じことですね。ほんのわずかな差ですが、絞り開けっぱなしのポートレートではこのわずかな差が勝敗を分けることもあるのです。

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フォーカスロック後にカメラの角度を変えると微妙に距離がズレて、ピンボケの元になってしまいます 。

 

■でも中央で合焦するしかない矛盾
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●夢の全自動フォーカスカメラはやはり夢だった

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<写真B>
"ピピッ"。パシャッ。「あ、しまった。」一番近い、つまり突き出た部分にフォーカスしてしまいました。視線入力じゃないですよ(汗;)、決して。

 中央だけで合焦するのはよくない、ということでいつしかカメラはファインダーの中にいくつものフォーカスポイント(フォーカスフレーム)を持つようになりました。ちなみに『EOS Kiss Digital』はファインダーを覗くと分かると思いますが、7つのフォーカススレーム(EOS Kiss Digitalの場合は「AFフレーム」と呼びます)があります。7つですわ、7つ。

 そこでちょっと話を脱線して。ハイテクに溺れるとロクなことがないぞという話。

 ちょっと長い話になりますが、実は私は銀塩フィルム式カメラのボディはオマケとしか思っていないんです。いや、これは個人的な所感ですよ。銀塩フィルム式カメラの場合、ほとんどがレンズ部分とフィルムの性能であって、ボディはフィルムに像を焼き込むだけの仕事をするだけ。高速にピンを合わせるのもレンズの仕事だし、明るい像をそのままフィルムまで運ぶのもレンズの仕事(いや、デジタルカメラは違いますよ。ボディに技術の要の撮像素子がのっかってるわけだし)。で、そんなことを考えるヤツ(私ね)に限って、ボディに何かの機能を求めるわけです。そこで何を求めたかというと「視線入力」。世界初の視線入力オートフォーカス機構を搭載した往年の『EOS 5』ですよ。こりゃあ、すげ。
 視線入力とは「配列された5つのフォーカスポイントから、ピントを合わせたいポイントを選び、そこを見つめるだけで自動的にオートフォーカスが機能する完全自動の夢の機能」(キヤノンのWebページより)なわけ。ね、夢でしょ。こんなもんに感動するわけですよ、私は。で、買ってみたらメッチャクチャ。見たところを避けてピントが合う(笑)。まるで視線を上手によけて違うところにピントが合う。あざ笑うかのようにあさってのところでピントが合う。つまり全然ピンボケ。
 もちろん、人によっては凄い性能だと言うんですが、私の場合はまるでダメ。キャリブレーションという調整を何回やってもダメ。そのうち、気が付きました。だいたいなんだってフォーカスポイントが5つもあるんだ。真ん中1個じゃ、なんでダメなんだ、と。原点回帰。結局、真ん中で合掌するように設定変更をして・・・ハイテクに溺れるな。と。戒める。

●EOS Kiss Digitalだって真ん中しかアテにならない

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<写真C>
被写界深度が浅い、背景をボカした、アップの写真を撮ろうとすると、ピントが合っている距離の範囲は狭くなってくるので、ピンボケがしやすいのです。

 で、話を戻すとEOS Kiss Digitalは実に7つのAFフレームを持っています。すげ。よしなさいって。で、7つのAFフレームから合掌するとピピッと音がして赤丸が点灯します。しかし、これを信用しすぎるとまずい。近いところに合焦し易いのボリューム満点な女性だといろいろナニナニ。かと思えば、7つのうち中央のAFフレームのみラインセンサーを十字に配置したクロスセンサーなので、縦方向に強い。つまり、7つのAFフレームが平等に合掌しやすいというわけではなく、カメラを横に構えたときに、縦の被写体では、中央以外の横列にある左右4つのAFフレームは"ピピッ"となって赤丸がついても如実にピンをはずすことが多いのですから・・残念。ようするに気持ちよくリズムに合わせてシャッター切りまくってると、予測不能のAFピントは外しまくること請け合い。

 まとめますと、夢の5点フォーカスポイントの視線入力『EOS5』であっても、7点AFフレームの『EOS Kiss Digital』であっても、やっぱり合焦すべきは真ん中で、というわけなんです。更に言えば、『EOS Kiss Digital』では7点AFフレームの中からカメラマンが手動で選択できる「任意選択」機能があるにもかかわらず、簡単撮影モードでは「自動選択」に固定されているのです。「任意選択」によって、カメラマンがAFフレームを自分で選択することが理想なのですが、簡単撮影モードを使っている限りは、やっぱり被写体は一旦真ん中に置いてフォーカスロックし、好きな構図になるようにカメラの角度を変えないようにズラす、というのが原則なのです。

 矛盾。 つじつまが合わないこと。物事の道理が一貫しないこと。撞着(どうちやく)。)〔論〕〔contradiction〕(ア)論理学で、二つの命題が相互に一方が真であれば他方は偽であり、一方が偽であれば他方は真であるという関係にあること。例えば「 A である」と「 A でない」。また、そうした二命題の連言命題。例えば「 A でありかつ A でない」。「反対(contrary)」とは区別される。
(大辞林 第二版より)

真ん中はダメだと言ったり、真ん中で合わせろ、と言ったり・・・。初心者向け講座のくせに分かりにくいぞ、と言われるかもしれませんが、講釈はたれておきたひ。


■ピンボケを減らすには
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●ピンボケとの格闘の先に・・

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<写真F>
望遠で、被写界深度の浅い写真を狙う場合は、迷わずマニュアルフォーカスに切り替えた方が無難です、実は。

 もともと、オートフォーカスというのはコントラストがはっきりしないものに合焦するのは苦手です。人の肌もコントラストがはっきりしないもののひとつ。だから、コントラストが比較的はっきりしている瞳を狙ってピントを正確に合わせ、合ったピントはカメラの角度変えでズラしてしまわないように注意しながら構図を合わせましょう。
 それでも、EOS Kiss Digitalの「自動選択」でアップの人物に、例えばその潤んだ瞳に合掌するのは、もはや「運」みたいなもの。落ち着いて、どこにどう合掌したかじっくり見て、確認してからシャッターを全押しすること!!

 というわけで、簡単撮影モードで必死にピンボケと格闘している私はこの講座でとった写真も実はピンボケを量産しているのです。ここ一番では左の写真のように、ついついマニュアルフォーカスを使ってみたりしては、やっぱりAFは難しい、とかブツブツ言いながら撮るのです。

 今回の噴水のシーンでは、立体感を出したかったので、手前に噴水を入れました。被写体の前に動く水がヒラヒラしていると、オートフォーカスはことさら迷ってジッシャ、ジッシャ言って、うろうろしてます。もちろん、背景は色だけ欲しいので絞りは開放でボカしますと、ピンボケを防ぐにはやっぱりMFかな・・と。いや、迷わずMFで。パシャ、パシャ。パシャ、と。

では、次回をお楽しみに〜。

 

■オマケ(海夏写真館)
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いつものように、最後にオマケで、撮影中の海夏の表情です。


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めっきり冷え込んできたので、夏らしい写真を!!(をいをい)
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藍海夏はシーンによって、まったく別人の表情を見せてくれます。

 

 
 
 
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