●はじめに…
さて、いよいよ 「 壁紙作り Part 2 」 の始まりです。今週から約3回程度にわたって短期連載する予定でしたが、制作手順を作っていたら、「 こりゃあ、3回なんかじゃおわんねぇなぁ…。多分5回は行きそうだなぁ…。どうすんべ 」 と、またもや筆者の計画性のなさが露呈いたしまして、大変申し訳ないのですが、ちょっと 「 長めの短期連載 」 と、破綻した日本語を使うはめになりそうです。それでも、筆者としましては根気良く連載していく所存でございますので、読者の皆さんにおかれましても、気長にお付き合いのほど、宜しくお頼み申し上げ候ということで、それでは、はじまり!
まずは、Photoshop を起動してください。えっ? もう起動してますか。それじゃぁ、操作1の手順に従って、新規ファイルを作成してください。[ 新規 ] ファイル作成では、画像のサイズと解像度、カラーモードなどを指定します。ここでは作成する画像サイズを、「 1600 × 1200 pixel 」 と、少し大きめに設定しています。なんでこんなサイズなのかと言いますと、筆者のディスプレイの解像度が 「 1600 × 1200 pixel 」 だからです。そりゃ、これから壁紙を作るわけですから、自分が使っているディスプレイの解像度にするのがもっとも正しい行為なわけですね。 えっ? あなたのディスプレイは 「 1024 × 768 」 ですって? そんなの知りま…、いやいや、冗談です。たとえ 「 1024 × 768 」 でも、「 1280 × 960 」 だとしても、とりあえずは 「 1600 × 1200 pixel 」 で作っておいてください。これらのように、縦横比が同じ解像度であれば、完成した後でリサイズすればいいんですから。 えっ? 「 1280 × 768 」 ? 「 1920 × 1200 」…。そんなの知ったこっちゃ…、あっ、いえいえ、それはですねぇ……、自分でどうにかしてください。
●雲は [ 雲模様 ] フィルタで
さて、本題。用意した新規ファイルに、「 曇り空 」 を描いてみましょう。難しいことは何もありません。Photoshop の豊富なフィルタにある [ 雲模様 ] フィルタを使えば、誰もが簡単に雲を描くことができます。手順は、操作2の画面通りに進めればいいだけです。ちなみにこの [ 雲模様 ] フィルタは、実行するたびにランダムに違った模様を描いてくれます。気に入る模様が描けるまで何度も繰り返してみましょう。
[ 雲模様 ] フィルタには [ 雲模様 1 ] と [ 雲模様 2 ] の2種類があります。[ 雲模様 1 ] は、指定した描画色と背景色のふたつの色をランダムに変化させて、雲のような柄を生成します。[ 雲模様 1 ] フィルタを適用すると、選択されているレイヤー上の画像データは破棄され、雲模様に置き換えられます。この点が他のフィルタと異なるので注意が必要です。[ 雲模様 1 ] フィルタは、選択範囲のみに適用させることができます。
さて、曇り空ができたとはいえ、[ 雲模様 ] フィルタの適用結果だけでは、なんとも平面的で、リアルさの欠片もありません。そこで、もっとリアルな広がりのある曇り空に修正してみましょう。
[ 雲模様 1 ] フィルタを適用したレイヤーは、「 背景 」 レイヤーで、「 背景 」 レイヤーに対しては、変形や移動などのいくつかの編集機能が無効 ( ロックされている ) に設定されています。( レイヤーパレット参照 ) ここでは 「 背景 」 レイヤーに対して [ 変形 ] 機能を使いたいので、このロックを解除しなければなりません。方法は簡単。操作3-1の手順のように、「 背景 」 レイヤーをダブルクリックすればいいだけです。
編集できるようになった 「 背景 」 レイヤーを 「曇り空 」 レイヤーと名付けました。今度は、 「曇り空 」 レイヤーの画像を変形させて奥行き感を演出してみましょう。使う機能は [ 編集 ] メニューの [ 変形 ] にある [ 遠近法 ] コマンドです。ところで、 [ 変形 ] コマンドや [ 移動ツール ] を使うときに画像の周囲に四角い枠が表示されますが、この枠のことを、Photoshop ではバウンディングボックスと呼んでいます。バウンディングボックスの各頂点と四辺の中央にある □ のことを 「 ハンドル 」 と呼びます。まずはこの用語を覚えておいてください。
さて、[ 遠近法 ] コマンドは、数ある [ 変形 ] コマンドのひとつで、変形処理のときに画像の周囲に表示されるバウンディングボックスの、頂点のハンドルをドラッグして操作すると、操作する ハンドルに隣り合っている別のハンドルが、反対方向に自動的に同じ距離だけ移動します。たとえば右上にあるハンドルを右方向に水平にドラッグすると、左上にあるハンドルが左方向に同じだけ水平に移動します。また、同じ右上にあるハンドルを上方向に垂直にドラッグすると、右下にあるハンドルが下方向に同じだけ垂直に移動します。
[ 遠近法 ] コマンドでは、バウンディングボックスの四辺の中央にあるハンドルをドラッグすると、辺の長さを変えずに、水平、または垂直方向にのみ辺を移動できます。
海はどうやって作るのでしょうか? 簡単な話ですね。海は空を反転させて作ればいいんです。なぜなら、海には空が映っていますから、空を鏡に映したようにすればいいわけです。もちろん、まったく同じ画像を反転させただけではリアルではありません。いろいろ細かな修正を加えることで、より現実っぽい海にしたいと思います。
操作4-1の手順で、「 曇り空 」 レイヤーの複製を作りましょう。このとき、[ レイヤーを複製 ] ダイアログの [ 新規名称 ] に 「 海 」と入力することを忘れずに。レイヤーの名称はいつでも変更できますが、複製するときに名称を付ける習慣を身に付けておくと、レイヤーがたくさんになったときでも効率を落とすことなく作業を進めることができます。まっ、そういう筆者はよく名前を付け忘れてしまうんですけどね。
コピーしてできた 「 海 」 レイヤーは、[ 編集 ] メニューの [ 変形 ] → [ 垂直方向に反転 ] コマンドを使って、鏡に映したように反転させます。( 操作4-2 ) [ 編集 ] メニューの [ 変形 ] → [ 垂直方向に反転 ] コマンドとよく似たコマンドに、[ イメージ ] メニューの [ カンバスの回転 ] → [ カンバスを上下に反転 ] コマンドがあります。画像ファイルにレイヤーがひとつしかない場合は、どちらのコマンドの適用結果も同じになるので、Photoshop 初心者は戸惑ってしまうかもしれません。ふたつの機能の違いは、 [ 変形 ] → [ 垂直方向に反転 ] コマンドが、選択されているレイヤーにのみ適用されるのに対して、 [ カンバスの回転 ] → [ カンバスを上下に反転 ] コマンドは、カンバス、つまり、全レイヤーに対して反転が適用されるところです。また、 [ 変形 ] → [ 垂直方向に反転 ] コマンドは 「 背景 」レイヤーには適用できませんが、 [ カンバスの回転 ] → [ カンバスを上下に反転 ] コマンドは、カンバスそのものを回転させるので、「 背景 」 レイヤーにも適用されます。
[ 切り抜きツール ] ( 操作4-3 )は、画像の任意の部分を残して、四角にトリミング(切り抜く)するツールです。[ 切り抜きツール ] の詳細は Photoshop Tips & Manual でいずれ紹介するとして、ここでは画面には表示されていないけど存在している画像を削除するツールとしての使い方を紹介します。
操作3-2と操作3-3の手順で画像をウインドウ外にまで拡大変形させると、ウインドウでは表示しないが、ウインドウ枠の外に画像が存在することになります。この非表示の部分を意図して残す場合もありますが、ここでは後で使うこともない余計な部分なので、バッサリと削除しましょう。操作4-3のように、アクティブウインドウのウインドウ枠を、画像表示部分よりも少し大きくして、 [ 切り抜きツール ] で枠外から対角線上の枠外までドラッグして切り抜きます。こうすることで、画像サイズは変えずに、枠外にある不要な部分をトリミングできます。
もし、こうした切り抜き作業をせずに非表示の画像をそのままにしておくと、コンピュータのメモリを余計に使うことになり、作業効率が悪くなります。また、フィルタ処理などで、イメージした通りの結果が得られないこともあります。
[ 移動ツール ] ( 操作4-4 )は、レイヤーにある画像や文字などのオブジェクトを移動するツールですが、バウンディングボックスを表示させる ( 操作4-4の手順 25 ) ことにより、画像の縦横比を変化させたり、画像を拡大縮小させることができます。[ 移動ツール ] による変形は、[ 遠近法 ] コマンドや [ 自由な形に ] コマンドと違って、あくまでも長方形を維持した変形しかできません。よって、ここで行なっているような、横幅を変えずに縦幅だけを変えたいときなどの処理に適しています。
「 曇り空 」 レイヤーを複製することで作った 「 海 」 レイヤーですが、このままではまったくリアリティがないので、海らしくお化粧してあげましょう。海と言えば 「 青 」、というか空や海の青さは 「 碧 」 で表現する方がそれらしいですよね。まっ、そんな文学的な表現はどうでもいいんですけど、すでに存在している画像オブジェクトに後から着色するにはどうしたらいいのでしょうか。その方法が、このセクションのポイントです。
操作5-1の手順で、「 曇り空 」 レイヤーと 「 海 」 レイヤーの順番を入れ替えましょう。なぜって、その方が作業しやすいからですし、「 曇り空 」 レイヤーが 「 海 」 レイヤーの上にないと都合が悪いことがあるからです。? なぜかですか? まっ、作業を進めていけば、その理由もわかるはずです。ここでは面倒なので説明しません。(おいおい)
操作5-1の手順で、[ 描画色を設定 ] をクリックして [ カラーピッカー ] ダイアログボックスを表示させています。[ カラーパレット ] でも同様のことができますが、[ カラーピッカー ] の方が細かく設定できるので便利です。筆者は [ カラーパレット ] はほとんど使いません。[ カラーピッカー ] の詳細な使い方は Photoshop Tips & Manual でいずれ紹介するとして、(またかよ) ここでは [ RGB ] に数値を入力して色を決定する方法だけ紹介しておきます。数値入力による色の決定のときに注意しなければならないことは、操作5-1の手順 30 の c のように、[ Web セーフカラーのみに制限 ] のチェックを外しておくことです。ここにチェックが入っていると、Web セーフカラーから外れる色が選択できません。
操作5-2は、[ グラデーションエディタ ] を使って、グラデーションの詳細を設定する手順の紹介です。ここでは [ プリセット ] という、あらかじめ用意されたよく使うグラデーションを選んでいるだけですが、次回でオリジナルのグラデーションの作り方を紹介する予定です。
で、ここでは [ 描画色から透明に ] という [ プリセット ] を選択します。このグラデーションは、操作5-1で設定した描画色が徐々に透明になっていくグラデーションです。どのように描画されるのかは、操作5-3の手順を実際にやってみて確かめてください。このとき、必ず新規レイヤーを作成してから、そのレイヤーに描画するようにしてください。
操作5-3で描画したグラデーションは、そのままでは 「 海 」 レイヤーの画像の大部分を隠してしまいます。これではせっかく作った雲の映り込みが台無しなので、[ 描画モード ] の [ 乗算 ] を使ってグラデーションのレイヤーの下にある 「 海 」 レイヤーの画像を浮かび上がらせましょう。( 操作5-4 ) [ 描画モード ] の [ 乗算 ] の説明は、「 第 18 回 古い写真を修復 < 3 > 」 を参照してください。または、Photoshop Tips & Manual の 「 描画モード 」 にも詳しく紹介してあります。
[ 乗算 ] を使った着色の他にも、すでにある画像に後から着色する方法はあります。いずれ、 Photoshop Tips & Manual で紹介したいと思います。
今回の完成画像だと、まだまだリアリティが足りませんよね。そこで次回は、右の画像のように、海をより海らしく仕上げてみようと思います。ポイントは海の波紋と水平線の処理です。次回も [ グラデーション ] と [ 描画モード ] がキーになりそうですね。えっ? 次回も海と空で、女の子はまだ登場しないのか、ですか? まっ、お楽しみは後からっていうじゃないっすか。とにかく今は、背景画像で練習しておいてください。それでは次回まで、ごきげよう。