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第34回 RAW 現像ソフト 「 ArcSoft Digital Darkroom 」を試す - 前編
〜 RAW 現像のススメ 〜 2007/06/06
 
RAW 現像ってどういうこと?
Darkroom のコンセプト
Darkroom のユーザーインターフェース
次回は画像調整機能を徹底紹介
   


シンプルで高速!
はじめての RAW 現像ならコレがおすすめ!

後編をアップしました!

製品名 ArcSoft Digital Darkroom
対応RAW
動作環境
公式ページを参照
対応OS Microsoft Windows Vista(32/64bit)
XP Home/Professional、2000
発売元 株式会社ジャングル
価格 18,690円 (税込) 


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▼画面0 ArcSoft Digital Darkroom

 
■ RAW 現像ってどういうこと?
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そもそも RAW ってナニ!

 

 「 RAW 現像 」 という用語は、デジタル一眼レフを使い込んでいる読者には、今さら説明するまでもない言葉だと思いますが、初めて聞いたとか、意味をよく知らないという読者のために、少し長くなりますが、「 RAW 現像 」 の解説をしておきましょう。

 まず、デジタル一眼レフカメラには、撮影した写真をメモリメディアに記録する方式が、大きく分けて2通りあります。そのひとつが、JPEG (ジェイペグ) や TIFF ( ティフ ) という画像形式で記録するもので、多くの人が JPEG または TIFF 形式で記録していると思います。この画像形式、特に JPEG 形式の画像データは、とても汎用性の高い画像形式なので、一般的なコンピュータでそのまま閲覧できます。

  もうひとつが、RAW データというデータ形式で記録する方法ですが、この RAW とはどういうものなのでしょうか。RAW という3文字を英和辞書で調べると、「生」 とか、「未処理」 という意味があり、 「ロウ」 と発音します。つまり、RAW データとは、「生で未処理なデータ」 ということです。で、何が 「生」 で 「未処理」 なデータなのかを理解してもらうために、図1を見てください。

 この図は 「 デジタルカメラの画像処理の流れ 」 を表したものですが、JPEG や TIFF などの画像形式での記録と、RAW データで記録する場合の処理の流れ違いに注目してください。2つの流れの大きな違いは、画像処理エンジンを介しているかいないかというのがわかりますよね。コンパクトデジタルカメラにも、デジタル一眼レフカメラにも、この画像処理エンジンという装置が搭載されています。画像処理エンジンの役割は、CCD や CMOS などのイメージセンサから出力された、そのままでは人が写真として見ることのできないデータに、「 デモザイク 」 ( de-mosaic ) という処理を施して、フルカラーの画像を作成することです。このとき、撮影時にカメラで設定したホワイトバランスや、シャープネス、コントラスト、露出補正などの情報を使って、撮影者の意図した画像に近づける画像処理も行なっています。これらの処理が済んだ画像データは、JPEG か、TIFF 形式の画像データに変換され、記録メディアに書き込まれます。

  RAW データは、この画像処理エンジンが行なう処理工程を経ずに、AD ( アナログ→デジタル ) 変換された直後のデータに、撮影時のカメラの設定情報を付加して、記録メディアに書き込まれます。つまり、RAW データは画像処理エンジンが、画像処理していない、「 生 」 で 「 未処理 」 のデータということなのです。

 

 


なぜ 「 未処理 」 なのか

 

 「 未処理 」 のデータですから、RAW データは、そのままではまだ見ることはできません。なので、RAW データの写真を見られるようにするには、デジタルカメラの画像処理エンジンが行なっている処理と同じことを、コンピュータを使って自分でしなければなりません。この後処理のことを、「 RAW 現像 」 と呼んでいます

  フィルムカメラならいざ知らず、せっかくデジタルカメラがやってくれることを、わざわざ後処理で行なうなんて、何の意味があるのかと思う人がいても不思議ではありませんが、実は大きな意味があるのです。詳しくは後述しますが、未処理の RAW データだからこそのメリットがあるのです。

  手間のかかる RAW データならではのメリットは、簡単に書いてしまえば、画質を落とさずに自分の好みの写真に仕上げることができることです。また、露出補正(注1)の失敗やホワイトバランスの設定ミスも、RAW データなら取り返すことができますし、カメラで設定したコントラストやシャープネスもやり直すことができます。
( 注1:絞り値やシャッタースピードで設定した露出の失敗は、基本的にやり直せません )

 

 


JPEG だと取り返しがつかない?

 

 カメラの画像処理エンジンが加工した JPEG データの場合、先ほど書いた、ホワイトバランスも、シャープネスやコントラストも、画像処理エンジンによって固定されてしまっています。特に色味が大きく変ってしまうホワイトバランスを設定ミスしていたなんて場合は致命的です。デジタルカメラのオートホワイトバランスなんかあてにはなりませんし、専用のカラーメーターでも使って手動でホワイトバランスを設定しない限り、撮影現場での完璧なホワイトバランスの設定はできません。本講座で紹介している Photoshop を使えば、ホワイトバランスの設定ミスによる色味の修正もある程度はできますが、完璧に修正するのは容易ではありません。Photoshop の上級者で、色味の変更に自信がある人だとしても、その修正による画質の劣化は避けて通ることができません。本講座でも何度か言及してきたことですが、フォトレタッチは、すればするほど画質が劣化するのです。

 

 

 
ダウンロード

体験版をダウンロード
して一緒に試しましょう

上のリンクから、ArcSoft Digital Darkroom の体験版がダウンロードできます。体験版をコンピュータにインストールして、一緒に体感してみましょう。


▼図1 デジタルカメラの画像処理の流れ

レンズを通してイメージセンサ ( CCD やCMOS ) に投射されたイメージ ( この時点ではアナログデータ ) は、AD 変換装置 ( アナログ情報をデジタルに変換する装置 ) を経由して、画像処理エンジンに渡される。画像処理エンジンは、ホワイトバランスやシャープネス、コントラスト、露出補正などの情報を使い、AD 変換装置から渡された画像を加工処理して、JPEG や TIFF などの画像データとして、メモリ装置に記録する。 RAW データは、画像処理エンジンを介さずに、AD 変換装置から渡されたデータに、カメラの設定情報を加えて記録する。 RAW データはそのままではパソコンなどで表示できないので、RAW 現像ソフトを使って、JPEG などの汎用の画像形式に変換する必要がある。このとき、付加されている撮影時のカメラ設定情報とは異なる設定で画像を編集できる。こうした RAW データの画像処理を RAW 現像と呼んでいる。




JPEG 撮影のデメリット

・ ホワイトバランスを再設定できない
・ シャープネス、コントラストの再設定不可
・ カメラの豊富な色情報を減らして保存
・ 圧縮のために画質を劣化させている
・ フォトレタッチするとさらに劣化する



JPEG 撮影のメリット

・ 撮った写真をそのまま見られる
・ 少ないメモリでもたくさん撮られる
・ 連写時にストレスがない



RAW 撮影のデメリット

・ ファイル容量が桁違いに大きい
・ 連写時にストレスを感じることがある
・ コンピュータと現像ソフトが必要
・ 現像に手間がかかる



RAW 撮影のメリット

・ 好みの写真に自分で現像できる
・ ホワイトバランスを再設定できる
シャープネス、コントラストの再設定可
露出補正の再設定可
カメラの色情報を減らさずに保存できる
画質を劣化させずに保存できる

フォトレタッチ時の画質劣化が最小限










 

 さらに、画質優先派の人たちにとって JPEG が致命的なのは、デジタルカメラのイメージセンサが本来持っている 36 ビット ( RGB各色 12 ビット ) の色情報 ( 10 進数で、約 687億1947万色 ) を、JPEG にするために 24 ビット ( RGB各色 8 ビット ) の色情報 ( 10 進数で、約 1677 万色 ) に落としていることです。もちろん、RAW データで撮った写真も、最終的に JPEG で出力するのだから同じことじゃないかと思うかもしれませんが、先ほども書いたように、ホワイトバランスや露出補正のレタッチをしなければならないとしたら、24 ビットの色情報しかない JPEG 画像をレタッチするよりも、RAW 現像ソフト上で、36 ビットの豊富な色情報を持つ画像をレタッチ(注2)(注3)する方が、画質劣化を最小限に抑えられるのです。

( 注2:RAW 現像ソフトでの画像調整は、多くの RAW 現像ソフトにおいて画像全体の色調補正に限られており、Photoshop のような部分的なレタッチはできない )
( 注3: ArcSfot Digital Darkroom は、一部、部分的なレタッチができる )

 

     



RAW データならキレイなまま後処理

 

 ここまで読んでもらえば、なぜ RAW データなのかが、ある程度わかってもらえたのではないでしょうか。上にも箇条書きで書いたように、JPEG の持つデメリットが、そのまま RAW データのメリットになっています。つまり、RAW データはカメラのコンピュータのミスを未然に防ぎ、画質を劣化させずに、自分で好みの編集ができるというわけです。 とにかく画質優先という人や、カメラ任せの撮影は嫌だという人は、もう JPEG は卒業して、RAW データで撮影するしかありませんね。もちろん、RAW データにもデメリットがありますから、時と場所、撮影の目的によって使い分けるのがベストだと思います。私自身は、後でレタッチすることが前提の撮影の時は、必ず RAW データで撮影して、記念写真のような気軽に他人にあげるような写真は JPEG で撮っています。また、スポーツ写真などの、撮影スピードが要求されるような撮影の場合は、JPEG 撮影の方が向いていると思われます。

 

 

 






そろそろ本題に入りましょうか…

 

 いやはや、本題に入る前に、RAW データの解説があまりにも長くなってしまいました。講釈が長いんで飽きてしまった人もいるかもしれませんが、これからが本題です。

  RAW データを見られる画像形式にするには、RAW 現像という処理が必要だと書きましたが、その RAW 現像をするためには、RAW 現像ソフトというものが必要になります。で、今回紹介するのが 「 ArcSoft Digital Darkroom 」 ( 以下、Darkroom ) という RAW 現像ソフトウェアです。世の中には様々な RAW 現像ソフトがありますが、この Darkroom は、どんなことができて、何が便利なのかを、2回に分けてご紹介していきましょう。

 

 

■ Darkroom のコンセプト
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Darkroom はこんなソフトウェア

 

 Darkroom (ダークルーム) と聞くと、なんだか怪しい雰囲気がプンプンする部屋みたいな気がしますけど、なんのことはなく、要はフィルムを現像する 「 暗室 」 のことですね。RAW 現像ソフトだから、「 暗室 」 。直球勝負って感じのネーミングで、個人的には好感が持てますね。某社は 「 明るい暗室 」 の意味で 「 明るい部屋 」 というネーミングを使ってますけど、それに真っ向から勝負っ! てな感じでいいんじゃないですかね。まぁ、そんなことはともかく、これから RAW 現像ソフトである Darkroom を詳細に紹介していくわけですが、まず最初に結論を書いちゃいます。その結論を読んだ上で、詳細解説を読んでもらった方が、このソフトウェアをよく理解できるからと思うわけです。

  Darkroom は、数ある RAW 現像ソフトの中でも、極めてシンプルで、高速性を売りにした製品です。

  そういうことです。Darkroom はコストパフォーマンスとスピード勝負です。私個人の考えとしては、RAW 現像ソフトはシンプル・イズ・ザ・ベストだと思っていますから、これでいいんだと思います。だから、「 明るい部屋 」 を、某社から送ってもらいましたが、個人的には使っていません。このソフト、機能も豊富で使いやすくて、とても便利なんですが、私個人が使わない機能がありすぎて、かえって不便を感じてしまうんです。それに、某社のこの手のソフトの画像管理の考え方が、私個人の画像管理のワークフローと大きく異なりますので、受け付けないんです。コンピュータのディスク管理の初心者には受けると思うのですが、古くからのコンピュータ中級者以上の人たちには、お節介だよっていう感じが否めなくないんですね。それでも、Photoshop の Camera RAW のRAW 現像エンジンを使わずに、従来から RAW 現像エンジンとして定評のある、ある会社の製品を買収して、それを使っていると聞いたので、少し食指が動きはしました。ですが、結局、絵作りは従来からの Camera RAW と一緒で、本当にあのエンジンを使っているんかい!と思うくらいがっかりしてしまいました。……あれっ? Darkroom の紹介のつもりが、「 明るい部屋 」 の話になってしまってますね。失礼しました。

 

 


どんな風にシンプルなのか

 

  画面2画面3を見ていただきたい。 解説用のフキダシでゴチャゴチャしてよくわからないというときは、画面0を見てください。実にシンプルな画面です。お陰でレビュー記事も簡単に書ける……というのは置いといて、画面を見ただけでも、「このボタンはなんだ?」 といった疑問がほとんどわきませんでした。もちろん、私が、こうした画像編集用やカメラ用のソフトウェアに慣れているからということもありますが、そんな私でも 「 ? 」 が連発するようなソフトが五万とありますから、こうしたわかりやすさは、レビュワーとしても、ユーザーとしても大歓迎です。

  至極シンプルだからといって、大切な機能が不足しているとはまったく感じませんでした。RAW 現像に必要不可欠な機能はすべて網羅されていますし、「 へぇ、こんなこともできるのか 」 といった驚きもありました。 ( その辺の詳細は次回後述しますね ) もちろん、使い込めば込むほど、ブラウザのサムネイルの表示サイズはもっと選べたらいいのにとか、サムネイル上でコンテクストメニューからの機能へのアクセスが欲しいなど、もっとこうだったらという欲求は出てきます。でもまぁ、最初のバージョンですし、価格も価格ですから、許せる範囲かなとは思います。実際、初心者ユーザーにとっては、多機能・高機能が、かえってわかりにくさ、使いづらさになってしまうという問題もありますから、基本機能をしっかり押さえてあるのであれば、あまり多くは望みますまい。ただ、願わくば、今後はこうしたシンプル・イズ・ザ・ベストのコンセプトをキープしたまま、痒いとこに手が届く進化をしていって欲しいと思います。

 

 


カメラドライバがない?

 

  画面5は、デジタルカメラからの画像取り込みの画面です。一見するとよくある画像編集ソフトの画像取り込み画面に見えますが、実はちょっと普通と違うのです。それは、Darkroom にはカメラ専用のデバイスドライバがなく、コンピュータにデジタルカメラを接続しても、自動で取り込み画面が起動するといったことはありません。では、どうやってデジタルカメラの中の画像を取り込むのかというと、あらかじめコンピュータに認識させておいたリムーバブルドライブとしてのカメラを Darkroom のブラウザ画面で選び、その後、画像取り込み画面を起動するボタンをクリックします。ちょっと 「 えっ? 」 と思うかもしれませんね。私も少し驚きました。コンピュータにリムーバブルドライブが何台も接続されているような環境では、どのドライブがデジタルカメラなんだ? とひたすら探すことになってしまいそうです。

 それでも、私は Darkroom のデバイスドライバを使わない方式を評価したいと思います。というのも、コンピュータのディスクオペレーションに慣れた人間には、あの、カメラをコンピュータに接続した際にペロンペロンとうるさくポップアップするウインドウや、今、必要としていないのに別のソフトウェアが起動するのは、とっても邪魔だと感じていますし、そう頻繁に使うことのない RAW 現像ソフトのためだけに、余計なデバイスドライバを常駐させるのは御免です。なので、大概の常駐ソフトは自力で削除してしまいます。

  Darkroom は、初心者にも使いやすくをコンセプトにしているようですが、Darkroom を使いこなすには、ディスクドライブやフォルダの概念は、理解しておく必要があります。不親切だなぁと思う人もいるかもしれませんが、私は正解だと思います。カメラからの取り込みだけを常駐ソフトで便利にしても、RAW 現像ソフトを使うプロセスの中では、必ずフォルダの概念が必要になりますから。それなら、ある程度の前知識をユーザーに要求することは、長い目で見ればメーカーの優しさだと思います。メモリを圧迫して、製品単価を上げてしまうような、余計な常駐ソフトは要りませんから、この潔い製品コンセプトを突き進めていって欲しいものです。

 


 
▼画面2 ArcSoft Digital Darkroom の
メイン画面の紹介

Darkroom のメイン画面。ご覧の通り極めてシンプル。それでも RAW 現像に必要な機能は網羅しているし、他の RAW 現像ソフトにない便利な機能もしっかり用意されている。様々なアプリケーションソフトウェアに慣れ親しんでいる人なら、余計な解説も不要だし、マニュアルを読むこともなくほとんどすべての機能が使えてしまう。これはとても重要なポイントだといえる。



▼画面3 Darkroom の
ファイルブラウザ画面

大きく分けて2種類しかない Darkroom の画面のうちのひとつである、ファイルブラウザ画面。この画面から写真を選択して、画面下部にあるサムネイルエリアに追加すると、初めて RAW 現像ができる。ファイルブラウザの使い方は Windows のエクスプローラと基本は同じ。サムネイルエリアに追加した写真は、どこか特別なフォルダにコピーや移動されるわけではなく、写真の実体は元の場所にちゃんとある。サムネイルエリアはあくまでも、現像編集用に写真のサムネイルを集める場所だ。だから、元の写真がどのドライブのどのフォルダにあっても、ここに一括してサムネイルを集めておくことができ、RAW 現像は元のデータを改変することはないので、便利に安心して作業が進められる。



▼画面4 RAW データを拡大表示できる Photo Viewer

Darkroom のファイルブラウザでは、サムネイル表示が 「 大 」 と 「 小 」 の2つしか選べない。もう少し大きなサムネイルで閲覧したいと思うときは、ブラウザのサムネイルをダブルクリックして、Photo Viewer を起動する。このモードでは、ビューワーのサイズを自由に変えられるし、全画面表示もできる。



▼画面5 カメラからの画像取り込み

Darkroom には、デジタルカメラ専用の画像取り込み用のデバイスドライバは付属していないので、カメラをコンピュータに接続したら、自動で画像取り込みようのウインドウが起動するといったことはない。よって、カメラから画像を取り込む際には、Darkroom を起動して、ブラウザ画面でコンピュータにリムーバブルドライブとして認識されたカメラを選択してから、画像取り込み用のボタンをクリックすると、画像取り込み用のダイアログボックスが表示される。





 

 ここで少しメーカーに苦言を…。Darkroom の画像取り込みダイアログボックスはいただけません。シンプル・イズ・ザ・ベストを貫くのであれば、あんな画像取り込みのダイアログボックスは要りません。かろうじて存在を許容できそうなポイントは、取り込み時にファイル名を変更するオプションパラメータですが、ファイル名に自動的に付く連番の、その桁数や初期値が指定できないようなオプションなら、残念ながら要りません。現在の Darkroom では、「ファイル名-連番.拡張子」と、こういうファイル名になるわけですが、連番が 「 001〜999 」 といった桁数の揃った連番ではなく、 「 1〜999 」 になってしまうので、せっかくの連番も意味がないのです。なぜなら、 「 001〜999 」 のような連番でないと、画像ファイルを昇順で並べ替えたときに、「 1 」 の次に 「 2 」 ではなく 「 10 」 が来てしまうからです。

 自分でリムーバブルドライブを選ばなければならない方式で、しかも、使えない連番機能のオプションしかない画像取り込みダイアログボックスだとしたら、この機能が存在する意味がありません。 いっそのこと、こんな機能は外してもいいんじゃないでしょうか。カメラからの画像の取り込みは、Darkroom のファイルブラウザで、直接リムーバブルドライブとしてのカメラを開き、そのフォルダの中からコピーしたいフォルダにファイルをドラッグアンドドロップすればよいのですから。それよりも、ファイルブラザ上に複数のファイル名を設定どおりにリネームできるバッチ処理機能を追加して欲しいものです。

  少し苦言をが、かなり厳しい苦言になってしまいましたが、だからといって Darkroom が使えないソフトということではないので、勘違いしないでくださいね。それでは、名誉回復のために、次のセクションからは、Darkroom のいいところを紹介したいと思います。

 

 

■ Darkroom のユーザーインターフェース

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わかりやすい UI

 

 もう、そろそろ Darkroom の RAW 現像の実際をレポートして欲しいという読者の声が聞こえてきそうですが、それは次回に回して、もう少し Darkroom のユーザーインターフェース ( 以下、UI ) を紹介させてください。

  前のセクションでちょっと苦言を吐き過ぎたからというわけじゃないのですが、Darkroom の UI はとてもわかりやすくて好感が持てます。数ある RAW 現像ソフトの中でも、そのわかりやすさは群を抜いていると断言できますね。画面上に用意されている機能ボタンで、ほとんどすべての操作が完結するので、メニューバーにアクセスする必要はほとんどありません。各パネルの表示/非表示の操作も、迷わずにできました。

  これは、Darkroom 独自の UI というものがほとんどなく、よくある Windows アプリケーションの UI に準拠しているからでしょう。私は良くも悪くも、こうした多くの Windows アプリケーションが持つ UI のスタンダードは、ある程度は守るべきだと思っています。もちろん、新しいスタンダードを作るチャレンジも必要だとは思いますが、チャレンジが失敗して、ユーザーを混乱させているだけのソフトが多いのが現状です。その点、Darkroom は見た目の派手さはありませんが、ユーザーを混乱させることはほとんどありません。

  ただひとつ難を言えば、RAW 現像の最後の処理である他の画像形式への保存方法が、ちょっとわかりづらいという点でしょうか。メニューをじっくり探せば、「 あっ、エクスポートを使えばいいのか 」 とわかりますが、画面上では一切の説明がないので、初めての人はマニュアルを読まないとわかりにくいと思います。

  なぜ、こんな些細なことを取り上げるのかといいますと、世界に一枚しかない自分で撮った写真に手を加えて、それを保存するということは、かなり慎重にならざるを得ない行為だと思うからです。「 このまま保存したら、元の画像に上書きされるのかしら?」 なんて心配になることはありませんか? 私はコンピュータと付き合って四半世紀を超えていますが、やっぱり今でもこうした不安はいつも抱えています。新規ファイルを開いて何かを作成する他のアプリケーションソフトと違って、今手元にある写真に加工を加えて他のファイルを作るといった、画像編集ソフトウェアの場合は、その辺の心遣いが欲しいところです。( あらかじめバックアップを取っておけば、失敗しても問題ないですけどね )

 

 


動作が機敏

 

 Darkroom の大きな特徴のひとつでもあるのが、高速性です。一般的に画像編集ソフトというものは、扱うデータが大きいために、動作がどうしても遅くなりがちです。特に RAW 現像ソフトの場合は、扱うデータが巨大な RAW データですから、JPEG などの画像ビューワーソフトに比べてもその点が顕著になります。

  Darkroom の場合は、驚くほどというわけではありませんが、長時間使っていても、動作が鈍くなるという現象はおきませんでした。特にファイルブラウザにおいては、キャッシュファイルを作っているような動きは見受けられないのに、そこそこ素早い操作ができるのは嬉しいことです。キャッシュファイルを作るタイプのブラウザソフトは、キャッシュさえすれば確かに速くはなりますが、キャッシュ作成時の遅さには閉口してしまいますし、日常的にもキャッシュの書き換えが起きてしまいますから、トータルで見るとそれほど効果はないと思うのです。やはり、キャッシュ無しで高速に動作してくれるソフトは嬉しいものです。

 

 


 
▼画面6 プレビュー表示・ヒストグラム操作・パネル操作

プレビュー画面の基本的な操作は、とてもわかりやすい。ヒストグラムも、RGB 全チャンネル同時表示以外に、各チャンネルごとのヒストグラムを表示させることができる。画面右側にあるパネルは、移動こそできないものの、表示と非表示をボタンひとつで切り替えることができる。



▼画面7 ヒストグラム操作・EXIF 情報

ヒストグラムに表示されているデフォルトのカラースペースは sRGB だが、その他にも、Adobe RGB、Color Match RGB、ProPhoto RGB、Apple RGB、WideGamut RGB の5種類が表示できる。画像調整する際に、ヒストグラムはとても便利に使える機能だが、カラースペースの豊富さは嬉しい。

EXIF 情報の表示もボタンひとつで半透明ウインドウがポップアップしてくれる。半透明なので、背後の写真の視認性も、さほど阻害しないで済む。小さな要求ではあるが、この EXIF 情報のテキストをコピーできると嬉しい。



▼画面8 プレビューの比較表示

2つの異なる写真を同時に並べて表示する比較表示機能。ブランケット撮影など、同じカットで露出の異なる写真などが多数ある場合、この比較表示で比べて、最終出力する画像を選定する。比較表示モードに切り替えると、画面右側にあったパネルが自動的に非表示になる。



幅広い対応 OS とマシンスペック

 

 Darkroom の対応 OS は、Windows Vista はもちろん、XP Home/Professional、2000 にも対応しています。また、その軽さゆえか、低スペックのコンピュータでもそれなりに動作するのは驚きです。

 

 

■ 次回は画像調整機能を徹底紹介
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次回は Darkroom の核心に迫ります

 

 さて、前編の今回は、この辺で終わらせてもらいます。次回は、RAW 現像ソフトの核心部分である、現像機能を詳細に解説していきます。なんだか物足りないと感じる読者のために、画面9を用意しておきました。これは、Darkroom に搭載されている画像調整パネルの一覧です。詳しい人が見れば、どんなことができるのかがすぐにわかると思います。でも、実際にどんなことが、どんな感じでできるかを、次回じっくりと紹介していきますので、お楽しみに。

 

 

  後編をアップしました



 
▼画面9 画像の調整をする
ツールパネル一覧

Darkroom の画像調整パネルの一覧。詳細は次回に。




後編をアップしました!
 
 
初出:2007/06/06
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