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写真レタッチ講座
第35回 RAW 現像ソフト 「 ArcSoft Digital Darkroom 」を試す - 後編
〜 Darkroom の画像調整機能 〜 2007/06/13
 
露出補正パネル
ホワイトバランスパネル
詳細補正パネル
トーンカーブ/レベル補正パネル
ハイライト/シャドウパネル
トリミング/傾き修正パネル
赤目除去パネル
ほこり/キズの除去パネル
カラーエフェクトパネル
10 色調整パネル
11 レンズ補正パネル
12 出力/一括処理
13 まとめ

シンプルで高速!
はじめての RAW 現像ならコレがおすすめ!

製品名 ArcSoft Digital Darkroom
対応RAW
動作環境
公式ページを参照
対応OS Microsoft Windows Vista(32/64bit)
XP Home/Professional、2000
発売元 株式会社ジャングル
価格 18,690円 (税込) 

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Photoshop Tips & Manual
▼画面0 ArcSoft Digital Darkroom


前編はこちら
 
■ 露出補正パネル
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±4.0EV の広範囲露出補正

 

 RAW 現像において最も使われる機能が、写真の光量の過不足を調整する機能である、露出補正でしょう。ここで紹介している RAW 現像ソフトウェアの Darkroom でも、写真の露出を補正する機能が、画像調整機能を集約したツールパネルの最上段にあります。(画面1

 Darkroom の露出補正パネルでは、露出補正、色相、彩度、明るさ、コントラストが補正できます。すべての項目は、スライダを左右に動かすことで調整します。露出補正は、-4.0EV 〜 +4.0EV の間を、1/100 単位で設定できるという、とても広範囲で細かい設定ができます。現実的には -2.0EV 〜 +2.0EV の補正範囲で充分なのですが、Photoshop CS2 などで 32bit の HDR画像を 「 手動 」 で作成する場合など、現実離れしたイメージを作成する場合に、こうした±4.0EV の補正範囲が有効になるかもしれませんね。

  露出補正パネルには、[ 自動補正 ] ボタンがあり、これをクリックすると、ソフトウェアが自動で適正と思われる露出補正をかけてくれます。この [ 自動補正 ] は、あくまでも露出の補正だけで、色相や彩度、コントラストは調整されません。また、[ 自動補正 ] は万能ではありませんので、意図的に明るい背景を構図いっぱいに撮った写真などに [ 自動補正 ] をかけると、写真全体を暗くなるように補正するために、被写体が必要以上に暗くなってしまうことがあります。こういうときは、画面1-g[ 露出ツール ] を使って、写真の中で中間調にしたいと思う箇所をクリックすると、その箇所を基準(256段階のグレースケールの場合の128)にして、写真全体の露出を補正してくれます。[ 露出ツール ] は慣れると大変便利な機能です

 

 

 
▼画面1 露出補正パネル

[ 露出補正 ] パネルでは、露出や色相彩度、コントラストなどがスライダの移動で調整できる。もちろん、[ 自動補正 ] ボタンがあるので、クリックひとつで適正と思われる露出に設定してくれる。画像調整パネルを使うときは、プレビュー画面を 「 補正前 」 と 「 補正後 」 の2つの画面を並べて表示できる [ ビフォーアフター表示 ] モードにすると便利だ。




補正に便利なビフォーアフター表示

 

 こうした画像調整時に便利な機能として、画像の補正前と後を並べて同時表示してくれる [ ビフォーアフター表示 ] 表示機能があります。(画面1) 画像補正というものは、補正画像だけを見ていると、ついついやりすぎてしまうきらいがありますので、補正前の画像を常に表示させて、見比べながら補正するのが基本です。

  補正後の画像を元に戻したいときは、画面1-m のボタンをクリックすると元に戻ります。画面1-m のボタンは、各補正パネルにあって、そのパネルの設定値だけを元の状態に戻してくれる機能です。

 

 

■ ホワイトバランスパネル
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ホワイトバランスはカメラ任せにしない

 

 次に紹介する画像調整機能は、私が RAW 現像する上で最も重要視しているホワイトバランスです。ホワイトバランスは、写真の色味に多大な影響を与える機能だということはご存知かと思いますが、意外にもこの重要な設定を軽んじているかのように、カメラのオートホワイトバランスやプリセットホワイトバランスに頼って撮影している人が多いのものです。カメラのオートフォーカス機能がどんなに進化しても、やっぱり万能ではないことを実感している方なら、カメラのオートホワイトバランス機能も信じてはいけません。どんなにカメラが進化しても、人の目と脳のホワイトバランス機能にはかなわないのです。というか、カメラのホワイトバランス機能は実は光学的な意味では大変に正確なのですが、「 写真の美しさを表現する 」 という観点においては、人の目と脳の 「 補正能力 」 があまりにも優れすぎていているのです。

  プロの撮影現場では、被写体や環境光の色温度を測定するカラーメーターを使ってホワイトバランスを決定してから撮影しますが、だからといってカラーメーターが教えてくれた色温度をもとにそのままのホワイトバランスを設定するわけではなく、経験則からイメージしている色味になるように微妙に変えて設定します。

  JPEG や TIFF での撮影だと、カメラで設定したホワイトバランスは固定されてしまい、撮影後の再変更は大変難しくなりますが、RAW データでの撮影では、RAW 現像時にいくらでも変更が可能です。もちろん、どんなホワイトバランスに設定しようとも、元の画像を劣化させることはありません。

 

 

 
▼画面2 ホワイトバランスパネル

[ ホワイトバランス ] パネルでは、撮影時にカメラで設定したホワイトバランスを無視して、プレビュー画面を見ながら最適と思われるホワイトバランスを再設定できる。ホワイトバランスこそ、カメラ任せにしないで、RAW 現像時に設定すべき項目だ。




ホワイトバランスツールで本来の白をクリック

 

 Darkroom のホワイトバランスパネルには、カメラのプリセットホワイトバランスと同様のプリセット(画面2-c)がありますが、ホワイトバランス初心者は、[ ホワイトバランスツール ] (画面2-f)を使ってみましょう。 このツールをクリックした後、プレビュー画面で写真の本来白かった場所をクリックすると、その場所を 「 白 」 にするようにホワイトバランスが設定されます画面2で言えば、お寿司の米や烏賊をクリックすれば良いわけです。その後で、[ 色かぶり補正 ](画面2-e)で微調整すると、ホワイトバランスの再設定がやりやすくなるはずです。

 

 

■ 詳細補正パネル

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ノイズリダクションは最小限に

 

 [ 詳細補正 ] パネルは、写真のディテールを補正するときに使うツールパネルです。ここで行なえる補正には、[ シャープ化 ] ( シャープネス化 ) と [ 色ノイズ ] ( カラーノイズ ) 、[ 輝度ノイズ ] の補正があります。[ シャープ化 ] は言わずと知れた先鋭化処理です。一般的にデジタルカメラ側でシャープネス処理を施す場合が多いかとは思いますが、これもホワイトバランスと同様に、RAW 現像で確認しながら行なった方が良いといえます。ディテールがわかりにくいデジタルカメラの小さな液晶画面では、シャープネスがどの程度かかっているかなど確認できません。RAW 現像処理においても、必ずプレビュー画面を拡大表示にしてからシャープネス処理は行ないましょう。

  ノイズリダクション ( ノイズを削減する処理 ) も同様に、カメラ側での処理はやめて、RAW 現像で行なうべきです。Darkroom にも、暗所における高感度撮影で発生しがちなカラーノイズや、写真のシャドウよりに発生しやすい輝度ノイズを除去する機能が搭載されています画面3は、粒子状に見える輝度ノイズが出ている写真を、Darkroom で除去しているものです。Darkroom に限らず、ノイズリダクションをかけすぎると、画像のエッジなど、ディテールが潰れる場合があるので注意が必要です。画面3では、ノイズリダクションを施した後で、少しだけシャープネス処理も施しています。

 

 

 
▼画面3 詳細補正パネル

[ 詳細補正 ] パネルでは、[ シャープ化 ] ( シャープネス化 ) のほかに、[ 色ノイズ ] ( カラーノイズ ) と [ 輝度ノイズ ] の補正ができる。ノイズは、暗い場所で高感度撮影をしたときや、遅いシャッタースピードで撮影した場合におきやすい。色ノイズは、被写体には含まれていない余計な擬色が発生するもので、一番目立つノイズ。輝度ノイズは、照度ノイズとも呼ばれ、ほぼ単色の、フィルムの粒状のように見えるノイズ。[ 詳細補正 ] パネルでは、こうしたノイズを除去できる。

■ トーンカーブ/レベル補正パネル
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トーンカーブとは?

 

 RAW 現像ソフトウェアの最も重要な機能のひとつに、トーンカーブがあります。本講座の読者ならトーンカーブが何をするものなのかがすぐにわかると思いますが、知らない読者のために少しだけ解説。トーンカーブは、画像が持つ明るさを、トーンカーブという線を使ってコントロールする機能です。画面4-1の右下にあるグラフがトーンカーブです。このグラフの左側が画像のシャドウ部で、右側がハイライト部、中間が中間調になります。元の写真のトーンカーブは、左下の隅から右上の隅までを一直線に結ぶ線で表現されていて、この状態をリニアな状態と呼び、Darkroom では、こうしたトーンカーブが直線の状態を、「 線形 」 と呼んでいます。

  初期設定のトーンカーブは直線状態ですが、この線分の途中にアンカーを打って、曲線状態にすることができます。例えば線分の中間にアンカーを打って上方向にドラッグすると、写真の中間調だけが明るくなります。逆に中間を下げると、中間調だけが暗くなります。 アンカーはいくつも打つことができ、画面4-1のような 「 S 」 字型のカーブを描くこともできます。こうした 「 S 」 字型のカーブを描くと、写真は、中間調はそのままに、ハイライト寄りが明るく、シャドウ寄りが暗くなる、いわゆるコントラストの高い絵になります。 「 S 」 字の曲がり具合を強くすると、コントラストがより高くなります。

 

 



トーンカーブは警告表示と併用して使う

 

 トーンカーブを調整して写真の補正を行なうときに使うと便利な機能が、[ ハイライト/シャドウ警告 ] 機能です。この機能をオンにすると、画面4-1のように、ハイライト部が赤で、シャドウ部が青で表示され警告されます。この場合のハイライト部というのは、明るい箇所というだけではなく、RGB チャンネルが各々、R:255、G:255、B:255 という、まったく色情報のない、いわゆる 「 真っ白 」 な場所を指します。シャドウ部は逆に、R:0、G:0、B:0 の、「 真っ黒 」 な状態を指します。こうした色情報のない 「 真っ白 」 や 「 真っ黒 」 な箇所は、印刷を前提とした写真の場合は、なるべくあってはいけない箇所とされます。というのも、「 真っ白 」 はインクが一切載らない場所ですし、「 真っ黒 」 は黒一色で印刷されるわけですから、写真全体の見た目を悪くしてしまうのです。印刷に限らず、ディスプレイでの表示でも、こうした色情報のない箇所が多いと、写真の見た目に影響を与えます。

 

 

 
▼画面
4-1
トーンカーブ/レベル補正パネル と ハイライト/シャドウ警告

[ トーンカーブ/レベル補正 ] パネルでは、トーンカーブを使って明るさやコントラストの調整ができる。この機能を使うときに併用したいのが、[ ハイライト/シャドウ警告 ] で、画像中に R:255、G:255、B:255 のハイライト部や R:0、G:0、B:0 のシャドウ部があると、そこに色を付けて警告してくれるので、どのようにカーブを調節すればよいのかがわかる。


▼画面
4-2
トーンカーブを調整して
ハイライト警告を消す

[ ハイライト/シャドウ警告 ] が出ている場合の具体的な対処方法として、トーンカーブのハイライト部のアンカーを少し下げて暗くしてやると、ハイライト部の警告が消える。同様に、シャドウ部のアンカーを少し上げると、シャドウ部の警告が消える。ただし、トーンカーブが線形(直線で途中にアンカーがない形)の場合にこれをやると、写真全体が暗くなったり、明るくなったりするので、必ず 「 S 」 字型のコントラスト強調カーブにしてから行なうこと。





 

  以上のことから、[ ハイライト/シャドウ警告 ] 機能をオンにしておいて画面4-2のようにトーンカーブを調整すると、警告表示部分を意識しながらの画像補正ができます

 

 

■ ハイライト/シャドウパネル
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トーンカーブに慣れていないなら

 

 [ ハイライト/シャドウ ] パネルは、ほぼ、[ トーンカーブ/レベル補正 ] パネルと同じ補正ができます。つまり、写真のハイライト寄りとシャドウ寄りの明るさをコントロールして、写真のコントラストにメリハリをつけられるのです。

  トーンカーブの調整に慣れていない場合は、こちらの方が使いやすいかもしれません。ただ、[ ハイライト/シャドウ ] パネルでは中間調のコントロールができませんので、やはり、[ トーンカーブ/レベル補正 ] パネルと併用して、微調整するための機能だと考えた方がよさそうです。

 

 

 
▼画面5 ハイライト/シャドウパネル

[ トーンカーブ/レベル補正 ] パネルとほぼ同じことができるのが、[ ハイライト/シャドウ ] パネルだ。ハイライト部、明部、シャドウ部、暗部の4つのパラメータを個別に調整できる。トーンカーブと組み合わせて使うこともできる。

■ トリミング/傾き修正パネル
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非破壊トリミング

 

 トリミングとは、元の写真の余計な周囲を削除して、残したい範囲を切り出すことです。トリミングは、画面6-1-b の [ トリミング範囲を指定 ] ボタンをクリックして、写真上に表示されたトリミング枠を使って範囲を指定します。このとき、何も指定していなければトリミング枠は縦横比を自由に変えてトリミングできますが、画面6-1-dのボタンをクリックして、表示されたプルダウンメニューから好みの縦横比を選んでおくと、その縦横比を固定した状態でトリミング枠を拡大縮小できます。トリミングする位置が決まったら、画面6-1-eの [ トリミング ] ボタンをクリックすると、トリミングした範囲がプレビュー画面いっぱいに表示されます。再度トリミングしなおしたいときは、もう一度 [ トリミング範囲を指定 ] ボタンをクリックします。

  このトリミングに関わらず、Darkroom のすべての画像調整機能に言えることですが、こうした写真の編集はすべて非破壊で行なわれます。つまり、元の RAW データそのものには一切手をつけずに行なわれるということです。Darkroom で行なった画像調整は、RAW データとは別のファイルに保存されます。

 トリミングした写真は、当然ですが、元のサイズよりも小さくなります。Darkroom では、トリミングした写真を、元の写真と同じサイズに拡大して保存する機能はありません。

 

 


グリッドを使って傾き修整

 

 画面6-2-f の [ 傾き修整 ] スライダを操作すると、プレビュー画面にグリッドが表示されますので、このグリッドに対して、写真の中にある水平、垂直の部分を併せるようにして傾き修整します。

  トリミングと傾きの修整時は、ビフォーアフター表示のビフォー画面も同時にトリミングされたり、傾きが変ってしまいます。できればビフォー画面にはあくまでも補正前を表示して欲しいものです。

 

 

 

▼画面
-1

トリミング/傾き修整パネル

[ トリミング/傾き修整 ] パネルには、写真の不要な部分を削除して切り出すトリミングと、写真の傾きを修整する機能がある。トリミングすると、写真は切り出された状態で表示されるが、元の RAW データそのものがトリミングされたわけではない。


▼画面
6-2
傾き修整

写真の傾きを修整するには、画面6-2-f の [ 傾き修整 ] スライダを使う。このとき、プレビュー画面にはグリッドが表示されるので、このグリッドを頼りに傾きを修整する。

■ 赤目除去パネル
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ストロボで赤くなった目を修整

 

 暗い場所での撮影で、人物の正面からストロボを当てると、人物の瞳が赤く写ってしまうことがあります。これを赤目現象と呼んでいるわけですが、スタグラの読者なら、基本的にストロボの正面照射は避けていると思われますので、赤目現象なんて無縁かと思います。私も、このセクションのレビューのために、過去に撮った写真の中から赤目写真を探したのですが、やはりまったく見つからずに、仕方ないので画面7は偽造してしまいました。こんなに全体が明るくストロボを正面照射していない写真で、赤目になるなんてありえませんよね。サイド2つとトップ1つの多灯撮影ですからね。でもまぁ、偽造だろうがなんだろうが、赤目が黒目になってくれるのは間違いないのでご心配なく。

 

 

 
▼画面7 赤目除去パネル

[ 赤目除去 ] パネルでは、ストロボによって赤くなってしまった瞳を黒くすることができる。自動除去機能もあるが、自動でうまくいかない場合には、手動による除去もできる。

■ ほこり/キズの除去パネル
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これは凄く便利!

 

 Darkroom をオススメする最大のポイントがこの [ ほこり/キズの除去 ] パネルです。まるで、Photohshop の [ 修復ブラシツール ] のように、写真上のほこりやキズを修整できるのです。RAW 現像の時点でこれがやれるってことは、これはもう、フィルムのキズやほこりを紙焼きプリントに焼付けする前に修復していた作業そのまんまですね。ええ、決して邪道なレタッチじゃありませんよ。レタッチっていう言葉そのものが、フィルムのキズやほこりを除去するための作業を指してこう言ってたわけですから、これこそレタッチってなわけです。画面8は、キズとかほこりじゃなくて、モデルのホウレイ線を消してますけどね。しかし、こうしたレタッチが RAW 現像時にできるとは思いませんでした。はっきり言って便利です。

 

 

 
▼画面8 ほこり/キズの除去パネル

[ ほこり/キズの除去 ] パネルでは、その名の通り、ほこりやキズの除去ができる。やり方は、本講座でも頻繁に出てくる Photoshop の修復ブラシツールそのものだ。

■ カラーエフェクトパネル
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モノクロやセピア調も思いのまま

 

  [ カラーエフェクト ] パネルでは、カラー写真をモノクロ化やセピア調に変えることができます。しかも、ただ単にカラーイメージを変えるだけではなく、レッド/シアン、グリーン/マゼンタ、ブルー/イエロー、明暗の色調を補正できます。フォトレタッチソフトではあたりまえの機能ですが、RAW 現像ソフトウェアでこうした色の効果を施せるのは、他ではあまり見られない機能です。

  モノクロ化では、単なるグレースケール化ではなく、RGB 全色を使ってモノクロを表現していますので、非常に深みのあるモノクロになります。モノクロ化もセピア調も、意外に簡単に好みのイメージにできるので、手持ちの写真を引っ張り出して、ついつい長時間遊んでしまいました。

 

 

 
▼画面9 カラーエフェクトパネル

[ カラーエフェクト ] パネルも、フォトレタッチソフトを使わないユーザーには嬉しい機能かもしれない。カラー、モノクロ、セピア調を選択した後に、レッド/シアン、グリーン/マゼンタ、ブルー/イエロー、明暗の色調を補正しながら好みのイメージを表現できる。

■ 色調整パネル
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記憶色に近づけるにはこれ!

 

 この [ 色調整 ] パネルも、Darkroom ならでは機能です。 レッド、イエロー、グリーン、シアン、ブルー、マゼンタの6色から、個別に色を選んで、色合い、彩度、輝度を調節できるので、画面10のように、写真の中の特定の色味だけを、好みに変えることができます。

  あの空はもっと青かったとか、この花の色はもっと鮮やかだったといった、人の記憶色に近づけるための画像調整は、ホワイトバランスだけでは難しいものですが、Darkroom が持つ [ カラーエフェクト ] や [ 色調整 ] 機能を使えば、比較的簡単な操作で実現できますね。

 

 

 
▼画面10 色調整パネル

[ 色調整 ] パネルでは、レッド、イエロー、グリーン、シアン、ブルー、マゼンタの6色の各々の色で、色合い、彩度、輝度を調節できる。

■ レンズ補正パネル
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光学的な収差はこれで解決

 

 [ レンズ補正 ] パネルは、レンズが持つ様々な収差を補正する機能です。最近の一眼レフカメラのレンズは、とても高性能になって、レンズ特有の色収差や歪曲収差が起きにくくなってはいますが、完全というわけではありません。特に画像が樽型や糸巻き型に歪む歪曲収差は、望遠や広角レンズを使うと顕著に現われてしまいます。こうしたレンズ特有の収差が確認できたら、この [ レンズ補正 ] を使いましょう

 [ レンズ補正 ] パネルにある [ パープルフリンジの除去 ] は、色収差を取り除く機能です。細部を拡大して表示したときに、紫色の色ずれが見つかったら、この機能を使って補正できます。[ ビネット ] は、画像の周辺の光量が低下している場合に使います。前述した樽型や糸巻き型などの歪曲収差は、[ ディストーション ] で対処できます。

 

 

 
▼画面11 レンズ補正パネル

[ レンズ補正 ] パネルは、光学的におきるレンズの色収差、歪曲収差、周辺光量の低下を補正できるパネル。

■ 出力/一括処理
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カラープロファイル込みの 16 ビット出力

 

 これまでに紹介してきた画像調整機能を使って RAW 現像が終了したら、最後の処理は、一般的な画像形式のファイルに出力をします。対応している画像形式は、JPEG と TIFF形式。TIFF では、8 ビットと 16 ビットが選べるようになっています。Photoshop の PSD 形式はありませんが、設定したカラープロファイルを添付した TIFF 16 ビットで出力できるので、なんの問題もありません。

  そうそう、大変重要なことを書き忘れていましたが、Darkroom で JPEG や TIFF に出力する際に添付されるカラープロファイルは、前回の記事の画面7の手順1で解説したカラースペースによって決定します。ここで 「 sRGB 」 を選んでおくと、出力される画像ファイルのカラープロファイルが 「 sRGB 」 になります。また、もちろん、RAW 現像中の色味にもこのカラースペースは影響します。ですから、RAW 現像を始める前に、必ず最終出力時のカラープロファイルを決めておき、そのカラースペースを選んでから現像を行ないましょう。Darkroom で出力した画像をそのまま Web などに掲載するなら、初期設定の 「 sRGB 」 のままでも良いでしょうが、出力画像を Photoshop などのレタッチソフトで再編集するのであれば、「 Adobe RGB 」 などの、 「 sRGB 」 よりも広い空間が使えるカラースペースを選んでおくほうが得策だといえます。注意しなければならないのは、Darkroom のカラースペースの初期設定は 「 sRGB 」 になっていることです。「 Adobe RGB 」 で撮影した RAW データを開いた場合でも、最初は 「 sRGB 」 が選ばれていますので、必ずこのカラースペースを任意のものに変えるようにしましょう。

 

 


大量の写真には一括エクスポート

 

 RAW 現像ソフトウェアで一枚の写真を丹念に仕上げるのは、さほど苦痛ではないでしょうが、数十枚や数百枚といった大量の写真がある場合は大変です。こういうときに便利なのが、[ 一括処理 ] と [ 一括エクスポート ] です。[ 一括処理 ] は、一枚の写真に施した RAW 現像の設定を、その写真と同じようなロケーションや光で撮影した複数の写真に対して一度に設定を施す機能です。つまり、設定をコピーするわけですね。

 

 

 
▼画面12 エクスポート/保存

[ エクスポート/保存 ] は、現像設定した写真を、JPEG か TIFF ( 8 ビットまたは 16 ビット ) に保存する機能。


▼画面13 一括エクスポート

大量に写真がある場合は、一度に複数の写真を保存できる [ 一括エクスポート ] が便利だ。




 

  この [ 一括処理 ] の方法には、設定のコピー元になる写真を選んでから、コピー先の写真を複数選んで [ 一括処理 ] する方法と、もうひとつ、特定の RAW 現像の設定を [ レシピ ] と呼ばれる形に保存しておき、その [ レシピ ] を使って [ 一括処理 ] する方法があります。 [ 一括エクスポート ] は、[ 一括処理 ] に [ エクスポート/保存 ] の機能を加えたものです。つまり、現像設定をコピーしながら別画像形式に出力していくわけです。

 [ 一括処理 ] も [ 一括エクスポート ] も、とても便利な機能ではありますが、注意しなければならいのは、縦位置写真と横位置写真を区別する必要があるということです。理由は、縦位置に回転させた写真の現像設定を、横位置の写真にコピーすると、コピー先の写真まで回転してしまうからです。

 

 

■ まとめ
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レタッチ機能のついた
  お買い得な RAW 現像ソフト


 

 さて、2 回に分けて Darkroom の詳細を追ってきたわけですが、とてもユニークな RAW 現像ソフトウェアだということがおわかりいただけたでしょうか。特筆すべきことは、RAW 現像ソフトなのに、まるでレタッチソフトのような機能が満載されている点です。まるで、Darkroom さえあれば、レタッチソフトは不要だといわんばかりの機能です。もちろん、Photoshop と同等のことができるわけではありませんが、 [ ほこり/キズの除去 ] や [ カラーエフェクト ] 、[ 色調整 ] 、[ レンズ補正 ] といった機能があれば、フォトレタッチの基本はすべて押さえたようなものです。

 

 

 


 

 まだバージョン1ということもあって、「 ? 」 と感じてしまう箇所や、不満な点もありますが、シンプルイズザベストというコンセプトをしっかり押さえて開発された製品だと感じます。初期設定での色の表現など、個人の好みで分かれる点については、今回は敢えて触れませんでしたが、決して悪い色作りだとは思いません。

  とにもかくにも、わかりやすい操作性と、意外に豊富な機能という点で、RAW 現像が初めてという方にオススメの製品だといえそうです。

 

 

 
初出:2007/06/13
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